[3626] 【さわひらき Under the Box, Beyond the Bounds】展を観て

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《10数年ぶりに風邪で寝込んだ》

■武&山根の展覧会レビュー
 回転が転回する──
 【さわひらき Under the Box, Beyond the Bounds】展を観て
 武 盾一郎&山根康弘

■グラフィック薄氷大魔王[375]
 「クレームで企業をビビらせるのが流行ってる件」他、小ネタ集
 吉井 宏


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■武&山根の展覧会レビュー
回転が転回する──
【さわひらき Under the Box, Beyond the Bounds】展を観て

武 盾一郎&山根康弘
< https://bn.dgcr.com/archives/20140129140200.html
>
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武:こんばんは! 今年最初のデジクリチャットだよね。
山:こんばんは〜。そうやね、1月ですから。

武:明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!
山:今さら言わんでもええんちゃうの。

武:デジクリ読者様とは今年お初だから、まあ新年の挨拶くらいしておいた方がいいかなあ、とw
山:そうすか。ま、2014年ですよ、2014年。毎年書き初めしてなかった? 今年はしたんですか?

武:はい。しました。
山:ほう、なんと書いた?

武:えっと、ちょっと待って。なんて書いたか忘れた。書き初めの紙を探してくる。
山:忘れるんかい!

武:お待たせ! 「儲」「小宇宙」「天使」の三本です!
山:なんやそれ! バラバラやなw ってか「お題」みたいやな。この3つの単語で、小咄作って下さい、みたいなw

武:わはは! それでチャットする?
山:え〜出来た人、、はい、武さん!

武:できるか!
山:なんや、出来へんのかw

武:もう、酔っぱらっちっただよ!
山:なんでやねん!

武:呑んでるからに決まってるじゃないですか!
山:なんか最近酔っぱらうの早くないか……? えっと、そう言えばこないだ出張で富山行ってきてんけど。

武:ほい。
山:越後湯沢で特急に乗り換えなんだが、越後湯沢駅いい!

武:越後湯沢駅、降りたことあるかなあ、、?
山:「ぽんしゅ館」ってのがあって、おちょこ一杯百円で、100種類ぐらいの日本酒が飲める。
  < http://www.ponshukan.com/drink/index.html
>

武:おちょこ一杯100円ってなんか高い気がするぞw
山:まあ高いっちゃ高いが。なんかいいんですよ。

武:いろんな種類のお酒は呑んでみたいな。
山:飲み比べると、ほんと違うから面白いよ。

武:へー! 違うんだ!
山:いや、そりゃそうやろ。でもね、飲み過ぎるしついつい買ってしまうんよねw 武さんにも一本買ってきました。

武:おお! それは嬉しい!「あさびらき」か?
山:「高千代」のからくち純米、日本酒度+19!
  < http://www.takachiyo.co.jp/
>

武:めっさそそるwww

山:なんやろ、飲み比べてちょっとびっくりしたので買ってみた。好みあるやろうけど。

武:呑める日を楽しみにしております! ということで、今回は日本酒の「あさびらき」を紹介しました!
山:「高千代」じゃ!

武:あはは。では、そろそろ本題いきましょう。今回は「あさびらき」です!
山:「さわひらき」やないか! なんか都合良く日本酒の話をしてしまってはめられた感がある。。

武:奇遇ですね!
山:えー、オペラシティアートギャラリーです。
  < http://www.operacity.jp/ag/exh160/
>

武:全然知らない人でした。知ってた?
山:飛行機の映像は、おそらくどっかで観てる。

武:へー。そういえばいつだっけ? オペラシティ行ったっけ閉まってたの。デジクリチャットに書いてなかったっけ?
山:ああ、閉まってたな。書いたんちゃう?

