[3331] 1967年の「オール・マイ・ラヴィング」

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《アップルの初物は買わない》

■映画と夜と音楽と...[558]
 1967年の「オール・マイ・ラヴィング」
 十河 進

■エンドユーザー大変記[32]
 逆襲のWindows、スカしたアップル
 ジョニー・タカ




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■映画と夜と音楽と...[558]
1967年の「オール・マイ・ラヴィング」

十河 進
< https://bn.dgcr.com/archives/20120914140200.html
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〈抱きしめたい/HELP!4人はアイドル/ノーウェアボーイ・ひとりぼっちのあいつ〉

●しわの目立つポールがオリンピック開会式で歌った

ロンドン・オリンピック開会式の話題は、何と言ってもポール・マッカートニーが歌うことだった。今年6月で70歳になったポール・マッカートニーである。ジョン・レノンは30年以上も前に射殺され、21世紀になった途端ジョージ・ハリソンが死んだ。初期メンバーのスチュアート・サトクリフは、21歳で夭折。生き残ったのは、ポールとリンゴ・スターだけだ。ポールの顔のしわを見ながら、ずいぶんな年月が過ぎ去ってしまったのだと実感した。

ビートルズが日本でも知られるようになった頃、最も人気があったのはポール・マッカートニーだった。一番かわいかったからである。それに日本デビューしたとき、ジョン・レノンにはすでに妻子がいた。ポールは左ききのエレキベースがかっこよかった。ジョンとポールがマイクに向かって歌うと、ギターとベースのネックがハの字に広がる。観客席から見ると舞台の左側にジョンとポール、右手にリードギターのジョージ・ハリソンがいて中央奧にドラムスのリンゴ・スターがいた。

1964年、ビートルズの最初のシングル(ドーナツ)盤が日本で発売された。「プリーズ・プリーズ・ミー」と「アスク・ミー・ホワイ」のカップリングだった。初期の最大のヒット曲「抱きしめたい」は、僕はビートルズではなくスリーファンキーズのカバーで最初に聴いた。長沢純がリーダーで、もうひとりは手塚しげおだった。後年、「うっかり八兵衛」として知られることになる、高橋元太郎がいたかどうかは記憶にない。

オリジナルの「抱きしめたい」は、いつ聴いたのだろう。洋楽(当時は、そう言った)を熱心に聴き始めたのは中学生になる頃だから、1964年のことである。中学生になったばかりの4月に、NHKで「ひょっこりひょうたん島」が始まった。秋に東京オリンピックがあり、同じ頃に映画でヒットしたのは吉永小百合の「愛と死を見つめて」だった。その年、僕は初めて音楽雑誌「ミュージック・ライフ」を買った。

「ミュージック・ライフ」1964年3月号に「新人登場!! 『抱きしめたい』のビートルズ」という短い記事が掲載された。当時、日本で大ヒットしていた洋楽は、ベンチャーズの「十番街の殺人」だったと記憶している。ビーチボーイズにも、それなりのファンはいた。ローリングストーンズの記事も出始めてはいたが、彼らが日本で認知されるのは、1965年の「サティスファクション」まで待たねばならない。

「新人登場!! 『抱きしめたい』のビートルズ」は、「64年のイギリス突然変異とまで呼ばれているビートルズが、ロック・ビートの常勝軍はアメリカさまばかりじゃないとばかりに新年早々アメリカに殴り込みをかけたと思ったら、いやオドロキ。キャッシュ・ボックス、ビルボード、3週目にして第一位になってしまいました」という文章で始まっている。紋切り型で申し訳ないが、まさに隔世の感がある。しかし、どんなことにも「最初」はあるのだ。

ポールのガールフレンドだった女優ジェーン・アッシャー(1970年の「早春」では美しい肢体を披露してくれます)家の地下室で、ジョンとポールが作ったと言われる「抱きしめたい」は、1963年11月29日にイギリスでリリースされ、翌年の1月13日にアメリカでのデビュー・シングルとして発売になった。「抱きしめたい」はアッと言う間にヒットチャートをかけのぼり、ビルボードの一位を7週独占した。

