[3800] おかしかったらすぐ眼科

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《CGでやればなんとでもなる時代に…わざわざ…》

■グラフィック薄氷大魔王[411]
 「とっても滑らか、スラスラ」他、小ネタ集
 吉井 宏

■晴耕雨読[06]
 おかしかったらすぐ眼科
 福間晴耕

■KNNエンパワーメントコラム コレクション
 セキュリティ哲学の重要性
 圧巻!「OK Go I won’t Let You Down」に見る日本の底力!
 神田敏晶


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■グラフィック薄氷大魔王[411]
「とっても滑らか、スラスラ」他、小ネタ集

吉井 宏
< https://bn.dgcr.com/archives/20141112140300.html
>
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●とっても滑らか、スラスラ

(すいません、数年前に書いたのに載せ忘れてたネタです)鉛筆やボールペン。日本の製品ってほとんどが「とっても滑らか、スラスラ」って方向ばかりに行ってるけど、僕には滑らかすぎて書きにくい。適度に摩擦がないと書きにくいと思うのだが。

特に鉛筆。uniとかスルッスルに滑らかだけど、あれで字や絵なんか書く気がしない。その点、ファーバーカステルは摩擦があって描きやすい。ステッドラーも同様。実は、メーカー品じゃない安い鉛筆がいい感じです。数年前にもらった宣伝ロゴ入り鉛筆が非常に描きやすくて、それで思いついて書いてる次第。

ファーバーカステルのGrip2001っていう、三角断面でラバーのポチポチ付き鉛筆の摩擦のある書き味が好きなんだけど、三角で持ちにくいのでペンシルホルダー必須なのと、ラバーが風化して周囲にくっついたり汚すのが欠点。

芯は芯ホルダーやシャープペンの芯と共通なのかな? 芯はいろいろ買いすぎて、今の調子で使ってると、おそらく今後500年は芯を買わなくていいかも。

日本語は漢字とかで画数が多いから、滑らかでないと疲れやすいなどの意見があるんだろうけど、滑らかスラスラって謳い文句が一人歩きして、書きやすいのと別の方向に無駄に進化してるような気がする。

ノートの紙も同様。やはり滑らかを売りにしてたりする。RHODIAやモレスキンやMDノートの紙は摩擦がちゃんとあるぞ。コクヨはそのへん気がついたらしく、ルーズリーフ用紙で「しっかり書ける」という製品を出してる。これは鉛筆やシャープペンが滑らなくていい感じ。この方向が拡大していくといいな。

要するに、滑らか具合が進んだ結果「ガラスに書くような滑らかさ!」になったら、さすがに誰も喜ばないでしょ? 液晶タブレットやiPadのペンのツルツルカチカチだって誰も喜んでない。ってことは、最適な摩擦がどこかにあるわけで。それは滑らかさ優先とは意味がちがう。

●スー線とシャカシャカ線

スラスラで思い出したけど、小学低学年のときの鉛筆で絵を描くときの線についての二通り。

< http://bit.ly/1vI0tqB
>

左はスッと一本で描いた線。右はシャカシャカと行きつ戻りつしながら描く線。近所の友達は絵画教室で習ったというシャカシャカ描きで、ロボットの絵とか上手かった。うらやましかったので真似をしたくないへそ曲がり野郎でした。

学校の先生も絵描きの母親も「線は一発でスーッと描くもの。行きつ戻りつの描き方は間違ってる」と言ってたし、クロッキーとかの線が美しいのはやはり力強い一本線なわけだし。だからそれ以降、一本線を理想としてた……けど、今さら一本線にこだわってるの意味なくね? と。特に板タブでは。

一本の線を最初から最後まで一発で描くのはむずかしいから、満足できる線が描けるまでUNDOを繰り返すことになるわけだけど、行きつ戻りつの描き方で点の集合的に描くほうが板タブ的にはぜったい描きたい形が描きやすいよなあ。と思って、練習中。

●「にわか」カミングアウト

ちょっと前の話題。「伊集院光、ビギナーは歓迎すべきだが、にわかは『敵扱い』で問題なしと語る」

< http://news.livedoor.com/article/detail/8973485/
>

それで言うと、僕なんか3DCGや3Dプリントでは常に「にわか」かも。特に3Dプリント関連では、CADとかぜんぜん知らずにやってたりするし。Rhinocerosで形を作れるところまでは多少出来るとしても、そもそも工学的な知識ゼロ!

