[3407] 3Dプリンタとは何ぞや?

投稿:  著者:


《ディズニーとか好きな女にはこのよさがわからんだろう》

■わが逃走[118]
 野郎3人カメラ旅の巻 その1.5
 齋藤 浩

■3Dプリンタ奮闘記[02]
 3Dプリンタとは何ぞや?
 織田隆治

■展覧会案内
 [3.11を忘れない写真家の会]津波も、瓦礫もない写真展 ─beforemath─
 田代一倫写真展「はまゆりの頃に 2012年 秋」

■イベント案内
 MOTOYA コラボレーションフェア 2013




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■わが逃走[118]
野郎3人カメラ旅の巻 その1.5

齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20130124140500.html
>
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昨年11月に片岡氏、マニュエル君、そしてオレと三人でフィルムカメラ片手に広島県は尾道へ旅したわけだが、いざ現像してみたらマニュエルのカメラがぶっ壊れていたため、ほとんど撮れていなかった! という衝撃的事実。

※第116回『野郎3人カメラ旅の巻』
< https://bn.dgcr.com/archives/20121129140300.html
>

彼の帰国も近いことだし、同じ行程でリベンジするか! と、あたたかい友情を建前としつつ、尾道にまた行ける言い訳ができて大喜びのオレであった。

で、ひと月後同じメンバーで再び尾道に降り立ったのである。今回はそのときのレポートをじっくり書こうと思ったのだが、仕事がものすごく忙しくなってきちゃってね。

そういった関係で、概要だけ語る。よって今回のタイトルは『その2』でなく『その1.5』とする。

言うなれば半分だけUPするって感じですな。って言ってて気づいたぜ、そう、まさに半分! 今回はサブ機としてハーフサイズのオリンパス・ペンを持っていったのだ。なので今回はペンで撮った写真を見せびらかしつつ、半分くらいのボリュームで尾道を紹介いたす所存。

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/001 >

尾道駅に到着すると目の前が尾道水道、対岸が向島のドック。今回はオリンパス・ペンW+FUJI NEOPAN100で撮影したのだが、やはりモノクロ時代のカメラにモノクロフィルムを詰めて撮ると、レンズががんばってくれちゃうのか、俄然イイ味わいの写真が撮れる。

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/002 >

何気ない壁。どうにもオレはこんな写真ばかり何10年も撮り続けているようだ。今回もほとんど無意識で撮ってた。しかしこうして見てみると、素直ないいレンズだなあ、ズイコーW 25mm。ちなみにズイコーは瑞光と書きます。日本の風景を撮るにふさわしい良いレンズです。

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/003 >

坂道のでっぱり。尾道はこういったモノの宝庫なのだが、これら規格品ではないワンオフな構造物に原始美術のような力強さを感じてしまうのだね。少なくともオレは。

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/004 >

西日を浴びるごく普通の階段。カッコイイ! 何時間でも見ていたい!!
...ってオレは思うんだけどなあ。ディズニーとか好きな女にはわからんだろう。ざまーみやがれ。

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/005 >

で、振り向くと月は東に陽は西に。奥のひときわ明るいところは海です。そこから光が瓦屋根を伝わってここまでやってくるのだ。

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/006 >

さらに高いところに登ってみた。見下ろすと尾道水道。山陽本線の貨物列車の音が聞こえていた。

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/007 >

主張する、美しい構造の地面。地面だぞー! っていう叫びが聞こえるようだ。
この先は崖なので、そういった主張も際立ってくる。そうこうしているうちに陽が沈み、飲み屋に繰り出したのであった。

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/008 >

翌日。小さなY字路。左側の道が坂になっていて中央のブロックよりも高くなるところがタマラン。

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/009 >

ものすごく晴れてきた。こういう日に尾道を散歩すると、一日中陽があたっていたような記憶が残る。

で、ここから先はすっかりペンのことを忘れてしまい、ずっとライカで撮っていた。ポケットに入れっぱなしだった瑞光よ、すまん。

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/010 >

気がついたら汽車の時間である。ほんとは電車だけどそう表現したいからそう書いた。さよなら尾道、また来るよ。オレンジ色に染まる町並みがホントに美しかったのである。

という訳で、その1.5でした。ライカで撮影した写真と野郎3人珍道中については、その2で語ります。それではまた。

【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
< http://tongpoographics.jp/
>

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。


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■3Dプリンタ奮闘記[02]
3Dプリンタとは何ぞや?

