[3656] 連載304回だがいいのだろうか?

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《ファイトいっぱーつ! なんちゃって。》

■ショート・ストーリーのKUNI[151]
 ギター弾き
 ヤマシタクニコ

■私症説[56]
 連載304回だが、いいのだろうか?
 永吉克之

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  怒りのブドウ球菌 電子版 〜或るクリエイターの不条理エッセイ〜
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◎デジクリから2005年に刊行された、永吉克之さんの『怒りのブドウ球菌』が電子書籍になりました。前編/後編の二冊に分け、各26編を収録。もちろんイラストも完全収録、独特の文章と合わせて不条理な世界観をお楽しみ下さい。
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■ショート・ストーリーのKUNI[151]
ギター弾き

ヤマシタクニコ
< https://bn.dgcr.com/archives/20140313140200.html
>
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ある日私はギター弾きである自分を見いだす。いつからギター弾きであったか、どのようにしてギター弾きになったのか記憶がない。それは当然で、どうやら私は、さまざまな人にとっての、あるべきギター弾きとして存在しているらしいのだ。

今日、私の前にいるのはつやのないくせ毛で下がり気味の、目元が笑っているようにも泣いているようにも見える女だ。私と女はひと気のない公園のノウゼンカズラが絡まる棚の下にいる。

私はサムピックをつけ、静かな曲を何曲も続けて弾く。簡単なコードの、だれでも弾けそうな曲だ。時々、それにあわせて歌も歌う。私の声はほんの少しかすれている。

「とてもすてき」

女は微笑む。

「ギターってやっぱり好きよ」

私も微笑む。演奏をやめ、ギターを立てかけ、片手で女を抱き寄せる。くせ毛をなでてやる。女は私にからだを預け、おしゃべりを始める。勤め先の工場のこと、かつて恋人だった男のこと。その男とついこの間街でばったり会ったが、なんだか着ているものもみすぼらしく、荒れた様子だったこと。

「私がいないとあんなになるんだと思うとかわいそうで。でも、知らん顔してしまった。私、悪いことしたかしら」
女は目を上げる。私と目が合う。

「気にすることないさ」

「そう?」

「君はやさしすぎるんだ。もっと自分が楽しまなくちゃ」

私の答は女を満足させる。当然だ。私は女にとって、あるべき男として存在しているからだ。ギターの弾き方も、愛撫の仕方も、問いかけに対する答も。

その日はそんなふうに終わる。

翌日、私の前には目の周りを濃いアイラインとつけまつげで飾りたてた、短いスカートの女がいる。一見若そうだが、どうだかわからない。

私は鼈甲のピックを自在に使い、じゃかじゃかとギターをかき鳴らす。そこは女の住むマンションで、演奏中にドアががんがんとたたかれ、うるさい、やめろと苦情が入るが、女が蹴飛ばしそうな勢いで怒鳴り返し、相手は退散する。

「まったく、くそだわ」

女は酒を持って戻ってくる。私はギターをやめて女と酒を飲む。またギターを弾き、また酒を飲む。どんどん愉快になる。

「ああ、いい気分! やっぱりギターの弾ける男が最高だわ。私、音楽って何もわかんないけどさ」

「音楽はわかるもんじゃないさ。弾いてみろよ」

女にギターを渡す。ギターは小柄な女には大きすぎて笑いそうになる。女が無茶苦茶にギターを鳴らす。ものすごい不協和音。頭がおかしくなりそうだ。

私はギターを奪い、ショッキングピンクのソファの上に女を押し倒し、その上におおいかぶさり、キスをして、それからあちこちをまさぐる。ふと自分の手を見ると、私の手も若くてすべすべとして、手の甲にはタトゥーのナイフが不機嫌そうに横たわっている。

私には私というものがない。私というものがないということが私たるゆえんだ。私はその時々、目の前にいる女にとっての最適のギター弾きなのだ。

「この間、ドアをたたいて怒鳴っていた男が次の日、私に近づいてきたの。『おれだってギターは弾ける。あんなのよりずっとうまく。聴きたかったらおれの部屋に来い。膝の力が抜けるぜ』と言うの。何にもわかっちゃいないわ」

