[3129] 深夜1時台の妄想

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《今週は寝られない、帰れないの、久々の連徹になりそう》

■アナログステージ[63]
 空き時間を利用したマイ啓発タスク(後編)
 べちおサマンサ

■デジタルちゃいろ[01]
 深夜1時台の妄想
 browneyes

■電子書籍に前向きになろうと考える出版社[14]
 情報公開は何よりも大切なんだ
 沢辺 均



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■アナログステージ[63]
空き時間を利用したマイ啓発タスク(後編)

べちおサマンサ
< https://bn.dgcr.com/archives/20111011140300.html
>
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コンニチハ。澄み切った青空に、サンマの香りが漂っていそうな、秋本番。なにをやっても動きやすいし、なにを食べても美味しいですよね。ということで前回の続きです。初読のかたは、前回と合わせてお読みいただければ。
< https://bn.dgcr.com/archives/20110927140300.html
>

●後ろを振り返らずに即没頭できるアイテム

処理していたタスクをクローズさせ、次への準備に必要なメモリクリア。周りの目を気にしないで、ゲームで遊んだり、漫画を読んだりの気分転換は、普通の会社環境だと難しいかもしれません。そこで、風呂敷を広げてメモリクリアができないかたに、とっておきのアイテムがあります。

それは...! と、大げさに前置きしておきながら、実はたいしたことないのですが、パズルです。余計なことを考えず、短時間のうちに没頭できるアイテムが、パズルゲームだったりします。

周りを気にしないでメモリクリアできるかたは、本当に風呂敷を広げて、ジグソーパズルを始めるのも良いですが、WEBで転がっているナンクロや、テトリス、ぷよぷよのような落ちゲーをサクっとやってみたり、書店やコンビニで売っているクロスワードを解いてみたり、ルービックキューブや知恵の輪など、鞄に入れて持ち歩いでも、邪魔にならない玩具もまた有効。

ここで注意するのが、ゲームの場合は、ドラクエやファイナルファンタジーなどのRPG(ロールプレイングゲーム)は、メモリクリアどころか、本当に時間を忘れて遊んでしまうので避ける。アクション系のゲームも、やめるタイミングというか、「このステージをクリアするまで...」と、なかなか止めどきが難しいので、パッと始めて、サクッと終われる(やめることができる)パズルゲームが一番効率が良かったりする。

ワタクシ自身は、前回書いたように、Twitterでくだらないことを連投してみたり、ラボ(会社)に隠し置きしてあるギターを弾いて遊んだりしておりますが、机から離れたくない(離れるのが面倒)ときなどは、落ちゲーなどで簡単なメモリクリアをしたりします。

話しをタスクに戻します。いまの時代、マルチタスクで仕事を進行させるのが当たり前のようになってきておりますが、マルチタスクで同時にいろいろの仕事を進めるのと、シングルタスクで一本に集中して進めるとでは、効率がまったく違うと前回書きました。

マルチタスクを捨て、本当にシングルタスクで動くことは現状難しいかもしれません。複数マシンや、複数モニターに慣れてしまっているかたは、その利便性を覚えてしまっておりますし、手離すのが惜しい環境になってしまいますし、逆に効率を下げてしまうので、ハード的なシングルタスクは、個人に合わせた環境がベストだと思えます。

ハードばかりでなく、ブラウザを開いて、ひとつのタブはメーカ資料を開き、もうひとつタブでは技術仕様を開いているなど、何気ないところでも、マルチタスクに動いてしまっているケースが多いことに気がつくはずです。複数の懸案を抱えているかたは、メールや電話応答など、なかなか「それだけ」に集中することは難しい。

「シングルタスクで一点集中で仕事できりゃ、苦労はしないヨ」とボヤくかたもいらっしゃるかと思いますが、ワタクシもそうなので、よく分かります。しかし、時間の動かしかたひとつで、メリハリのある時間構成を作ることもできます。例えば、メーラーは通常閉じておき、1時間に1回だけ立ち上げてチェックする。緊急以外は、その場で返信するのではなく、決まった時間に纏めて返信するなど、細かいところからシングルタスクに移してみる。