「抱きしめたい」に続いて「シー・ラヴズ・ユー」が2週間一位になり、さらに「キャント・バイ・ミー・ラヴ」が5週間ビルボード誌の一位を獲得した。1964年2月から4月までの3か月、ビートルズがヒットチャート一位に居続けたのだ。ビートルズに一位を奪われたのはボビー・ヴィントンの「ブルー・ファイアー」であり、ビートルズから一位を奪ったのはルイ・アームストロングの「ハロー・ドリー」だった。

●ビートルズの訪米を背景にした青春グラフィティ・ムービー

ビートルズは1964年2月7日に初めてアメリカに赴く。空港は大変な騒ぎになった。9日には「エド・サリヴァン・ショウ」に出演し、ビートルズの演奏が初めてアメリカのネットワークで中継され、アメリカ中に流れた。そのときの熱狂ぶりを背景にし、古き懐かしいヒット曲を散りばめて作られた青春グラフィティ・ムービーが「抱きしめたい」(1978年)である。

「抱きしめたい」の監督は、後に「バック・ツゥ・ザ・フューチャー」(1985年)で大ヒットを飛ばすロバート・ゼメキスだ。彼は僕より一歳年下だから、1964年のビートルズのアメリカ公演の大騒ぎをよく憶えているのだろう。当時の自分の年齢より少し上の少女(ナンシー・アレン)を主人公にして、ビートルズ騒動を背景に楽しそうにコメディを展開する。

ナンシー・アレンは後に「殺しのドレス」(1980年)や「ミッドナイトクロス」(1981年)など、ブライアン・デ・パルマ監督作品のヒロインをつとめ、「ロボコップ」(1987年)ではタフな女警官役をやることになるのだが、「抱きしめたい」のときは60年代の典型的なティーンエイジャーを地で演じている。少しふっくらした感じで何の屈託もなく、空港でキャーキャーとビートルズを迎える。

彼女はニュージャージーに住んでいる。ニュージャージーがどういうところなのかは知らないが、描写を見る限り田舎の風景である。小さな町のハイスクールに通う女の子がビートルズが出演する「エド・サリヴァン・ショウ」の観客として入れることになり、チケットが送られてくる。当時は、スタジオに観客を入れたテレビショウ・スタイルが人気があったのだ。「ルーシー・ショウ」「アンディ・ウィリアムス・ショウ」なども同じだった。

エド・サリヴァンという司会者がアメリカで人気があり、その番組に出演することがミュージシャンとしてのステイタスになると、当時、日本でも語られていた。エルヴィス・プレスリーもエド・サリヴァン・ショウに出演して、全国的な人気に火がついた。ただし、グラインドさせる腰を映さないために、歌っているエルヴィスはずっとバストショットだったと音楽雑誌で読んだことがある(確認したことはないけれど)。

ずいぶん経って、エド・サリヴァン・ショウに出演したビートルズの映像を見たとき、僕が驚いたのはエド・サリヴァンなる人物が強モテの悪党面で、ハンフリー・ボガートをもう少し醜男にした中年男だったことである。僕には、どう見てもニクソンにしか見えなかった。ニクソンを大統領にしたくらいだから、アメリカ人はああいう顔が好きなのかもしれない。

「抱きしめたい」はエド・サリヴァン・ショウを見るために、ナンシー・アレンが仲間たちとニューヨークをめざすところから物語が動き始める。ニューヨークという大都会への戸惑い、ビートルズが宿泊しているホテルに潜入してからのドタバタが展開される。ナンシー・アレンがビートルズの泊まっている部屋のベッドの下に隠れたあたりから、コメディ・タッチが絶好調になる。

音楽評論家の渋谷陽一さんが言うように、「ビートルズに本当に狂った年代の人間の書いたものはほとんど『私のビートルズ』を書いている」と僕も思う。「みんな『私のビートルズ』という私小説的な文章を書いてしまう」のである。ロバート・ゼメキスの場合は、それを映画にしたのだ。ナンシー・アレンを主人公にしているが、12歳のゼメキスの思い出が「抱きしめたい」には詰まっている。

