[3587] 電子読書の秋!

投稿:  著者:


《国内メーカーの4Kカメラは全部パスかなあ》

■まにまにころころ[46]
 電子読書の秋!
 川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito

■クリエイター手抜きプロジェクト[368]映像編
 SONYの4Kカメラ(FDR-AX1)
 古籏一浩

■講師だって、最初は初心者だもの[番外]
 Fireworks Vs. Photoshop 対決! 〜 本番 〜
 森 和恵

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■まにまにころころ[46]
電子読書の秋!

川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito
< https://bn.dgcr.com/archives/20131118140300.html
>
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こんにちわん、コロこと川合です。今はやぶさに乗って青森に向かっています。青森で開催される電子書籍のセミナーで、ちょこっとお話しするお仕事で。そんなわけで、今日は読書の秋、電子読書の秋ってことで。前にもちょこっと電子書籍の話は書きましたけど、改めて。

◎──電子書籍とは?

今さらですが、電子書籍とは、電子機器のディスプレイで読むことができる、文章を中心としたコンテンツのこと。iPadが登場した2010年くらいから、「電子書籍元年だー」ってなことが言われていますが、実感としては未だに元年が明けません。でも、どんどん閲覧端末やサービスは増えていて、元年のままに群雄割拠の戦国時代を迎えている状況です。誰か「もはや元年ではない」って言い切ってくれないかな。

◎──電子書籍のカタチ

電子書籍と言えば「EPUB」という規格が標準のイメージがありますが、前段で書いた定義の通り、電子書籍とは電子機器で読める文章メインのコンテンツのことですので、テキストファイルも画像ファイルも、HTMLもPDFも、電子書籍として用いられていれば、それらも電子書籍のフォーマットと言えるんですよね。

そういった各種ファイルがあって、それを読ませるアプリケーションがあれば、もう電子書籍。端末も、電子書籍の閲覧端末と言えば、Amazon KindleやSony Readerといった専用の電子書籍リーダーがまず挙げられますが、スマホやタブレット、またPCやフィーチャーフォンも電子書籍の閲覧端末です。

◎──電子書籍の流通

電子書籍の流通と言えば、Kindleストアや、koboイーブックストアでのダウンロード販売が思い浮かびますが、昔々からCD-ROMなどの形で販売されていたり、書籍の付録として提供されていたり。そう考えると、電子書籍元年よりもずいぶん以前から電子書籍は流通、利用されていたんですね。そういえば落ち着いて思い返せば昔から、イーブックだとかなんだとか、そんなものが書店で売られていたような気が、するような、しないような。

◎──電子書籍のいいところ・わるいところ

電子書籍のいいところは、なんといっても、軽いところと省スペースなところ。本好きほど悩まされてきた問題が一挙に解決。データ容量の限り何十冊、何百冊もの書籍を、端末の重さのみで持ち運べるなんて夢のようです。しかも場所を取らないし劣化もしない。

そして、何らかの事情で販売が終了されない限り、入手できること。ちょっと販売が思わしくない書籍だって、それを理由に絶版されることも、売り場の棚からなくなることも(たぶん)ない。あとは電子書籍ならではの「検索」や、「書籍を超えた表現」が可能なことも魅力です。

一方でわるいところ、というか残念なところは、「紙じゃない」ところ。当たり前ですけど。でも、本好きはコンテンツだけでなくて、紙の部分も好きなんですよ。装丁とか、手触りとか、紙とインクの匂いとか、そんなの全部ひっくるめて「本」なんですよ。それをパラパラめくるのがいいんですよ!(力説)

あとは「権利」の問題ですね。電子書籍ってデータだから、「所有」できない。Kindleで買うのは、正確には「閲覧する権利」ってとこで。ものによっては閲覧可能な期限があったりしますし、そうでなくてもサービスが終了したら新たにダウンロードできなくなって、手元のデータが飛べばおしまいです。DRMで複製や移動が制限されていることも多いです。その辺りはまだまだ今後どうなっていくかわからない課題ですね。

