[3873] それ行けスマート

投稿:  著者:  読了時間:18分(本文:約8,800文字)


《椅子の「肘掛け」ってそのためにあるんじゃん!》

■ユーレカの日々[41]
 それ行けスマート
 まつむらまきお

■グラフィック薄氷大魔王[425]
 「手書きノートアプリEquilnote」他、小ネタ集
 吉井 宏




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■ユーレカの日々 [41]
それ行けスマート

まつむらまきお
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150318140200.html >
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アップルウォッチがいよいよ発売されるということで、「スマートウォッチ」と呼ばれるモノがちょっとしたブームらしい。機種によってできることは様々だが、基本としてはスマートフォンと連携して、着信を知らたり、スマホをリモコン操作できるそうだ。

別にスマホだけでいいだろうと思うのだが、スマホが大型化しており、ポケットではなくバッグに入れる人が増えているからだという。

なんだか変な話だな、と思う。ノートパソコンが重いからスマホやタブレットが生まれた。今度はそれが大型化してるから腕時計だ。たしかに女性はバッグだろうが、スマートウォッチを女性がするのかなぁ? 

この分では三年後には腕時計が大型化して、指輪型やイヤリング型の端末が出てくるんじゃないだろうか。

そもそも、そこまでしてメールなどの連絡をリアルタイムで受けたいのだろうか?

●メールがリアルタイムでなかった時代

その昔、パソコン通信やインターネットは今のように常時接続ではなく、必要な時に電話で接続する「ダイヤルアップ」ということをやっていた。

当然、メールもリアルタイムには届かず、受け手側が「回線に接続」し、「メールを確認」してはじめて、メールが来たことがわかる。電話で「メールしました」と伝えるなんてことも、ごく普通に行われていた。

今のメールシステムと比べると、徒歩とジェット機くらいの違いがあるが、ほんの15年前までメールはそういうモノだった。

そんな不便なメールがこれだけ普及したのは、ファイルを添付することも、また、内容を第三者へ転送することもできるからだ。

後日、内容を確認することもできるし、相手の都合を考えず、いつでも送ることができる。使ってみると電話より便利な点がたくさんある。

そんなわけで、ビジネスでもパーソナルでも、メールという通信手段はあっというまに必須となった。今では声が届く同じフロアに居る人に対しても、メールでメッセージすることさえ、珍しくなくなっている。

そうなってくると、メールが来たことをはやく知りたい、来た時点で知らせて欲しいということになる。

手動だったメールチェックは自動化され、パソコンに向かうのは仕事の一部ではなく、中心になった。やがて携帯電話が普及しだすと、携帯でもメールを使うようになる。

携帯メール、特にiモードでは文字数の制限、添付ファイルの制限があり、パソコンからのメールを受信しない設定も普通だった。

ファイルサイズの大きなメールは、受信通知を携帯に飛ばし、パソコンでメールを確認するという、なんだかわけのわからない時代が何年も続いていた。受ける方も面倒だが、出す方もサーバにはねられて戻ってくるなど、やっかいなことが多かった。

ここ数年、スマホ時代になってからはそんなトラブルはすっかり影を潜めた。わたしがパソコン通信で初めてメールを使ってから25年。ずいぶんかかったものだ。

●メールが来てないか、気になるキモチ

ダイヤルアップの時代でも、携帯メールの時代でも、自分にメッセージが届いていないかどうか気になって仕方がなくて、何度もログインしてみるというのは自分自身も憶えがある。

メールはもちろん、パソコン通信のフォーラム、インターネット時代に入ってからは掲示板、BLOG時代にはコメント欄。自分が何かアクションを起こした時は、その反応が気になるものだ。慌てて見る必要などないのだけれど、ついログインしてしまう。

LINEなど、スマホ時代のSNSユーザはどうなのだろう? もちろんメッセージが来れば着信するのだが、その着信が来てるかどうか、気になってチラチラとスマホを見てしまう、ということが今の若い人でもあるのだろう。

高校以下の学校では携帯を持ってくること自体が禁止されているのを見ると、気になってしまうのは人の性のようだ。

こういうのは個人の性格によって頻度が違う。自分を律することができるかどうか、というのもあるが、それ以上に「せっかち(関西でいうイラチ)」かどうかだ。

もともとわたしは、絵を描いていても、絵の具が乾いたかどうか指で触ってみて台無しにしてしまう性格だった(だからさっさとデジタルに移行した)。合理的に考えれば、十分に乾くまで他の仕事でもすればいいのだが、どうしても気になってしまう。ちゃんと乾くまで置いておける人なら、メールやメッセージが気になるということはないのだろう。

●どうやって逃げるのか

さて、スマートウォッチである。着信を知りたい、という気持ちはよくわかるのだが、逆にそんなものを身につけていては「着信があったのに気が付かなかった」とバックレることができないではないか。

固定電話の時代には「居留守」という言葉があった。今の携帯電話はとても便利になった反面、24時間、どこに居ても逃げられない。かわりに「気が付かなかった」「電波が届かない」「電池が切れた」という言い訳が登場した。

スマートウォッチが出てくると、この「気が付かなかった」とう言い訳が通用しなくなる。これはまずくないのか?

