[3352] エネルギッシュに暗い日本の70年代

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《iPad miniは困る》

■武&山根の展覧会レビュー
 エネルギッシュに暗い
 ──【開館30周年記念展 日本の70年代 1968-1982】展を観て
 武 盾一郎&山根康弘

■グラフィック薄氷大魔王[320]
 突然CLIP PAINT他、小ネタ集
 吉井 宏




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■武&山根の展覧会レビュー
エネルギッシュに暗い
──【開館30周年記念展 日本の70年代 1968-1982】展を観て

武 盾一郎&山根康弘
< https://bn.dgcr.com/archives/20121017140200.html
>
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山:こんばんはー。

武:はい、こんばんは!

山:突然ですが2、3日前の話しやねんけど、

武:はいはい。


山:いつものように現場から帰ってきてやね、いつものようにポスト開けるやんか。

武:開けないかも知れないけどな。

山:だからいつも開けるって言ってるやないか! いやそれでやね、開けてみたらなんと!

武:ポストに爆弾でも入ってたのか?


山:入ってるか! 僕は誰に狙われとんねん。

武:あ、あれだ。不幸の手紙が入ってたんだ。「これを読んだら3日以内に5人に同じ手紙を送ること...」

山:小学生か! ちょっと懐かしいわ。


武:あ、分った! カエルが入っていた。そして「無事カエルでございます〜、ゲロゲ〜ロ、ゲロゲ〜ロ」なんつてね。

山:なんでカエルやねん。ってなんでボケが全部古いねん。

武:たまにいるけどねえ。。(ゲロゲ〜ロ参照)
< http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E7%A9%BA%E7%90%83%E5%85%90%E3%83%BB%E5%A5%BD%E5%85%90
>


山:そんなんええねん。それでやね、何が入ってたかと言うと、な、なんと、女物の上着が入ってたんですよw

武:なんだそら!

山:まったく心当たりがない。

武:なぜ、下着ではない! 上着じゃつまらないではないか!


山:いや、下着はきついわw

武:酔っぱらって記憶ない時に女装して帰って来たけど、サイズがきつかったんで自分で入れたんだよ、きっと。

山:ちゃうねん、その日は別に酔っぱらってもいなかった。だから、なんやこれ? と。酔っぱらってたら入っててもおかしくない、っていうのもどうかと思うけどな。


武:潜在的願望が叶ったんだな。「念ずれば花開く」

山:どんな願望やねん!......さて、今回は埼玉県立近代美術館に行って参りました! 「開館30周年記念展 日本の70年代 1968-1982」です!
< http://momas.jp/exhibitionguide/exhibition/日本の70年代展-1968-1982/
>

【開館30周年記念展 日本の70年代 1968-1982/埼玉県立近代美術館】


武:前回は草間彌生だったんだっけか。おおなんと今年ではないか!
< https://bn.dgcr.com/archives/20120516140200.html
>


山:5月か。まあ浦和なんでね、馴染みもあるしなんだかんだでよく行くわな。

武:よく行くねー、埼玉近代からギャラ貰って提灯記事書きたいくらいだよ。

山:なんやねんそれ。

武:提灯記事とは→ < http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%F3%C5%F4%B5%AD%BB%F6
>


山:「これでもかと誉めそやす内容の記事」ってw そんなん武さんできへんやないか。

武:ギャラ貰えばやるよ。

山:ほんまかいな。


武:ってかさ、山根ってすごいヤツだよなあ。山根みたいな男ほかにいないよ!

山:は? なんやねんな唐突に。

武:ほれぼれするわー。

山:何を言ってんね...あ、ギャラは出さんぞ!


武:くっそw 提灯記事書いたのに!

山:あ、でも昨日の飲み代払ったような気がするから、もっと持ち上げてもらってもいいかもなw

武:山根さま、ごちそうさまでございます! 今日の俺が生きてられるのは山根さまのおかげです!


山:「かえって胡散臭く見られ逆効果になるケースも。」やってw て、そんなことより展示ですよ、展示。

武:おおそうか。このまま最後までとぼけて行けるかと思ったけど。

山:それでまとまるんならいいけど。

武:展示について語らなければならないですか?