武:いつだっけか暑かったか寒かったかも思い出せないなあ。。あの後、ベルクに行ったんだよね。そこだけは覚えてる。
山:2月やね。でしょうがないから「デルヴォー」にしたんや。行こうとしたのはICCやけど。
  < https://bn.dgcr.com/archives/20130220140200.html
>

武:約一年の時を経て、オペラシティーに舞い戻ってまいりました!! 奇跡の生還!
山:そないたいそうなことやないがな。

武:なんかね、オペラシティは苦手意識があってね、ようやく今回、苦手科目を克服した気分ですよw
山:へー、なんでやろな。


武:場所の空間感かなあ。。がらんとしてる感じとか、なんか寒くて。
山:ほう。僕はあそこのショップのgallery5でブックフェアとかさせてもらってたから、むしろ親近感あるな。

武:そうなんだ。ゆかりある場所ってことか。で、さわひらき、どうでした?
山:いきなりやなw

●メタファーではない

武:じゃあ、俺から言うよ。かなり長時間オペラシティに居た。全部ちゃんと観たんですよ。
山:映像やし、ちゃんと観ると長くなるな。僕は1時間は観ましたが、全部ちゃんとは観切れてはいない。

武:「ちゃんと観た」と言ったけど、観ながら寝てたんですけどね。
山:寝とるんやないかい!

武:いやあ、よかったなあ! オペラシティ出たら浄化された気がしたw
山:昼寝しに行ったんかw

武:すべての映像にちゃんと対峙したよ。そして全ての映像で寝た。いやあ嬉しい体験だったなあ。
山:ただの疲れたおっさんやないか! でもそれは、なんか気持ちよかったんやろうな。確かに夢っぽい映像やし。

武:時系列の展示だったよね?
山:そうでもない。

武:そうでもないのか! そうすると、面白いね。
山:なんで?

武:「モノ」から入って行ってそれらが抽象化されて行き、最後は宇宙に行く、という感じ。時系列じゃなくて展示の見せ方がそうだったのか。
山:そういうことやろな。

武:最初はフェティッシュなんだよね。アンモナイトの化石とか、メトロノームとか、歯車とか。そういう耽美と退廃の世界観みたいな。
山:なんかそこがね、、「いかにも」と感じた。

武:けどさ「いかにも趣味的」っていうほどでもないよね。
山:そうやねん、そこまでも行かないけど「いかにも」的なものを押さえる、みたいな。いや、嫌いじゃないねんけどね。ああいった「モノ」たちは。

武:澁澤龍彦的世界を薄くしてスタイリッシュにしたって感じなのかな。で、文学とゴシックの知的アプローチというより、直接副交感神経に訴える感覚アプローチ、というか、ね。

山:イントロダクションで「モノ」のドローイング、つまりイメージの源泉を観せて、そこから実際の映像作品、やはり「モノ」が主役的に出てくる作品があって、最後には外に出て行く、みたいな展示の構成はよくわかる。だけど、なんかあのドローイング好きになれない。

武:上手でしたからね。
山:うーん、上手くもなく、下手でもなく、、、

武:キテル感じではないってことか?
山:きっちり描いちゃって滲みがない、とでも言うのか。

武:なるほど。なんつうか、東京大学の駒場寮を思い出しちゃったな、一瞬。
< http://www.geocities.co.jp/Outdoors-River/5846/photos/ariten.html
>
< http://blog.goo.ne.jp/sekinema/c/88edd31ac612e647fcd91b1c60478669/14
>
山:ラジエーターがあったからちゃうのw

武:そうそう。古びた洋館、ラジエーター、古い窓、時間が正常に動かない感覚。そして狂気。
山:狂気は感じなかった。

武:ああ、狂気はないか。駒場寮がよぎったけど、確かに違うよね。さわひらきの表現は駒場寮のような政治的に拮抗した緊張感や無政府地帯と化した危険性はないし追い詰められたヒリヒリした感覚でもないし。安堵の世界だった。
山:ヒリヒリしてても安堵でも、それはどちらでもかまわんと思うんやけど、なんやろなあ、うーん、、あまりそそられなかった。

武:「足りない」って感じたの?
山:「足りない」ってことでもないんやと思う。全体的な空気感は分ったし。

武:シュールっぽくてフェティッシュな作品が抽象的になっていくという流れがなんか良かったな。「留まり続けている病気っぽさ」がなかったってことかな。
山:「展覧会」としての物語は、きっちりしてたんやと思います。気持ちよかったですよ。けど作品そのものには、さほどそそられなかった。

武:ふむ。エグさがないと感じたのかな?
山:なんやろう。最初ざっと観てね、これはメタファーなのかな、って思ったんですけど、どうもそうでもない。

武:なるほど。確かに。メタファーとして、きっちり暗喩として使ってるわけではないかもね。傘の作品とかどう? プラネタリウムみたいなヤツ。
山:ああ。あれは完成してない気がする、未完の良さも感じない。

