デジタルちゃいろ[04]教えるひと、教えさせるひと、教わるひと
── browneyes ──

投稿:  著者:


少し前にはてな匿名ダイアリーで、求職者支援制度のAndroid講座の講師経験者が、体験談や教える・教えられる人について思ったコトを綴っていて、軽く話題になってました。そして、それに触発されて同じく求職者支援制度の講座でWeb系の講師経験者も体験談を書いてました。

□基金訓練の講師
├< http://anond.hatelabo.jp/20111113010022
>
└< http://anond.hatelabo.jp/20111113030123
>

ちょうど10年くらい前かな、Windows OSで言ったら世間はほぼXPになってきてたけど大企業はまだまだ2000主流、みたいな時代。Webの講習ではありませんが、自治体主催のいわゆる「IT講習会」的なもので数年ほど不定期にお手伝いしたことがあります。市民または市職員向けの、どちらかというとOfficeの操作メインでしたけど。

ワタシは取りこぼしそうな人を察知して面倒見るのは好きだし得意でもあったけれど、人前で話すのは嫌いだったので、影武者気分でサブ講師をメインにやってました。

その当時と、現在の、しかもWebに特化した講座とを並列に並べても、もちろん時流的にまったくそぐわない面は大きいですが、とはいえ根っこはあんまり変わらないなぁ、なんて思ったり。なんだろう、どんぶりな共通点は講習会の主催が非営利っていうくらいなんですけどね。

共通する問題点、ひとつは教材周りの選定過程なのかな。これは入札に応札した民間業者に一任されちゃってるのか、受け入れ校によって結構なバラつきがあるみたいですね。

しかも、上述の匿名ダイアリーに投稿していた講師の方々も言及してましたが、ギリギリになって実際教える講師の人たちに「これでよろ!」的に学校側で決めた教材支給、そこから各講師が必要に応じて過不足補う、みたいな流れが出来上がってる。その流れ自体が色々問題孕んでて、大袈裟に言うと、講師の自発的な補いなしには講座が成り立たないコトが多い気がします。



実際ワタシが講習に関わってた約10年前も、ほぼ似たような流れではありました。ありましたが、その講習は、一定期間の中で、一講座4〜8回程度完結の短めスパンの講座を、受講生入れ替えで回していく内容。複数講座を数週間のズレを入れつつ並行してるものの、各講座の内容はループ。ステップアップで同じ受講生が次のレベルの講座ということはありますが、全員が次に進むという前提はなく、あくまで細かい講座単位で完結。

なので、教壇に立つメインの講師さん方も、ブツブツ言いながらも各講座初回の数日前に補助教材の自作をすれば暫く使い回せる内容ではありました。が、求職者支援制度の講習って、講座は細分化されてても同じ受講生で数ヶ月。...となると、補助教材の作成(これってもちろん、時間外だし無給)だけでも相当な負担になっちゃいますよね。

というか、そうなんですよ、そもそもの教材。市販本だったりガリ版刷りみたいな冊子だったり、その時々で違うのですが、当時も請負い元からの支給教材だけでやってるメイン講師ってほとんどいなかった気がします。年配の講師で一人くらいいたかな。でも、そういう方の講座は講師の(デキない人にとっては魔法のように映る)華美な実演デモばかりで、受講生の習熟度は今ひとつだったかも。教えた人にきちんと理解して欲しい、と思う熱心な講師ほど自作教材、丁寧に作ってましたね、しつこいようですがもちろん無給で。

請負い元的には乱暴に言うと、「講師たちが勝手に、もとい、自発的に補助教材作ってるだけだし、支給教材でやる以上のことなんて頼んでないぜ」ってなところなのかもしれませんが、講師のほぼ全員が補助教材なしに教えることができない教材ばかりってどうなんでしょうね。

補助教材中心にやるのが実情なら、いっそ、各学校、最低限「これとこれをこの期間に習得させる」的なカリキュラム渡して、講師の人がそれに合った教材見つけて事前に学校側に確認してもらう、とかでいいんじゃないかしら、きちんとそこにも対価支払って。なあんて、実に即して考えたらこれが妥当だと思うけど、今更そこに対価を支払う仕組みに変わることはないフローが出来上がっちゃってるんでしょうね、残念ながら。