●星加ルミ子という少女歌劇団の団員のような名前の編集長

月刊「ミュージック・ライフ」を定期で買っていた頃、編集長は星加ルミ子という、まるで少女歌劇団の団員のような名前の人で、やたらに誌面に登場した。今でも振り袖姿でビートルズの4人と並んで写っていた表紙をよく憶えている。僕は「ビートルズに本当に狂った」わけではないが、同年代の洋楽好きの人間としてそれなりに熱中はしたので、ビートルズの思い出を語ると私小説的になる傾向はある。

1966年6月末、ビートルズは羽田に到着した。ゼメキスの「抱きしめたい」と同じ光景が東洋の果ての国際空港に出現した。宿泊はヒルトンホテル。周辺にはグルーピーの少女たちがたむろし、厳重な警戒が敷かれた。コンサート会場は東京オリンピックのために建設された武道館だったが、「日本古来の武道のために建てられた神聖な場所で、長髪の小汚い毛唐のコンサートをやるとは何事か」と右翼は騒ぎ、テレビの「時事放談」でも取り上げられた。

僕は、エメロンシャンプーを買ってシールを貼って応募すると、ビートルズのコンサートチケットが当たるというのをテレビCMでやっていたと記憶していたが、調べてみると「ライオン歯磨きと東芝レコード、日本航空がチケット頒布」をやったらしい。「ミュージック・ライフ」66年6月号によると、福岡、大阪、千歳から羽田までの日本航空の往復チケットを購入すると、ビートルズのコンサートチケットが景品でもらえたという。航空運賃がよほど高かったのだろう。

その頃になると、僕も熱心なビートルズ・ファンになっていた。その年の正月、僕は「HELP! 四人はアイドル」(1965年)を見た。映画雑誌でも評価が高く、リチャード・レスターは有望監督として期待されていた。僕は友人とふたりで、早朝から映画館(名前だけは「高松スカラ座」と大仰だった)のチケット売り場に並んだ。アルバム「HELP!」は映画公開の半年ほど前にリリースされ、すでに「イエスタデイ」はスタンダードになりつつあった。

ビートルズの音楽性が変化し始めたのは、このあたりからだと思う。「ラバー・ソウル」「リボルバー」とアルバムが立て続けにリリースされ、ジョージ・ハリスンはインド音楽に凝り、シタールという楽器を習うためにラヴィ・シャンカール(今やノラ・ジョーンズのお父さんと言った方が通じるけど)に弟子入りしたという話が伝わってきたり、二度と4人でコンサートをやることはないとジョンが語ったなどという記事が「ミュージック・ライフ」に載り始めた。

そして、1967年の夏、アルバム「サージャント・ペッパーズ・ロンリーハーツ・クラブバンド」が発売され、スタジオ録音で電気的に創られた音楽がビートルズ・ファンにショックを与えた。同じ頃、ドアーズの「ハートに火をつけて」とジェファーソン・エアープレインの「シュールリアリスティック・ピロー」が発売になり、ロック史上「マジック・サマー(奇跡の夏)」と呼ばれることになるのだが、音楽的に先鋭すぎて当時の僕には理解できなかった。

●名女優クリスティン・スコット・トーマスが演じたミミ伯母さん

僕の手元に「ビートルズ ラヴ・ユー・メイク」という、1984年に早川書房から出版された上下二巻のハードカバーがある。ピーター・ブラウンとスティーヴン・ゲインズの共著になっている。ピーター・ブラウンのプロフィールを見ると、「リヴアプール時代からブライアン・エプスタインの元で働き、ジョンとヨーコの結婚式で介添人をつとめた」とあるから、早い時期からビートルズの近くにいた人物らしい。スティーヴン・ゲインズはジャーナリストとある。

その本は、ジョン・レノンの最初の妻であり、ジュリアン・レノンの母であるシンシアが旅行から帰宅すると、オノ・ヨーコが自分のバスローブを身に着けて夫と朝食を摂っている場面から書き起こされている。ずいぶんショッキングなシーンである。シンシアはジョンがリヴァプール・アートカレッジに通っているときに知り合った、いわゆる糟糠の妻だ。