今思い出しても顔から火が出るのは、昔、ZBrushの記事とかで、3Dソフトやアニメーションについて大層なこと語ってたもんなあ。当時の「プロ」の人たちにどう思われたんだろ。はずかしい〜〜!

ZBrushで作った数十万ポリゴンの人物キャラクターに、格安3DソフトCarraraでボーンを入れてポーズ取らせたりしてた。動作は重いけどそのうちマシンが速くなるから平気とか書いてたし。

で、大勢のビジネス見込み客(?)を前にしたプレゼンテーションで、ZBrushのUnifiedメッシュ(単に細かいポリゴンなので他ソフトで利用できない)のキャラクターを何十個か並べて見せて「これらは全部CGなのですぐに動かせます」とか誇らしげに語ってた orz ……あれから10年、多少は成長したかなw

●プラモもグレーで!

「未来少年コナン」に出てきた飛行艇のプラモデル
< http://item.rakuten.co.jp/amiami/toy-scl2-32738/
>

よくできてるな〜、美しいな〜、と思って、ハッと気がついた。

いつも「フィギュアは着色した状態よりサーフェイサーのグレーを吹いた状態が最も美しい」なんて言ってるけど、プラモだってそうだ! 美しい形状の飛行機でもクルマでも艦船でも、グレーのサーフェイサーを吹いただけで十分美しい。資料に基づいてきっちり塗り分け塗装しなくても、一色で十分。

普通に色を塗っちゃうとそこで完結しちゃうし、立体感の妙が消えちゃう。立体物そのものの美しさを鑑賞するにはグレー一色が最も適してる。未塗装のプラスチックじゃダメなんですよね。プラスチックが光を通す感じやパーツが組み合わさった「生な感じ」が見えちゃダメ。

なんだったら、ムスタング戦闘機をピンク一色とか、F1レーサーをブルーとか一色で塗装して飾るのぜんぜんアリだなあ!

ちょっと関係ある話で、僕がTDW作品を迷彩っぽいパターンで塗る理由。視点が固定されたつるんと滑らかな形状のレンダリング画像は、一色で塗ってある部分に立体感を感じにくい。立体感の手がかりとなる大きなパターンを描いておくと、パターンの形の変化で立体感が強調されるんです。

あと、最近は弱めにしてるけどツヤツヤの鏡面反射も同じ理由。視点が動かせないレンダリング画像で、できるだけ立体感を見せる目的。

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>

東京デザイナーズウィーク2014だけでなく、某国で進行中の大がかりな展示の準備などで、作品を修正したりレンダリングし直したり、作品パンフレット作成や資料作成の作業を3か月くらいず〜〜〜っとやってる。

こういう作業って「数年前からの活動のまとめ」だから、自分の作品をイヤでも延々と振り返ることになる。……飽きた。もう新しいことやりたい、TDWの新作を作りたい。

作品パンフとか作ってると全体を俯瞰することになるから「この傾向に偏りがちだな」「ここが弱いな」とか「こういう作品がもっとあればいいのに」ってすごいわかる。これからの指針になるのは確か。でも、もういいから次へ進みたい。

ふと気を抜くと、TDW2014会場で流れてた3つの音楽「ドコモの展示」「着物展」「ビクターのオーディオ」が頭の中に流れ出すし、寝てるときに見る夢はどこか展示会場みたいのばっかだし……トラウマになってるw

・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
< https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii
>
・ハイウェイ島の大冒険 < http://kids.e-nexco.co.jp
>
・INTER-CULTUREさんの3Dプリント作品販売
< http://inter-culture.jp/Buy/products/list.php?category_id=63
>


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■晴耕雨読[06]
おかしかったらすぐ眼科

福間晴耕
< https://bn.dgcr.com/archives/20141112140200.html
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辛気臭い話題になるが、デジクリ読者の方の多くは目を使う仕事に携わり、そろそろ目の衰えが気になる人も多いと思うので(失礼)、自分の目の病気のことをとりあげてみたい。

元々かなり視力が弱いこともあって、多少見え方が悪くても「また度が進んだのか」と思い放置していたのだが、気が付くとかなり右目が見えなくなっていた。それも、近視が進んだにしてはどうも見え方がおかしいのだ。

具体的に言うと、まだらに見えなくなっていると言うか、ある点を凝視していても微妙にぼやけて見えない箇所がある。それに左右の目を交互に瞑って気づいたのだが、明るさも違っているようなのだ。