あと気になるのは講座単位の受講生の技術レベルについて。実は最近、制作系の友人が最近までハローワークにお世話になりつつ求職してて、せっかくだから求職者支援制度で技術系の講習受けたいなぁ、なんて言ってたものの、すぐ一杯になっちゃってて諦めてました。

でも、蓋を開けてみると実際受講してる人の中には、講義についていくには知識が足りなすぎる人が混じっちゃってるケースもある。これは混じっちゃった人にとっても、定員から溢れちゃった人にとっても、時間も機会ももったいない。ハードル上げすぎるのはアレだけど、技術系の講習に関してはもうほんのちょっと受講生のレベル幅は狭められると、ちょっぴりみんなが幸せになれそう。このへんは特に、講座自体が営利の学校では、受講する側の人自体の目的意識や覚悟自体が大分異なる気がするので、あまり起きない問題かもしれませんね。

なんて書きながら、あまりにいい加減なコト書いてもなぁ...とネットをうろうろしてたところ、厚生労働省の労働組合が出してる提言に行きあたりました。提言自体が1月(と2月に第2段も発表してるみたいです)で、その後今年の10月にも求職者支援制度については若干の法改正がありましたが、上でつらつらと元講師視点で書いた問題点の他にも、地域格差や、お金目当て風な訓練校の参入など、中の人たち的にも色々な問題点は認識してるんですね。ただ、関係省庁の組合内で問題提起を頑張ってる人がいてくれても、実際の変化に繋がるにはまだまだ時間がかかっちゃうのかもしれませんね。

□2011年1月:求職者支援制度の創設に関する提言│全労働省労働組合オフィ
シャルサイト
└< http://www.zenrodo.com/teigen_kenkai/t02_koyouhousei/t02_1101_01.html
>

            +----+----+----+----+

■今回のどこかの国の音楽

□Sivaji: The boss "Balleilakka"
└<
>

日本でも以前は踊るマハラジャ、つい最近だとロボットで有名なラジニ・カーント主演の2007年のタミル映画Sivajiから。ここだけの話、ラジニの映画は正直好きなのあんまり少ないんですが、このミュージカルシーンは別腹。あと曲もね、曲って言うか歌詞って言うか、タミル語の語感がかなりクセになる一品。

印度映画フェチ、日本でも増加傾向なのか、Twitterなどで視覚化されたのかわかりませんが、実は結構な数がいるんだというコトは最近薄々わかってきましたが、そういえばクリエイター且つ印度映画フェチには出くわしたことないな。ハマらなくてもいいから、特にビジュアルに関わるお仕事の人は印度の映像系のビジュアルに触れるの大ありだと思いますよ。

あとワタシは映像についてはまるで無知ですが、カメラワークとかも「ほほぅ?」って部分があるとかないとか。...っていうかなんでもいいからみんなハマればいいよ!

これも後半ちょっと首を捻るシュールな腹踊り的演出がアレなんですけど、とにかく映像とか色使いとかホントにキレイです。

【browneyes】 dc@browneyes.in
日常スナップ撮り続けてます。

アパレル屋→本屋→キャスティング屋→ウェブ屋(←いまここ)しつつなんで
も屋。
立ち寄り先一覧 < http://start.io/browneyes
>

ひと頃タケノコのように出来ていた、サイトの任意の箇所を見た目そのままにウェブ上で保存していくサービス。文字情報よりビジュアルメインで、気になってるものを纏めておくのはアレ系が一番重宝するのですが、短命で消えて行くのが多くて、どこかにじっくりアーカイブもままならない。最近は新しいサービスも見かけずにもはや諦めかけてたのですが、また新たなのが出来たので試してみてます。オサレだし使い勝手もかなりシンプル。息長く頑張って欲しいです。

□Clipboard
└< http://www.clipboard.com/
>