[3241] 無縁社会を陰で支える人びと

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《わ〜、「落ちる」とか「すべる」とか言うな!》

■私症説[36]
 無縁社会を陰で支える人びと
 永吉克之

■ショート・ストーリーのKUNI[115]
 言うな
 ヤマシタクニコ

■4/14「まにまにフェスティバル」やっちゃうよー[03]
 見どころ紹介的なサムシング(その3)
 川合和史@コロ。




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■私症説[36]
無縁社会を陰で支える人びと

永吉克之
< https://bn.dgcr.com/archives/20120405140300.html
>
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毎回、ウケ狙い丸出しの薄っぺらなことしか書いていないので、今回は罪滅ぼしに、ちょっとだけ真面目なことを書いてみようと思うんですよ。

昔ながらの「向こう三軒両隣」的気風をごく一部にまだとどめているウチのマンション(築35年くらい)なんですけど、そんな気風を作り出していた世代の人びとが他界したり、高齢で外出もままならなくなってから《無縁》がすっかりコミュニティを浸食してしまったみたいなんです。

毎年3月になると、次年度のマンション各階の班長を決めることになってるんですけど、班長といっても、自治会からの連絡事項を印刷した書類を回覧板にはさんで、その班に属する住戸のドアノブに掛けるという子供でもできる仕事なんです。でもその係を決めるのにすら2日や3日では決まらないことがあって、ほんとにもういやんなっちゃうんです。

なんで僕がいやんなっちゃうのかというと、ウチのマンションは住戸が多いので、階ごとに4つの班に分かれていて、それら4班をまとめる、いわば総班長のような役を僕がしているからなんです(もちろん自ら進んでじゃなくて、ジャンケンで負けてイヤイヤ引き受けたんです)けど、それは後でお話しするとして、なかなか班長さんが決まらないのは、輪番になっているにもかかわらず、役が回ってきても引き受けるのを嫌がる人がいるからなんです。

いわく......
「高齢者の独り暮らしなので......」
「子供が小さいので......」
「帰宅が遅いので......」
「入居してきたばかりで事情がよくわからないので......」

たしかに独り暮らしの高齢者だからと言われると、強くはお願いできませんけど、子供が小さいというのはどうでしょうか。子供というのは、だいたい小さいものなんです。六尺五十貫もある子供がいたとしたら、それは象かなんかの子供でしょう。回覧板を回すだけだから子供の大小は関係ないと思うし、子供がいるということはご夫婦で住んでらっしゃる場合が多いわけだから、どちらかがすればいいと思うんです。

それと、火急の連絡を回覧板でするなんてことはあり得ないから、帰りが遅いというのもあんまり関係がなさそうです。書類を回覧板に挟むなんて3分もあればできることなのだから、翌日出勤する時にでも、隣の住戸のドアノブに掛けておけばすむんです。

                ■

そんな簡単な班長の仕事を、みなさんがここまで忌避しようとするのは、自分には直接関係のないことで責任を押し付けられるような気がするからなんでしょうが、もうひとつにはその先に待っている、総班長の役目を4分の1の確率で押し付けられる可能性を恐れているからだと思うんです。

総班長は、4人の新班長からジャンケン、あるいはクジ引きで泣く泣く選出されることになってるんです。僕も1年前にジャンケンで負けて総班長に仕立て上げられたから気持ちはよくわかるんです。これから1年間、自分の首にはめられることになった枷を思うと、そしてジャンケンに勝って「やったー!」と小躍りしている敵の晴れがましい顔を思い出すと、忌々しくてその日は5食しか食べられず、18時間しか眠れませんでした。

総班長の普段の仕事は、自分の班の班長の仕事に加えて、その階のすべての班長に、回覧用の印刷物を配ることで、ちっとも大変な仕事ではないんです。自治会の寄り合いに出席したり、草むしりや防災訓練などの活動に参加するように要請はされるんですけど義務じゃないから、しなくてもいいんですよ。その代わり人間関係がちょっと気まずくなりますけど。

総班長の試練はなんといっても年度末です。3月です。次年度の総班長を決めるために、各班の新班長を糾合してジャンケンをさせなければならないんですけど、みなさんが一堂に会する時間がなかなか見つからないうえに、この期に及んで、総班長の候補から外してくれろとゴネる人が出てくるのです。僕はいまのマンションに住むようになってから、2度総班長を務めたんですけど、2度とも感情的なしこりを残してしまいました。