自分なりの作業工程をしっかりと組み上げ、マルチタスクを少しずつ減らしていく。誰のためではなく、心と体にやさしい環境を自分に作ってあげましょう。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
FAプログラマであり、ナノテク業界の技術開発屋
< http://bachio.posterous.com/
> ←いっぱい更新しました
< http://twitter.com/bachiosamansa
> ←フォローしても役に立ちません
< http://gplus.to/bachio
> ←Google+ お気軽にドゾー。こっちはマジメ

○茶目さん、デジクリにようこそ!/Posterousにアップしたあと、BloggerにFeedする設定をしているのだが、メイン以外のもうひとつのPosterous(用途によって使い分けている)に画像をアップすると、その画像だけBloggerのほうでは原寸表示されてしまい、レイアウトが崩れてしまうので、それを嫌ってアップするたびに、Bloggerのほうで手打ちで修正していたのだが、とりあえず解決/今週は寝れない、帰れないの、久々の連徹になりそう。

○記憶に残っている2週間の出来事→横浜中華街の景徳鎮で四川料理満喫。なかでも麻婆豆腐は絶品! 一皿でビール10杯は飲めるし、白いご飯にかけて食べたら、何杯でもおかわりできそう。また機会をみて行くのです→その翌週に山下公園で開催されていたワールドフェスタへ。とにかくヒトが溢れかえっていて、前に歩くのも大変。写真を撮ろうにも、ヒトしか写らないので、写真は諦め、各国の美味しいものをモグモグしよう! とするも、どこも長蛇の列。諦める。

○第2回 ヒマ潰しあいほんあぷり展──今回ご紹介するのは、まったくもって意味が分からない&電池の消費を楽しむアプリです。とにかく、「なにコレ?」ってアプリと、前回の続きでコインゲームを1本。

・BBQ+
< http://bit.ly/pA79vK
> ←長いので短縮してます

──肉を買う、焼く、食べる! それだけ。それだけじゃないみたいですが、本当にそれだけ。お肉を焼いているときの音は、なかりジューシーなリアル音。目を閉じながら、Dolbyなヘッドホンを装着して、焼ける音を聞きながら、河原や海で友達とビールを飲んでいる姿を想像すれば、気分はバーベキュー! しかし、目を開けると「現実」を見てしまい、即削除してしまいそうなアプリだ。ちなみにオイラはお肉3回焼いたら飽きました。
◆べちお評価:★☆☆☆☆(食べるときの音もリアルにしてほしい)

・てきとうパパ
< http://bit.ly/pcIvpV
> ←長いので短縮してます

──Twitterのアカウントを入力すると、パパがテキトウなことをべらべら能書きたれるだけのアプリ。炭酸が抜けきったサイダーのようなBGMに、オイラのテキトウ魂が揺さぶられてしまったが、1回やったら即削除するのは間違いなさそうだ。有料版は、パパのテキトウジャンルが広がるようだが、購入する猛者はいるのだろうか。
◆べちお評価:★★☆☆☆(BGMのいい加減さで+1)

・Coin Kingdom
< http://bit.ly/pW9SIJ
> ←長いので短縮してます

──前回ご紹介したコインプッシャーもので、一番面白いアプリ。ほかのプッシャーものとは違い、無心で遊び続けてしまう中毒性がある。ルーレットで、7*9のビッグボーナスはまだ出せていないが、そんなのお構いなしに遊んでしまう魅力がある。ゲーム性は薄いが、純粋にコインゲームとして遊べるし、なにより、コイン消費をあまり気にすることなく連投できる爽快感と、ボーナス時にジャラジャラ降ってくるコインの量に、強い満足感を覚えることができる。いま無料サービス中のようなので、この機会にぜひ!
◆べちお評価:★★★★☆(コインゲーム本来の面白さが味わえる)