◎──電子書籍の作り方を学ぶ

「電子書籍 講座」あたりのワードで検索すると、いくつかスクールの案内が出てきますが、ほとんど中身は「DTP講座」なんですよね。まあそれもしかたないというか、一般的な小説や新書のような電子書籍なら、ワープロソフトで作れてしまうんです。雑誌のような写真がどーんってタイプのものでも、ページの分だけJPEG画像を用意すれば、アップロードするだけだったり。

だから内容がDTP講座になる。特殊な機能を持たせたようなものでなければ、電子書籍制作のために必要なスキルって、極論すれば「面白い文章を書く技術」だけなんですよね。「電子書籍 求人」で検索してみるともう少しはっきりしてて、どこも「電子書籍を作れる人」なんて募集していない。出てくる求人は閲覧アプリの開発エンジニアがほとんどです。

なので、「電子書籍の作り方」というのは、普通の読み物コンテンツだとすれば、求められるのはデジタルな技術じゃなくて、企画力や構成力で、文章力といった感じ。学校で学ぶとすれば、編集者養成やライター養成の学校で。調べていないので分かりませんが、ラノベ作家を養成するような学校とはとても相性良さそうですね。学生でも誰でも、書きさえすれば出版できるので。

一方で「普通の読み物コンテンツ」じゃないものを作ることを考えられるのが、電子書籍のいいところ。というか、それこそ本懐じゃないですかね。運びたいだけ、棚を整理したいだけで紙を捨てたわけじゃないだろって話で。

せっかく「電子書籍」なのに、まだまだ「本」の枠から抜け切れていない感じが、未だ「元年」なところかなって思います。マーカー機能で線が引けるよ、とか、付箋機能でほらメモがっ、なんて、そんなネタじゃワクワク要素が足りなさすぎる。(笑)

普通の読み物コンテンツの線だけでいくと、コンテンツの種類によって、向き・不向きがどうしても出るんです。例えば実際にあれこれ普通の本を電子書籍で買って読むとわかるんですが、コミックや小説のような、頭から一方通行で読む本にはある程度向いています。向いているというか、そう不満を感じない。

ただ、たとえば技術書や雑誌など、行ったり来たりして読むもの、好きなところから好きなように読むようなものには、あまり向いていません。ざーっとパラパラめくれないから。ほか、上の方で簡単に作れるって挙げた、雑誌のように写真がどーんってあって、文が載っててというのも、紙でやってることそのままだと読みにくくてしかたない。雑誌の見開きを再現しようと思ったら、そこそこのサイズのディスプレイがないと。携帯端末では楽しめないでしょ。

◎──そろそろ白河

上野過ぎたあたりから書き始めた今回、そろそろ白河にさしかかるところ。関所で検閲されて原稿が取り上げられてしまわないうちに、この辺で終わりにしたいと思います。さて、東北、楽しんできます☆

【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
< https://www.facebook.com/korowan
>
< https://www.facebook.com/caputllc
>
< http://manikabe.net/
>
今回書いたような話をかいつまんで15分で話してくるお仕事です。(笑)


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■クリエイター手抜きプロジェクト[368]
映像編SONYの4Kカメラ(FDR-AX1)

古籏一浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20131118140200.html
>
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11月11日にようやくSONYの4Kカメラ FDR-AX1が手元に来ました。まあ、すぐに手元から離れていってしまうのですが。

とりあえずカメラがあるうちに撮影して、どんな具合なのか確認したいところ。初日の印象なので、使いこなせば違うと思われます。ファースト・インプレッションとして読んでもらえばよいかと思います。4Kカメラ購入を考えている人の参考になるかもしれません。

なお、文中でREDとあるのはRED Digital Cinema Companyという会社が出している4K〜5KカメラのRED Scarlet-Xを示しています。現在、RED Digital Cinema Companyは6Kのカメラも出しています。

・RED Scarlet-X
< http://jp.red.com/products/scarlet
>

・FDR-AX1
< http://www.sony.jp/handycam/products/FDR-AX1/
>

さて、カメラが発売になる前にQXDカードリーダーを購入することにしました。FDR-AX1は、SDカードではなくQXDというカードに記録されるためです。早速、ヤマダデンキにいって店員さんに聞いてみると......