武:そか。確かに作品の「芯」みたいなのは薄まった感じするよね。傘の装置とか図形化された映像とかのフレーミングに移行するのかな。抽象化してることは確かだよ。けどまあ確かに最初の木馬が揺れてるのとかの方が好きだな。寝たけど。

山:僕も別に嫌いじゃない、そそられはしないけど。でも全部アニメーションやった方がいいかも。その方が感じ出る。好みの問題やろうけど。
武:なるほど。

●領域でもない

山:あ、感じを出したい訳ではないんやな、きっと。でも感じが好きなんやろな、さわひらき。いまいちそそられなかったんは、他の映像作家と比べて観てしまうからなんやろか。鏡もわかるし面白いけど、現代美術あるある、「写り込み、使いがち」みたいに思てまう。

  で、明るいところ行って、入り口でもらった資料観たんですが、「領域(テリトリー)」について考えるとある。で、もう一回全部観たんです。

武:はい。
山:領域について、なにも考えられなかったw

武:ああ。確かに! 「領域」がテーマだとは感じることは出来ないな。
山:なんかそれがね。僕がいろいろ分らんだけなんかな、とも思ってんけど。

武:「領域」という言葉に対する哲学じゃなくて、具体的な作品の舞台の範囲なんじゃね? 洗面台という舞台、部屋という舞台、屋内から突然星空になる舞台。「(領域)テリトリー」って言っちゃったらさ、掌握してないとならないじゃん。もうちょっと所有感がある、というか。
山:縄張りやな。

武:さわひらきって「縄張り意識」ないよ。
山:感じないね。

武:てことは領域(テリトリー)って言うタイトルは間違ってるなw
山:……タイトルとちゃうけどね。

武:哲学的な問いにはなってない。
山:いやね、木馬が動いてたり、部屋の中に飛行機飛んでたっていいんやけど、その映像がほんまに領域を考えることになるのかな? と。むしろ、それ、絵の方が良くないか? とか思ったんですよ。

武:ああなるほど、映像が絵的なんだ。だから良かったんだな俺は。寝たけどw 映像化させると寝てしまうような絵を俺は描きたい。
山:あともう一点。ほとんどの映像の中に、円があるんですね。それが回転している。これは作家的になんかあるんやろうと思ったんやけど、それを作品で言及して欲しかったってのはあるかな。円、レコード、うずまき、回転、、、領域ちゃうやんwみたいな。

武:「法則」とかね。
山:答えを出してくれ、ってわけではないねんけど、

武:非線形のなんらかしらもあるのかな。フラクタル。

山:なぜ回転なのか、回転はどこに向かっているのか、あるいは向かわないのか、その暗示は欲しかったかなあ。作家がどこかへ向かおうとしてるのはわかったとしても。

武:ああ、思考として抽象化してないじゃないか、と。あれはね、歯車は回ってればいいんですよ。回ってる様がぎこちなかったっりして、その動きに萌えたりしてればいいんです。「暗喩」じゃないんだよ。表現が答えなんだよ。
山:ん?

武:歯車が回ってるのは、歯車が回ってるだけなんだよ。そういうフェティッシュ。
山:そう言えば人が飛び跳ねながら円運動してる映像もあったなw

武:「シュールレアリスム」だとメタファーって深く考えてたんだろうけど、もっとあっさりしてるんですよ。だから展示の最後の作品は歯車とか出てないじゃないですか。
山:最後のってどんなんやったっけ。

武:月のドローイングだよね。
山:ああ。あれも回転やん。絵の方がわかる。

武:あれ、いったん月を全部鉛筆で描いてから消してるみたい。さわひらきって「モノ」に執着してるんじゃないんだよ。「モノ」が確実に何かを暗喩してるっていう作風じゃないんだよ。深読みしなくていいんだよw

●スケールとレイヤー

山:「回転」と「領域」って関係あるんかな?

武:中心から離れる程遠心力が強くなるから、回転の領域って離れる程、凄いってことだよ。離れ過ぎると飛んで行ってしまうけどな。
山:凄いってなんやw 重力が及ばなくなるのか。飛んでいってしまうと、どうなるんやろ。

武:領域の問題より、スケールの方が気になったけどね。
山:スケール?