さすがにちょっと心配になって眼科医に聞いたところ、緑内障で右目はだいぶ進行してしまっていると言う。どのくらい悪いかは気を使ってか教えてくれなかったが「これまでに気が付かなかったのですか?」と何度も聞かれたので、かなり進んでいるのだろう。

正直なところかなり凹んでしまったが、残念ながら緑内障で失われた視力は元には戻らない。薬や手術で進行を止めるだけである。幸い今は良い薬が出たので、昔なら手術しか方法なかった段階でも多くの場合は投薬だけですみ、症状が進行しないまま何十年も暮らせることが多いのが救いだろう。

そんな訳でデジクリ読者のために、似たような症状があったらすぐ眼科に行くことをお勧めしたい。

本などでは、緑内障は段々と周囲から視野が狭まってきて見えなくなると書かれているが、実際に体験した感じでは、段々と視野が狭まるというよりは、段々とはっきり見えない領域が、周辺からまだらに増えてくるというイメージに近い。

よく考えたら、網膜も一気にダメージを受けるのではなく段々と弱っていく上に、死んでいく時も櫛の歯が欠けたようにまだらに死んでいくので、段々とよく見えなくなっていくのは当然なのだろう。

ただそのお陰なのか、よく緑内障では失われた視力は二度と戻らないようにいわれているが、まだ死んでない網膜細胞に関しては効果があるのか、投薬し始めてから若干は視力が回復した気がする。

それから、緑内障というと高齢者の病気のイメージがあるが、割合は少ないものの20代からの発症例もあるらしい。いくら確率が低くてもハズレを引くときは引いてしまうので、まだ若いから大丈夫と思っている方も、一度は検診を受けてみるべきだと思う。

自分もそれなりに人間ドックなどに行っていたが、簡単な眼科検診では緑内障は見つからないことが多いので、もし心配な方は必ず視野検診というのを受けてみることをお勧めする。

これは時間にして30分程で済むもので、やることも中央の点を凝視した状態で周囲に現れる光る点に気づいたらボタンを押すという簡単なものだ。

自分が受けた時には、始まって何分もたっても一向に光る点が見つけられず、看護師さんからは「もう試験は始まっていますが、本当に見えませんか」と言われてかなり絶望したのを覚えている。

そんな訳で、何度も書くが、ぜひともデジクリの読者の皆さんは検診を受けて目を大切にして欲しい。

【福間晴耕/デザイナー】
フリーランスのCG及びテクニカルライター/フォトグラファー/Webデザイナー
< http://fukuma.way-nifty.com/
>

HOBBY:Computerによるアニメーションと絵描き、写真(主にモノクローム)を撮ることと見ること(あと暗室作業も好きです)。おいしい酒(主に日本酒)を飲みおいしい食事をすること。もう仕事ではなくなったのでインテリアを見たりするのも好きかもしれない。


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■KNNエンパワーメントコラム コレクション
セキュリティ哲学の重要性
圧巻!「OK Go I won’t Let You Down」に見る日本の底力!

神田敏晶
< https://bn.dgcr.com/archives/20141112140100.html
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■セキュリティ哲学の重要性
< http://4knn.tv/%E3%82%BB%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E5%93%B2%E5%AD%A6%E3%81%AE%E9%87%8D%E8%A6%81%E6%80%A7/
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政治に「政治哲学」があるように、「セキュリティ技術」にも、技術オリエンテッドに偏らない「セキュリティ哲学」があるべきだと思う。

セキュリティが重要なのではなく、セキュリティを暴く側の二種類に問題がある。一つ目は、セキュリティの甘さをハックによって社会に示唆するハッカー。そしてもう一つは、それを悪用して、社会を混乱させ、金品以外にも自己満足を形成するクラッカータイプ。前者は良しとして、困るのは後者。

後者が、心理的に抑止したくなるような方法を考えたほうが、セキュリティを強めて全体がアンユースフルになるよりも、よほど哲学的なソリューションだ。

電子メールとパスワードこのふたつの組み合わせが、すべてのセキュリティだった時代ではない。しかし、人間の記憶力の限界だ。ウェブのすべてに指紋認証を取るのは、スマホ以外では不可能だ。

万延する詐欺サイト。一度でもひっかかった人は、ECで二度と商品など買いたくなくなる。Amazon.comでさえ、堂々と偽物が販売されている。問題はそれが偽物かどうか証明することの難しさだ。返品方法もAmazonが販売していない「Amazonマーケットプレイス」では異なる。