別の日、短いスカートの女が言う。

まったくその通りだ。ギターが弾ければ、うまければいいというもんじゃない。多くの男はそこを勘違いしている。

そうしてふと気づくと、今日の私は古びたアパートの一室にいる。目の前には中年の女が、木の椅子に腰掛けてほおづえをついている。目が大きく、名前は忘れたが、ある女優に似ていると思う。ウエーブのかかった肩までの髪にはちらほら白髪が交じり、それが電灯の灯りにきらめく。

そういう女が私の好みなのかと聞くのは愚問だ。たいていの女は男とつきあってはがっかりすることを繰り返してきた。女たちは疲れ果て「私なら私をこんなふうに扱うのに、どうして現実の男たちはそれができないんだろう」「私が男に生まれ変わったら、絶対もっとうまくやるのに」と、ため息をついてきた。

そこで私だ。私は、いわば彼女たちが男に生まれ変わったようなものである。私が彼女たちの理想型であるのは私が彼女たち自身であるからであり、女たちは自分自身とキスをしたり戯れたりしているようなものなのだ。

「むかしのあんたのギターをもう一度聴きたいもんだわ」

言われて私は、自分がギターを持っていないことに気づく。今日の私は、いまはギターを弾かないギター弾きらしい。

「いまだって弾けるさ。弾こうと思えば」

「そうなの?」

女は笑う。タバコに火をつけ、私にもすすめる。室内に青い二筋の煙が立ちのぼり、くずれる。

「最近はたばこを喫うひとって少ないのよ」

「らしいね」

それから女がワインを取り出し、ふたりで飲む。辛口の白ワイン。ひと瓶がたちまち空になり、ほろ酔い加減になったところで女が大発見のように叫ぶ。

「そうだ、廊下の電球が切れてるのよ。取り替えるのを手伝ってくれない? 私じゃ背が足りなくて」

「お安いご用さ」

私はそれほど背が高いほうではないが、浴室用の小さな椅子に乗れば楽に電球を取り替えることができる。私が作業をする間、女は腰に手をあて、現場監督よろしく横で見ている。

「よし、取り替え完了!」

大げさに指を立て、スイッチを入れると、廊下にまばゆいばかりの光があふれる。ふたりで手をたたき、それから大笑いする。何がおかしいんだか。私と女は互いの体を抱きしめる。ハグ、というようなものじゃなく、深く、深く、とても長い間。

そして、私は、今日の私の手がごつごつとしてしわだらけの、中年を過ぎた男のものであることに気づく。もちろん、ナイフのタトゥーもない。

「お祝いに飲みましょう」

新しいワインを取り出し、またグラスを重ねあう。私はギターを弾くふりをする。小さな声で歌も歌う。

「私、思うんだけど」

「うん」

「うれしいときとか感激したときにも涙が出るでしょ。どうして、悲しくもないのに涙が出るんだろうと言う人がいるけど」

「うん」

「本当はうれしいときも感激したときも、やっぱり少し悲しいからだと思うのよ」

女はそんなことを言う。私は見えないギターをかき鳴らす。私の指は長くて力強いから、どんなコードもやすやすと押さえることができる。

明日、私はどんなギター弾きになっているのだろう。

【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
< http://midtan.net/
>
< http://koo-yamashita.main.jp/wp/
>

朝ドラ「ごちそうさん」で「おつい」(「おつゆ」がなまった言葉)という言葉が出てくるが、いまや大阪でも若いひとたちの間では耳慣れない言葉らしい。私たちの子供の頃はふつうに使っていて、「おみそのおつい(みそ汁)」「すましのおつい」などと言ってた。「みそ汁」なんて、あまりきれいな言葉じゃないような気がしていた。おついをあつあつのご飯にかけた「おついかけご飯」、最近食べてないなあ。


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■私症説[56]
連載304回だが、いいのだろうか?

永吉克之
< https://bn.dgcr.com/archives/20140313140100.html
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永:(引き戸を開けて入ってきて雪を払い落とす)はい、邪魔するよ。

吉:ああ、こんばんは。こんな時間にお呼び立てして申し訳ないです。

永:何ぞあったのかい?