武:木馬と月はスケールが違うけどレイヤーに分けて同じ映像にしてるとか、洗面所と森の木もスケールが違うけど、同じ映像に同居してる。部屋と飛行機もそうだよね。
山:スケールを歪めてる、ってことですか。

武:歪めているっていうか、違うスケールを同居させてる。部屋と飛行機は子どもの視点なんでしょうね。子どものようなスケールを無視した視点が同一映像でレイヤーに分けて共存している。
山:ほう。

武:「領域」というより、「レイヤー」は感じたよ。同居できないスケールのブツをレイヤーに分けて共存させる。
山:レイヤーというと、階層、ってことか。

武:それは子どもの頃は遊びでごく自然にやっていたことなんだよね。
山:頭ん中で空想的に、か。

武:そうですね。「空想」。空想を映像にしてるんじゃないのかな?
山:そうなんかな。じゃあ回転はなんやねんな、回転。そっちの方が気になるんよなー

武:回ってるって面白いじゃん。
山:面白い。自然と目がいくんやな。

武:じゃあなんで回転が面白いのか、それを説明してみよっか?
山:なんやそれw

●回転である

武:例えば「朝」ってあるじゃん。でさ、「昨日の朝」と「今日の朝」は実はまるで違うものなんですよ。
山:そうやな。

武:「今朝」はもう二度と訪れない唯一無二なんだよ。昨日の朝は昨日の朝、今朝は今朝。別のものに捉えるのが「象徴思考」。事象に対してひとつひとつ「コレナーニ?」と名前を見付けようとする思考。
山:ん? 名前をつけるのが象徴思考? それとも同じ朝を別の現象と感じるのが??

武:名前を付けるのが象徴思考なんです。で、象徴思考の段階では「昨日の朝」と「今朝」は別物なんです。本来なら名前が変わらないといけないんですよ。けどね、それを「朝」と認識していくわけです。
山:朝という事象を抽象化するのか。

武:そうそう。最初の象徴思考から概念思考が形成される。「昨日の朝」と「今朝」は別物だった、これは象徴思考。で、それって「朝じゃね?」と、抽象するようになる。それが概念思考。3歳以降から形成されるらしい。

  その思考の展開過程は「何で? なんで?」と不思議がる。脳が世界を抽象化してるんだけど、不思議で不思議でたまらないわけです。「ドーシテ?」と。 コレナーニ? からドーシテ? に思考は移行する。

  で、朝って回転なんですよ。回転が不思議なのは象徴思考と概念思考が入り雑じるからなんです。
山:繰り返し、とかか。

武:そうそう。抽象化の始まりはリズムだそうです。象徴思考のまんまだと、「昨日の朝」と「今朝」と「明日の朝」がみんな違うものとして認識されるのでリズムを理解できない。概念思考が形成されて世界を抽象化できるようになると、リズムを理解するらしいんです。
山:でもほとんどの事が、象徴思考と概念思考の入り交じりとちゃうんか? 回転に限らず。

武:そうかもねw けど、回転は分かり易いんじゃないのかな。
山:根源性みたいなものは感じるよな。

武:さわひらきも歯車から天体にいくわけじゃないですか。回転のおおもとってなんだ?っつったら天体に決まってるじゃないですかw 月に興味が行きますよ。
山:おおもとなんか何なんか分らんけど、確かに回転してるみたいやからなw

武:そうそう。分かり易い流れです。
山:それと「領域」がどう関係してるのか、という。

武:もう「領域」にこだわらなくていいんじゃないのw
山:こだわってないねんけど、展示でそういう風に言ってる訳でしょ。そしたらそれはちゃんと作品から感じたかった。

武:「領域」を考えるのはあなた方それぞれの「領域」です。
山:うわ!そう言うこと??


