グラフィック薄氷大魔王[297]Photoshop CS6ベータを入れてみた
── 吉井 宏 ──

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2か月間試用できるPhotoshop CS6のベータ版を入れてみた。僕はまだCS4を使ってますが、サブスクリプションに申し込むかどうかが、このPsCS6の出来如何にかかってるのです。ランダムに書いてみます。

(以下すべての項目の頭に「すでにCS5で搭載済みだったかどうか知らないけど」があるものとしてください〜。)

「ユーザーインターフェイス」......起動すると、黒っぽいインターフェイスにアプリケーションフレームがデフォルトで面食らうけど、これは設定で変更可です。

「ブラシカーソル問題」......さっそくブラシの検証。僕的焦点「ブラシカーソルが抜いた瞬間に一瞬矢印カーソルになって踊り狂う問題」は解消してます!やった! これで安心してCS4から移行できる。

僕以外に「ブラシカーソル踊り狂い問題」って気にしてる人ほとんどいないようだったけど、Photoshopでシャカシャカとスケッチする上では大問題なのでした。ここが直ってれば他の新機能とか実はどうでもいいです。

PhotoshopCS5が出てカーソル問題が判明して以降の2年間、Photoshopの代わりにスケッチに使えるソフトをどうしようって問題が、頭にずうっと鎮座してたのが消えた。Painter復活もSketchBook Pro復活も白紙ってことで。




「高速化された描画」......液タブを繋いだMBA11インチにPhotoshopCS6を入れて描いてみた。「描画速度が高速化」だそうですが、実感。従来、液タブでのCS4のブラシは反応が遅くて、抜いたストロークが空中で引きずられることがあったけど、CS6ではきれいに抜ける。確かに高速化してる。

「傾き対応ブラシ」......ペンタブでペンの傾きに対応したブラシが入ってます。Painterぽいペンの傾き表示まである。
< http://twitpic.com/8zxy94
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「ブラシやその他の詳細情報」......option+controlでブラシサイズを変更するとき、硬さと不透明度の情報がそばに出るのはありがたい。他の様々なツールでもそばに情報が表示されるようになってるようです。

「切り抜きガイド」......切り抜きのときに、グリッドや三分割などガイドが出るのは便利!
< http://twitpic.com/8zzusj
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「自由自在ズーム」......command+スペースバーを押したままドラッグすると、3Dソフトのズームのように無段階でリアルタイムに拡大縮小表示できる! 何がいいかというと、拡大縮小ズームが面倒でなくなるのだ! 画面上の小さい部分を描くために、大きいタブレットを使うほうがいいってのがなくなる。拡大して描けばいいので。また、部分を作業していて一瞬だけ全体を見渡したいときにも便利!

「ゆがみフィルタ」......えらい単純になったな。と思ったら詳細モードもあるのか。ゆがみブラシサイズがショートカットで調整可能になったのはいいな。

「自動保存」......環境設定に「復元情報を次の間隔で自動保存」ってのがあるぞ。10分とか30分とか選べる。自動保存5分にして、5分たったら強制終了かけてみた。Photoshopを起動しなおすと、保存してない作業も含めて復元されました。こりゃなかなか強力!!

「3D機能」......ローポリOBJを読み込んでみた。信じられん! これPhotoshopの中だぞ! グリグリ動かせるし、ライトの方向もこんなハンドルが出てやりやすい。
< http://twitpic.com/8zzcdj
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< http://twitpic.com/8zzeov
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プロジェクションペイントもできる。これは、3Dテクスチャペイントできないソフトを使ってる人にはかなり強力なんじゃないか? でも、UV展開は他のソフトでしなきゃならないし、どうしてもPhotoshopのブラシが使いたい場合くらい。
< http://twitpic.com/8zzfzt
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Photoshop内では、ペイントとレンダリングはできますけどモデリングはできないです。インテリアデザインとかで、3Dオブジェクトを作って部屋に配置してレンダリング、って用途には使えると思います。

っていうか、今回ちょっと進化しただけで、3D機能自体はずいぶん前から搭載されてました。テクスチャペイントも以前からできました。Photoshopの3D機能ってたぶんかなり3Dの経験がある人しか使えないし、そういう人は専用ソフト使ってるはずだし。機能的にはすごいけど、立ち位置がよくわからない機能ってとこか。

残念な点その1:「カラーピッカー」......やはりペイントに使えるカラーピッカーはつかなかったか。control+option+command+クリックで出るHUDカラーピッカーは前バージョンのまま、色相と明度+彩度を同時に選べない不思議仕様はそのままみたい。さらにスペースバーを押すことで、選んでいる途中で色の固定はできるようだけど、4個もキーを同時に押せるかい! そんなややこしいことじゃなく、ショートカットを押してる間、出たままにしておければいいのに〜。

ver.7でブラシがまともになった時点で、ちゃんとしたカラーピッカーをつけるべきだったのに、何やってるんだろう? 標準のが使いやすいと思ってる人なんて一人もいないと思うのだが。幅5mmの明度色相の帯とスライダ3本で素早くちゃんと色を選べるわけない。それが嫌なら本格カラーピッカーをわざわざ出さないといけない。せめてOSXやWindows標準のカラーピッカーを出しっ放しにできるといいのに。

とりあえず、PhotoshopにPainter風のカラーピッカーを追加する「Painters Wheel」はCS5用がCS6でも使えるので助かる。
< http://goo.gl/H2oQU
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残念な点その2:「タブのサムネール」......今回もやはり、開いた画像のタブにサムネールはつかない。タブは作業がコンパクトにできるから便利なのに、開いてる画像をExpoeやMission Controlで一覧できないのが不便。

......以上、僕的使用の範囲でのレポートでした。僕的には大満足です。で、新機能って何?

【吉井 宏/イラストレーター】
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OmniFocusは僕には厳しすぎるんで、復活させるつもりないです。Things Macはしばらくぶりに復活させましたが、まあなんとか使えてます。最近は「Things Mac+マルチスレッド方式」の穏やかな融合! ってのをやってますが、ようやく定着しつつあるところ。いつもいいかげんな試し記事みたいのしか書かないんで、もうちょっとしっかり定着したら書きますね。

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