吉:実はですね、デジクリに連載を始めて今号が304回目になるんです。

永:ほぉ、もうそんなになるかの。

吉:それが、僕すっかり忘れてましてね、前々々々回の「私症説[52]月がとっても青いから遠回りすることの何が罪なのか」が300回目だったんですよ。「笑わない魚」で248回まで連載して、「私症説」になってから今号で56回ですから、ぜんぶで304回。

永:だから?

吉:100回、200回のときと同じように、300回記念でもウケ狙い丸出しのパロディをやろうと思ってたんですけどね……

・100回記念
< https://bn.dgcr.com/archives/20040205000001.html
>
・200回記念
< https://bn.dgcr.com/archives/20060615140000.html
>

永:(キセルに煙草の葉をつめながら)ええでないか。キリのいい数字なんちゅうもんは人間の都合でできたもんで、宇宙の法則とは何の関係もないわ。

吉:毎週書いてたのが1週間おきになって、さらに月1になったもんだから、13年近く連載してるのに、まだ304回ですよ。何度か休載期間があったし、それに昔のテキストの使い回しもけっこうしましたから……

永:純度83%くらいの304回ちゅうところかの(煙草盆にキセルの雁首を入れて火をつける)。

吉:(苦笑いをして頭を掻く)面目ないっす。でも、デジクリライターのみなさんに、304回を祝うメッセージをお願いしたら、快く送ってくださった
んですよ。

永:(キセルをくわえて眼をとじる)ふむ。聴かせてもらおうかの。

●お祝いメッセージ(五十音順)

□GroomHair氏(Otaku ワーノレドへようこそ!)

お祝いメッセージを依頼された時、どうやって断ろうかと口実をいろいろ考えました。永吉さんの連載回数なんて何の興味もないし、ましてや祝ってあげようなんて気持ちは毫もないからです。が、口実を思いつかないので、とりあえず何か書くことにします。

永吉さんとは何度かお会いしているのですが、お会いする以前から、この人はどこか内向きな印象で、遠心力が感じられませんでした。

永吉さんの書くものはどれも取材を必要としないものばかりです。自分の内側に発生したさまざまな事柄に色や音をつけ、それらをシナリオに沿って動かしているだけです。どこそこに行ってこんなものを見た、こんな話を聞いたとかいった記述のほとんどはフィクションだろうと思います。

永吉さんのコラムは、過去に自分の中に蓄えたものや、現在おかれている環境だけを素材にしています。そこに新しいものは期待できません。今みなさんが読んでいるこのコラム──デジクリのパロディのようなもの──にしてもそうです。独特な外貌を飾ってはいても所詮は衒いです。そこになんら新しいものは見出せません。

我田引水になるかもしれませんが、ひとつ言いたい。永吉さん、私が女子高生に扮するコスプレを続けているのをあなたが知っているのなら、なぜ「俺はそれに対抗して保育園女子児童のコスプレをしてやる」と宣言して、黄色い帽子をかぶって白襟の青い制服を着ないのですか? それができないところに、あなたの限界を感じるのですよ。

□式盾一郎氏&山恨康弘氏(式&山恨の展覧会デビュー)

一時期はアーティストとして尊敬していたのですが、ここ数年、永吉さんのコラムは読んでいません。内容があまりに惨めだからです。ご自身の境遇に関してニヒリスティックなことを書いておられますが、その行間に自己憐憫が顔を覗かせていていて、実にウンザリさせられます。

永吉さんはもう終わっています。詰んでいます。死に体です。にもかからわず、とっくに失われた栄光の日々のうちに生き続け、苦し紛れな駄文ばかりを垂れ流している姿は無残というほかありません。お願いですから、晩節を汚すようなことはもうやめて、早くわれわれの前から消えてください。

□べちおサアンサ氏(アナクロステージ)

もう10年近く前のことです。飲みましょう、とオイラから声をかけて、初めて永吉さんとハチ公前で対面したときは、ああこの人が! と期待で胸がいっぱいだったんですけど、話をしているうちに、会うんじゃなかったという後悔で胃がいっぱいになって思わず宴席で吐いてしまいました。

永吉さんの書くコラムはいつもアグレッシブでオイラも心酔してたんですけど、それを書いている本人は、こんなにつまらない人には金輪際お目にかかれないだろうというくらいつまらない人だったんです。自分からはほとんど話をしないし、こっちから話を振っても、そのリアクションが最高につまらないんです。