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■デジタルちゃいろ[01]
深夜1時台の妄想

browneyes
< https://bn.dgcr.com/archives/20111011140200.html
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こんにちは、ちゃいろ こと browneyesです。

Web系制作者としても、しゃしんか(否:写真家)としても邪道なまでにAppleへの愛が薄いワタクシですが、風邪でまる一日寝込んで目覚めてみれば、丁度4Sかはたまた5か、SBかはたまたauか、というキーノート開始の少し前。こういう時はお祭り気分でほいほい流れにのっかります。

ここ数年のお定まりの通りに、Twitterのタイムラインを拠点に現地情報を日本語で実況してくれるUstreamを聞きつつ、ふらりふらりと流れるリンクをクリックしたりしなかったりしていると、(その他媒体もリアルタイム〜後日談的にこぞって記事にはしているので既にご存じの方も多いと思いますが)

□アーッ! アップルストア銀座店のWebサイトに「iPhone 4S」の案内が!
 (ギズモード・ジャパン)
 < http://www.gizmodo.jp/2011/10/webiphone_4s.html
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この時点でまだまだキーノートのスピーチ開始1時間前。要はフライングリークを日本のApple直営店がしてしまったというお話なんですが、内容のびっくりもさることながら、記事タイトルの秀逸さに妙に感心しながら、銀座店サイトを実際眺めに行って「あら、まぁ!」なんて思いつつ、すかさずTwitter検索で「4S ginza」なんてキーワードを入れてみたら、日本語・英語にとどまらず、アラビア語、スペイン語、ハングル、その他判別のつかない各国語でそのリーク情報はすっかり話題になっておりました。

いえいえ、この記事はApple Japanやっちまったねー(ニヤニヤ)、が書きたい訳じゃなくて、ああいう場に出くわすと、多少は野次馬気分もあるものの仕事柄、現場のその時の状況を妄想してしまい、勝手ながらかなり心臓に悪い感じにもなるわけです。......が故に、速攻Twitter検索での伝播状況とかも併せて追っかけつつ、ほら直ったか、まだ直らないか、と老婆心でF5キーも何度も押してしまうわけです。

実のところは銀座だけではなく、その他の国内直営店数店舗でもフライング掲載が暫くあったらしいという話もあり、他店舗は比較的早めにフライング掲載コンテンツを取り下げられたのに(とある店舗は、銀座が渦中の最中に、台湾人のガジェット好きな男の子に教えてもらいましたが既に取り下げられていました)、銀座に限っては発覚して以降、記事にされ、ソーシャルネットワークで世界中に拡散していく中、やっと修正されたのがキーノート開始の25分前くらいだったので、コンテンツを下ろすのに随分時間がかかった感じですね。

その辺からも、店舗規模でウェブコンテンツの更新・修正の裁量権みたいなのに違いもあるのかしら、そもそも各国直営店のサイト運営はどうなってるのかしら、プロダクトの公開非公開の確認ルートは結構厳しそうよね、そういえばこういうイベントと全世界のサイトの連携って普段はどうやってるのかしら、とかとか様々な背景が気になってしまいます。

以前、とある職場で自社イベントを開催した際、動画の限定配信や配布資料のウェブ掲載など、当日の状況見つつ細々としたサイト上のチューニングなど行っているのを、別案件の作業をしながら横目で眺めていた日がありました。

無事、現場的にも社内作業的にも大きなトラブルもなく終了してましたが、イベントノウハウがないながらに行う自社イベントとしては決して小さくない規模ということもあり、プロジェクトへの関与有無問わず社内にいる人たちも一日中気にはしていたのですが、予想以上に社内からは現場の様子は見えず、現場の状況を最も伝えてくれたのは、スタッフと参加したお客さんたちが流すハッシュタグ入りの実況Tweetでした。