織田隆治
< https://bn.dgcr.com/archives/20130124140400.html
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●3Dプリンタの種類

3Dプリンターの原理を簡単に説明すると、山の等高線を厚紙に印刷し、それを積層していくと山が出来る。という構造的には非常にシンプルな原理である。

例えば、高さ5cmのオブジェクトを成形する場合、一枚の紙の厚さが0.5mmだと100枚。0.25mmだと200枚の切断面を印刷して切り抜き、積み重ねると、そのオブジェクトが出来上がる。

最近映画になった「ガンツ」の転送シーンみたいなものを想像すると分かりやすいかもしれない。

3Dプリンターといえば、今は色々な素材、方法で成形する種類が出ている。主なタイプを紹介すると、

1・EDENを代表とするUV硬化性樹脂を素材にするプリンター
2・ABS等の素材を溶かしながら積層するプリンター
3・Zプリンタは、石膏を主素材にしており、テクスチャー付きの3Dデータを、着色しながらプリントできる

●3Dプリンタの造形方法

1・EDENを代表とするUV硬化性樹脂を素材にするプリンターは、インクジェット方式で噴射したり、薄く膜を作る等した後、UVランプで硬化させて行く。

2・PLA樹脂(ポリ乳酸樹脂)やABS樹脂を溶かしながら積層していくプリンターは、分かりやすく言うと、ホットボンドが縦横に動くプロッタに装着されていて、テーブルの上に溶かした樹脂を積み上げて行く。

3・Zプリンタは、薄く石膏を敷き、その上からインクジェットでインク(硬化剤入り)を噴射して固めて行く。

共通している点は積層する行程である。

一段目が出来るとそのテーブルが少しずつ下がって行き、次の断面を積み上げて行く。もしくはヘッドが上がって釣り上げて行く、と言った方法だ。

積層ピッチが細かければ細かい程、その出来上がる物の精度が上がることは言うまでもない。

だが、積層ピッチが細かくなればなるほど、積層にかかる時間は比例して伸びて行く。0.125mmで積層する場合は、0.25mmの倍はかかる。

次項目では、それぞれのプリンターの一長一短を説明してみよう。

【織田隆治】
FULL DIMENSIONS STUDIO(フル ディメンションズ スタジオ)
< http://www.f-d-studio.jp
>

今回は3Dプリンタの種類をザックリと紹介してみました。次回は、それぞれのプリンターのよしあしを、あくまでも私主観で語りたいと思います。


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■展覧会案内
[3.11を忘れない写真家の会]津波も、瓦礫もない写真展 ─beforemath─
< http://ameblo.jp/shashinkanokai-311/
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< https://bn.dgcr.com/archives/20130124140300.html
>
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会期:2013年3月2日(土)〜24日(日)
月〜木9:00〜23:00 金〜土9:00〜24:00 日9:00〜21:00
会場:珈琲市場「讃香」(福島県いわき市平字田町63-2 TEL.0246-35-6885)
JR常磐線「いわき駅」より徒歩1分 常磐自動車道いわき中央I.C. 車10分
※祝日の20日(水)には参加作家によるトークイベントも企画中

〈展覧会によせて〉

2011年3月11日に起きた東日本大震災は未曾有の災害となり、人、町、生活などを我々から奪い去っていきました。

それを受けて私たち写真家有志は、写真家として何ができるのかを自問自答し、震災半月後に[写真で被災地を復興する会]を結成し、その年の11月に、まずは東京の二か所の写真ギャラリーで17人の写真家有志により展覧会とトークショーを開催致しました。

