グラフィック薄氷大魔王[409]「Oculus Riftを初体験」他、小ネタ集
── 吉井 宏 ──

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東京デザイナーズウイーク2014に出展しています。クリエイティブライフ展「ブース番号-CL033」です。昨年から作っていた大型立体作品を一挙に展示。

っていうか、立体を作り始めたのは2006年からなのに、今まで一度もまともに展示したことがなかったのでした。というわけで、「立体造形作家デビューw」でよろしくお願いします。

11月3日(月)まで 明治神宮外苑絵画館前 詳しくは↓
東京デザイナーズウイーク2014 < http://www.tdwa.com/
>
クリエイティブライフ展 < http://www.tdwa.com/2014/join/creative_life.html
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実は、10日間の長丁場ということは重々承知の上で申し込んだわけだけど、開場時間が11時〜21時までの10時間ってことは搬入直前に気づいたのでした(マニュアルちゃんと読んでなかった)。普通、17時か18時に終了と思うじゃん! キツいよ〜毎日10時間。それに、始まって4日も経ったのに、まだあと6日残ってるって何だよ〜w 日当ほしいわw

ぜひ見に来てください〜。反応なさすぎて立体の展示がこれで最後にならないためにもw


●Oculus Riftを初体験

ゲームショウの報道などで知ったOculus Rift。大きなゴーグルのようなものをつけて、視界を完全にバーチャルの世界に置き換えるデバイス。開発者向けキットを買うほどではないけど、リリースをめちゃくちゃ楽しみにしてたりする。ゲームなんてぜんぜんやらない僕だけど。ひょっとすると「スター・ウォーズ ep7」より楽しみかもしれない。何しろ、空を本当に飛べたり異世界に行けたりするんだぞ?

< http://matome.naver.jp/odai/2137389319268231401
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で、東京デザイナーズウィーク2014の建築模型展にOculus Riftがあるのを発見! 空いてる時間を狙って何度も試してみた。

白い渓谷の谷間にバーチャルの建築や彫刻などが点在する世界をゆっくり動いていく映像。前から来て目の前を通り過ぎる彫刻が面白いので、振り返ってずっと見送る。また、大きな建築物を見上げて大きさを実感する。

しばらく見てると見えている風景がそこにあるとしか思えなくなってくる。上を見ると稜線の向こうに黒い空が見え、下を向くと、「あれ?!自分の足がない!」ってマジに思う。手も見えないしw 画面解像度はそれほど高くないらしく、画素が見えてしまうんだけど、網戸を通して外界を見てる感じかな。

TDW2014には倖田來未のプロモーションビデオがOculus Riftで見れる企画もあるらしい。見に行かなくちゃ!

作り込まれた仮想現実世界がいっぱい出てくるんだろうな。建築を楽しむなんて初歩の初歩。「その場にいること」自体がコンテンツとして流通するようになるんだろうな。っていうか、これでセカンドライフやればおもしろいかも。

●「人間そっくり」の女性ロボット

受付嬢ロボットやアイドルロボットとかいろいろあるけど、「不気味の谷」を持ち出すまでもなく、ぜったい変じゃん?

リアルである必要がないのに、リアルにしたがること自体不自然なんだけど、もう一つ重要な「変!」がある。CGでさえ美人な造形や自然な表情の動きとか作るの大変なのに、アーチストやメカトロニクスの専門家をすっとばして、技術者がそこそこ見れるような美人ロボット作ろうったって無理。

人間と見分けがつかないアンドロイドが夢なんでしょうけど、ロボット技術の多くの目的の中に「人間と見分けがつかない」ってないと思う。逆に、どんなにロボット技術が進歩しても、ロボットはロボットとわかる外観であってほしいぞw

注目されるっていうか、そればっか紹介されるからそういう印象になっちゃってるかもしれない。一般の人にとっては「どこまで進歩してるか」わかりやすいんだろうけど。

あと、「美人の女性ロボット」は、研究者や技術者の個人的好みが出ちゃうところが目を背けたくなることがあるw 「あ、こういうのが好みなのねww」みたいな。マンガやアニメ系とか様式化された美少女はぜんぜん大丈夫だけど、リアル志向の美少女だとめちゃくちゃ嗜好が出ちゃうのでキケン。だから、僕は美少女CGを作れない、いや、作らないw

念のため、このネタの主旨は「リアルなロボットを作るな」ではなく、「リアルにしたいなら専門家を入れろ」ですw

●アンドロイドのASUNAちゃん

上記のリアルロボットの件を書いたのは実は夏頃なんだけど、続編。東京デザイナーズウィーク2014の「スーパーロボット展」に「アンドロイド ASUNA」が出展! 事前に動画で見たときの印象は「やっぱリアルロボットは気色悪いなあ」だった。

< http://www.tdwa.com/2014/exhibitors/details/005704.html
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で、ASUNAちゃんとお話してきましたw 会話するロボットなのです。というか、たぶん技術的には会話がメインで、リアルロボットはおまけ。上半身だけで、腕さえない。

割と普通に人間と会話している感じ。「メガネがステキですね」とか言うしw ちょっと時間をおいてまた行ったら「今日は二度お会いしましたね」とかも。奥さんが「おへそはありますか?」って聞いてみたら、「秘密です」だってww

まあ、表情の出来はかなりキビシイものがあるし、「笑ってください」って頼んだら「笑うのはむずかしいです」って言われたし。音声と口が合ってなく、語尾あたりが口が開きっぱなしになっちゃってた。でも、なんかカワイイ。姿形が人間に近いと「尊重しなければ」って気持ちが出てくる。いや、それって騙されてるんじゃ?

っていうか、なんで色黒にしたんだろ? そっか、そのへんに製作者の好みが出るわけかw

「バイトで受付やってる15歳のアンドロイド」だそうw いや、実用的には、受付が美少女ロボットである必要は……やはり、ないw

この動画、めちゃくちゃ面白い。ヤバいw
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【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com
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Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
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秋元きつねさんの告別式に行ってきた……って書いてて、自分でも信じられん。「ウゴウゴルーガ」の頃からあこがれてたきつねさんと、2007年のオリンパスのショートアニメ企画で偶然ご一緒したのが最初。その縁で「YANS! GANS! MEAT OR DIE」のキャラデザインに声かけていただいて以降のお付き合いでしたから、浅いと言えば浅いですが。この6〜7年、めちゃくちゃ刺激や影響を受けました。

Facebook等できつねさんが絶えずいろいろやってるのを見て、僕ももうちょっとがんばろうとか。っていうか、きつねさんは「もうちょっとがんばろう」の限界点が異常に上のほうにある人で、あそこまではとても無理……とかいつも思わされました。創作意欲が桁違いな、本当のアーティストでした。惜しすぎる……。
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・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
< https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii
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・ハイウェイ島の大冒険 < http://kids.e-nexco.co.jp
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・INTER-CULTUREさんの3Dプリント作品販売
< http://inter-culture.jp/Buy/products/list.php?category_id=63
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