いわく......
「商売をしているから......」
「引っ越しするかもしれないから......」
「忙しいから......」

「商売をしている」というのがなぜ辞退する理由になるのかよくわかりませんけど、「引っ越しする"かも"しれない」というのは巧い口実だと感心しました。「かも」だから、引っ越ししなくてもウソをついたことにはならないわけです。次回から僕も使おうと思います。

忙しいのは誰でも同じだからと説得して、辞退しようとする新班長をしぶしぶジャンケンに参加させたことがあるんですけど、以来その人と廊下で会う度に気まずい思いをするようになっちゃったんです。住人を連帯させるためにしていることが、逆に連帯感を損ねるという皮肉な結果を生んでるんですよ。

                ■

結局、多くの住人が思っていることは、回覧板を回したり、寄り合いに出て住人の意見を自治会に反映させるのは必要、草むしりでマンションの周辺がスッキリするのなら自治会活動もおおいに結構。でも自分がその役回りを務めるのはイヤだよということなんだと思うんですよ。

今はもうたいていの住人がケータイなりパソコンなり持ってるでしょうから、連絡事項は一斉にメールすりゃ回覧板なんていらないじゃないですか。あるいは自治会がmixiでコミュニティを立ち上げて、住人も参加して意見を出し合えばいいんですよ。

匿名にすれば、普段は隣近所と没交渉の人たちも参加してくれるでしょう。「自治会を爆破する」など、必要以上に忌憚のない意見も聞けるはずです。草むしりもバイトを雇えば、雇用の促進に貢献することができるんじゃないでしょうか。

早くそうなったらいいと思ってるんですよ。無縁化が確実かつ円滑に拡がり、住人は鉄のドアとコンクリートの壁の内側で「向こう三軒両隣」「困った時はおたがい様」「助けられたり助けたり」の脅威から身を守ることができるようになるんですから。誰の干渉も受けず、のびのびと孤独死ができる。そんな世の中が一日も早く実現することを願ってやみません。

【ながよしのかつゆき】thereisaship@yahoo.co.jp
ここでのテキストは、ブログにも、ほぼ同時掲載しています。
無名芸人< http://blog.goo.ne.jp/nagayoshi_katz
>

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■ショート・ストーリーのKUNI[115]
言うな

ヤマシタクニコ
< https://bn.dgcr.com/archives/20120405140200.html
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「先輩、いますかー」
「おお、いてるで......」
「あれ、なんか元気ないじゃないですか」
「おまえは元気そうやな......」
「ええ......どうしたんですか、なんで元気ないんですか」
「実はな」
「実は?」
「おれ昨日、誕生日やったんや」

「え、そうなんですか。おめでとうございます」
「めでたいことないわ。またひとつ年とったわけや。それでゆううつやねん。気がめいってるねん」
「いいじゃないですか。健康で一年過ごせたということやし、なんで気がめいるんですか。喜ばしいことやないですか」
「よろこばしくない。おれはもう終わりや。年寄りや」
「まさか。何ゆうてるんですか」
「おまえにはわからん」

「困ったなあ。気分変えて元気出してくださいよ。えっと......あ、先輩、模様替えしたんですね!」
「ああ」

「家具も一新したんですね。いいなあ、このローソファ、ローテーブル」
「だれが老ソファやねん、老テーブルやねん」

「いや、ローソファにローテーブル! いややなあ。被害妄想ですよ、先輩。あ、向かいにローソンができたんですね」
「おまえ、わざと言うてるやろ」

「そそそんなことないです! えーっと、あ、テレビも買い換えたんですか、すごいな! フルハイビジョンですか」
「どうせおれは古ハイビジョンや」

「ゆうてませんって、そんなこと。困ったなあ。何ゆうたらええんや。えーと、あの、その、ああ......そういえば」
「まだ総入れ歯とちゃうわ」

「ゆうてませんって。いややなー。そんなに誕生日が来たのがいやだったんですか」
「そうや。おれの前で二度と誕生日とかバースデーとか掛布とか言うな。ゲンが悪い。気がめいる」

「歳を取るのは仕方ないじゃないですか」
「仕方なくても気がめいるねん。ただしプレゼントはもろとく」

「なんですかそれ。わかりました。単にそういう言葉を避けたらいいんですね。むずかしいお年頃やな。では、えーっと。何を言おう。落ち着いて考えて......」
「わ〜、『落ちる』とか『すべる』とか言うな!」