「永吉さんのコラム、すげえ面白いから毎日掲載しましょうよ。土曜も日曜も。ねえ永吉さん!」とオイラが言うと、「がんばります。ファイトいっぱーつ! なんちゃって」とか言って拳を固めるんですよ。なんとか冗談で返そうとしているのはわかるんですけど、それだけに哀れで、引きつった笑いで応じるのが
精一杯でした。

□mibori氏(ローマでMANGO)

mixiが盛んだったころ、永吉が私に会いたい会いたいとしきりに言うので、イヤだったけど、日本に里帰りしたときにでも会ってやると言ったら、それを真に受けて大阪からのこのこ東京くんだりまでやってきやがったので、こいつはアホだと思いました。

東京の板橋区にある知人の会社で帰国歓迎会をしてもらったのですが、そこに永吉が呼ばれもしないのにやってきて、乞われもしないしないのに下手くそなギターを弾いたり、自作の詩の朗読をしたり、玉乗りをしたり、無法の限りを尽くしたのですが、誰も相手にしないので、夜のしじまにひっそりと姿を消してゆきました。

いま思うと、永吉が暇乞いをして席を立つとき隣にいたわたしに寂しそうな声でそっと囁いた"Bon Voyage"が、今生で聞いた彼の最後の言葉だったのです。ご冥福をお祈ります。R.I.P.

□もみのこゆさと氏(歌う田舎煮)

吉永さんですか? そうでございますね、お会いしたことはないこともないんですけど……道端で二言三言かわした程度でございましょうか。まあ、みなさんがおっしゃるような救い難い下司野郎というほどでもないんじゃないですか? わたくしよく知りませんけど。

わたくしが大阪に行ったのは、市内西区の土佐堀という所にある薩摩藩蔵屋敷跡に詣でるためで、それをどこで耳にしたのか、あのおっさんが、いや吉永さんが「なあなあ、大阪くるんやったら道頓堀あたりで飲めへんけ。どや?」とFacebookでメッセージを送ってきたんでございます。貧乏人のことですから、どうせわたくしにタカろうという魂胆だったのでしょうね。もちろん言下に撥ねつけてやりましたわ。

吉永さんのコラム? 読んでますよ。もちろんじゃないですか。デジクリでは先輩ですからね。え、どのコラムが好きかって? そんなこと聞かれても一度も読んだことないから……おや、誰かきたようだ。

□ヤマシタワニコ氏(ショート・ストーリーのKUИI)

あほー


永:(キセルの灰を煙草盆の縁でコンコンと落としながら)こんなにたくさんの祝辞をもろうて、ほんとにありがたいことじゃな。

吉:はい。純度83%でも連載を続けてよかったと思ってます。

永:でも、デジクリライターからの祝辞にあの人たちの名前が入っとらんというのはどういうもんかの……

吉:いや、やっぱり先輩方には頼めないっすよ。

永:しかし、△さんはデジクリでは後輩じゃろが?

吉:はい。一度お見かけしたことがあるんですけど、言葉は交わしてないし、それになんだかとっつきにくい感じで、あんまり好きじゃないんです。

永:◎さんも?

吉:うーん微妙。嫌いじゃないんですけど、やけに真面目な方っぽいんで、おちゃらけばっかり書いてる僕にメッセージをくださいなんて言ったら気分を害してしまいそうで……

永:じゃ、◇さんは?

吉:(手を振って拒絶を示す)あの人もうぜんぜんダメです。論外。これ以上は言わせないでください。

永:なんだかちっともめでたくない304回記念じゃが、これからも頑張れや。

吉:がんばります。ファイトいっぱーつ! なんちゃって。

(互いに顔を見合わせて大笑いする──幕)

【ながよしかつゆき/戯文作家】thereisaship@yahoo.co.jp

▽◎◇は、特定の方を指しているわけではありません。また、お祝いメッセージをくださった方のお名前とコラムのタイトルは、オリジナルをちょっとひねって使わせていただきましたが、内容はご本人の性格や思想信条を反映したものではありません。

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編集後記(03/13)

