グラフィック薄氷大魔王[294]タッチとワイヤレス! intuos5レビュー
── 吉井 宏 ──

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●intuos5レビュー

WACOM intuos5のMサイズをしばらく試させてもらってます。目玉となる新機能はマルチタッチとワイヤレス対応。ペンタブレットとしての基本的な性能はintuos4と同等、ペンはモデルチェンジなしで互換性があります。
< http://intuos.jp/
>

・マルチタッチ

以前に新Bambooですげー! と言ってたとおりです。マルチタッチ操作でマウスやトラックパッド要らず。MacBook Proで使うのにピッタリなので新Bambooは大小両方のモデルを買い込んで気に入って使ってました。

< https://bn.dgcr.com/archives/20111102140100.html
>

5本指まで使えるフル仕様マルチタッチ。Magic Trackpadとほぼ同等の操作が可能です。新しいドライバはOSX LionのLounch PadやMission Controlにも標準で対応してます。

ドライバの設定で、キーボードショートカット等をタッチ操作に割り当てることもできます。なお、タッチのオンオフはタブレット上のファンクションボタン一発。タッチなしモデルもあります。

・ワイヤレス

Bambooと同じ別売りの「ワイヤレスキット」を組み込まないと使えないので、デスクトップで据え置きで使う場合は無視でいいです(ワイヤレスキットを同梱したセットもあるようです)。

ワイヤレスで使いたい場面は、ノートパソコンで軽めの作業をしたいときや、外に持ち出して使うときでしょうね。プレゼンのときも便利。以前セミナーで、Bluetooth Favoを使ってスクリーンを見ながら絵を描いたりとかしましたけど、身軽でよかったです。

USBケーブルのウザさがなくなるのはかなり快適です。Mサイズはバッテリー8時間なのでけっこう余裕。僕はBamboo用に3つワイヤレスキットを3つ買ってあるので、バッテリー3個がスタンバイしてます。

intuos5のマルチタッチとワイヤレス。まあ、おまけ機能というかオプションみたいなもんですから、ほとんどの場合intuos4からは絶対買い換えおすすめ!ってことはないと思う。無線とタッチがあって便利になりそう! って人は試す価値アリってとこかな。

・その他

描画面以外は黒のラバーコーティングがされていて、手触りはいいです。ただ、くっついたホコリは目立ちますね。ファンクションボタンはほぼ平面上にありますが、ほんの少し凹んでます。ラバーの下にメカニカルスイッチです。タブレット表面をなるべく平滑にするためだそうです。ホイールはintuos4と同等。

ファンクションボタンは「エクスプレスビュー」という新機能で、手をボタン群の上に置くと、パソコン画面にボタン群のどこを手で触れてるか見えるようになってます。そのへんユーザーの意見をかなり取り入れてるようですよ。まあ、僕はボタン使わないんで関係ないですけど。

僕的にはMagic Trackpadでやってることを、ペンタブで置き換えしたいのですが、普段タブレットにカッティングマットを敷いて使ってるので、そのままではタッチは使えない。そのままむき出しで使うと「黒板を爪で引っ掻くような不快な感触」なんですよ僕的に。よくみんなむき出しでタブレット使えるな〜と不思議なほど。

で、紙や薄いプラスチック下敷き程度なら透過するので、タッチは使えます。あまり厚いと感度は悪くなりますけど、クリアファイル程度ならぜんぜん普通に使えます。好みの素材を探すといいと思います。以前のモデルとちがって描画面が本体と一体化してるので、描画面がキズつくのを防ぐ意味でも何か敷くといいと思います。




●カッティングマットについて

ところで、「ペンタブにカッティングマット敷いてます」って普通に言ってますけど、カッティングマットにもいろいろありまして、ぜんぜんダメなのも多いです。っていうか、極端に言えば「ほとんどのカッティングマットはタブレットに敷くには向いてない!」です。

僕が普通にカッティングマットと言ってる場合、「ライオン事務器の厚さ3mmのカッティングマットの裏の黒いところ」のことです。表もいいんだけど、どちらかというと裏のほうが好き。

普通に文房具店で売ってる他社のカッティングマットは、ツルツルだったり摩擦が大きすぎたり、プリントされたグリッドにペンがひっかかったり、滑ったりします。

そこらへん、伊東屋や東急ハンズあたりで買えるカッティングマットは全部試しました。ダイソーのデスクマットは一部で評判いいみたいですけど、単に厚手のビニールなので僕は好みじゃないです。