その後、参加した写真家数名がそれを引き継ぐ形で[3.11を忘れない写真家の会]を結成し、今回はその初めての展覧会となります。

私たちの展示する写真には、津波も瓦礫も写ってはいません。それは、震災が起きる前の町の写真だからです。

写真家たちが日々記録し撮り続けてきた写真は、被害も甚大で全てが失われてしまった地域だけではなく、建築物などの被害は少ないが被災した地域も含まれています。理由は3.11以前の写真を集めて展示したいという写真家たちの純粋な気持ちを優先したいからです。

今回は実行委員会のメンバーと、その意志に賛同して下さった写真家の方々で展示致します。私たちの展覧会にぜひ足を運んで頂けたらと思っています。宜しくお願い致します。

[3.11を忘れない写真家の会]実行委員会代表代行 谷口雅彦

◎参加作家と作品

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/data1 >
撮影者:谷口雅彦 < http://homeurl.web.fc2.com/taniguchi/
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撮影年:2009年
撮影地:岩手県陸前高田市小友町字冥加沢147

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/data2 >
撮影者:中居裕恭
撮影年:1998年
撮影地:岩手県九戸郡野田村

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/data3 >
撮影者:平賀淳 < http://jhp2.web.fc2.com/jhp1.html
>
撮影年:1999年
撮影地:茨城県水戸市

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/data4 >
撮影者:柴田秀一郎 < http://syashinka.com/main/
>
撮影年:2002年
撮影地:福島県いわき市大久町

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/data5 >
撮影者:西岡修
撮影年:2010年
撮影地:福島県福島市

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/data6 >
撮影者:猪狩英司
撮影年:2010年
撮影地:福島県双葉郡川内村上川内

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/data7 >
撮影者:柳本史歩
撮影年:2010年
撮影地:岩手県下閉伊郡山田町 浦の浜海水浴場

< https://bn.dgcr.com/archives/2013/01/24/images/data8 >
撮影者:丹野章
撮影年:1982年
撮影地:岩手県下閉伊郡田老町(現:宮古市)

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■展覧会案内
田代一倫写真展「はまゆりの頃に 2012年 秋」
< http://photo.dgcr.com/2013/01/15/
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20130124140200.html
>
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会期:2013年1月15日(火)〜2月3日(日)12:00〜20:00 月休
会場:photographers' gallery/KULA PHOTO GALLERY
(東京都新宿区新宿2-16-11-401 TEL.03-5368-2631)
< http://photo.dgcr.com/2013/01/15/
>
< http://www.pg-web.net/
>
< http://pg-web.net/kula/exhibitions/
>

内容:「撮影させていただいた方を全て展示する」という言葉通り、作者はこれまでに約850人の方を撮影し、その一人一人に撮影日と撮影した状況を記したキャプションをつけたものを私家版写真集としてまとめ展示する。また、壁面には2012年9月下旬から12月上旬までに撮影した作品を展示する。



2012年10月11日、私は初めて福島県双葉郡楢葉町を訪れました。約2ヶ月前に警戒区域が解除された町の中で、生活音がいっさい聞こえない路地、洗濯物が干されていないベランダと手入れされていない草花を見て、突然日々の営みから切り離された町を体感しました。

楢葉町でやっと人と出会えたのは、町役場の前でした。私は役場に勤める男性二人に撮影をさせていただきました。その後、お話を聞いている間に、彼らが働く目的である、楢葉町住民の方々は現在どう暮らしているのか気になりました。「避難した大部分の人は隣のいわき市で暮らしていますよ。今でも仮設で生活している方は多いです」という役場の方の言葉をお聞きし、私はいわき市に建てられた仮設住宅を訪れました。

まず撮影させていただいたのは、約250もの世帯の方が生活している上荒川応急仮設住宅の自治会長さんでした。同じ町内といえども、バラバラの集落から集まった方々が暮らす仮設住宅で、誰が言うこともなく、「自然に自治会長になってしまった」そうです。