●櫻井よしこが日本テレビの「きょうの出来事」のキャスターをやっていた期間は、わたしの30代半ばから50歳までの16年間にあたる。わたしが一歳年下であることを今知った。この番組はよく見ていたが、オーバーな髪型をして穏やかに話す知的な人がいたという印象しかなかった。仕事が面白過ぎて、社会の出来事にはあまり関心がなかった。で、櫻井よしこさんである。相変わらずきれいだ。この人の弁説は素晴らしい。完全アウエーでもまったくひるむことなく、姿勢正しく、けっして声を荒げず、言いがかりをつける相手を完璧に論破する姿を見ると、ホントほれぼれする。

櫻井よしこ「迷わない。」を読む(文春新書、2013)。テレビをやめてジャーナリストに転じてから今日までが、プライベートを交えて語られる。若い頃の櫻井はリベラルな考え方をしていた。理想の国や、良い社会を作るために、自分は力を尽くして発言し、情報を伝え、働くべきだと考えていた。しかし、取材を通して現実を知るにしたがい、現実世界は理想的には動かないことがわかってくる。現実から目を逸らしてはならないことを学び取っていく。世の中に事実として報じられることが、必ずしも事実そのものではない場合もある。通説に依拠しない決意をする。

いま海外で日本の地位、評価、存在感は低下している。歴史問題で日本はアジアの悪者にされようとしている。大変な危機である。「国際社会に日本の姿を正しく見てもらって共感を得なければ、この危機は乗り越えることができません。逆にいえば、日本を正しく理解してもらえれば、必ず世界は日本の目指すところをきちんと受け止め、共感を示してくれます。そのために、日本自身が自らについて語り、発信しなければなりません。わたしたちがいまどんな国を目指しているのか、日本はどんな歴史を歩んできたのか、どのような価値観を抱いているのかを説明しなければ、国際社会の共感を得ることは、およそ不可能です」

櫻井は日本を知ってもらううえで、日本の国柄を理解し、共感してくれる国際世論をつくりたいと考え「国際基本問題研究所」というシンクタンクを2007年に設立し、精力的な活動を続けている(もうひとつの動機は憲法改正)。政府はこういう組織に巨額の資金を提供すべきだと思う。櫻井を右翼という人もいるが、それは違う。国際社会から見るときわめて真っ当な、中道の考え方の持ち主である。櫻井を政治家に、という人もいる。わたしも彼女に外務大臣をやってもらいたいと思うが、彼女は「自分は政治家には向いていない。言論を武器に政治を変えていきたい」と語る。たしかにその方がいい。

よしこさんはこう言う。論争は双方の主張に一面の真実があることも事実である。でも、その相手の理論に矛盾はないのか、じっくり見極めることから論争は始まる。そして、ゆっくりしゃべる。重要なことは大きな声で語るより、小さな静かな声で語るのがよい。相手が身を乗り出して聞き入る状況をつくり、その中でもっとも大事なことを語る。話す中身も押したり引いたり、右に踏み込んだり左へ退いたり、TPOに応じた会話を目指してみると、思った以上に相互の理解が進む。いいことを聞いた。このテクニックを我が家でしょっちゅう勃発する論争、というか口喧嘩でつかいたい。できるかな。(柴田)

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櫻井よしこ「迷わない。」


●フライパン続き。説明書を読むと、汚れがこびりついたらガスコンロが必要。自宅はIHなので、カセットコンロでもいいかしら。お鍋の時に使っているの。

アマゾンのレビューには「たんぱく質が金属と結合する温度は80℃(結合するには水が必要)。たんぱく質が変性して焦げ付く温度は200℃。焦げ付かせないためには、これらの温度にしないことが大事らしいです」とあった。633人中、619人の方が参考になったって。

実家にはテフロン加工のものがなくて、宣伝の「焦げない」「油がいらない」といううたい文句に憧れていたよ。セット品を買っていなかったことだけが救いだわ。(hammer.mule)

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アマゾンのレビュー

< http://www.riverlight.co.jp/care.html
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鉄(鋼板)フライパンのお手入れは思いのほか簡単
< http://www.riverlight.co.jp/iron.html
>
食材を美味しく焼いたり炒めたりするためには約170〜180℃の高温が必要です。
< http://www.riverlight.co.jp/what.html
>
かたくななまでに鉄のフライパンを提案し続けた
< http://www.riverlight.co.jp/pdf/japanese_manual.pdf
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説明書のPDF。