ワタシの具体的に知ってるイベント×ウェブ、ってその程度なんですけど、それだけでも充分に妄想は膨らませられるので、それが毎度毎度全世界が注目する天下のAppleだったらそりゃもう......ね。

自分目線からだと、イベント会場...は置いといて、直営店サイトの運営してる現場の人たちは、当のイベントの逐次情報や周辺情報──現地で開場した、とか、スピーチ始まった、とか、あのメディアでこんなコト言ってる、とかとか──なんて、一般人が見てるほど知る余裕はないんだろうなぁ、きっと。イベントによって、全世界単位でサイトの更新も左右されたりする割に。

逆に知り得たとしても、そもそもイベント見ながら目分量で担当者の一存でほいほい修正・更新出来るとも思えないし、実は数店舗で同じコトが起きてた、という状況からも、社内で公開指定時間は存在してて、そのあたりに対USなのか対国内なのかわかりませんが齟齬があって、現場は指示通りに更新して大騒ぎ、みたいな感じなのかしら。オーストラリア以外は夏時間終了まであと数週間ありそうだし、どこでどう間違ったんでしょうかね。

......なあんて散々妄想膨らませてみたけどApple本社の壮大なネタだった、とかだったらどうしよう......。

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単にキーノートで起きたことを通じて、ウェブの末端現場についての妄想が書きたかっただけなんですが、ここまで書いた丁度その頃、Jobs死去のニュースが世界中を駆け巡りはじめました。誰かが代わることの出来ない凄い人がまた一人、しかも短い生涯を閉じてしまったか、という、ここ2〜3年繰り返し感じることの多い残念さみたいなものをまた覚えています。

彼の死に伴って、元Appleの開発者の方がJobsが戻ってからの恐怖、もとい、畏怖政治へ180度方向転換するApple社内の様子などを綴っているブログ記事も拝見しましたが、Jobsほど本気で大真面目に遊んでいた人はないのかもしれませんね、人事や経営まるごと含め。彼は、彼が管理職従業員に「そのグループの独裁者になれ」と言ったとおり、Appleの見事な独裁者であり続けた希有な人だったんだと賞賛を込めて思います。全体をきっちり自分と同じ方向に向けさせられないと彼自身が納得できる製品なんて作ってけないですからね。

お悔やみ申しあげます。

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■今月のどこかの国の音楽

□Ashok - Gola Gola
 <
>

ニコニコ動画界隈で数年かけてじわじわと信者獲得してるニオイのする、印度のミュージカルシーンと言ったらやっぱこれでしょう。(大いに偏見ありです)

印度映画ではありますが、北印度はヒンディ語圏の所謂Bollywoodではありません。印度では言語によって映画産業も細分化されており、タミル映画(Kollywood)やマラヤラム映画(Mollywood)などなど。で、これはテルグ映画(Tollywood)、Ashokという2006年の映画のミュージカルシーンです。

踊ってるのはワタシの超ご贔屓のJr. NTRというテルグ映画のやや若手(これでもまだ30前)人気俳優です。

最近はもっとスレンダーでとてつもないイケメンで、更にもっと若い俳優も続々登場してますが、古典舞踊もしっかり身につけていてブレなし無理なしでキレキレダンスのイマドキのテルグ映画俳優と言ったら、この人を置いて他にいないと思ってます(というかワタシが単にデブ専という噂もありますが...)。

ワタシ、南亜細亜をはじめ中東やら何やらちょっと変わった国の土着寄りな音楽が大好物なので、毎回こんな感じでひっそりちゃっかりご紹介させてもらおうかと思ってます。

【browneyes】 dc@browneyes.in
日常スナップ撮り続けてます。
アパレル屋→本屋→キャスティング屋→ウェブ屋(←いまここ)しつつなんでも屋。
立ち寄り先一覧 < http://start.io/browneyes
>