【さわひらき Under the Box, Beyond the Bounds】
< http://www.operacity.jp/ag/exh160/
>

会期:2014年1月18日[土]〜3月30日[日]11:00〜19:00(金土は20:00まで)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー(東京都新宿区西新宿3-20-2)
休館日:月曜日、2月9日[日](全館休館日)
入場料:一般1000円/大・高生800円/中・小生600円


【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/象徴思考と概念思考の狭間】
展示がふたつあります! 偶然ふたつとも「ねこ」展です。

京都:『ねこと原発展』
会期:2014年2月8日(土)〜3月2日(日)
会場:キトゥンカンパニー(京都市下京区五条烏丸)
< http://inochicore.wix.com/home#!nekotogenpatsu/c1qt8
>

東京:『ねこ展』
会期:2月11日(火)〜2月24日(月)火休
会場:アートラッシュ(東京都渋谷区恵比寿西2-14-10)
※2月11日(火)は祭日ですので前倒しで営業致します!
< http://www.artsrush.jp/
>

facebookページ < http://www.facebook.com/junichiro.take
>
Twitter < http://twitter.com/Take_J
>
take.junichiro@gmail.com

【山根康弘(やまね やすひろ)/風邪は引かない】
yamane.yasuhiro@gmail.com


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■グラフィック薄氷大魔王[375]
「クレームで企業をビビらせるのが流行ってる件」他、小ネタ集

吉井 宏
< https://bn.dgcr.com/archives/20140129140100.html
>
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●クレームで企業をビビらせるのが流行ってる件

ずっとこういうニュースが続いてる気がするけど、先週は3件も話題になった。
「チューハイ『カエルCM』中止」
「フォアグラ弁当の発売中止」
「明日、ママがいない」

ひどすぎる! どっちを向いてるんだ? そんな指摘を「真摯に受け止め」るなよ〜。っていうか、自分らが最終的にOKを出した製品やCMやドラマを、クレームによって引っ込めたりスポンサーを降りるのは、無責任だ〜〜。

だいたい、「キャラクターを使った表現方法が未成年者の関心を誘い、飲酒を誘発しかねない」って、よーく考えてみてくれよと。未成年者がどんなに関心を持とうとも、法律で買えないし、売れないと決まってるのだ。何か不都合あるか?

どこもかしこもクレームに敏感になりすぎてる。署名運動が始まって10万人規模の運動にならないかぎり無視でいいのでは? っていうか、組織的なクレーム活動やれば、ライバルメーカーを追い落としできるしね。そこら中でクレーム合戦になるぞw

企業にとってクレームの内容はあまり関係なく、ニュースになることのダメージを極端に怖れてるんだろう。スポンサーとしての企業は大切なお客であるにも関わらず、こういうシチュエーションではマスコミは消費者の味方という建前を崩せないのでクレーマーの味方になってしまいやすいんだろうな。それが怖いと。食品偽装問題で一斉にメニューを書き換えたりするのも同根。

制作会社やクリエイターの立場で言えば、クライアントがしょーもないクレームでCMや製品を引っ込めたら、ガッカリだよねえ。クレームなんてどうにだってひねり出せるわけで、それによって数か月とか数年とかの努力を無にされる人たちが確実にいる。たぶん、クレームした人の数より圧倒的に多い人たちが!

基本的に、「いろんな人がいる、いろんな考え方がある」を認められない人が多すぎる。っていうか、そういう人も含めて以前なら表面に出てこなかったのに、簡単に世界に届く発信が可能になってしまった弊害。もちろん、少数意見でも聞くべき意見はあるはずだけど、聞くべき意見と無視すべき意見をちゃんと判別しなきゃよ〜〜。

フォアグラの件みたいに、真面目に取り合う必要のないと思われる意見は確実に無視しないと、もう何もやってけないですよねえ。っていうか、こうやって変なクレーマーが際限なく増えていけば、確実に正確に無視しようって空気になっていきそうなところに期待w

○余談1:一方で、こういう毅然とした態度が取れる企業もある!
「『ふかひれスープ』販売中止運動に対する無印良品の毅然とした反論が素晴らしい」
< http://bylines.news.yahoo.co.jp/shinoharashuji/20130609-00025565/
>

ただ、無印良品はおいといても映画「JAWS」でサメの大ファンになった僕的には、あの「捕獲したサメの全身のヒレだけ切り取って海に放り捨てる」式の漁は痛々しくてたまらない。海の王者が哀れ。クジラやイルカ漁よりズシンと来る。先日テレビでやってた「フカヒレと模造食品の食べ比べ」。口の肥えた人にも高価な本物と安価な偽物の区別がほとんどつかないらしいw だったら、模造でいいじゃんよ〜〜!と。