店員「発売されていませんね、そういうのは。カメラと同時に発売になるんじゃないでしょうか?」

さすがヤマダデンキ、赤字になるだけのことはあります(?)。QXDのカードリーダーはだいぶ前に発売されていて、アマゾンで注文可能になってます。ヤマダデンキの店員の知識はアテにならず、過去にも何度もいい加減な説明をされたことがありました。

とりあえず、アマゾンでカードリーダーを注文しました。ちなみにFDR-AX1はカードリーダーがなくても、カメラをUSBで接続しストレージとして認識させれば撮影したデータを読み込むことができます。

さて、FDR-AX1の箱を開封してカメラを取り出しました。よく見るSONYのカメラの形と同じです。REDのようなごっついカメラとは違います。重量もREDの半分なので軽くて持ち運びやすい感じです。

実際、持ち運んでも軽いので苦にはなりません。REDのように気合いを入れてカメラをかつがなくてもすみます。何と言っても、最初から完成品になっていTR、すぐに使えるというのは便利です。REDだと自分で組み立てないといけないのです。

カメラにバッテリーを入れます。多少は充電されているようで、20分くらいは使える感じです。カメラの電源を入れると、Handycamのロゴが表示されます。起動は家庭用カメラと比べると遅いのですが、REDよりは十分高速です。

最初は日付や時間の設定を行います。ところが、ボタンが小さくて押しにくい......。タッチパネルでもなく、ボタンを押すしかないので設定はやりにくい。REDはタッチパネルとボタンの両方なので、ここらへんはREDの方が上です。

日付設定が終わったらカードフォーマットです。これは、あっという間に終わりました。これで撮影準備OKです。

とりあえず、室内を映してみます。白飛び黒潰れ部分が分かるようにゼブラ表示の設定を行います。すると、室内なのにいくつも白飛び状態の部分が。あまりダイナミックレンジは広くないだろうと思っていましたが、予想以下でした。REDだと何も考えずに撮影できるシーンも、FDR-AX1だと気を付けて撮影しなくてはならないようです。

次に屋外にカメラを持ち出しました。あいにく曇りでしたが、遠景の街並みを撮影してみました。どうせなら、家庭用カメラでも撮影して比較してみようと思い、同じシーンをパナソニックの家庭用ビデオカメラX920Mで撮影しました。ちなみに、X920Mは4Kカメラ並みにきれいに撮影できるほどの性能があります。過去にREDと比較した時に、予想以上にX920Mがきれいで驚いたことがあります。

まあ、SONYの最新4Kカメラと、少し前の家庭用HDカメラでは比較にならないかと思いましたが、実際に撮影した映像を見ると、HDカメラであるX920Mの方がきれいな場合が多々ありました。

特に広角撮影で森や木々が多い場合、X920Mの方がきれいです。逆にズームインした場合は、FDR-AX1の方が遙かにきれいです(サンプル映像の紅葉や市街地にズームインした映像を見てもらえばわかります。格段に違います)。

また、FDR-AX1で撮影した映像にノイズがかなり乗ります。ノイズ感はSONYに限らずキヤノンのカメラにもありましたし、X920Mも拡大するとノイズのように感じられる部分はあります。

ただ、ノイズ感はX920Mの方が目立ちません。REDだとノイズがほとんど乗らないので、ノイズ感はまずありません。曇りの日にこれだけノイズっぽくなってしまっているというのは、どうなのかなと。これならハンディカムで撮影してアップコンバートでもよいのでは? と思ったりもしました。

2007年に4KカメラのRED Oneが発売されてから6年、4K/5KカメラのRED EPIC/Scarletが発売されてから2年近く経過しているのですが、FDR-AX1は期待したより性能が悪いと感じました。センサーが悪いのでしょうか。基本的な性能が数年前のカメラ(RED)に負けているというか、だいたい撮影した映像がハンディカム並みか、それ以下になるというのは何ともいただけません。

前々からSONYのカメラには見切りをつけていたのですが、それでも初の家庭用4Kカメラということで少し期待してました。うん、二度と買わないよ、SONY。これなら5倍金出してRED買うか、パナソニックの家庭用カメラ買った方がいいかと。