山:お願いします。展覧会レビューですから。

武:結論から言うと、面白かったっすよ。埼玉県立近代美術館の本気を見た感じしましたね。ぶっちゃけ、草間彌生より良かったよ。


山:「本展は、当館が開館した1982年までの15年間の時代の精神を、美術、デザイン、建築、写真、演劇、音楽、漫画などによって回顧しようとするものです。」というように、まあいろいろ展示されてた。開館30周年記念展やからね。気合い入ってるんやろね。


●1968年とは


武:「1968年」は左翼にとって意味深いキーワードみたいだしね。「そこ狙ってきたのか!」て感じだよ。

山:「面白かった」って、実際何が面白かったんやろ。

武:展示の「気合い」。


山:「気合い」を感じたから面白かった、と。

武:そうね。

山:確かに気の抜けた展示よりは面白いかもな。なんやろ、「迫力」があんのかな。僕も面白いと思ったけど、正直疲れたわ。


武:1968年は政治と文化の進化爆発というかね。
  1968年→ < http://d.hatena.ne.jp/keyword/1968%C7%AF
>

山:おお、三億円事件って68年なのか。

武:「新宿のデモに騒乱罪が適用される」とあるな。石原慎太郎もいるw やっぱり何かカンブリア爆発を起こした年として、1968年はどこか象徴的なんだろうな。


山:カンブリア爆発ってなんや。

武:一気に生物が増えるみたいな。アノマロカリスですよ。
< http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%B4%80
>

山:変な動物やな。


武:「この時代に動物の多様性が一気に増大した可能性がある。これをカンブリア爆発と呼ぶ。」

山:非常に奇異な姿をした生物が多く見られ、、とある。

武:70年代っぽいよねw


山:じゃあ68年あたりから非常に奇異な姿をした人達がでてきたってことかw

武:そんな感じするよ。

山:どうなんやろね。僕はまだ生まれてなかったんで、実際どんな時代やったのかはわからんのだが。

武:俺が1968年生まれだからね。

山:あ、そうか。だからこんな人になってしまったんかw


武:なんか1968年が左翼の象徴的な年号だってのが気になって仕方がない。

山:確かに武さんも奇異な姿してるしな。。

武:カンブリア爆発の申し子でございます。

山:「カンブリアモンスター」ですかw


●暗いとは


武:学生運動と文化が繋がっていたけど、運動が下火になって文化が高度資本主義化していったんかな。「おいしい生活」というキャッチコピーが消費社会礼賛、バブルの扉を開ける宣言だったんさよ。学生運動は反資本主義じゃないですか、どんどん日本が豊かになって行くベクトルと学生運動の激化、70年代はいろいろ混ざってカオスだったんでしょう、展示もカオスだったしね。80年代に入って資本主義が完全勝利をして、まあ、その後バブルがはじけるってヤツになるわけでしょうかね、で、今に至る、と。月はすでに満ちたと。


山:確かに展示は、わさわさした感じやった。

武:「日本が元気だった頃」みたいなw

山:でもその反面、すごい空虚と言うか、暗いというか、そんな印象もある。

武:あるね。


山:漫画も展示されてたけど、やたらと暗い。なんでやろ。

武:暗さを支えるバイタリティがあったんだよ。「エネルギッシュに暗い」これがアングラ感なんじゃないのかな?

山:なるほど。

武:今はアングラにもカオスにもならないんだよ、すんげー暗くもならない。


山:そう言えば最近は、すごい暗い人、ってあんま見ーへんよな。会わんだけかも知らんけど。昔はけっこういたような気がするが。

武:「暗い人」てインターフェイスの種類だったんだろうね、無口だったり声が小さかったりすると、「暗い」ってなってたけど、案外話すと暗くなかったりするじゃんw


山:ああ、そうかも。今ってあれよな、ネクラ、とか言わんもんな。なんでや??

武:喋るコミュニケーションと同じくらいに、書くコミュニケーションが増えたからじゃないのかな?

山:書くコミュニケーションが増えるとどうなるんだ?

武:誰とも喋らない人でもネットにはガンガン書き込みしてるわけでしょ。


山:はあ。

武:ネクラじゃないじゃん。

山:だいたいネクラってなんやねん。

武:今に置き換えるとネガティブ思考とかになるのかな?

山:ネクラ→ < http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%A9
>
  ちょっと面白い。


武:「ネクラ」がのちの「ヲタク」になったのか!