「え、それもだめなんですか。受験生やあるまいし、なんで」
「いや、おれも年やから第二の人生を考えて、ソムリエの資格でも取ろうかと思って勉強中やねん」

「なんだ、前向きじゃないですか」
「とにかくそういうわけやから、落ちるとかすべるとか、4回転ジャンプとか言わんといてくれ。トリプルアクセルも封印や」

「わかりました。えー、何をしゃべったらええんやろ。ほななんかあたりさわりのないことで......」
「わ〜〜、『あたる』と言うな!」
「ええっ、あたるもだめですか」

「ソムリエ試験に合格したらレストランを開こうと思てるねん。いや、そんなたいそうなもんやない。住宅街のかたすみのこじゃれた店や。せいぜい10人も入ったらいっぱいになるような。知る人ぞ知る、隠れた名店という感じで、ついついグルメ本にも紹介されてしまうような」
「いいですね。ますます前向きじゃないですか」

「しやから、『あたる』とか言うな。飲食店は食中毒でも出たらおしまいやないか。あー、ゲンが悪い、うつになる。どうせおれは古ハイビジョンや」
「すいません。そうとは知らず失礼しました。ところで先輩、おみやげにケーキ持ってきたんです。モンブラン」
「わ〜〜〜〜、『モンブラン』言うな!」

「モンブランもだめなんですか」
「あのな。おれはこじゃれたレストランのオーナーでソムリエや」
「は、はい」
「こじゃれたレストランやから常連の客ができる」
「はい」

「その常連の客のひとりと恋におちる。名前は優香」
「ええ名前ですね」
「おれにはもったいないくらいの美人でようできた女や。ところが優香にはトラウマがあって」
「はあ」

「子どもの頃、家の門がこわれてぶらんとなってたので、モンブランモンブランといじめられた。いまでも『モンブラン』のあの、そうめんみたいな形を見ただけでいまわしい思い出がよみがえり、冷や汗と吐き気がきてふるえがとまらず泣き出すんや。どんだけかわいそうやねん。絶対言うな!」

「あー、すいませんでした。そうとは知らず、よりによってモンブランを買ってくるとは! おわびにぼくがふたつとも食べます」
「いや、それはひとつずつでええけどな」
「いいんですか」
「おれも男や。優香のトラウマはおれが引き受けようやないか」

「ありがとうございます。さすが先輩。ところで実はおみやげをもうひとつ持ってきたんです。めんたいこ」
「わ〜〜〜〜、『めんたいこ』言うな!」
「今度は何なんです」

「優香はかわいそうな子でな。母一人子一人、お母さんは女手ひとつで優香を育ててきた」
「はあ」
「そのお母さんが、優香が小学校6年生のときに重い病気になって『めんたいしゃぜつ』」
「それも言うなら面会謝絶でしょ」

「とにかく、それで優香は悲しい思いをしたんや。言うな! 優香の悲しみはおれの悲しみやねん!」
「わかりました。申し訳ありません。これはぼくが全部食べます」
「いや、かまわん。おれが引き受ける。モンブランもめんたいこも全部食べる。うわ〜〜〜っ!」

「どうしたんです!」
「めんたいことモンブランをいっぺんに食べたら、顔じゅうににタイムマシンが出てきた」
「それもいうならじんましんでしょ。だいたい先輩、まだソムリエの試験も受けてないんですけど」

とても困った先輩なのであった。

【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
< http://midtan.net/
>
< http://yamashitakuniko.posterous.com/
>

最近、書くものがどんどん長くなって、このままでは「ロングストーリーのKUNI」になりそう。反省して、今回は短くしました。いや、もちろん、もっと長い人もいるんですけどね。

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■4/14「まにまにフェスティバル」やっちゃうよー[03]
見どころ紹介的なサムシング(その3)

川合和史@コロ。
< https://bn.dgcr.com/archives/20120405140100.html
>
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......ども、デジクリ3度目の登場、川合です。(ぺこり)

今回で見どころ紹介はラストの予定です。前回までの分はアーカイブをどうぞ。
< https://bn.dgcr.com/archives/20120315140100.html
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20120329140100.html
>

告知サイトも日々情報が追加されているのでご覧ください。4F各セッションのタイムテーブルも、昨日公開されました!