私は白い巨大おにぎりとキムチをご馳走になりつつ、「詳しい説明もなく、いきなり西へ逃げろという町内放送があった」という避難生活の始まりから、「最近嬉しかったことは、地区の掃除に住民のほとんどが参加してくれたことです」とおっしゃる、現在の暮らしまでゆっくりとお話をお聞きしました。

また、ニュータウンを作るために整備されていた土地の一画に仮設住宅が建てられている、中央台の高久9応急仮設住宅にもお邪魔しました。「仮設のアイドル」といわれる年配の男性は、はじめに避難した体育館で腰の痛みを悪化させ、次の避難先である栃木県のご親戚の家では、杖を持たないと歩けない状態にまでなったそうです。

続けてこの男性は「不思議だなぁ...」と呟き、現在住む仮設で見知った顔をみると、杖なしでも歩けるようになったことをお話して下さいました。新しい出会いもあったそうで、同じ仮設住宅に、面倒を見に来てくれる方がいらっしゃることも照れくさそうに話して下さいました。

2011年3月12日に突然放置された町。また、住んでいた町から避難させられ、新しい土地で日々の営みを続けていらっしゃる方々とお会いし、被災をされている方の状況は、避難された後にも刻々と変化していることを実感しました。(田代一倫)


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■イベント案内
MOTOYA コラボレーションフェア 2013
< http://www.motoya.co.jp/business/news/osakacollabo2013/
>
< http://www.motoya.co.jp/business/news/osakacollabo2013/lef2013red30.pdf
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20130124140100.html
>
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印刷会社が「自社の強み」を積極的にアピールし、他社に活用してもらう交流の場。印刷物・広告物作成のパートナー探しから、仕事の依頼までビジネスに活用できる。派遣コーナーでは、スタッフ登録が可能。派遣スタッフ活用を考える企業の相談も受け付けている。(サイトより)

日時:2013年2月1日(金)〜2日(土)10:00〜17:00
会場:OMMビル2F 大阪マーチャンダイズ・マート(大阪市中央区大手前1-7-31)
< http://www.omm.co.jp/access/
>
入場料:無料。PDFには『茜丸』引換券がついている。
< http://www.motoya.co.jp/business/news/osakacollabo2013/lef2013red30.pdf
>
詳細:サイト参照。セミナーは要申込
< https://ssl.formman.com/form/pc/QPoLKCLG6wGCHdLg/
>

●イベント
○「P-1グランプリ2013」
印刷・デザイン関係等のプロが、テーマに沿ったポスター作品を出展し、来場者の投票により、優勝を決定するコンテスト。今回のテーマは「家族」。投票者にはノベルティグッズをプレゼント。

○マスターマインド製可食インクジェットプリンター展示
直接食品に印刷するインクジェットプリンターの展示。この可食インクで印刷されたどら焼きをプレゼント。(数に限りあり)

●2月1日
○変えなくて良いんです!あなたの営業スタイル 〜Facebookで究極の御用聞き営業〜(有料/1,000円)
ジャイロ総合コンサルティング株式会社 セミナー事業部長 渋谷雄大

○近未来IJオンデマンドの動向(無料)
コニカミノルタビジネスソリューションズ株式会社
富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ
株式会社株式会社メディアテクノロジージャパン

○最新 労働安全衛生対策セミナー(無料) オフセット印刷事業所における具体的な対応策について
社団法人日本印刷産業連合会 業務推進部 副部長 殖栗正雄

●2月2日
○もう一度見直すIllustrator、Photoshop作業短縮Tipsあれこれ(満席)
株式会社スタジオコア ディレクター 松川睦

○経営者とリーダーシップ〜受注産業(印刷業)における経営者の役割とは〜(無料)
株式会社シー・レップ 代表取締役社長 北田浩之

○高品質とコスト削減を実現するメンテナンス方法(無料)
ロハスプリント株式会社 府中弘修


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編集後記(01/24)

●1996年公開の映画「トキワ荘の青春」のDVDを見た。3軒のレンタルショップで捜索に失敗したが、最後の店のカウンターで検索を頼んだら、お姉さんはPCをチャッチャッと操作して秒速で発見し、すぐお皿を持って来てくれた。最初からこうすればよかった。