プラスティックでできた単純なクレジットカードが、64年間も担保され続けてきたのは、ショップ側を厳選するアクワイアラーのおかげだ。

< http://i.gyazo.com/3acb04b3bbc6c4d24258646061935876 >
(この図が入る)

ネットとは、アクワイアラーもイシュアーもいない自由な世界だ。この自由な世界の秩序を守るためにも、セキュリティを強固で堅牢にするだけでなく、世界的な振込口座のイノベーションや、異議申し立ての第三者機関の設置などがユーザーを守るためにも必要だ。

また、国家間においてのセキュリテイに関しても、各国ごとのローカルな法律では意味がない。全世界レベルでのサイバーセキュリティ法が必要だ。

世界的なインターネットにおけるセキュリティに関する法律。いや、最小公倍数的な問題解決の取り決めは、早期にモラルやマナーや指針だけでもうちだすべきであろう。

少なくとも、セキュリティ業界が牽引して、売上を競うだけではなく、未然に防げるアイデアは自由闊達に議論すべきだ。

見えない敵国、いや見えない個人とも戦うために、リアルな国家間での取り決めも早期におこなう必要がある。エストニアのような、政府がなくなってもセキュリティが残る国も登場してきた。

セキュリティ問題は、決して、便利さと危険がトレードオフの関係になっていてはいけない。

Apple Payは世界をエストニアにできるのか?
< http://4knn.tv/apple-pay-a-world-that-is-in-estonia/
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人口130万人 エストニアから税理士や会計士が消滅した理由
< http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141029-00000004-pseven-int
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■圧巻! OK Go I won’t Let You Downに見る日本の底力!
< http://4knn.tv/ok-go-i-wont-let-you-down%E3%81%AB%E8%A6%8B%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%BA%95%E5%8A%9B%EF%BC%81/
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HONDA UNI-CUBもドローンもすごいけど、この作品をイメージできることがすばらしい! また、このLEDやらデジタルやらCGでなんでもできる時代に、素晴らしいクリエイティブを見せてもらった!
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ここまで細やかなことができるところに、まさに日本の底力を見た気がする!

人間の行動やふるまいを仕組み化しアルゴリズム化してきたのが、いままでのデジタル社会である。しかし、このビデオは、その計画化されたアルゴリズムを、人間化したところに、共感が生まれる。

一瞬でも、天候や風向きが変わったら撮影ができない。誰か、ひとりでも大きなミスを冒してしまったら、全体に影響を与えてしまう。傘の動き一つ、電光掲示板の文字ひとつ…。CGでやればなんとでもなる時代に…わざわざ…。

セグウエイもどきを単に造るだけでなく、もう一度、機械と人間の一緒に歩む道を楽しみながら、模索しようとしているHONDAの姿勢がよくわかる。

それにしても、ドローンでここまで撮影できるとなると、もう空撮はドローンで価格破壊になりそうだ。

どうすれば、ドローンの運転技術を学べるのだろう? セスナの免許やヘリ免許のダウンサイジングで考えると何百万の一なんだろうなぁ…。

これにオキュラスのヘッドマウントとか、市販されると、進撃の巨人になれる日も近い…。

500メートルまで飛べて、13万円だ!〜
< http://www.sekido-rc.com/?pid=73271189
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DJI ファントム ドローン 

< http://4knn.tv/ok-go-i-wont-let-you-down%E3%81%AB%E8%A6%8B%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%BA%95%E5%8A%9B%EF%BC%81/
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メイキング動画ほか

【かんだ・としあき】
KandaNewsNetwork,Inc.CEO
< http://4knn.tv/
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編集後記(11/12)

●「ノーベル賞三人受賞、しかし、日本の科学教育は大丈夫か?」と、神経内科医の西岡昌紀氏が「WiLL」誌で書いている。日本人物理学者たちがノーベル賞を受賞したという嬉しいニュースを聞きながら、日本の科学の行く末が心配でならないという。なぜか? 研究機関の研究体制やお金の問題か。それ以上に深刻な問題が、日本の学校教育における科学水準の低下、劣化、それが恐るべき低レベルに陥っているということだという。そう聞くとすぐに、あの酷すぎた「ゆとり教育」の弊害かと思う。現在は一定の是正がなされているが、もうそんな改善すら手遅れなのではないか、とりかえしのつかない段階に至っているのではないかと西岡氏は憂える。

