?×?×CrossOver Talk[14]自分の持っているスキルを最大限に活用してみる──InDesignの中間データの活用法
── 杏珠 ──

投稿:  著者:


デジクリ読者の皆さん、こんにちは。studio H.M代表のディレクター/デザイナーの杏珠(あんじゅ)です。
11月中旬になってめっきり寒くなってきましたね。「秋はいつ来たっけ?」と思うぐらい、あっという間に寒くなりましたが、いかがお過ごしでしょうか? 私は仕事もプライベートも、あっちにこっちに元気に動き回っています。

突然ですが、ここで皆さんに質問です。
InDesignを本業以外に使ったことってありますか?

・自分の使っている手帳のオリジナルフォーマット
・請求書、見積書
・プロジェクト管理表

これらを、プリントアウトをする前提でつくっていることが分かりました。以前からInDesignで培ってきたスキルを本業だけ、もしくはプリントアウトを前提としたものの制作だけにとどめるのはもったいないと思っていました。

色々な方向から検証して「自分の持っているスキルを最大限に活用してみよう」というテーマでお話をしてみようかと思います。みなさん、一緒に考えてみませんか?



●中間データとしてInDesignデータの活用法を考えてみる

「え? 紙媒体に使う以外に、なにか活用法ってあるの?」って考える方もいると思いますので、まずはInDesignデータの活用法として、どんな方法が有効なのかを考えてみたいと思います。使うメリットは2つあると思います。

1)グラフィカル、もしくは視覚的なデザインを画面で見たままアウトプットができること
2)複数ページになる媒体の制作・管理できること

この2つのメリットを生かした有効活用の方法をあげてみたいと思います。

1◎グラフィカル、もしくは視覚的なデザインを画面で見たままアウトプットができること

「WIRED」というiPad用デジタルマガジンのことをご存じでしょうか? 電子書籍に興味がある方は聞いたことがあると思いますが、このデジタルマガジン、実はInDesignCS5とAdobe Digital Publishing Suiteという、InDesignCS5用のプラグインとAdobeAIRアプリを使って制作されたものです。

まだベータ版(無料)ですが、Adobe Labsで配布されているAdobe Digital Publishing Suiteをインストールすれば、今すぐにWIREDのようなデジタルマガジンをInDesignをつかって制作することが可能です。

制作方法はここでは詳しく書きませんが、よく比較される電子書籍のePub形式とは違って、InDesignで制作したデータが各ページごとに一枚絵のような感じで書き出しされます。このAdobe Digital Publishing Suiteのすばらしい点は誌面デザインをするのに、今まで紙媒体で使用しているスキルや方法をそのまま活用できるということです。

先日「InDesignからiPadアプリの書き出しをやってみませんか?」と、とある社長さんから打診をいただいて実際に作って見たところ、制作時間は半日程度かかりましたが、プロトタイプができました。感動しました! その社長さんと、あーでもない、こーでもないと試行錯誤して、デジタルマガジンができあがった時の喜びは、今でも昨日のように思い出されます。社長さんにも喜んで頂けて、まさに二重の喜びでした。その工程は私のブログにてエントリしていますので、興味を持たれた方は見ていただければと思います。

WIRED Magazine
< http://itunes.apple.com/jp/app/id373903654
>
Adobe Labs - Adobe Digital Publishing Suite
< http://labs.adobe.com/technologies/digitalpublishing/
>
Design × Lifehack × CrossOver Lab - 【デラ研Topics】仕事が終わった時、握手できる関係はすばらしいのハナシ(iPad用アプリ書き出し動画あり)
< http://happy-montblanc.com/blog/?p=1834
>
Digital Publishingの道(アートディレクター・大里浩二さんのブログです)
< http://thinksneo.doorblog.jp/
>

2◎複数ページにまたがるものの制作・管理ができること

プレゼンなどで使用するスライドを作る場合、Illustratorでも作成は可能ですが、InDesignでは複数ページにまたがって制作・管理できるメリットがあります。動的なエフェクト(アニメーション等)をつける必要がなければ、KeynoteやPowerPointでなくとも、InDesignから作成したpdfで、十分活用できます。

そして、InDesignから書き出したflaデータを経由して、スライドをアニメーションにすることもできます。swfデータはブログなどに貼り付けることも可能です。ちなみに、今回ライトニングトーク用に作成したスライドをswfデータにしてブログに貼り付けてみました。