山:なるほどーw

武:70年代の表現の「暗さ」についてもうちょっとありそうだが、、

山:なんでしょう。


武:暗さがヒューマニズムとロマンチシズムに根ざしてるって感じするよね、決してペシミスティックではないような気がするんですよ。

山:ほう。


武:挫折のようなものを感じさせるけど、諦めてないから、悲しくて苦しくて辛い、みたいな。冷め切った目でセンチメンタルになってみせてるのではなくって、ロマンチシズムの中にいるからこそ暗い、みたいな。

山:なるほど。


武:80年代に入ると、「そんなくだらない本気はやめにして、消費すれば、ほら、おいしい生活だよ!」ってなって行くんじゃないのかな。

山:展示でも、70年代と80年代ではだいぶ雰囲気変わってたもんな。

武:空虚感ってのも確かにあったよね。それってなんだろな。「現代から観てる」という視点の問題なのかな?


山:現代から観てる、って?

武:学生運動って終わっちゃうわけでしょ。けど当時はワーワーやってた、その渦中だった。その喧噪を未来から見てみると、空虚に感じるとか?

山:あー、今の自分たちから観ると、ってことか。


武:そう。表現が空虚なんじゃなくて、俺たちの視点が空虚を感じてる、と。

山:でもどうやろ、展示されてた作品からも、そういうものが出てたような気がしないでもないんだが。

武:ふむふむ。確かにあったな。


●ピアノ炎上


山:例えばしょっぱな、まだ会場に入る前に、粟津潔の『ピアノ炎上』という映像作品があったやん。

武:はい。「ブログ炎上」じゃなくてね。

山:はあw 山の中でピアノがどんどん燃えていって、それでも弾き続ける、という。


武:そんだけ。っていうね。今観ると「あー」て思っちゃうけどな。

山:あ、なんと2008年版があった。
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武:うはっ! またやってるのかww


山:うーん、2008年にもやってるとなると、ちょっと意味合い変わってくるな。

武:そうなると、面白みが増すね。

山:なんと言うか、パフォーマンスとしての面白さ、ってとこに焦点が合う。空虚に辿り着かないww


武:今じゃすでに「前衛」ではない。で、「またやる」。ピアノも73年より聴かせるプレイになってるw 2008年の方が面白いぞw

山:わはは。円熟味を増したんか。

武:73年は「ピアノを燃やしながらプレイする」アイデアだけに着目してる気するもん。


山:アイデアとしては当時、斬新やったり前衛的やったりしたんかもしれんけど、結局の所、消えてなくなっちゃうんだ、一過性のものだ、みたいな虚無感を感じたりもしたんだが。あの映像を観て。その美意識、というか。


武:ピアノが燃えて音が出なくって行くのに全力で鍵盤を叩く。どこか「世界共産主義革命なんて不可能とは知りつつ全力で闘争するロマンチシズム」と通ずるというか。

山:そう言う意味ではやはりロマンティシズムなんやろうけど、


武:「負けるとわかっていても戦わなければならないときがある、ロマンチシズム」「挫折するロマンチシズム」

山:でもやってる人達はある意味勝ったんとちゃうんか。ずるいがな。いや、ずるかないけどw

武:なるほどw


●時代の波


山:なんなんやろ、ちょっと思ったのは、あそこで展示されてるような情熱で、
  暗さ全開でバーっとやって、そのままどうしようもなくだらだら生きてる、ってのはないのかな、って思った。

武:きっとほとんどの人がそうだったんじゃね?


山:そうなんかな。

武:ネコも杓子もゲバ棒持って学生運動してたけど、卒業して髪の毛を切って就職して結婚して子どもが生まれて、今はもう孫とかいるわけでしょ、68年あたりに青春を謳歌した人たちは。

山:そういう年齢やろな。


武:みんな転向したんだよ。

山:それはそれで分かるような気はするねんけどね。すごく集団的に見えたな。時代性に着目した展示やったから、そういう風に展示してるんやろうけど、それはちょっとな、とも感じた。だから疲れたんかな。


武:どーっと押し寄せて来る感じしたよね。個人の力量を超えた何かのパワーの波に押されてああなった、みたいな。

山:あの時代の雰囲気を全く無視して、ひたすら全然違うことやってた人、とかっていないんかな。まあ、いるか。


武:だから、名前を残してる人ってのは表現の才能があったというより、時代の波にうまく乗れたかどうかなんだろうなあと思った。普遍的にクオリティーの高いものが多くあったかというと、そうでもなくて。「時代感」だけは強く感じたけど、その絵(視覚芸術)、普遍的に美しいのか?という疑問。