●新しいiPad

やはり20インチiPadは出なかったかw 雑誌や作品集の電子本を見たり、絵を描いたりするのにほしいんだけど。

レティーナディスプレイで超高精細。ピクセル数で言えばMacBook Pro17インチより大きい2048x1536pixelの画面。Air Displayしたとき、サブ画面のほうが大きいってことに。雑誌見開きでも文字がボケずにちゃんと読めるのはとてもイイ。

5メガピクセルのカメラ。iPadとiPod touchのカメラが今まで解像度低すぎだったので、ようやくマトモなカメラとして使えるようになった。もちろん、スキャナアプリで使うときにも重要だし。

iPadからテレビへ画面をAirPlay、この場合にApple TVが必要なのね。これ普通にプレゼンテーションとかにも使えるね。

そういえば新iPad、128GBにならなかったな。ここらへんはもう、それぞれクラウドにでも置いてねってことなんだろうな。容量アップするとiCloudのサーバーも増やさなきゃいけないし。

iPad、こんなに実用っぽくなってきてるのに、現状では特殊な周辺機器込みでないと画面に満足に線が描けないなんて、もったいなさすぎる。頼むからワコムのユニットを採用してくれ〜〜。

筆圧はなくてもいいけど、せめてサインペンの先から線が出るくらいの精度がないと絵を描くのはキツい。Jotペンでもダメ。だってシャープペンとかボールペンとかで描くとき、コンマ5mmずれてたらめちゃくちゃ描きにくいじゃん。

それが現状のiPadとゴム球ペンでは、5mm以下の精度がわからない。10倍だよ!指で描く場合は精度1センチくらいにもなってしまう。

10インチっていう画面サイズも関係してるんですけどね。画面が小さいほど精度を求めてしまうから。20インチあれば5mmくらいの甘さは気にならないかもしれない。

iPhotoがアプリとして登場。iOSの「写真アプリ」ってiPhotoじゃなかったんだって初めて気づいた。そりゃ必要でしょう。しかし、MacのiPhotoのライブラリをちゃんと整理しないとね。

あと、GarageBandがピアノロール編集できるようになってる〜〜〜!!!

しかし、40代後半になると、iPadでさえ画面で文字を読むのがかなりツライってのは30代諸君には想像もつかないであろう! 僕みたいな近眼の諸君はメガネはずせばほぼ解決だが、裸眼の諸君は「Raw Gun Kyo」が必携になるのであ〜〜る。

とりあえず急いで購入するつもりはないです。レティーナディスプレイを間近で見てガマンできるかどうかですね。

●MOEBIUS

メビウス(ジャン・ジロー)が亡くなった。30数年前にSFマガジンに野田昌宏氏が連載で紹介してて知った。小さな図版だったけど、野田氏の語り口もあってこりゃもうすごいコミック作家がいる! とびっくりした。で、数年後に洋書屋の人に頼んで、ヘビーメタル誌バックナンバー全巻取り寄せしようと思ったけど失敗。

88年に初めてパリに行ったとき、とにかくコミックショップへ行くってのが僕のテーマで、スーツケースにぱんぱんにメビウスなどバンドデシネを詰め込んで重量オーバーになったほど。

その時買ってきたものも含めて数年前ほとんど古書店に売っちゃったり自炊しちゃったけど、「アルザック」の一冊だけそのまま残してある。
< http://twitpic.com/8ueswq
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つい先日ラルフ・マッカリーが亡くなったばかり。スターログ世代のスターがどんどん......。ところで、Wikipediaで初めて知った。メビウスの長女の名前は「ナウシカ」!!
< http://goo.gl/jAsz9
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【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
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最近Googleって毎日絵を変えてんの? せいぜい一か月に一回くらいにしておかないと、ベーシックなところが崩れる。ウケてるからってやりすぎはダメ。忘れた頃にイラストバージョンが出るからいいのになあ。

●iPhone/iPadアプリ「REAL STEELPAN」ver.2.0がリリースされました。
「長押しロール」のオン・オフ切り替えスイッチを追加しました。
「オフ」ではレスポンスが速くなるので、素早い演奏が可能になりました。
REAL STEELPAN < http://bit.ly/9aC0XV
>

●「ヤンス!ガンス!」DVD発売中
amazonのDVD詳細 < http://amzn.to/bsTAcb
>