グラフィック薄氷大魔王[423]「透過原稿をスキャンする」他、小ネタ集/吉井 宏

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●透過原稿をスキャンする

ポジやネガなどの透過原稿をスキャンできるエプソンGT-X820があるうちに、アナログ時代からのポジをスキャンしておこうと思い立った。「あるうちに」というのは、近々、複合プリンタに買い換えたいと思ってるから。

大量のポジを分類したら、絵具で描いたイラストよりも、データ入稿ができなかった頃のデジタル作品のポジ出力や、書籍/雑誌の表紙を複写したものが多い。画像データがある作品はもちろん、表紙も別にスキャンデータが存在するため、あらためてスキャンする必要はない。

スキャンする必要があるのはアナログ時代の絵の複写ポジ、4×5や6×7合わせて60枚程度。あと35mmが数10枚。

6×7を3枚ずつテンプレートに載せて調子よくスキャン。こりゃけっこうはかどるぞ! と思ったら、あれ? 発光部分の幅が足りず4×5がスキャンできない仕様。しかたなく、半分ずつスキャンしてPhotoshopの「差の絶対値」でレイヤーを位置合わせして合成する。こういう淡々とした作業はキライじゃない。

で、5〜6枚やったところ、どうしても合わせ目が合わないものが出てきた。何度もスキャンして画像を並べてたらわかった。同じ解像度でスキャンして長さが違うぞ。明らかに平体かかってる。なんだこりゃ? コンシューマ用の限界か?




スキャナを再起動すると、サイズが違うトラブルはなくなる。しばらくやってると急に合わなくなるけど、その都度再起動すればなんとか大丈夫。

一日目に40枚ほどスキャンして、二日目に突入、と思ったら、あれ? おかしいな。6×7を18枚と35mmのスキャンも朝のうちに終わっちゃった。早すぎる。ずっと「大変な作業だから覚悟しなきゃ」って思ってたけど、やり始めたら片手間で丸一日しかかからなかった。もうスキャンするポジがなくなっちゃった。もっとスキャンしたいw

とりあえず、画質の悪いL版プリントをスキャンしたものしかなかった絵や、原画が手元になくポジしかなかったものなど、今までWebにアップしたことのない絵をお見せできそう。そのうち、ギャラリーにしよう。

スキャンとか書籍自炊とかのときどき手がかかる作業を仕事と同時にやると、集中が途切れないから仕事がめちゃくちゃはかどる!  のはいつもの通りw

●複合機に買い換えたい

ってのは、主に「テーブルひとつを占領してる上に電源・USBケーブル計4本がのたうつA4スキャナとA4カラーレーザープリンタ」を「Wi-Fi接続のA4カラリオインクジェット複合機に買い換えたら、電源ケーブル一本で済む上にテーブルが半分空くぞ!」という目論見。

今、奥さんのカラリオ複合機を試してみたんだけど、う〜むむ。そんなにいいもんじゃないな。プリントは、顔料インキ系よりはマシだけど最初にちょっとスジが出るし、紙送りが二枚重なったりプリントされずに出てきたり、手差し設定が言うこと聞かなかったり。

そこへいくとレーザープリンタのメンテナンスフリー感はすごい。レーザーは発色が地味なのでインクジェットに期待したけど、普通紙ではインクジェットのほうが地味。写真用紙を使った本気プリントは、インクジェットが圧倒的にキレイなんだけど。

複合機のスキャナは「キッキキ、ビョ〜〜〜」って音が頼りないし、遅い! っていうか、今使ってるスキャナが速すぎるんだろうけど。300dpiで雑誌の表紙をスキャンする分には画質的にはあまり差は感じない。

やっぱ普段使いのレーザープリンタははずせないなあ。スキャナも今使ってるのが優れものってよくわかった。高画質プリントしたいときはインクジェット使わせてもらうか。Wi-Fiでも使えるし。

いやしかし、染料インキはマシ。何週間ぶりに使ったプリンタでもほぼ実用のきれいさでプリントできるもん。顔料インキ系プリンタは、スジスジが消えるまで一時間半くらいメンテナンス。

ただ、カラリオプリンターはペナペナのプラスチックの給紙トレイや差し込み口のフタ、ディスクプリントのトレイなどがあちこちにあって、ガチャガチャの建て増し感、めちゃくちゃヤワに見える。うかつに持ち上げるとベキバキッてどこか壊れそう。HPの複合機などのほうがぜんぜん大人な感じがする。

次買うときはHPにしてみようかな。世界的にはHPのプリンタが標準らしい。以前、HPのプリンタにしてたこともありましたが、インキがお店で売ってなく通信販売。今は近所の量販店でも買える。

そういえば! 1992年にMacintosh IIciといっしょに買ったプリンタはHPだった。CMY3色でカラーを表現するタイプの「DeskWriter C」。なんと198,000円!

●プリンター/スキャナの余談いろいろ

・おととし、実家作業中にどうしても必要になって、エプソンの下から二番目に安い7000円くらいの複合機を買ったんだけど、スキャンもプリントも速度は遅いものの、そこそこキレイでびっくりした。これで十分仕事できる!

・使用中のエプソンGT-X820は2本のLED光源で紙のシワなどが映りにくく、モアレ低減オンでもめちゃくちゃ速くて高画質。ただ、透過原稿ユニットが取り外し不可なため、フタが重くて開閉するのがめんどくさい。本気スキャン用に残しておこうかなとは思ってる。

・そもそも、画質が要求されるスキャンってほとんどしないし、透過原稿ももうなくなっちゃった。これからは安い複合機で十分。スケッチとかはScanSnapでスキャンすることも多いし。大量のスケッチが、一個のPDFにまとまるのが痛快。

・写真愛好家やプロが、デジカメ以前のフィルムやプリントを利用したいから高画質スキャナの需要があったんだろうけど、そろそろ「アナログ写真のデジタル化」って誰もしなくなるかも。興味ある人はすでにデジタル化し終わってるだろうから。カシオQV-10から20年もたってるんだ〜。

・ScanSnapにしても、僕の本棚にはまだ裁断するつもりはないけど、将来自炊するかもしれない本はあと数10cmしかない。買ってきた本を書籍自炊しているのは「電子本が売ってないからしかたなく」であって、電子本だけ買うようになったら必要なくなっちゃう。

・エプソンからUSBバスパワー駆動のスキャナが出てる! バスパワー駆動スキャナの元祖、キヤノンのLIDEシリーズは歴代4機種買ったくらい大好きだった。今は複合機中心だからスキャナ単体の需要は少ないんだろうけど、と思ったら、うへー! キヤノンなんかパーソナル向けスキャナがたった2機種になってる〜。エプソンはプロ写真家向け含めて4機種。

【吉井 宏/イラストレーター】
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実は今回の原稿は急遽差し替えたもの。先週、『「.docx」がMac版Word2008で開かず、いろんなアプリを試したあげく、結局最新版のOffice Mac 2011を購入、ところがやはり開かなかった〜!』という件をSNSに書いた。毎度のドタバタ事件として、直後にデジクリ原稿としてまとめ、この号に載せるつもりだった。

しかし、どう手を入れても「ろくでもないOffice書類が送られてきて大変な目に遭った」というトーンになってしまう......。違うのです。「簡単な方法があるのをわかっていながら、その方法以外で自主的に解決したら痛快だろうと思っていろんな検証を始めてしまうという、いつものパターンの自虐的笑い話」のはずだったんだけど。

ボツにした。......ほぼ完成してたのにボツにするのは初めてかも。あっ! 3月末でデジクリ連載が丸10年!

・rinkakの3Dプリント作品ショップ
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・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
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