山:流行とかあったんやろうけど、似てるのも多かったな。


武:横尾忠則のポスターとかホントに面白いのかなあ?ww 北斎の浮世絵観てる方がいいよ、って思ったりね。好みの問題だけど、今ひとつ良質な感じしない。せんい館はパッと見すんごくインパクトあってビックリしたんだけど、なんとなく、「あー」っていう感じもしたんだよなあ。「暮らし」を否定してる感じが、「好み」じゃないのかなあ。いや、「好みだった」というか。


山:せんい館→ < http://masudahp.web.fc2.com/expo1970/p-seni01.html
>
  でもテーマは「人間生活を豊かにする」やでw


武:インスタレーションにしろ、映像にしろ、音楽にしろ、いわゆる「前衛」てヤツよなー。

山:面白いけどね。やりたい放題で。

武:やりたい放題だね。そのパワーはすんごく感じた。けど、どこかに、「こういうのもういいや」てのもあってね。


山:でもその「気合い」に引かれる部分もある。

武:面白かったのは「気合い」を感じたからに他ならない。ただ、自分の「好み」はここを通り過ぎた。さらば時代の青春。

【開館30周年記念展日本の70年代 1968-1982/埼玉県立近代美術館】
会期:2012年9月15日(土)〜11月11日(日)10:00〜17:30 月休
観覧料:一般1000円、大高生800円
展覧会では70年代の部屋を再現、撮影出来ます。
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【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/週2午前中のパート始めました】
地元上尾の「原市アースカフェ」展示替え!
< http://ameblo.jp/koushintounoarucafe/
>
宮城県多賀城市ギャラリー「GAONG」で作品買えます!
< http://www.gaong.net/
>
「Picaresque(ピカレスク)」はアートと暮らす。アートと共に生活する。
部屋にアートを。そんな現代美術運動です。
< http://www.facebook.com/picaresquejpn
>
Kampa!というサービスで画材の支援を募っております!よろしくお願いします!
< http://kampa.me/t/oh
>
facebookページ < http://www.facebook.com/junichiro.take
>
Twitter < http://twitter.com/Take_J
>
take.junichiro@gmail.com
武盾一郎の画家活動を応援してください! ご支援受付けております!
[埼玉りそな銀行 上尾西口支店 普通 4050735]

【山根康弘(やまね やすひろ)/秋なのに】
yamane.yasuhiro@gmail.com

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■グラフィック薄氷大魔王[320]
突然CLIP PAINT他、小ネタ集

吉井 宏
< https://bn.dgcr.com/archives/20121017140100.html
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●突然CLIP PAINT

先週からなぜかCLIP PAINTっていうペイントソフトを使い始めましたけど、いいですよ、これ。そのうちまとめて書くかもですが、僕がPhotoshopでドローイングする上で不満だったことがほぼ解消。ショートカットもPhotoshopと同じにできるので、きもちわるいくらい違和感なく使えちゃう。

Photoshopでスケッチしてて、クルクルッと丸をいくつか描いてアタリをつけるみたいなのってできないっていうか、楽しくないんですよ。線の追従がシビアすぎてガタガタの丸しか描けないから。CLIP PAINTではアタリのクルクルッの丸が実にきれいで、描いてて楽しい。紙に描くの廃止の突破口になりそうな気配も。

このソフト、まともに買っても安い5,000円なのに、Comic StudioとかIllustStudioのユーザーなら、なんとタダ! なんちゅう大盤振る舞い! 僕はコミスタ持ってたのでラッキー。一か月500円で8か月使えばシリアルもらえるってコースもある。この値段なら不正使用しようって気にもならないだろうな。

< http://www.clipstudio.net
>

●ペンタブのコツ、新たに一個

ペンタブで描きやすいときとダメなときの違いが、ひとつはっきりわかった。描きやすいときは掌をほとんどタブレット表面につけず、あらかた宙に浮かせて描いてる。掌は表面をかする程度。ダメなときは掌をしっかりつけて、指先だけで描いてる。

掌を随時適正な位置に置ければいいんだけど、一度べったりと手を置いてしまうと、その位置で描ける範囲に無理にペンを持って行く形になりがち。やはり、手をいつでも自由に動かせるようにしておくほうがいいらしい。