・まにまにフェスティバルP1
< http://m2.cap-ut.co.jp/fes/
>
< http://m2.cap-ut.co.jp/fes/fes01.html
>

ちなみに前回、「翌日新聞に掲載される」と書いたんですが、実は翌日でなく、あの日の毎日朝刊に掲載されていました。翌日探された方、すみません......
< http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120329-00000143-mailo-l27
>
ちなみに4Fでのセミナー申込み、申込時に「きっかけ」を尋ねているのですが、「デジクリ」は数件あるのに、「毎日新聞」は今のところゼロという。(笑)

......さて本題、今回は3Fのブース展示について、新着情報含めてご紹介します。


●見どころ7──ゲームは撃墜王だけじゃない!

前々回、ココノヱさんの「撃墜王ゲーム」について少しご紹介しましたが、遊べるブースは撃墜王だけじゃありません。告知サイトでは今この時点では、撃墜王しか出ていませんが、最低あと2つ、そこに追加される予定です。

まずひとつ、ブリリアントサービスさんの「NFCクエスト」が登場します!
NFCクエストは、チェックポイントへNFC準拠のカードをタッチしてカードのレベルを上げ、3人パーティで魔王と戦うスタンプラリーゲーム。
< http://www.brilliantservice.co.jp/nfcquest/
>

今回、まにフェスでの展示ではスタンプラリー形式にはしないのですが、皆さんお手持ちのICOCAやPiTaPa、おサイフケータイで遊べるとのこと。普段お使いのカードの強さを試してみてください☆

そして、もうひとつ、イマジカデジタルスケープさんのブースでは、なんと明日リリース予定の、Androidアプリ「エルシャダイソーシャルバトル」が試遊できる予定だそうです。エルシャダイといえば、ウェブ上で話題になった「そんな装備で大丈夫か?」「大丈夫だ、問題ない」のアレですよ、アレ! あのエルシャダイがどんなソーシャルゲームになったのか、お楽しみに!
< http://www.elshaddai-sb.jp/
>

ゲームはこれらのほか、アプリルさんのブースでもきっと出てくるはず。iPhoneアプリを開発する複数の企業さんが一緒に、いくつものアプリを展示される予定です。今年1月に、まにゼミ番外編で登壇いただいた企業さんも、アプリルさんブースで出展予定です。

他にも遊べるブースがいくつもありますので、どうぞお楽しみに!

●見どころ8──Webだけじゃない!

セミナーがWeb中心ということもあり、全体的にWeb関連が目立ちますが、3FはWeb以外のものが、ゲームの他にも色々と登場する予定です。その中で特に異色なのは、日本情報化農業研究所さんの「無農薬カブトムシ」かもしれません。

えぇ、あのカブトムシです。子供から大人まで、男子の心をつかんで放さない、昆虫の王者カブトムシ。エイプリルフールに発表され、真偽が微妙なリリースとなった「無農薬カブトムシ」が、登場します。どうしてIT企業がカブトムシなのか、気になる方は是非4Fディレクターズセッションへ。

また、大阪発の食育コンテンツ「ベジスタ」がまにフェスにやってきます!
< http://www.vegesta.jp/
>

調味料アイドルユニット「フレイバー5」の2人目、ソーイのデビューが決まったばかりのベジスタ。リコピン王子も会場に来てくれるかも!?

ゲーム、カブトムシ、キャラクター、さらに「忍者」も来場予定です。ファーストサーバさんが「Ninja」の名を冠したサービスのシリーズをお持ちなのですが、先日「忍者装束がそろそろ会社に届く予定です」と、担当の方が話されていました。くの一の姿に期待が膨らみます。(笑)


いよいよ来週末開催で準備も大詰め、という段階のはずなのに、毎日のように新着情報が追加されていく状況に、主催者ながら全貌が未だつかめないというドキドキの状態ですが、皆さんにお会いできる楽しみを糧に頑張ります!

4Fもまだ少し席がありますので、お早めにお申し込みください☆
< http://m2.cap-ut.co.jp/fes/
>

【川合 和史/合同会社かぷっと 代表】
< http://cap-ut.co.jp/
> < koro@cap-ut.co.jp >
< http://twitter.com/cap_ut
> < http://www.facebook.com/caputllc
>

ということで今日も今から、まにフェスの打ち合わせに行ってきます!