今後テクノロジーが発達して、地球上どこでも電波が届き、永久に保つ電池が発明されたりしたら、どんな言い訳をすればいいのか今から気になってしょうがない。

いや、別に自分が常日頃バックレているわけではないが、そういう言い訳理由というのは円滑な人間関係を保つために必要だと思うのだ。思わない? 思うよね?

●まだまだ改良の余地がある携帯電話

反面、携帯がこれだけスマートになりながら、なぜそれができないのかということもある。

たとえば携帯の留守電。たまにメモとして保存しておきたい内容があるのだが、どうして未だにあれをメールで受け取ることができないのだろう? 音声ファイルが添付されていれば、いつまでも保存できる。転送だってできる。

FAXもそうだ。メールでFAXを送受信できるサービスもあるが、いまどきのFAXは送受信とも一旦メモリに入れるのだから、機種単体でもメールに添付するくらいできそうなものだ(できる機種もあるのだろうけど)。

スマートウォッチやテレビ電話もいいけれど、そういった旧来のメディアと新しいメディアをつなぐ工夫が、もっとなされてもいいんじゃないだろうか。

●どこまで行ってもワガママ

そもそも携帯やメールは、なぜ必要なのか。それは双方向で連絡を取り合うためだ。ところがたまに、携帯は自分がだれかに連絡をとるために持ち歩くものだ、と誤解している人がいる。

うちの父をはじめ、年配の人に多いのだが、まわりがあなたに連絡を取るのに必要、という概念が欠落しているらしい。だから使わない時は平気で電源を切ってたりする。イライラするが、ある意味うらやましいとも思う。

電話が登場する以前は、メディアというのは単方向が普通だった。貼り紙、演説。電話が登場してはじめて双方向が実現したのだが、テレビ、映画、雑誌、新聞など電話以外のものは一方通行が普通。

しかも固定電話は個人と個人ではなく、個人と場所をつなぐものだ。そういった時代に生まれ育てば、メッセージということに対して鈍感になってもしょうがないだろう。

もっとも時代が変わった現代でも、そういう人間のワガママさはあまり変わっていない。自分が出すときはしっかり受け取って欲しいが、想定外の連絡はあまりうれしくない。

●携帯が変えた待ち合わせ

この20年、携帯とメールでもっとも大きく変わったのは「待ち合わせ」だろう。携帯が普及する前は、時間と場所を事前にちゃんと決めていたものだが、今はだいたいの場所と時間だけで、あとは電話なりメールなりで現地で落ち合うのが普通になった。

予定に縛られるのが大嫌いな私にとって、これは本当にありがたい。先に決めておかなくてもなんとかなる。

いくら事前に申し合わせをしていても、当日の状況によっては遅れる人も、場所を間違える人も現れる。待ち合わせ場所が工事中ということもあるだろう。

昔はそういうことが心配で、あれこれ腐心したものだが、所詮、未来のことを人間が完全に予測することなどできない。その現場でスムースに解決できることこそ重要だ。

スマホなら電話もメールもできるばかりか、自分が居る場所を地図で確認することも、写真を撮って送ることもできる。待ち合わせを決めておかなくても、現場でなんとでもなるのだ。

現在では相手の携帯番号もメアドも知らずに待ち合わせすることなんて、ちょっと考えられない。

そうだ、そうなのだ。先のことをあれこれ心配するのではなく、現場でなんとかできること。判断を先送りにできること。それこそが本当の「スマートな機械」に求められることではないだろうか?

●先送りにしよう

そういえば二年ほど前に、自宅の仕事部屋の照明をLEDに変えたのだが、その時に選んだものは「色が変えられる」ものだ。真っ白な光か、黄色い電球色かで迷っていたところ、色も明るさも変更できるものがあったので、それにしたのだ。

取り付けてみて、「これはスマートだ」と思った。メーカーは状況に応じて変化させられることを売りにしているが、そうではなく、自分の部屋にあわせてチューニングできる点がいい。

照明器具は店頭で見るのと、自宅に設置してみるのとで、環境が違うためずいぶん印象が違う。白熱灯や蛍光灯よりずっと寿命が長いLEDだから、購入時にあれこれ悩むより、後から変更できる方がずっといい。

