3Dプリンター奮闘記[54]僕の妄想3Dプリンター
── 織田隆治 ──

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さて、ワンフェスも終わり、本業の仕事に追われる毎日です。

最近は色々な3Dプリンターが出てきていますが、基本的に

熱融解式(PLA。ABS等を溶かして積層)
粉末硬化式(ナイロン粉末や金属粉末、石膏等を蒔いて固めるもの)
光硬化式(紫外線等を当てて、UV硬化樹脂を固めるもの。インクジェット式も含む)

といったように、方式にあまり新しいものはありません。

最近では、コンクリートや粘土を出力するものや、チョコレートや食材を積層するものが出て来てはいますが、それも、基本的に限られた用途に使うもので、素材自体が科学反応や冷えることで固まるものですね。




例えば、この科学反応で固まるってのは面白そうで、ヘッド内部でエポキシ接着剤のようなA液とB液が混ざると固まる、みたいなものが出て来れば、かなり強固な積層が出来るんじゃないかな〜なんて思っています。

僕は技術者ではないので、それが果たして可能なのかどうかは分かりませんけどね。

素材がかなり高価になるかもしれないし、ヘッドで内部で混ぜ合わせて固まるわけなので、使用した後のヘッドは内部で素材が固まって、すぐにダメになるかもしれないけど……。

でも、熱融解式と違って、ヘッドが発熱する必要もないから、簡単な使い捨ての樹脂製にすればいいのかな〜と、妄想は広がります。

ワンフェスなんかではよく、A液とB液を混ぜて固まるレジンキャストなんかを使ってますが、これは比較的に安価だし、この素材を改良して粘度を上げ、速攻で固まるようなのが出来ればいいんだけどね。

ヘッド近くで素材を混ぜ合わせる技術は、熱融解方のマルチカラー出力の方法で出来上がっているし、後はその樹脂の改良・開発と、エクストルーダー的な樹脂の送り出し方法が解決すれば可能ですよね。

この場合、粘度がどれくらいあれば形状を保持してプリント出来るのか?樹脂のヒケが起こらないような素材の開発、という難題が。

「そこが難しいんじゃ! このやろう!」って言われてしまうかもしれないけど。スライサーや他の部分の技術は出来ているわけだし、どこか開発してくれないかなぁ。

開発してみるよ! 面白そうじゃん! って研究機関があれば、ご連絡ください! 非力ながら、妄想を色々提供します!(笑)

ということで、僕の妄想でした。

あ、そうそう。方式変われば取り扱いも変わって来るのだけど、同じ方式のプリンターでも、そのソフトウェアの違いで、また色々と取り扱いが変わって来るわけです。

プリンターは色々出ていますが、そのプリンター独自のソフトウェアだったり、フリーのソフトウェアだったり、シェアウェアだったり、色々とソフトを切り替えて使用しないといけないわけです。

まあ、このへんは3Dソフトも映像編集ソフトもグラフィックソフトも変わらないわけで、新しいソフトウェアをどんどん覚えて行く必要があるんですね。

ソフトウェアとプリンターの癖や相性なんかもあったりして、そのプリンターに合ったソフトウェアの設定を見つけるまでに、かなりの労力が必要になってきます。

とりあえず出すようなレベルなら、比較的簡単に出力出来るんだけど、そのプリンターを使って最高な物を出力するには、かなりの設定イジリと、データの制作方法をこねくり回す必要があるんですね。これが実は本当に大変だったりして。

そのへんがもっと改良されて、このプリンターにはこの設定だ! という情報がメーカーからちゃんと発信されるようになれば、もっと3Dプリンターも普及するんじゃないのかな〜と思います。

3Dデータの制作に関しては、使う側の問題なので仕方ないんですけどね。まあ、それくらいはユーザーが努力しないとね。

ということで、先月末に納品されてきた新しい国産3Dプリンターの「Bellulo」と、戦っております。

上記のように、普通に出力は簡単に出来るんですけど、もっと良い状態での出力はどうすれば良いのか! ってことですね。

「Bellulo」は「Simplify3d」というソフトウェアを使っているんですけど、「Bellulo」と「Simplify3d」のベストマッチな設定を探す必要があります。

「Bellulo」の最良の出力を目指して色々試行錯誤が必要になってきます。

前回の記事のように、色々と物件が重なりまくってまして、「Bellulo」に触れない日々が続いていましたけど、やっと少し余裕が出て来て、ここのところ色々と触って試しています。

ガッツリきれいな出力が出来るようになれば、ちゃんと公開して行くつもりです。その辺の情報提供も、今週中にメーカー様にご協力頂くことになっていて、すごく楽しみ!

こういった協力体制を取ってくれるメーカー様ってのもありがたいです。

次回には「すげ〜プリントが出来たぜ〜」という報告が出来るようにがんばります。

【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
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