一応フォローしておくと、SONYのカメラでも業務用(PXW-Z100)は違うかもしれません。FDR-AX1で森や木々が潰れてしまうのは、ビットレート不足による可能性もあります。業務用のカメラ(PXW-Z100)だと遙かに高いビットレート(FDR-AX1の4倍の600Mもある)で記録するので、業務用カメラだときれいなのかもしれません。

ついでにFDR-AX1はRAWで撮影できないので、REDのように後からどうにかしようという必殺技が使えないというのも痛いところ。もちろんレンズ交換もできません。さらに液晶モニタの小ささには何とも閉口してしまいます。

REDの10inchの液晶モニタで倍サイズ表示にしてもピンぼけがわからないのに、家庭用ビデオカメラ並みに小さい液晶モニタでは、ピンぼけしているのかどうかすら分かりません。外付けのモニタで確認してください、ということなのかもしれませんが。

まあ、初日なので辛口になってしましたが、以下のページに撮影したデータをアップしておきました。興味のある方はダウンロードして比較してみてください。FDR-AX1で撮影した映像はちょっと水平になってないものがありますが、気にしないでください......。

・SONY FDR-AX1映像サンプル
< http://www.openspc2.org/HDTV/SONY/FDR-AX1/
>

記録媒体がQXDカードだけど、REDのようにSSDの方が今後大量生産によるコストダウンが見込めるような気がします。でも、もうSONYは買わないから、どうでもいい気がしてきました。Panasonicも4Kカメラ出すみたいですが、RED以上になることはないと思うので、国内メーカーの4Kカメラは全部パスかなあ。


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
< http://www.openspc2.org/
>

編集長から、なかなかきびしいレポートですね〜と返事がきたので補足。

たまたま撮影した画像や場所が悪かったのかも、ということで晴天の時に撮影したり、滝を撮ったりしてみました。4K/60pならきれいに滝が映るはず......。でも、やっぱり駄目。X920Mの方がきれいか、フレームによっては似たような感じ。滝は白く潰れべたっとしたままでREDのような鮮明さはなし。

ここらへんはビットレートの関係があるので、ローエンド4Kカメラだから仕方ないかなあ、と。青空を撮影して比べてみたけど、比べるまでもなく2世代くらい前の映像の雰囲気。感じとしてはキヤノンXH-A1(HDVカメラ)と似たようなもの。

なんて書いているうちに、REDはScarlet-XからEPICへのアップグレードを用意してくれたみたい。だいぶ金額も抑えられているので親切。といっても高いけど......。

最後にFDR-AX1のいいところをどうにかこうにか。バッテリーの持ちは案外とよいと思います。あと、今までのSONYのカメラを踏襲しているので同じような感じで撮影できること。軽いので持ち運びにはREDよりはるかにGood。

そして、X920Mよりダイナミックレンジは広いこと。もちろんREDよりははるかに低い。ただ、ヒストグラムも表示されないカメラなので、どのくらいのダイナミックレンジがあるのか分かりませんが......。

もしかしたら、たまたまカメラの調整不足かもしれないし何かの設定が悪かったのかも......。どのみちファームウェアのアップグレードが用意されているのでその時にちゃんとしたものになるのかも......。もしかしたら、たまたま読み込んだアプリが正常に100%表示の時に正しく表示してくれなかったのかも......。でも、REDの方はRAWデータだから後々どうにでもなるので、やはりREDがいいかなあ。


iPad Airは注文せず、なぜかKobo Auraを注文してしまいました。
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・ハイビジョン映像素材集【4K素材さらに追加しました】
< http://www.openspc2.org/HDTV/
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・Nexus 7(アンドロイドタブレット)使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/Android/Nexus7/
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・JavaScript逆引きハンドブック
< http://www.amazon.co.jp/dp/4863541082
>

・クリエイター手抜きプロジェクト
< http://www.openspc2.org/projectX/
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・Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集
< http://www.openspc2.org/book/PDF/Adobe_Illustrator_CS3_JavaScript_Book/
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吉田印刷所の「印刷の泉」でも購入できるようになりました。