本文中ご挨拶もなしで書き始めてしまいましたが、改めまして。はじめまして。ちゃいろことbrowneyesです。上述のとおり、これまでの人生自体がなんでも屋風味ですが、「あなたのお住まいインターネットの中でしょ?」とか言われてしまうコトもあるワタシが、その時その時出くわした何かについてポツポツと書かせていただくことになりました。よろしくお願いします。

週末、友人とやっている動画インタビュープロジェクトで、音声さん係としてガンマイク振り回してきました。純粋に楽しかったけど、オトの世界も突き詰めると奥が深いらしいです。腕だけじゃなくて背筋も筋肉痛になりました。こういう大人ならではな本気遊びがここ最近、オンラインで知り合った大きな子供たちと、ちょくちょくあって充実。ビバインターネッツです。

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■電子書籍に前向きになろうと考える出版社[14]
情報公開は何より大切なんだ

沢辺 均
< https://bn.dgcr.com/archives/20111011140100.html
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2011年ももう10月だ。デジクリの連載もあとちょっとで1年か?
でも、ネタにつまったぞ。しょうがないので、今二番目に時間をつかってる出版デジタル機構のことでも書いてみることにしよう。でも、まだまだ大きな方向性を出すところまでになってないから、コネタでご勘弁。

まず、出版デジタル機構ってなんだって話。前回も書いたはずだけど、ようは「すべての出版物のデジタル化をめざして」ってことを目標にして、これから作ろうという「株式会社」。そうだ、前回はこの「株式会社」に意味があるって書いたんだ。

で、この株式会社を出資してつくろうってことに合意したのが、インプレスホールディングス・勁草書房・講談社・光文社・集英社・小学館・新潮社・筑摩書房・東京大学出版会・東京電機大学出版局・版元ドットコム(代表:ポット出版・ほか6社)・文藝春秋・平凡社・有斐閣の出版社20社(50音順)。

版元ドットコムの「ほか6社」ってのは、語研、スタイルノート、青弓社、第三書館、太郎次郎社エディタス、トランスビュー。これって版元ドットコムの組合員社(有限責任事業組合なので組合員という表現。株主であったり役員会社でもある)

この出版デジタル機構の連絡会議長の植村八潮さん=東京電機大学出版局も、版元ドットコムの組合員社なので、参加した組合員社は合計8社ってことになる。つまり、システムを担当しているスタジオ・ポットSD(出版社ではないのだ)以外は、全組合員社が参加してることになる。

この出版デジタル機構の会議のなかで印象に残ったエピソード。
9月15日(木)15時に「設立のお知らせ」をメディアに送った。木曜15時にしたのは、平日の新聞に載って欲しいなって理由。その日のうちに取材ができれば翌日の朝刊にまにあうだろうって考えた。

この20社以外にも株式会社設立に参加するってところが何社かあって、でも役員会とかのスケジュールで15日発表には間に合わないよって報告もあり、翌週に延ばそうかって話も出たりした。

そのときに「自炊業者に質問状を送っている。電子書籍への取組みを進めるって意思表示も早くしたい」みたいな意見が出て、15日発表になった。この発言は、質問状を送った7社の1社の人。

このデジクリなんかで「自炊が読者に支持されているのは出版社の電子化への怠慢の結果でもある」みたいなことを書いてきたけど、基本的な認識は質問状を送った出版社も近いんだな、って思ったのだ。

ある種の「怠慢」という自認はある。でも、だけど自炊代行をこのままにしておけない、なのか、だから自炊代行をあれこれする前に電子化を進めようって判断の違い。ズレはホントに紙一重なんだな、って。だって、自炊代行への読者の支持は出版社の怠慢という言い続けているポット出版だって、同じ席に招き入れてるんだから。

さて、この出版デジタル機構はいまどんな進捗状況にあるのか?
先週、最後の連絡会を開いて、発起人会に改組。幹事会(講談社と小学館ね)をおいて、出版社への参加のお願いをすべく、分担して取組みましょうってのを始めることになった。