●iPad miniは困る

確かに今のiPadは気軽に持ち歩いたり電車で見るにはちょっと大きい。出先で使いやすいのは7インチタブレット。で、まもなくiPad miniが出るらしいとちょっと喜んでましたが、よく考えたら、miniが出ちゃ困るわ。

7.8インチといわれるiPad miniは持ち歩きにはいいだろうけど、家で使うには小さすぎ。9.7インチの今だって小さすぎなんだから。2インチちがうだけの両方は買えないよ。同期とか管理も面倒だし。iPad mini、ぜったいカッコイイに決まってるから、物欲と理性の狭間で苦しむことになるのは目に見えてる。

小さいiPadを出すのなら、今までのiPadは12〜15インチとかのはっきり「大きいサイズ」にしないと違いがなさすぎる。20インチでもいいよ。ソニーが20インチタブレットPC出すみたいだし。大判iPadが出ないのなら、持ち歩き用にはiPad miniじゃなく、Nexus7とかのAndroidタブレットのほうがいいや。

......いやいや、もっといいのはAndroidスマホ自体がデカくなるほうがいいな。GALAXY Note IIってスマホが5.5インチだそうだけど、もう一声! 6.5インチあれば! ......いやいやいや、7インチタブレットで通話できるようにしてくれりゃいいだけなんだけどなあ!

●片づけしたのに部屋は変わってない

集中モノ減らし週間は一応おしまい。通常営業に戻ってます。しかし、あれだけ不要物を出したのに、部屋の風景はたいして変わって見えない。時空の歪み?

ここ一年半で僕的にものすごい量を減らしたつもりなのに変わってないってことは、逆に言えば、減らした分量を新しく買い込んでも部屋はたいして変わらないってこと? じゃあ何のためにモノ減らしを〜〜〜!

冷静に考えれば、机も本棚もクローゼットの中の棚も、大枠の構造は3年前からほとんど変わってないもんね。中身を半分にしたって構造が変わってなきゃ、基本的には風景は変わらんわ。本棚や机をどーんと廃棄するとかしないと、減った気はしないだろうな。

●続きを読むには登録してください

新聞系のニュースサイト、続きは「有料」とか「会員登録が必要」っての最近目立つ。登録するつもりはないから、リンクで飛んで来ても「なんだよケチ!」とか思う前に退散する習慣がついちゃった。

刺激的な見出しに釣られてたどり着いても、最初のページしか読めない。これって報道的に良くないんじゃない? しっかりした要約と結論を無料ページに置き、さらにくわしく読みたい人が有料、って形にしないとマズくない? このままの形だとそのまんま「釣り」ですよねえ。

●ガッチャマン実写映画化

「誰得」って言葉がありますけど、そらもう収益上げられると思う誰かが得しようとしてるわけで。ファン不在とかファンの熱い思いを踏みにじるとかありますけど、今の時代、映画ってそこまで重いもんじゃないよ。そういう映画って、テレビの力も使って瞬発力で短期間に稼ぐもの。残るものじゃなく、普通にリアルタイムのイベント、アトラクションです。

ダメだったとしてもすぐ「なかったもの」になるし、心配しなくていいと思ってます。「あしたのジョー」も「SPACE BATTLESHIP ヤマト」も「ドラゴンボール」も、もう気にならないでしょ? 「二十世紀少年」三部作連続放映なんてしてるけどさ。あと、賞味期限が短い前提の映画も、たまに傑作が生まれたりして、そういうのはちゃんと世代を超えて名作として残っていくから大丈夫。

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>

テンキーなしキーボードにせっかく慣れたのに、しばらく前からフルキーボードを使うようになっちゃった。と思ったら、そういえばまたテンキーなしに戻ってる。主にMagic Trackpadの置き場に困るから、キーボードは短いほうがいいってことだったんだけど。数字入力中の小数点や「/」を打つのにちょっと戸惑うくらいで、もうテンキーなくてもぜんぜん大丈夫になっちゃったかも。ホームポジションから手を動かさなくて済むテンキーなしキーボードのほうがラクです。

●iPhone/iPadアプリ「REAL STEELPAN」ver.2.0がリリースされました。
「長押しロール」のオン・オフ切り替えスイッチを追加しました。
「オフ」ではレスポンスが速くなるので、素早い演奏が可能になりました。
REAL STEELPAN < http://bit.ly/9aC0XV
>
●「ヤンス!ガンス!」DVD発売中
amazonのDVD詳細 < http://amzn.to/bsTAcb
>