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編集後記(04/05)

●映画「孫文の義士団」DVDを見た。舞台は辛亥革命前夜の香港、革命家・孫文が潜入し各地の同志たちとの武装蜂起作戦会議に臨もうとする。この情報を得た清朝は、孫文を抹殺するため500人の暗殺団を組織し、孫文を守る義士たちと激しい戦闘を繰り広げるというお話。人間関係の説明が主な前半はだるいが、戦闘が始まる後半はおもしろい。アクションシーンは相当な迫力である。ところが「義士団」といっても、実際は名もなき8人。孫文を守るために、大義のためにというより、それぞれの事情でこの護衛仕事に参加するわけで、とうてい義士とは言えない。せいぜい「孫文の護衛チーム」だ。原題の「Bodyguards and Assassins」というのも芸がないけど、邦題はおかしい。物語では、作戦会議が行われる1時間だけ孫文を守り抜くのが義士たちの任務だといい、孫文をアジトに届けたあとで、替え玉孫文を人力車に乗せて街を走り暗殺団をあざむこうとする。しかし、暗殺団は船着き場からアジトまでの往復の道中を襲うより、アジトに一気に攻め込めば、孫文をはじめ革命勢力を一網打尽だったのになぜそうしないのか。まあいい。1時間という設定が、攻防戦に効果的な緊張感をもたらしたのだから。

見終わってから公式サイトを見たら、香港で空前の大ヒットを記録したアクション超大作で、アジアオールスター奇跡の競演だという。わたしはスターの誰も知らなかったし、誰にも感情移入ができなかった。ただ一人、人妻ユエル役のファン・ビンビンがこの世のものと思えぬほど美しかった。さっそく調べたら、サントリーウーロン茶のCMに出ている気になる女性がその人だった。ラーメン、小龍包、カレーなどをひたすら食べるのだが、その口元がいいような悪いような、いずれにしろ上品ではないシーンばかりである。よくこんな演出OKしたな、中国一の美女が。しかも店の中でボトルでウーロン茶飲むなんて、これは日本ではないと思っていたので、中国人女優だったと知って納得。横顔見ると意外に鼻が立派だった。でもきれいだな。(柴田)
< http://sonbun.gaga.ne.jp/index2.html
>
「孫文の義士団」公式サイト
<
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小龍包、カレーを食べるファン・ビンビン
<
>
ラー麺食べるファン・ビンビン
<
>
サンドウィッチ食べるファン・ビンビン

●(続き)病院に着いたら、セコムの制服を来た人が立っていた。わざわざ駐車スペースまで受付票を持って待機。病人はストレッチャーで診察室へ、付き添いは防災センターの臨時受付へ。警備員さんに保険証を渡すことになるとは思わなかった。ロビーのソファで言われた通りに待っていたら、一番下っ端のイケメンが出て来られて、安心してください、診察中ですと一言。ほっとして軽く頭を下げ、彼の後姿を見ながらはっと気づく。当たり前なのだが、彼らは診察が終わるまではいてくれないのだ。慌てて追っかけ、リーダーにお礼(一人はおらず、下っ端イケメンは警備員と話していてお礼言えず)。終始冷静だったリーダーが、顔に色をつけてニコニコしてくれたのが、嬉しかったなぁ。仕事とはいえ、忙しいのに夜中にごめんなさい。

病人はといえば、診察と点滴、薬で落ち着き、顔に生気が戻ってくる。かなりほっとした様子。原因は何かと聞いてはみたが、救急でそこまで調べないと言われてしまったらしい。とにかく悪いものを出せ、出したら治る、と。出ていって入れられない分の栄養を点滴で補ってもらえただけマシか。私はといえば、今日こそは早く寝る、睡眠不足解消だぜ! という目論見は外れ、点滴の待ち時間にiPhoneでこれを書き、ほっとしてきたのか、だんだんとお腹が空いてくる。冷静になってくる。仕事のことを考えたり、帰宅したら仮眠ぐらいはとれるかなぁ、とか。そうだ! 滅多に来ない場所なんだから、foursquareでチェックインだぜとも。

受付が閉まっているので、精算やらの事務は防災センターの警備員さんが代行。保険証がある人は5千円、ない人は2万円の預かり金を渡し、後日改めて事務のいる時間帯に来てくださいとのこと。えっ、また行くの? 領収書をもらった後に、カードでの支払いができることに気づき、カードなら二度行かなくても済んだのかしら......明細が必要だから無理なのかしらと。その後、保険証を返してもらい、薬をもらい、タクシーで帰宅。タクシーは警備員さんが呼んでくれた。親切。ああ、疲れた。子育てしているお父さんお母さんは、仕事との両立大変だろうなぁ。(hammer.mule)