そこから、シンシアの回想が始まる。ジョン・レノンの少年時代が語られ、複雑な出生の事情が明かされる。ビートルズの歴史を語るとき、やはりジョン・レノンの生い立ちから始められるのだなあと、最初にその本を読んだときに僕は思った。やがてクォリーメンを結成し、少年時代のポールと出会う。ジョージ・ハリスンがクォリーメンに加わった年、19歳のシンシアは18歳のジョンと出会うのだ。

「ノーウェアボーイ・ひとりぼっちのあいつ」(2009年)を見たとき、僕はそのハードカバー二巻本を思い出した。ジョン・レノンは生まれてすぐに伯母に引き取られ、母を知らずに育つ。伯母のミミは厳格な女性で、ジョンの母親である妹のジュリアのような享楽的な生き方を認めず、ジョンに母親のことは教えていない。ミミを演じたのは、名女優クリスティン・スコット・トーマスである。

クリスティン・スコット・トーマスは「イングリッシュ・ペイシェント」(1996年)で注目され、「モンタナの風に抱かれて」(1998年)でロバート・レッドフォードと共演し、「ランダム・ハーツ」(1999年)ではハリソン・フォードと共演した。「唇を閉ざせ」(2006年)「ずっとあなたを愛してる」(2008年)など、フランス映画にも出演しているイギリス女優だ。我が子を殺した罪で15年服役してきた女性を演じた「ずっとあなたを愛してる」では、素晴らしい演技を見せた。

ちょっと骨格が目立つ印象のあるクリスティン・スコット・トーマスだが、「ビートルズ ラヴ・ユー・メイク」の巻頭に掲載されている実際のミミ伯母さんの写真を見ると、とても雰囲気が似ている。「可愛がっていた猫スキを抱いた1964年のミミ伯母さん」と、そのポートレートにはキャプションが添えられている。クリスティン・スコット・トーマスは、実在のミミ伯母さんを演じるために役作りをしたのだろう。

厳格なミミ伯母さんだったが、ジョンを深く愛していたことは映画を見るとよくわかる。ジョンにギターを買い与えジョンが喜ぶと、彼女自身も喜んでいるのがうかがえる。クリスティン・スコット・トーマスは無表情のように見えて、視線やほんのちょっとした仕草で感情表現をするのだ。ジョンに反抗されたときの悲しみも、視線の動きだけで表現した。

「ノーウェアボーイ・ひとりぼっちのあいつ」は、厳格に育てられた孤独な少年ジョンが母親が近所に住んでいるのを知って会いにいき、彼女に音楽の楽しさを教えられ、仲間を集めてバンドを結成し、やがてポール・マッカートニーと出会ってハンブルグへ公演に赴き、ブライアン・エプスタインに出会うまでのビートルズ前史が描かれる。ブライアン・エプスタインがマネージャーになったビートルズは、破竹の勢いでトップにのぼりつめる。

それは、「へぇー、そうだったんだ」という興味で観客を引っ張る部分もあるけれど、ひとりの少年の精神の彷徨を描いた青春映画としてもよくできていた。ジョン・レノンを演じたアーロン・ジョンソンが雰囲気を出していて印象に残る。ポール・マッカートニーを演じた俳優は少年っぽくて、デビュー当時のポールを思い出させた。やはり、ビートルズはジョンとポールが作ったのだなあ、と「ノーウェアボーイ・ひとりぼっちのあいつ」を見て改めて実感した。

45年前、宮谷一彦というマンガ家が月刊COMの月例新人賞を受賞してデビューした。その受賞作「ねむりにつくとき」は、若きサックス・プレイヤーの話だった。彼は、深夜の海辺で少女と出逢う。少女は「ジョンとポールの『オール・マイ・ラヴィング』を吹いて」と、少年にリクエストする。少年がサックスを吹くコマからは、名曲『オール・マイ・ラヴィング』が聴こえるようだった。

宮谷一彦のマンガは1967年に発表になった。「サージャント・ペッパーズ・ロンリーハーツ・クラブバンド」が発売され、ブライアン・エプスタインが謎の死を遂げた年である。暮れにはポール・マッカートニーがジェーン・アッシャーと婚約した。その頃、「ビートルズの『オール・マイ・ラヴィング』」とは言ったが、「ジョンとポールの『オール・マイ・ラヴィング』」という言い方は、とても新鮮だった。だから、今も僕の記憶に残っている......