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■講師だって、最初は初心者だもの[番外]
Fireworks Vs. Photoshop 対決! 〜 本番 〜

森 和恵
< https://bn.dgcr.com/archives/20131118140100.html
>
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こんにちは! 森和恵です。

11月も後半に入り、師走の足音が聞こえてきました。街中では、クリスマスイルミネーションが始まったりしていて......気が焦るというか、年末が近づいてもの悲しくなるというか、秋深しですね。

さてさて。今回は、先日登壇したイベントの報告と、「Fireworks Vs. Photoshop 対決」から、Fireworks派がPhotoshopを使ってみて思ったことをお届けします。

●CSS Nite in OSAKA, Vol.38 「なくなったわけじゃないけど、Fireworksを使わないワークフローを考えなきゃいけないかも会議」

11月12日から、大阪でイベントが行われました。夜開催にもかかわらず、約50名の方にご参加頂きました。男性より女性の方の方が少し優勢で、Web系のお仕事をされている方が多かったようです。会場の雰囲気的には、Fireworks派の方が目立ったかなと思います(会のタイトルがタイトルだけに)。
< http://osaka.cssnite.jp/vol38/
>

私の担当は、「Fireworks VS. Photoshop でバナーを作ってみた」でした。普段Fireworksを使っている私から見た、Photoshopの使いごごちを比較する形でお話ししていきました。

まったく同じ機能ではないですが、Fireworks機能をPhotoshop機能で代替してみました。

(Fireworks)→(Photoshop)
シンボル  → スマートオブジェクト
パスツール → ライブシェイプ+属性パネル
テクスチャ → パターン塗り
フィルター → レイヤー効果
グループ  → レイヤーグループ
スライス  → Generator(生成)※CCのみ

なお、セッション当日に使ったスライドを下記にて公開しています。

【 Fireworks派から伝えたい、イマドキのFireworks活用法 】
< http://www.slideshare.net/r360studio/cssnite-osaka38-mori-kazue
>

●Photoshopのレイヤーに対する誤解がとけた

Fireworks派といいつつも、私はPhotoshop歴は割と長くて、1994年 Photoshop 3.0からのユーザーです。ようやくレイヤー機能が導入されて、Windows版がリリースされたバージョンです。

本職がセミナー講師なのですが、一番よく教えていたバージョンがPhotoshop 5〜6の間でした。いまと比べるとずいぶん原始的な時代でしたね。機能が少ないので、操作手順の多いこと......。グラフィック操作の初心者に教えるには、酷なソフトだなぁと思っていました。

私自身は、レベル補正とかトーンカーブとか使って、写真加工をするのはとても好きだったのですが、どうにも苦手だったのが「レイヤー」の扱いでした。画像重ねるのもレイヤー、テキストを打つのもレイヤー......。

「レイヤー分け超メンドクサイ!!!」と思っておりました。

そこで出会ったのが、レイヤー分けをほとんどしなくていい、Fireworksです。オブジェクトを選択して、そのまま操作できるなんて、超楽ちんでした。

それからは、写真の色補正だけをPhotoshopで行い、すぐにFireworksに持ち込んでレイアウトから最終アップをしていたのです。

【 CSS Nite LP22フォローアップ 『Photoshopの色補正ツールを極めよう』 】
< http://cssnite.jp/archives/post_2383.html
>

ですが、最近のPhotoshopって、なにも意識しなくても、レイヤー分け勝手にやってくれるんですね。今回使ってみて、楽さを実感しました。

例えば、写真を部分的に選択→コピー&ペーストすると、新しいレイヤーを作ってから貼りつきます(昔は、同じレイヤーに貼りついていたので、苦労していました)。

レイヤーを選択する操作も、[移動]ツールのオプションで「自動選択」と「バウンディングボックスを表示」にチェックを入れておけば、オブジェクトを直接選択できます。選択中のオブジェクトを消すときは、[DEL]キーでレイヤーごと削除されます。

「えっ? えっ? これ、Fireworksと同じじゃね?」と、その変化を知った時に驚き&焦りました。しばらく見ていないうちに、ツンデレで使えなかった後輩が、素敵な相棒に変わるかも?的な感覚でした。

