アナログステージ[99]アイデアのエコシステム──後編
── べちおサマンサ ──

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こんにちは、べちおです。夜は暑く朝は寒い、梅雨入りしたのか梅雨明けしたのか、さっぱり奇天烈なお天気ですが、うにうにした湿度に負けずに爽やかにいきましょう。前回の続きでーす。未読のかたは↓からどうぞ。

・アナログステージ[98]アイデアのエコシステム──前編
< https://bn.dgcr.com/archives/20130528140300.html
>

●皆さんが「なるほど!」と納得するには微妙な方法

「自分にしか分からない(知らない)エコシステム」を書こうとしたところでタイムアウトになってしまった前回ですが、拾ってきたアイデアたちを腐らせることなく、新鮮なままで保存する「記憶冷凍法(いま名付けてみた)」を少しご紹介。

あたり前ですが、冷凍法といっても頭を冷凍庫に突っ込んで凍らせるようなことはしません。冷えピタをおでこに貼って冷やすわけでもありません。パソコンにアイテムの情報を保存するだけです。




「こらこら、記憶冷凍法とか大それたネーミングつけてるけど、それって『メモ』じゃね?」とか、この原稿書きながら一瞬頭の中を過ぎったけれど、それ考えると書く気力が失せるので気がつかなかったことにします。

大まかに分けると、物体として存在しているアイテムもあれば、前回触れたように、自分の頭の中にしか存在しないアイテムもある。物体として存在しているアイデアの保存が簡単なことは、説明することもないでしょう。ただ、物体と同時に「その時の思い(頭の中)」も一緒に残すことが難しい。

記憶なんて目新しいことが出てくれば、どんどん塗り変わってしまうので、その時のことをいつまでも記憶しておくのは至難ですよね。好きな人と初めてのデートだったり、家族で旅行に行ったことや、同僚に酷い嫌がらせをされたとかなどは、記憶領域が違うはずなのでなかなか忘れないけれど、何気ない一瞬はどんどん上書きされてしまう。

そのときは何気ないアイデアでも、数日、数か月と寝かせておくと輝くこともあるので、可能な限り保存しておきたいところです。それでは保存方法を。

物体保存用のチャック付きのビニール袋と付箋の二つだけ。準備段階からしてエコですね、ハイ。チャック付きのビニール袋はいろいろなサイズがあると便利なので、ワタクシはモノタロウの格安アイテムを利用しております。安いけど、なかなかしっかりしているので、ほか用途にも便利。

・チャック付き袋:モノタロウ
< http://www.monotaro.com/g/00266233/
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わざわざチャック付きのビニール袋に保存する理由は、汚れや傷から回避させるのが目的ではなく、なるべくその時のそのままの匂いを保存したいから。これはワタクシだけなのかもしれないが、「匂いの記憶」が甦ると、その場の映像や周りの音など、一瞬ですべてのことを思い出させてくれるのだ。

ただ、何年何月何日何時何分地球が何回まわった日までは正確に思い出せないので、付箋に日付とある程度の情報、適当な管理番号を振って書き添えておく。あとは自分が管理しやすいようにエクセルで処理しておけば、アイデアの引き出しが完成する。

人によって管理の仕方は様々なので参考になるか分からないけれど、ワタクシのアイデア管理方法は、上記手順から、管理番号を月別振るとロケーション数が多くなるので、季節にしている。季節なら4つで済む。

例えば、夏に由比ヶ浜の海岸で拾った巻貝の殻などは、「SUM20130808_a」といった具合に番号を振る。

付箋にも簡易的にメモ書きは残してあるが、エクセル上にはもう少し具体的な内容を書き残している。これは物体を手にしてからアイデアを探すときと、パソコン上からデータで探すケースを考慮して、どちらからでもすぐに探せるようにしている。

「コレに合うもので何かいいアイデアないかなぁ......」など、アイデア単体(物体)だけではなく、それに付随したものまで一緒に探せると助かるケースがある。視覚的に写真であったり映像であったりと、目から情報を得ようとするが、いいアイデアがでても、いまいちパンチがない。

「なんでコレがこんなに魅力的になるんだろう」と、惹かれる作品に出会ったときに感じるのは、個々に備わっている現実的なバランスがマッチングしているはず。このへんは人によって受ける印象というかバランスが違うので、深く突っ込むことはナンセンス。

●あの瞬間のゾクゾク具合は異常

保存してある巻貝の袋を手にとり、袋を開けたときに広がる潮や砂の匂い。その匂いを嗅いだ瞬間、その巻貝を拾ったときにどんな気持ちで拾ったのか、どんな雰囲気だったのか、その日の夜になにを誰と食べたなど、嗅覚からありとあらゆる情報を鮮明に思い出すことができる。まさに記憶の解凍ではありませんか。

あの瞬間って、本当に心が落ち着く。ときには感傷に浸ってホロリと涙がこぼれることも。しかし残念なことに、思い出した記憶というか感覚が長続きすることはなく、長くて5秒間だけのタイムスリップ。

「あー、もう少しだけ、もうちょっとだけ......」と実に名残惜しく消え去ってしまうが、「いつまでも過去にしがみ付いているのではなく、どんどん新しい記憶(思い出)を増やしてね」という、神さまの粋な計らいなのかもしれない。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。
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△▼過酒雑記──今日の酒は明日の肥し▼△

●昨年8月に来日したNAPALM DEATHのライブ映像が、シレっとYoutubeにあがっていた。映像自体はあまりキレイではないけれど、あの時の臨場感を再び楽しめて嬉しい限り! ここ最近......というよりも、今年に入ってから、どこに行くにもNAPALM DEATHばかり流して聴いております。

・Napalm Death-Live-Tokyo 23 August 2012 (1/2)
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・Napalm Death-Live-Tokyo 23 August 2012 (2/2)
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●今年のラウドパークが開催決定!! オイラのご贔屓バンドたちが新作出していないので、フェスの参加は微妙というよりも間違いなくないだろう。といいながら、ひょこんと予想外のバンドが参加したりするので、公式発表が楽しみです。

・LOUD PARK 13 : OFFICIAL SITE
< http://www.loudpark.com/13/
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