○余談2:「明日、ママがいない」、先週の回を全部じゃないけど見た。これ、完全に童話ファンタジーの世界だよね。どれって具体的に思い出せないけど、最近だと「怪盗グルーの月泥棒」の施設の描写とほぼ同等。あの感じを子供の僕が見れば、「ママがいなくなったらどうしよう!」ではなく、「今のママじゃない別のママのところに行けるとしたら、ステキだろうなあ!」になるんじゃないかなあと思う。

まあ、平日22時のドラマを子供が見る前提で作ってないだろうけど。批判を受けるの先回りして、わざとファンタジー色を強めてるのがわかるくらい。ただ、批判側の意見も否定できない部分もあるし。う〜〜〜ん。そのへん含めて家庭で話し合いが起きるようなら、それは確実にいいドラマだと思うけど。

あと、映画などの作品のテーマに批判的な人が「こんなクソ作品ぜったい見るなよ! 時間の無駄だ!」は違うと思う。クソ作品とわかってもらうには大勢に見てもらわねばならないはず。何か言わなければ気が済まないクソ映画は、たいてい見る価値のある映画だと思うけどねw

○余談3:「来週、スポンサーがいない」って笑ってたら、原稿を送る直前に「番組スポンサー8社全てがCMを放送しないことになった。」のニュースwwwww 日本もうダメだ orz 「我が社は降りない!」と思ってた企業もあったかもしれないけど、結局横並び。番組内容どーこーより、他の目を気にしながらスポンサーを降りること自体がカッコワルイぞ! どこかに「どの会社がどんな理由でスポンサーを降りた、発売中止した」のリストを作ってほしいぞ。

●久しぶりに風邪で寝込んだ

先々週土曜の夕方からすげ〜熱が出て、そのまま数日間ぶっ倒れてました。インフルじゃなかったけど。キツかった〜〜〜。やっぱ風邪流行ってるらしいよ。

点滴なんて初めて受けたもん。点滴2本、二日連続。すごいラクになるねアレ。よく「うー、しんどい、点滴打ってもらってくるわ」ってのあるけど、すごくわかったw

今週月曜くらいからそろそろ復活かなって感じだけど、ほとんどしてなかった咳が始まったり、ちょっと節々痛いの残ってたり。

仕事再開しなきゃだけど、風邪の影響か、絶望的に何も手に付かない状態。Macの前にいるだけ、に近い。本当に、笑っちゃうくらい、何も手につかんw なんとかしないと〜〜。

ピーク時はほとんどちゃんと寝れなかった。時間経ったかと思っても時計は30分くらいしか進んでない。それを一晩中みたいな。で、中途半端に夢を見る。なぜかデヴィッド・ボウイが出てきたりとかw おかしかったのが、何かイメージが浮かぶとどうしてもそれに解釈を加えたくなり、こういう意味だろ! って思った瞬間に別のイメージが繋がり、その答えは違うってことになってクッソー余計なことを! とかw

あと、ドラマとか見てた影響だろうけど、何か場面が浮かぶと「え〜〜と、この場面の前ってどうなってたっけ? 何か伏線あったっけ? ……あれ? このドラマは何だっけ?」みたいになるw そんなのを数日間延々とやってた。

風邪で寝込んだのなんて、前回のインフルから10数年ぶりくらいだった。4〜5日くらいほぼ寝っぱなしで、何がキツイって、腰にクル。どっちを向いてもどんな姿勢しても全身痛いし。

っていうか、布団が重くて押しつぶされるみたいな感覚。後半は羽毛布団の高級なやつ買ってもらったのでずいぶんラクだった。テレビショッピングでやってる「トゥルースリーパー」ってのほしくなった。あれもラクそうだなあ。

●2014年は最悪のスタートw

さあ本格的に始動するぞ! の4日後に風邪引いてダウン。一週間以上何もできず。あれ〜?

最大のガックリは、昨年秋にオープンしたCubifyのYoshiiストアが、先日クローズしたことww

世界最大の3Dプリンターの会社3D SystemsがやってるCubifyに、Featured Artistsとして載った! それをテコに立体作家としての活動を本格化させようと作戦立ててたら、あっさり方針が変わってアーティスト関連のページやストアが僕を含めてごっそり削除。ええ〜〜っ!