とはいえ、膨大な準備作業があるので、設立準備室をほぼ常駐体制でつくるところまできている。今週から、設立準備室は仮・仮事務所で毎日集合。11月には神保町に仮事務所をひらく準備も同時並行で進めてる。

あ、そうだ。出版界ってメディアであるくせに(メディアであるから?)情報公開が下手だね。「出版デジタル機構」ってググっても、出てくるのは新聞や、ネットニュースと、ポット出版と版元ドットコムのサイトばっかり。

いや講談社や小学館のサイトをキチッと見ているわけじゃないけど、あの「設立のお知らせ」は掲載されてないんじゃないかな? 出てるとしても、Googleでヒットしないもんね。報道されることには努力してるけど、まず自分で情報公開しなきゃいけないじゃないの? って思わずにはいられない。

これって出版界に限ったことじゃないかもしれないけどね。日本社会では、まだまだ情報公開の重要性が共有されていないじゃないか?

版元ドットコムって、最初は会員30数社で2000年に始めたのだけど、数年は会員社が増えなかった。現在171社だけど、増えたキッカケはアマゾンのおかげだと思っている。

版元ドットコムは書誌情報や本の在庫があるかどうかを、出版社自身で公開していこうって取組み。しかし、その当時、在庫情報を公開する意味って全然共感されなかった。同じ2000年にアマゾンが開業して、在庫があるかどうかわからない(システム化されていない)出版社の本には「在庫ありません」みたいな表示をしたわけ。

そんなふうに表示された出版社は怒った。倉庫に在庫がイッパイあるのに在庫がないと表示するのは何事か! って。ところがアマゾンは、ただ小売店としてウチには在庫がないと書いただけなんだと思う。そりゃヨドバシカメラに行ってMACBOOK Airありますか? って聞いたら、店員さんは「在庫がないんです」って言うでしょう(ホントになけりゃだけど)。アップルストアにはおいてあっても。

でも、ここんとこ誤解した出版社は多かった。そうこうするうちに、なんとか在庫なしって表示を在庫ありってことに直せないか? って思う出版社が増えた。版元ドットコムはもともと、そういう在庫情報とかをできるだけ公開して、書店の店頭で調べられるようにしよう、って目的だったから、当然アマゾンに在庫情報を送る方法を知っていたし、システムもつくってた。

そこで版元ドットコムへの関心が高まって、入会社がどんどん増えたってワケだ(まあ、ほかの理由で入会してくれた出版社もイッパイいるんで、あくまでひとつの要因ですけど)。

アマゾンが、これまでブラックボックスにおかれていた出版社の在庫情報を公開してくれたことが、在庫情報整備への(主に中小の)出版社の認識を変えてくれた。そのなかには著者の果たした役割も大きかった。著者ってアマゾンで順位とか在庫状況を見て、出版社に連絡してくる人も結構いるらしい。「オレの本は売り切れなのか? ならなんで増刷しない」とかね。

こうしたことがあって、情報公開は何より大切なんだってあらためて思い知らされた。ということで、まずは出版デジタル機構のウエブサイトを立ち上げた。つくってくれたはデジクリ読者ならよく知ってるんじゃないか? 深沢英次さん。彼にもこの出版デジタル機構への協力をしてもらってる。

ただし、つくったはつくってけど、情報はスカスカ。なによりも参加出版社の間での情報共有のためのメーリングリストづくりとか、優先してやってるところなんで。

【沢辺 均/ポット出版代表】twitterは @sawabekin
< http://www.pot.co.jp/
>(問合せフォームあります)

ポット出版(出版業)とスタジオ・ポット(デザイン/編集制作請負)をやってます。版元ドットコム(書籍データ発信の出版社団体)の一員。NPOげんきな図書館(公共図書館運営受託)に参加。おやじバンドでギター(年とってから始めた)。日本語書籍の全文検索一部表示のジャパニーズ・ブックダムが当面の目標。

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■編集後記(10/11)