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com < http://twitter.com/sogo1951
>

都心のマンションを購入し引っ越す夢を見た。そろそろ勤めも終わりだし、今さら都心に越しても意味はないのだが、アーバンライフを楽しみたい願望があるのだろうか。そもそも僕の年齢ではローンが組めないので、現実性はないのだけれど...。

●長編ミステリ三作の配信開始→Appストア「グリフォン書店」
→以下でPC版が出ました。楽天コボ版、キンドル版も予定しています
< http://forkn.jp/book/3701/
> 黄色い玩具の鳥
< http://forkn.jp/book/3702/
> 愚者の夜・賢者の朝
< http://forkn.jp/book/3707/
> 太陽が溶けてゆく海

●第25回日本冒険小説協会特別賞「最優秀映画コラム賞」受賞
既刊三巻発売中
「映画がなければ生きていけない1999-2002」2,000円+税(水曜社)
「映画がなければ生きていけない2003-2006」2,000円+税(水曜社)
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→電子書籍版「映画がなければ生きていけない」シリーズもアップ!!
「1999年版 天地創造編」100円+税
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■エンドユーザー大変記[32]
逆襲のWimdows、スカしたアップル

ジョニー・タカ
< https://bn.dgcr.com/archives/20120914140100.html
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遂に......その日が徐々に近づいてくる感じだ。

IFA2012で、Windows勢がWindows8向けのPCを一挙に展示した。

◆IFA 2012:Windows 8対応ノートPCとWindows RT対応デバイスをベルリンでじっくり触った(ITmedia PC USER)
< http://www.itmedia.co.jp/pcuser/spv/1209/03/news128.html
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主流としてはタッチできる一体型か、タブレットにキーボードを付け(あるいはキーボードをスタンドとして)、Windows8の画面を実際に操作しながらキーボードを打つ、というスタイルに固まって来ている感じがする。Windows7の時はネットブックで、今考えると実用的には向かなかったのだが、今度こそ実用的にして、何とかメーカーとしてシェアを増やしたいという思惑も透けて見える。

ただラインナップ的には一体型かタブレットが当然主流になり、いわゆる"デスクトップ"は見る影もない。前にも書いたが、デスクトップはそれこそPCゲーム用かワークステーションという、極めて少数派になってしまう未来だろう。

ムーアの法則がタッチパネルには沿わないかもしれないが、普及すればそのうち平均を検索してみたらまだ18〜20万クラスではあるが、ディスプレイだけでも20インチクラスが2万円切る未来も遠くないだろう。

Androidではあるが、その可能性を秘めた21.5型タブレットが登場した。

◆一見キワモノ、実用性はあるか?:21.5型の巨大Androidタブレット(?)「Smart Display」の使い道を考えてみた(ITmedia PC USER)
< http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1209/12/news019.html
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Windows8でも、当然これくらいの大画面パネルに対応しているだろう。プレゼンがやりやすかったり、会議がスムースに進行することはこの先を考えればなんとなく分かる。アップルがこの先、MacOSをiOSに統合するのは時間の問題なので、どういう仕掛けをしていくかを注視すべきである。

アップルは余裕で12日の発表会に臨む。私がよく使う"余裕の後追い"であるが、逆にいえばそれだけ周囲の期待が大きい分、スカされたら周りの失望が株価という形で返ってくる。12の影になっている"5"の意味がiPhone5だけなのか、あるいはiPhone5を含めた5種類のラインナップ刷新(特にiPadとiPod)になるのか...。