準備は一昨年6月からやってて、数十個のデータを用意して、オープンを心待ちにしてたのに〜。ページの復活は今のところ望み薄。データはあるわけなので、他社サービスでの復活も考えてますけど。

あと、例の「大型作品の海外展示の辞退」もあったしね。売り出しの最初の大花火だったはずなんだけどな〜。今ちょうどやってるよ、その展覧会。

わはは。うまくいかないね〜。まあ、V字回復を虎視眈々と画策中〜。

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>

昨年も年始に考えてたこととぜんぜん別方向に行ったしね。あせらずに目の前のことをちゃんとやってれば万事オーケーなはず。うまいこと流されて行こうっと。

・INTER-CULTUREの3Dプリント作品販売
< http://inter-culture.jp/Buy/products/list.php?category_id=63
>


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編集後記(01/29)

●「信仰復興(リバイバル)は皮肉にも伝統的キリスト教と慣習化された宗教儀礼のこっけいさを露呈した。誰しも良心に従い信仰を貫くのは自由だが信教の自由とは他人の信仰を繰ることではない。復興運動のもうひとつの側面を描いた本作品は子供たちに見せるのがはばかられる問題作である」。映画「エルマー・ガントリー/魅せられた男」(1960,アメリカ)の冒頭に出て来るメッセージだ。キリスト教系大学を出たわたしではあるが、さっぱり意味がわからない。めんどうくさそうだなと思うが、「名画」だから見なければならない。

エルマー・ガントリーとは、この映画の主演バート・ランカスターの役名だ。彼はカバンひとつで全米を旅するセールスマン、日本で言うテキ屋か。超絶の口のうまさとキンキラの笑顔で人をひきつけるが、正体はほとんどペテン師である。女たらしでギャンブル好きで腕っ節も強い。彼はたまたま出会ったキリスト教系新興団体の、純潔の女教祖シャロンに邪な心を抱き、教団に入りこみ彼女の伝道活動を手伝うようになる。

彼は神学校に通ったこともあり聖書には通じている。持ち前のセールストークを駆使して、信心深い人々の心を掴み、いつのまにか宗教界のカリスマに上り詰めて行く。バート・ランカスターは、みごとな演技で本物のカリスマを演じた。シャロンをものにした彼は、さらに名声高めようと活動するが、思わぬスキャンダルで窮地に陥り、彼らの宗教団体は存亡の危機を迎える。

後半はさらにドラマチックな展開になる。大衆の信頼を取り戻したシャロンらは、念願の教会を建てることができたが……結局はすべてが失われる。キリスト教を知らないわたしなどにはよくわからない言葉を残して、エルマー・ガントリーは去って行くのだが、ここに至ってもカリスマらしい笑顔を見せる。この映画ではバート・ランカスターがとにかくよく笑う。白い歯をズラッと見せてニカッと笑う。見終わってそれしか思い出せないくらい強烈だ。女優ではシャーリー・ジョーンズ、昔なじみのルル(悪役)がものすごくかわいい。女教祖もきれいだったなあ。そこしか見ないのか、はい。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000KQFCNE/dgcrcom-22/
>
「エルマー・ガントリー/魅せられた男」


●「明日、ママがいない」というタイトルが日本語として気になって。これって主演の「あしだまな」にかけているだけ?

おとといの続き。対応してくれた別の店員さんに、おススメを聞く。ショップの所在地名の入った豆や、聞いたことのない豆名が並んでいたのだ。でも詳しいわけではないので、味の傾向を聞かれてもピンと来ない。

開店セールで全品半額、600g以上買うとオリジナル麻エコバッグがもらえるとあって、200gのつもりが600g分買う気になる。豆だから冷凍すればしばらく保つ。自信のありそうな所在地名のもの(玉造ブレンド)、エチオピア産(イルガチェフェ ナチュラル)、ナンバリングのついているもの(1029ブレンド)の三種を買った。

レジで、ジョギング中に会話した店員さんに声をかけ、ジョギング中の〜と伝えたら、そうじゃないかと思ってましたと喜んでくれた。あなたの感じが良かったから来ちゃいましたとは言わなかったよ。続く。(hammer.mule)

< http://www.hirofumifujitacoffee.com/
>
ヒロフミフジタコーヒー