装飾山イバラ道[90]ゼルダの伝説 スカイウォードソードをクリアした
── 武田瑛夢 ──

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あけましておめでとうございます。今年の私は「日本と共にがんばろう」がテーマです。

2011年の11月に発売されたWii用の「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」を、とうとうクリスマス前にクリアに成功! 結局一ヶ月程かかってしまったけれど、とても濃密な時間を過ごすことができた。今回の記事にはかなり多くのネタバレを含むので、未プレイの方は注意して下さい。

・ゼルダの伝説 スカイウォードソード
< http://www.nintendo.co.jp/wii/souj/
>

●ゲームの問題が明らかに

このゲームは発売後に「勇者の詩」を順番に入手していくシーンで、先に進めなくなるケースがあるという問題が明らかになった。私たちはトラブルの噂だけを聞いていても、どんな問題なのか確かめもせずに進んでしまった。運良くそのまま継続できたけれど、次回からは何かあったらすぐにニンテンドーのサイトを確かめようと思った。

後になってトラブルの詳細を読んだら、先に進めなくなった人はメモリカードを送って修復する必要があって、もし自分がそうなっていたらかなりショックだったと思うからだ。

既に現在はWiiショッピングチャンネルに「データ修復チャンネル」が用意され、ネットにつながっている人はテレビ画面上で問題を修復することができるようになったようだ。

何時間もかけて進んだゲームのデータは、それぞれやり残し方にも個性が出ているので、サラの状態からまた始めるなんて気力的に無理に等しい。なんとか自分の歩いた履歴を保って修復したいものだと思うので、ニンテンドーでも対応を急いだのだろう。



●時間を超えて深まるストーリー

そして今回のゼルダのゲーム自体の感想は、私はとても良かったと思う。今までも時間を飛び越えるようなストーリーはあったけれど、登場人物が長い時間の中で力を合わせて戦い、つながりが強まる感じが良かった。

過去に戻ったりする話だとこんがらがりやすいけれど、わかりやすくまとまっていたし、なんとなく見えたものが実は重要なものだったと、後で気づいたりする仕掛けも程よいと思う。

私のゼルダ歴は、前回のWii版「トワイライトプリンセス」が初めてでクリアし、その後にWiiのバーチャルコンソールで「時のオカリナ」を購入して行き詰まって挫折中だ。確か相撲のような場面で大きなボスと戦っていたあたりで倒せなかったのが最後。

その後、リンクのシューティングゲームっぽいものをやったぐらいだ。だからゼルダの25年の歴史のほんの少ししか知らないけれど、今回のゼルダは素晴らしい出来で、この歳でもしっかり熱中できた。

「スカイウォードソード」はタイトルに「剣」とつけられているように、剣のエピソードを中心に進んで行く。剣さばきの技を磨いて戦っていくだけでなく、剣と共に自分の心を鍛錬するのがテーマだ。

そして、自分を支えてくれる者たちとの関わりあいがまたいい。剣に宿る精霊など、導いてくれる者の存在を大切に取り扱っているストーリーなのが、このゲームの最大の魅力だと思う。ラストシーンではうるうるしてしまった。泣かせるのう。

●画面変化の多様さ

ゲームのステージは火の世界や砂漠、森といったバリエーションに富んでいる。そして、それぞれの陸海空のみならず「時空」も加わるので、画面がとっても忙しい。時空って何だっけ? という気がしないでもないけれど、とにかく時空を超えたり操ったりできる楽しさがある。特に砂漠の一部が海になる「砂海」のシーンでは、リアルタイムに切り替わる画面が美しかった。現在は砂漠だけれど過去には海だった場所だ。

見渡す限りの砂漠を、時空石というその周囲だけ過去に戻る石を船に乗せて進むと、船の周りだけがみるみる色鮮やかな海になり、リアルな水音と共に海を渡っていけるのだ。そんな夢のようなことが、ゲームの中だけでも自分の手先の操作と連動していくのは本当に気持ちがいい。

同じ場所の時代や設定を変えることで、まったく違うミッションに挑ませるのはとても効率的だと思う。プレイヤーも場所の特徴を覚えるので、より難易度の高い試練にも耐えられるようになっていく。蓄積が活かされて満足度が上がって行く感じは、このような長いゲームでは大事なポイントかもしれない。

●ふたりでゲームをする場合

今回の「スカイウォードソード」の難易度はそれほど高くはないと思う。ただ、何を苦手とするかで費やす時間は大きく変わりそうだ。私たち夫婦は結局最後まで「虫取り」に手こずってしまって、アイテムを一つ取り損なった状態でゲームをクリアしてしまった。

虫取りとは、虫取りアミを振って蝶やカマキリを捕るもので、コントローラーの繊細な傾きで逃げられてしまったり、近寄りすぎてうっかり虫を踏みつぶしてしまったりする。指定された10種類の虫を、3分以内で全部取り切らなければいけないシーンもある。

その後にセーブデータから時間をかけてプレイし直して達成できたけれど、かなり厳しい設定で最初は途方に暮れた(ちなみに私の「虫取り」の記録は2分40秒)。もう一度やりなおしてもできる自信はない。

うちでは夫婦で交互に戦って技を磨きながら、どちらかが得意な場面を任せて敵を倒していくという戦闘パターンだった。それぞれが上達するためには倍の時間がかかるということだ。

今回も敵を戦うためには、技の力と勇気と知力が必要だった。剣で相手を切り倒すのは私が得意だ。力と勇気は私が担当して知力はだんなさんに任せた。鍵合わせのパズルゲームのような要素はけっこう難しくて、だんなさんに全部丸投げした。

さすがのラスボス(一番最後の敵)は、私もなかなか倒せなくて「今日はもう倒せる気がしない」と先送りしてしまって、何日か経っていた。結局、私がコントローラーを持って戦っている時に、ラスボスを倒してしまったのが一回目のクリアだった。

だんなさんの立場がないようだけれど、だんなさんも実はあともう一撃で倒せるところまではいっていたことがわかった。その悔しがりようは言うまでもない。「あ〜、直前までは行ってたのにぃ〜」。結局は、完全に倒さない限りどのタイミングがトドメなのかわからないので、最初に倒したもん勝ちなのである(笑)。

ゲームの進行には関係ないけれど、すべてのアイテムを穫り終えての完全クリアはまだだ。だんなさんがラスボスを倒すことができたら、晴れて今回のゼルダを終えることができるんだよと伝えた。

何人かでゲームをする良さは、同じ道を通っても興味が違うせいか覚えていることが違うので、自分には思いもよらない方法がみつかること。遠回りも多いけれど、可能性という面では何でも試した方がいいのがゼルダなので、違う考えがあるのはとっても助かる。ゲームのプレイヤー同士の助け合いは大事だ。

最近流行っているゲームでも昔からのものでも、ゲームの基本は同じなのかもしれない。今回のゲームのスタッフには、こんなに素敵なゲームをありがとうと言いたい。また次のゼルダが出るまで、脳も体力も鍛えておかねばと思う。

【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/
>

お正月のおせち料理に安納芋で作った栗きんとんを手作りした。安納芋を「石焼きいも黒ホイル」で甘く焼き、皮を剥いてきんとんのベースにする。栗の甘露煮を入れて混ぜて完成。水あめも用意したけれど、入れなくてもすごく甘くて、色もきれいな黄金色になってとても簡単だった。次回からもこれでいこう。