ただこれまで、あまりにもリークが多すぎる。ジョブズの生前でもこんなにはなかったぞ。

あるとしたら、復帰直後に海外現地法人が先に情報を上げてしまったことと(つまりフライング)iPhone4の評価機が盗まれてギズモードに渡ったことぐらいか。

◆iPhone 4リーク事件、Gizmodo記者は不起訴 ― 他の2人は拾得物横領と盗品保持(Techcrunch Japan)
< http://jp.techcrunch.com/archives/20110810no-charges-for-chen-in-iphone-4-leak-case-others-not-so-lucky/
>

なので"リークされていないこと"に注目が集まるだろう。

と、ここまで書いたのが12日の時点。速報サイトもiPhone5が正式発表されるやタイミング悪くアクセス集中で弾かれてしまい、結果アップルの正式情報で後追い確認するしかなかった。

結局、iPhone5については大体事前にリークされていた通りであった。予測できなかったのがカメラ画素数が800万画素であったことと、NFC非搭載だったこと。LTEを搭載する分、電池を余計食うため妥協すべきところはそこだったかもしれない。

スカされたのはiPad、iMac、MBPの発表がなかった事。その代わりiPod touchとnanoを刷新した。nanoはスクロールホイールを省き当初のデザインに戻った。
< http://www.apple.com/jp/ipod-nano/
>

前世代は結局操作性に難を感じ、買う買う詐欺をしてしまった次第だが、プレイリストや曲選択画面でタッチできる範囲があまりにも小さすぎた。とりあえずアップル製品を求める場合、"初物は買わない"を是とするのは変わらないので様子見にしておく。

まぁあとは、iPhoneに関しては完全に蚊帳の外であるドコモがどう反転攻勢をかけるかも見ものだ。Windows Phone8に流れるかもしれないし、Androidと得意の囲い込みでガッチリ固めていくのか、こちらも注視すべきである。
【ジョニー・タカ】johnnytaka32(a)gmail.com

1976年、横浜・関内で生まれ、上州と越後の風を受けて育ち、来世でもFUNKを踊り続けるフリーランサー。ヴァーチャル・キャラクターに曲を付けて選曲を展開する"コンピレーション"を1998年から行っている。2012年はようやく発売されたPSPソフト『フォトカノ』のコンピレーションを展開中(と言っても勝手にやってるだけです。それを続けて14年目)。PS3でも『THE IDOLM@STER2』が発売されたので、そちらの選曲作業も始めてます。
< http://music.ap.teacup.com/cafedejohnny/
>

(日常ブログ)< http://ameblo.jp/johnnytaka/
>
(ツイッター)< http://www.twitter.com/johnnytaka1962/
>

○結局このテキストはあえてツギハギ気味に書き、カンファレンスの終了後にまとめたいと思っていたため、睡眠時間が1時間...。

○先週の水曜日から、ツイッターで急激にフォロワーが増え始めた。水曜日の段階で110名だったのが、日曜日には150名前後になっている。ちょびちょび増えるのなら問題はないが、40人近くも跳ね上がってしまうと、どこかで話題になってるんじゃないか?

と思い、普段は滅多にやらないエゴサーチをやってみたけど何もない。ただ私のハンドルネームと同じ名前の人が、浜名湖フォークジャンボリーに出てたぐらい。もちろん、私ではない。ただ、97年からこの名前を使い続けている以上、もう変えたくない。

土曜日になってやっとフォロワーが減ってきた。自分のことが話題になって増えれば別にいいのだが、何の前触れもなく急激に増えてしまうと気味が悪いとしかいいようがない。

ところが、また日曜日の夜を境にしてまた増え始めてしまい、さすがに対処に困っている次第である。なんでこんなことになったのかも分からない。

フォロワーが増えない、とお嘆きの方にとっては贅沢な悩みかもしれないが...。"フォロワーを増やす方法"は枚挙に暇がないが、"フォロワーを減らす方法"は少ない。そりゃそうだ。あるのは「暴言」「ネガティブツイート」「電波」「アフィ」...あまり意味がない...。

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編集後記(09/14)