補足:ちょっとした不満

グループレイヤーにしている時に、グループだけを選択する簡単な方法がないのかなと思います。[移動]ツールのオプションで[グループ]を選べば、グループ単位で選択ができるのですが、今度は個別に選択することができない......。なにかキーを押しながら操作すれば、グループ単位で選択とかできれば素敵なのですが。

もう一つは、オブジェクトの複製を「コピー([Ctrl+C])&ペースト([Ctrl+V])」でできると嬉しいなと思います。[Alt]キーを押しながら、ドラッグすれば複製できるんだけど、ちょっとやりにくくて。

この二点、うまい方法がないかなと思って調べ中です。

●Photoshop のパス操作はずいぶん改善されている

Photoshopは、基本的にビットマップを扱うソフトなので、ベクトルデータ(パス)は扱えませんでした。パスオブジェクトに色を塗る時は、ベタ塗りしたレイヤーにパスでレイヤーマスクを設定する方法でした。こんなの違う! って思ってました。

その後に出会った、ベクトルデータの扱いをllustratorっぽくできるFireworksが好きになるのも当然と言えば当然(モニョモニョ)......。この辺は、個人の好みもありますね。はい。

ですが、最近のPhotoshopは様子が変わりました。長方形ツールで描いたオブジェクトは、「長方形」オブジェクトとして扱われます(レイヤーを見ると「長方形」と表示。Photoshop的には、ライブシェイプと呼んでいるようです)。

名称が変わったから、だからどうした? と思ってしまうのは、気が早い。大事なのはここからで、[属性]パネルを使って、オブジェクトの「位置・サイズ・塗り・線・角丸」などの属性を数値でしていすることができるんです!(※スライドの13ページをご覧ください)

FireworksやIllustratorでは、ごくごく当たり前のことですが、Photoshop派としては、悲願の機能じゃないかなと思います。後からなおすのがマジで楽ちんです。わーい! 今後も、Photoshopのパス操作が機能アップしていくんじゃないかな、と予感させてくれました。

補足:ちょっとした不満

バグだと思うんですが、この便利な[属性]パネルが表示しないことがあります(属性パネルに「マスク」しか表示されない)。その時は、オブジェクトを再選択するか、オブジェクトのレイヤー名を[Alt]キーを押しながらクリックしてみてください。無事に表示されます。

●登壇しての感想(フォローアップメールから抜粋)

今回は、Fireworks派の方に、Photoshopとの機能比較をお伝えししたのですが、後でアンケートを拝見してみると、「Photoshopも使ってみよう!」とのご意見があり、お話してよかったな! と思う次第です。

最後にまとめでもお話しましたが、「Fireworks終了のお知らせ」のうわさが飛び交った時にお恥ずかしい話、私自身がツールに固執していて愕然としたものです。

その後に別のツールを使って思ったことは、「ツールに使われるのではなく、使う自分が主役なんだ」ということでした。

本職ではないので私は、デザインセンスにかけるところはありますが、少しでも「伝えたいことが、効率的に伝わる表現」をいつも模索します。また、「少しでも効率的に時間の無駄なく作業を進めたい」も考えます。

そういった制作者の欲求を満たすツールを貪欲に探す行為は、無駄ではないんだなと感じました。ツールもそうですし、さまざまなWeb技術もそうですよね。きっと。

勉強し続ける......というのは、お金にならなくて、孤独で、しんどいことですが、CSSNiteをはじめとして、Web業界では多くの勉強会が開催されています。参加して「ひとりじゃない」感を味わえば、モチベーションもあがるよねと感じます。

また、どこかの勉強会でお会いしましたら、気軽に声をかけてください。みなさんと一緒に頑張りたいな、と思っております。

......さて、今回はここまで。

来月は2回登壇予定なので、続物で今年のまとめ的なことをお話ししようかなと思っています。では、来月初めにお会いしましょう!(^θ^)

※記事へのご意見・ご要望は下記より受付ます。
< http://goo.gl/rN5Dg
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【 森和恵 r360studio 〜 Web系インストラクター 〜 】
site < http://r360studio.com
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今月末(11月30日)に、久しぶりに新ネタのセミナーをします。