・好天の3連休、荒川堤防上のサイクリングロードでは、かっこいいスポーツ車が連なってシャカシャカと走っている。圧倒的にドロップハンドルである。わたしの編集した大学サイクリングクラブの創部50周年記念誌に、あるOBからあろうことか、ドロップハンドルは身体に悪い、という過激な論文調テキストが寄せられた。サイクリングクラブの部員が乗るランドナーは、何の疑いもなくドロップハンドルである。現役・OBみんなから反発必至という文章を、わたしは喜んで掲載した。しかも5ページも使う優遇で。「前傾姿勢でドロップハンドルを握り、全身に力を漲らせて自転車を漕ぐという行為は、実は腰や背骨に異常なストレスを与える(骨の曲がり方と逆方向に曲げて、さらにトルクをかけるため)」「スポーツサイクルがほぼ初めての人にとって、ましてやそれが中高年ともなれば尚更、ドロップハンドルの自転車に乗り続けるというのは不健康的な行為になってしまう」「レースで空気抵抗を弱めようとする以外の目的で、ドロップハンドル車に乗る意味はない」といった主張だ。実際この人は、ドロップハンドルに乗り続けたせいで骨が変型しまったので警告するという。わたしはこの「ドロップハンドルは身体に悪い」説を全面的に支持する。では、どういう自転車で楽しめばいいのかは、つづく。(柴田)

・「Coin Kingdom」。やりはじめると止まらない。ルールはわからないものの、とにかく大量にコインを落とすと、大量にルーレットがまわり、大量にコインが落ちて来て、全然終わらない。現在封印中。/browneyesさん、ありがとうございます。銀座の時、同じく現場のことを考えましたわ。冷や汗でした。/電子書籍化、アプリ化して欲しいのは、宝塚「おとめ」。化粧顔と素顔、簡単なプロフィールが掲載されたデータブック。ハンディ版も売っているが、全組揃えるのも何なので、スマートフォンで持ち歩きたい。観劇していて、脇や群舞で目立つ人がいると、あれは誰なのか? という話になる。何期生で誰と同期なのか、など知りたくなる。2003年にはWindowsでしか見られないCD-ROM版が出たことあったんだって。/先週の続き。潜水艦バーがお休みなので、iPhoneで近くのバーを検索。ジャズバーがひっかかってきたので、電話して空いているか確認。ビルの9Fで、なんだか高そうだなぁなんて思いつつ入る。と、そこはジャズ「ライブ」バーであった。生演奏中。ジャズ音楽をBGMに飲むバーだと思っていたのでびびる。マスターは、演奏者の方を見るように椅子を並べてくれて、会話を楽しむつもりが、横一列でライブ鑑賞。あれ? しかし生音はいいな〜。ギターの人のTシャツがドアーズで、ドアーズをリクエストしてみたが却下された。ジャズアレンジでやってくれるのではと期待したのだが。ジャズは儲かりませんよ〜とおっしゃられていたわ。/帰宅してからバーのサイトを見たら、ほぼ毎日ライブが行われていることを知った。/もらってきたフリーペーパー、関西ジャズガイド「WAY OUT WEST」。ジャズ専門グラフィックデザイン事務所「JAZGRA」さんのイラストが表紙。「MdNデザイナーズファイル2011」にも掲載されているらしい。blogには「ジャズのデザイン塾みたいなのでも、はじめましょうかね」とあったよ。(hammer.mule)
< http://www.hankyubooks.com/t_kageki/kageki6.htm
>  おとめ
< http://allabout.co.jp/gm/gc/199866/
>  黒髪にします
< http://glover-jazz.com/
>  グラバー邸
< http://www.jazgra.com/
>  JAZGRA
< http://www.jazzyanen.com/
>  ジャズやねん関西 × WAY OUT WEST
< http://ameblo.jp/jazzyanen/entry-11024851563.html
>
バックナンバー大放出
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>  ドラムの人のblog
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