なぜ「トキワ荘の青春」を捜しまわったのかというと、川本三郎「時には漫画の話を」を読んだからだ(2012、小学館)。この本には、わたしも前々から知りたかった、寺田ヒロオが漫画を描くのをやめた理由がはっきりと書かれていた。ところで、寺田ヒロオが主人公の映画があったなと思い出したのだ。

わたしの知っているトキワ荘とは、若く野心に燃える漫画家たちの梁山泊だったはずだが、この映画では全然違う描き方をしている。とにかく暗く、静かで、盛り上がりがない。会話が少ない。あっても小声過ぎてよく聞き取れない。これ致命的ではないか。誰が誰だかわからないというのも困ったものだ。

つげ義春や棚下照生などトキワ荘に関係ない漫画家まで出て来る。これは違うだろう。自分の理想とする漫画が、時代から取り残されて行くテラさんの悩みや怒りを、本木雅弘がみごとに演じ切った、とも思えない。なにしろ寡黙過ぎる。玄人受けするかもしれないが、わたしのように映画を深読みしない者にとっては退屈に過ぎた。

「時には漫画の話を」は、映画や文芸評論で知られる川本三郎の漫画に関する文章だけを集めた一冊だ。偏愛するつげ義春関係のページが多いが、少女漫画、トキワ荘、気になる漫画家、同時代漫画など読み応え充分だ。なかでも、「『テラさん』の残した夢」が気になる。我孫子素雄は、最後の頃は誰とも交流がなく仕事もせずに酒浸りだった寺田を「あれは病死というより、緩慢な自殺というんでしょうね」と言ったそうだ。それはどういうことか。

テラさんの明朗で清潔で牧歌的な少年漫画、児童漫画はわたしも愛読していた。そんな漫画を描いていた人が、なぜ無頼な死に方をしたのか。もっとも古い友人で、寺田が晩年一番頼りにしていたのが棚下照生だった。

彼は「漫画界の現状に絶望したからというのはきれいごとだと思う。そんなに美化したら寺田だって苦笑するよ。挫折感とは違う。描くことがなくなってしまったんだ、もう。レールの上を走って来たらそのレールが切れてしまった。そういうことだと思う」と川本に語る。おそらくその通りなのだろう。なんという絶望、なんという孤独、つらく長い人生だったと思うと心が痛む。知らなければよかったとも思う。十河さんも2002年にこの映画について書いています。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002M34BIK/dgcrcom-22/
>
トキワ荘の青春
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4778037383/dgcrcom-22/
>
時には漫画の話を

< https://bn.dgcr.com/archives/i/20021101000000.html
>
映画と本と音楽と[145]青年たちが共有した夢 十河 進


●続き。今の学生さんはいいなぁ、英語関連アプリやインターネットがあってと羨ましがっていたが、『gooからだログ ヘルスアシスト』を見つけて、私は何と素晴らしい時代にダイエットを始めることになったのだろうと感動した。31品目をノートにつけていた友人のようなマメさがない私でも記録できるのだ。

食事をiPhoneで撮影するだけでカロリーが自動表示される。カロリーだって本を買ってひいて計算して、が、ネット検索するだけで細かく出てくるし、大手飲食店のメニューごとのカロリー一覧なんてのもある。ほとんどの加工食品にはカロリーや成分が記載されている。何この便利な時代! とことん享受しないともったいない!

gooからだログで目標体重を入れると、一日の摂取カロリー目標が出る。この目標は連動しているヘルスアシストにも表示される。撮影での記録はしていないが、ネットで検索して、アプリに食事内容とカロリーを登録。と、自動的にあと何カロリー摂取して良いかの表示が出てくる。続く。(hammer.mule)
< https://itunes.apple.com/jp/app/gookaradarogu-herusuashisuto/id547463790?mt=8
>
gooからだログ ヘルスアシスト  iOS版
< https://play.google.com/store/apps/details?id=net.nttcloud.ft.karada
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< http://karada.goo.ne.jp
>  gooからだログ