昭和の小中高で行われていた科学教育は素晴らしかった。それが今日のノーベル賞受賞者輩出の基盤であった。ところが、いま大学の理科系の学部でさえ、物理や数学の知識が足りない新入生が多く、教養課程で苦労しているそうだ。科学教育の空洞化した「ゆとり教育」の授業環境の中で中高時代を過ごした世代は、科学への関心自体が薄いまま成長した。彼らが教員になり、企業の要職に就き、教育行政を司る時代がそこまで来ている。ゆとり世代が今後、科学教育や科学行政のあり方に必ず影響を与えるだろう。そして現在、科学的思考の基礎を学ぶべき大切な年代を、英語漬け、タブレット漬けにする変な方向に進めているのが政府・文科省だ。ノーベル賞候補のストックはいずれ尽きてしま
う。大丈夫か、科学立国日本。

日本人がノーベル賞を受賞できた理由は、母国語で科学が学べる国だったからだ。日本が短期間で近代化を成し遂げ、基礎科学でも応用化学でも欧米に並ぶ水準になった最大の理由は何か? それは日本語であった、さらにいえば漢字であった。という西岡説はじつに明快である。日本では日本語で科学を学び研究できる。そのことは世界の中では奇跡に近い。日本人は物理学の概念を表す単語、たとえば、質量、電荷、原子、分子、微分、積分、行列などを当たり前につかっている。欧米が生んだ自然科学の概念を、短く分かりやすい単語に訳して、外国語をまったく知らなくても学び、語れる言語空間を近代化の早い段階で完成してしまったのである。

しかも、エネルギー、ポテンシャル、エントロピー、フラクタルなど日本語に訳しにくい言葉や概念は無理に訳さず、カタカナで表すという柔軟さもある。欧米で生まれ発展した近代科学、さらに経済などの諸概念を、日本語の一部にしてしまった。これが先人の功績である。これが日本の文化である。日本が過去から受け継いだ偉大な遺産である。「そもそも、科学教育の基礎は国語教育だ。母国語で本を読み、文章を書き、自分の考えを述べて討論するといった能力こそは、科学教育の土台の土台である。したがって、科学教育を振興、強化するならば、まず最初にするべきことは、国語教育の充実である」。数学者・藤原正彦と同じ結論だ。ところで、漢字を捨てた韓国やカナを持たない中国は母国語での科学研究は難しい。とうぶんノーベル賞は無理でしょう。(柴田)


●プログラマーの方をご紹介いただけませんでしょうか? 常駐して作業してくださる方だと嬉しいです。zacke@days-i.comまで。

ずっとファイバーカステルだと思ってた……。/最近、眼科に通っている。ドライアイや充血対応、緊張を緩める目薬が処方される。視野検診では問題なかったようだ。あれが緑内障の検査だったのか。/OK Go I won’t Let You Down凄い! Pufumeも出演してたんだって。

「TAKARAZUKA 1万人のラインダンス」続き。

音楽はどう流す? 連絡はどうする? 凄いなぁと思ったのが、地元のFM宝塚が主催に入っていたこと。地元密着局であるものの、サイマルラジオやライブカメラで全国発信されている。大阪在住の私がラインダンスのことを知ったのも、宝塚歌劇の番組を聞いていたから。宝塚市役所が放火された日もたまたま聞いていて、ラジオで市民に情報提供されていたのを覚えている。

開催が決まってからは週一番組まであった。いま思えば聞いておけば良かったなと。当日までのスタッフさんたちの苦労を知ることができたのに。あ、ボランティアスタッフは470人だったって。

当日は10時からラインダンスの生放送。USTREAMでもやっていたみたい。ビニールをかぶせた防災ラジオが1ブロックごとにひとつあり、番組を通じて指令が飛んでくるし、音楽も流れる。これがなければ伝達なんてできなかった。考えた人凄いわ。

IT業界なら、ネット中継してスピーカーから流すか、スマホで受信させてってことを考えつくだろうけど。まぁその音をかき消すヘリコプターが時々飛んでいたりもしたんだけど。(hammer.mule)

< http://www.nikkei.com/article/DGXNASHC1203M_S3A710C1AC8000/
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火炎瓶、バッグに入れ訪問 宝塚市役所放火で容疑者

< http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail.php?page=1&qid=13110163513
>
宝塚市役所放火事件の高橋昭治被疑者(無職)が支払う損害賠償金はどれくら
いかかりそうですか?

< http://www.asahi.com/articles/ASGBG7KS4GBGPIHB036.html
>
宝塚市役所放火の被告、懲役18年確定へ 最高裁