●我が家のゼンさん(飼い犬)は、一時期の危機を脱してだいぶ元気が戻ってきたが、今度は脚がむくんできたので、今年からかかりつけになったK犬猫病院(潔い名前だ)へ連れて行った。前回は手頃な大きさの段ボール箱(スイカ用)を大型スーパーでもらってきて、自転車の荷台に据え付け、その中に座らせて運んだのだが、なんだか犬を捨てに行くみたいな風情で後ろめたかった。そこで、サイクルショップで大型の後ろカゴ(バスケット)を買って来て、荷台にセットした。

バスケットに布を敷いてゼンさんを座らせ、自転車は押して歩く。後ろに妻がついて、ゼンさんが立ち上がったり、飛び出そうとするのをおさえる。犬の顔を進行方向を向けると、案外落ち着いている。そのスタイルで病院まで往復した。こういことやってる人見たことない。普通は自動車で運ぶ。幼稚園の送迎バスと並んだ時はなかなかの人気を博したのだった。

診察の結果は、内臓のあちこちが痛んでいるようだが、この年齢ではもはや外科手術はできないから薬で緩和するしかないとのこと。それには納得。脚のむくみは利尿剤を用いて水分を排出させるという。いくつかの薬品を処方してもらう。家に帰ってさっそく利尿剤を飲ませると、驚くほどの量のオシッコを頻繁にする。本人も(本犬か)ビックリ。薬って本当に効くものだな。

妻の友人の愛犬家の話では、高齢の犬はいきなり極端に老化するものだという。この夏、いきなり来たから驚いた。薬のおかげで、しつこい咳も少なくなり、食欲も戻り、渋っていた散歩もするようになった(かつての半分以下の距離だけど)。また名前をハニー号に戻したW(柴田)

●カブトムシが死んじゃった。うちに来てから5か月。成虫になってから3か月。よく生きてくれたと思っている。

昨日ちらっと書いたiPhoneアプリの『漫画カメラ』。無料。アプリを起動して被写体を撮影すると、モノクロ線画処理される。線画の状態が不鮮明な場合、設定アイコンをクリックして、背景の明るさを三段階で選択できる。これによって線画に入る線の量を変更。フレーム(集中線や擬音が描かれている)は撮影後にも選べるので、ハマらないと思ったら他を試すことができる。今のところ縦長写真を基準とされていて、横長にしたら擬音は横になってしまう。カメラロールから選べないのが残念。

このアプリは、何気ない風景に大きな意味を持たせるような、大げさな感じが好き。普通のもハマるけど、漫画を元にしたフィギュアやコスプレな宝塚歌劇だと、より一層ハマる。刃牙の範間勇次郎の迫力は増し、キン肉マンが強そうに見え、銀英伝ラインハルトはオラオラになった。楽しい。アクションフィギュアを持っていたら、バンバンバーンだらけな漫画作れそう。バージョンアップで、フレームが増えることを期待している。バラを背負うようなのも期待しているッ!

iPhoneアプリの「DESK」でサイトを知った。世界中のクリエイターさんたちが、机回りを公開。公開したい人は投稿するだけ。かっこいい机回りにしたくなってきた......書類やらDVD-Rやらが山積みで見せられないわ。(hammer.mule)

< http://itunes.apple.com/jp/app/man-huakamera/id557883632?mt=8
>
漫画カメラ
< http://baki.ne.jp/figure
>  勇次郎のフィギュア。流血版が
< >
こうなる
< http://livedoor.blogimg.jp/ccp/imgs/f/4/f4fbd74a >
キン肉マン。CCPのフィギュアが
< >
こうなる
< http://kageki.hankyu.co.jp/ginga/intro.html
>
宝塚歌劇団の銀英伝、ラインハルトが
< >
こうなる
< http://baki.ne.jp/figure
>  刃牙のフィギュア。流血版
< >
刃牙用のフレームがあったw
< http://desk.cmiscm.com/
>  DESK
< http://itunes.apple.com/jp/app/desk-where-creativity-is-born/id483846109?mt=8
>
iPhoneアプリ