Design × Lifehack × CrossOver Lab - 【デラ研レポート】東京ライフハック研究会vol.3が終了しました。Ustream放送の裏側(前編)&LTについてのハナシ #tokyohack003 #tokyohack
< http://happy-montblanc.com/blog/?p=1856
>

●違ったフィールドで試したことをフィードバックして日々の仕事に活用する

今回のデジタルマガジンのような、直接本業ではないことをやると、自分の持っているスキルを磨くのと同時に、そのアウトプットの成果を、仕事にもフィードバックすることができます。

普段の仕事では使ったことのない新しい機能、スクリプトなどを使ってみて、その効用を試してみてはいかがでしょうか? 失敗しても仕事に影響することではないので、自己責任で色々試すことができます。そのフィードバックから、今やっている仕事に繋がることもあります。「この機能(もしくはプログラム)はイマイチ良くわからないし、めんどくさそう...」とトライしないのは、本当にもったいないと思うので、どんどんチャレンジしてみませんか?

●今持っているスキルを他のスキルに活用できないか考えてみる

今回はInDesignに係わるスキルを取り上げましたが、持っているスキルを、他のシチュエーションで使えないか考えてみてはいかがでしょうか? 「まったく違うベクトルで使えないか?」と考えることによって、意外な発見がありますよ。たとえば、私の持っているスキルに「元電気量販店の販売員」というものがあります。これを例にあげてみると...

接客業をしていたことで、人前で話すことはそんなに苦ではない。
→今(デザイン業)の仕事の営業をするときにあまり緊張しない

デザイン業とは全く関係ないところから派生したこのスキルですが、持っててよかったなぁと今ではしみじみ思います。

いかがでしたか? 自分の持っているスキルはムダになることはありません。そのスキルをどう生かしていくかは、自分自身で考え、色々な所で使ってみることで新しい発見につながります。自分磨きのためにも、いま自分が持っているスキルを有効利用してみませんか? きっと新しい自分が発見できてワクワクしますよ。

【あんじゅ】ask@happy-montblanc.com

東京都八王子市出身。
デザイン事務所「studio H.M」代表。エディトリアルを中心にデザイン業を営んでます。愛車のSKYWAVE250にPSPのマップラスナビをつけていろんな所に出没しています。相棒のMacBook ProとiPad、iPhoneをバックに詰め込んでどこでも仕事をするノマドワーカーでございます。大手コンビニエンスストアと某家電量販店でオーディオビジュアル機器(カーナビ、衛星放送機器、テレコ)の販売経験を持つ、妙な経歴の持ち主のディレクター/デザイナー。
「東京ライフハック研究会」「ePublishingPort」の運営スタッフをやっています。
『みんなが幸せになれることはないか?』をモットーに、日々自分が気になることを追求し、業種、仕事にとどまらず多方面で物事を追求し、答えを求めている天国思考な人物です。そして人と人、人と機械との素晴らしい信頼・相互関係が保てるような活動をしています。

今回のスライド作成のネタに関係しているのですが、私が運営スタッフとして参加している「東京ライフハック研究会」というコミュニティのイベントで、人生初のライトニングトークをやらせていただきました。スライドをInDesignで作成し、pdfに書き出しをして挑みました。ライトニングトークの初体験、実際にやってみて良かった点、次回のための反省点も分かって、とてもいい経験ができました。その様子をUstreamで録画したものもあるので、興味のある方はブログに遊びに来てみてください。

先日、Appleから発表になったMacBook Airですが、もう触った方はいますか? デジクリのライター陣の中でもいくつか記事が出てましたが、実際に実機を触ってみて、Airを購入して使っている自分の姿を妄想しまくっています。自分の手帳には、Airを買ったらどんなことをするか、どんなアプリを入れるか...さらなる妄想がふくらみっぱなしです。ああ、このまま購入してしまうのか?はたまた我慢するのか? 来月には結果が出ていると思います。もしAirを購入をしていたら、次回のデジクリのネタはMacBook Airネタになると思いますのでお楽しみに!(笑)

Design × Lifehack × CrossOver Lab:< http://happy-montblanc.com/blog/
>
studio H.M作品集:< http://happy-montblanc.com/portfolio/
>
Twitter:< http://twitter.com/powerangix
>
Facebook:< http://www.facebook.com/powerangix
>