ブラウザを使って手軽にホームページの作成ができるサービス Jimdoの入門講座です。御好意で頂いたグッズプレゼントもあり。ぜひ、ご検討ください。

【いちから学ぶ Jimdoスタートアップ入門】
< http://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=16252
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編集後記(11/18)

●11月16日(日)の20:44にゆらっと来た。震源地は千葉県北西部でM5.4、わが戸田市は震度2と出たが、もっとあったような気もする。一週間前の10日(日)にも7:37に茨城県南部でM5.5、戸田市は震度4だった。でも地震情報の履歴をみたらほとんど毎日、千葉、茨城、福島のどこかで地震がある。なんだか首都直下地震が近づいているようないや〜な感じがする。そんなタイミングで、わがマンションの「震災対応マニュアル」も完成間近である。この土日に最後の仕上げをしようと、40ページほどのプリントアウトと格闘した。

管理組合にはページの多い冊子をつくった経験のある人がいないので、結局わたしに一任されたかたちだ。50ページを40ページまで減らしたが、まだまだ多い。サービス業者が作った汎用マニュアルのテンプレートを、わがマンション向けに再編成して提供されたものだが、そのWord組版がじつにヘタクソでうんざりする。組版とは呼べないシロモノなのだ。わたしはWordがきらいで、届いたWordテキストを読むときしか使わないから、その組版に手をいれることはできない。管理会社のわがマンション担当者に仕上げてもらうことになった。

担当さんはいくら仕事でWord使っているとはいえ、ページものは初めてだから悪戦苦闘したようだ。なかなか指示通りにはやってもらえない。そもそも指示が理解できないのかもしれない。三校やってもまだ完成形にはほど遠い。ああもどかしい。ヘンな空きが気になって仕方ない。自分でできるならさっさと仕上げちゃうのになあ。切り貼りを含めて、赤字だらけになったが、ちゃんと理解してもらえるかなあ。会って説明する必要があるな。

来年度もたぶん防災に関わると思う。いちおうマニュアルの基本形はできたので、次回はわたしがInDesignで組もうと思う。しかし、ほんとはInDesignをちゃんと使えるわけではない。以前150ページの冊子をつくったときは、デジクリ・デスクのハマムラさん(DTPエキスパート)にテンプレートつくってもらい、わたしはテキストを流し込んだだけで、フィニッシュはお任せしたのだ。

InDesignは一冊の参考書で独習したが、全然マスターできないので、先日もう一冊買った。古いバージョンだから参考書は安かった。というか、ほとんどタダ。なんと251円也(送料250円込み)。安いと言えばカセットコンロのガスボンベ、ドンキホーテで今まで見たことのない値段で売っていたので3本セットを10パック買って来た。いろいろ備蓄開始。(柴田)


●続き。まわりは外国人が目立つ。台湾、中国、英語圏の人たち。一年前に手術した老人がチャレンジランに参加されていたり、バースデーケーキを模した帽子をかぶった人が、手にもっていたスチール製灯油缶を没収されていたりした。中身は空らしかったが、危ないからねと言われていて、そりゃそうだわなと。自分はチャレンジランでさえ完走できるか心配なのに、仮装し缶まで持って走れるのは凄いなぁとは思った。

とにかくスタートまでの待ち時間が長い。少しずつ前に詰める。時計を見て、スタートしたことは知るが、相変わらず順番待ち。10分ほど経って、スタート地点まで200mはあるだろうに、走り出すみんな。えー、まだスタート地点じゃないのにーとスタミナや完走に自信のない私は、走り出したくないので100mぐらいは歩くが、邪魔になるのでしぶしぶ走り出す。

どこからスタートなのよ? 何このグタグタ。スタート地点では、立ち止まって記念写真を撮っているランナーがいたよ。結局、スタートできたのは9時20分頃。トップランナーだと1km3分ペースなので、5kmの給水所はもちろん、6kmの御堂筋スポタカさえ過ぎているはず。続く。(hammer.mule)

< http://osaka-marathon.com/runner/schema/course_movie.html
>
大阪マラソン コースムービー。