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編集後記(10/17)

●タイトルにひかれて横山泰子「妖怪手品の時代」を読む(青弓社、2012)。この聞き慣れぬ言葉の定義は「幽霊出現などの怪異現象を種や仕掛けによって人為的に作り出す娯楽」である。時代とともに大掛かりな見せ物になっていく、江戸享保年間から明治までの過程を、豊富な史料を用いて解説し、さらに同時代の中国やヨーロッパのそれと比較する。著者の大学・大学院での専攻は日本文化史、比較文化で、現在は法政大学理工学部教授だ。本書は江戸時代の手品の解説書(伝授本)の図版や注が多く、内容は難解ではないが学術書に近い。でも、種明かしを読むと案外たわいなく、キテレツ揃いなので楽しい。

つまり、妖怪手品の時代とは、人間の批判的精神のもと、恐怖の対象だった妖怪が娯楽の対象になった時代なのだ。妖怪手品は批判精神と平和な時代の産物である。と、著者はまとめる。わたしが一番興味をひかれたのが「妖怪手品師・江戸川乱歩」の章だ。乱歩は「探偵小説は手品文学」という説を展開する。探偵小説の謎は一見不可思議、かつ不可能に見えるが最終的には解明できる。謎解きの遊戯ともいえる。「乱歩の作品は文学の形をとった手品の解説本、すなわち伝授本の小説版といえる」とまで筆者はいう。乱歩は探偵小説の本質を「子供らしさ」と見ていたという。

そこで、子供のころ読んで怖くて半泣きの記憶のある「青銅の魔人」を、図書館の子供の本棚から借りて来て、あっという間に読了した。青銅の魔人は神出鬼没だ。いつの間にか密室に現れ、煙のように消える。種明かしを読むと、たしかに不可能が可能になっている。だが、子ども騙しのトリックばかりである。子ども騙しなんだから、小学生のわたしがコロッと騙されたわけである。だが、怖くて怖くて夜オシッコに行けなかったのは「青銅の魔人」ではなかったようだ。すると、横溝正史の「鋼鉄魔人」だったのか? 探してみよう。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4787220489/dgcrcom-22/
>
→アマゾンで「妖怪手品の時代」を見る(レビュー2件)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591084167/dgcrcom-22/
>
→アマゾンで「青銅の魔人」を見る(レビュー4件)

●『日本の70年代 1968-1982』というタイトルには興味なかったけど、チャット読むと見たくなってきてしまった。記念展だから巡回はないんだろうな〜。/『Clip Paint』の動画を見た。凄い。後から変形かけて髪の毛に浮遊感を出してるし。使う機会なさそうなのに欲しくなってくるわ。

おしゃれなパン屋さんで。6枚切りのパンがなかった(大阪では6枚切りの方が売れるよ)。聞くと、ありません、だけだった。ファストフード店で、ある商品のセットがあるかどうか聞いた。ありません、だけだった。本屋内の検索システムでプリントアウトした紙を持って商品を探したけれど見つからなかった。近くにいた店員に紙を見せたら、めんどくさそうに移動して探し、ありませんね、と言った。今はあっさりした接客の方が好まれるのだろうか。取り寄せや代案を提案してくれたら、あ、それでいいです、ってなったかもしれないのにな。

近所の総合ショップ(ホームセンターみたいなもので何でも売ってる)にスコップを買いに行った。見つからないので店員さんに聞いたら、売っているであろうコーナーまで行って、切らしてますね、すみませんと言った。言われたのはこれだけ。いつ入荷だとか取り寄せしましょうかとかそういうのはなし。お礼を言って階下のお花屋さんで聞いてみた。一度もここで買ったことはないし、足を止めたこともない。年配の女性が、ここでは売っていないけれど、駅前のファッションビル内にある100均にならありますよと教えてくれた。どころかファッションビルの場所まで説明しようとしてくれた。今度切り花が必要な時にはこの店に行ってみようと思った。

年配の男女の方が総じてパワフル。取り寄せ、代案、競合店の紹介までしてくれる。飲食店でもプラスαのことをしてくれたり。若い子でそれができると、このまま育って欲しいなぁと思ったり。(hammer.mule)