なるほど、スマートフォンがスマートと言われる所以はそこだ。つい、色んなことができるからスマート、と思ってしまうが、ユーザーに合わせてくれるからスマートなのだ。

あとから必要なアプリを追加したり、別のものに置き換えて、自分用にカスタマイズできる。使いもしない機能は捨てておくことができる。

最初から目的を決めるのではなく、また、機械に人が合わせるのでなく、後から対応してくれるのが、人にとって一番ありがたい「スマート」さだろう。

そういう意味では、アップルウォッチは時計として見れば、見た目(文字盤)が変えられる点で、先のLED照明のよさと似ている気がする。

●人と機械、どちらがスマート

そういえば、人間も同じ気がする。役所なんかの対応を「機械的」と言うが、「決まっていることですから」と融通の効かない相手は、なんだか機械を相手にしているような気になる。

状況に応じて様々な対応をしてくれる人は、優秀だなぁと思う。機械がどんどんスマートになってくる現代。機械に負けないように、人もスマートになりたいものだ。

【まつむら まきお/まんが家、イラストレーター・成安造形大学准教授】
< twitter:http://www.twitter.com/makio_matsumura >
< http://www.makion.net/ > < mailto:makio@makion.net >

大学の卒業式があった。来月には入学式。毎年毎年リセットを繰り返す、因果
な商売だなぁと思う。私も卒業したいぞ。


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■グラフィック薄氷大魔王[425]
「手書きノートアプリEquilnote」他、小ネタ集

吉井 宏
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150318140100.html >
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●手書きノートアプリEquilnote

Mac用のドロー系手書きノートアプリがあった! Windowsにはいくつもあるのに、Macにはほとんど見当たらず、以前から探してたのでした。

Equilnote - MacAppStore
< http://apple.co/1O1p5ne >

字も書けるし絵も描ける。ページを増やしたりノートを追加したり用紙を選べるのは当たり前。選択・編集や消しゴムも理想の性能。描画はすごく速くはないけど書きやすい。表示の拡大縮小やスクロールにショートカットキーが使えないのが惜しい。

< https://pic.twitter.com/8OclXE5wMK >

文字認識はアプリ内課金で購入可能。DropboxやEvernoteに同期可。Evernoteに自動でノートが送られてるのは便利。iOS版にはレイヤーもあるらしい。

テキストを打ち込む場合、日本語だと欄がうまく拡大してくれない問題はあるものの、手書きノートにテキスト打ち込みはしないからいいや。

本来、equil smartpenという赤外線式ペンやホワイトボードといっしょに使うものらしいけど、普通に板タブでも使える。

< http://www.myequil.com >

この会社、良さそうなアプリいくつも作ってる。またいろいろ試そう。
< https://itunes.apple.com/jp/artist/pnf-co.-ltd./id587774489 >

●メインソフトが開発終了したら

仕事や制作に使っているメインのツールは、これから先もずっと使えるとは限らない。会社が買収されるなどして、開発終了したり塩漬けになるソフトはいくつも見てきた。仕様が変わって、メインツールに適しないものになったりもする。

僕は幸運にもそんな目には遭ってない、かと思ったら一度あったな。Painterがver.7になったとき、「チョーク」ブラシの仕様が変わって、今までのタッチが出せなくなった。Painterは「チョーク」「水滴」「消しゴム」の三本のブラシだけでほとんどの仕事をしてたから焦った。

その時は、それまでに知り合った世界中のPainterアーティストに連絡を取り、これが如何に重大な仕様変更かをMetaCreation社にアピール。無事、アップデートで元の仕様に戻ったのだった。

以来、そういう危機感は常にある。今使ってるツールに何かあってもいいように、似たようなことができるツールを探して検証するのが習慣になってる。

けど、ふと思った。万が一、メインで使ってるツールが終了したとしても、その瞬間から使えなくなるわけじゃない。

OSXの時みたいにパソコン環境が激変するまではずっと使えるし、そうなったとしても中古マシンが手に入る間は使える(会社終了でアクティベーションのシステムが停止したら、即使えなくなることもあり得ないわけじゃないな......コワコワ)。

ツール終了に備えるのが主な目的で、別のソフトを購入して勉強するのはムダかもしれない。終了してからで大丈夫。終了に備えて勉強した別のソフトが終了することだってあるわけだもんね。今のツールを最大限に活かすほうが大事だと思う。

とかなんとか書いたのは、別のツールを使ってみたい自分への警告ですw 新しいバージョンの3Dソフトが出てくると、どうしても目移りしちゃう。「隣の芝生は青い」っていうか。デモムービーとか見て使いやすそうに思えちゃうのは錯覚。いいところしかアピールしてないから。

どんなツールでも深く使い込めば不満が出てくるのは当たり前。大規模なソフトほどバグがずっと放っておかれるのも多いらしいし。

●肘掛け!

intuosペンタブレット。Mサイズと同じ描画範囲を設定してLサイズを使ってる理由は、「キーボードを上部に載せてもMサイズ分の範囲が使える」ことが大きいのだが、もうひとつ重要な理由に

「左腕を端に載せておけるのでラク」

がある。写真のようにペンタブを傾けて置いているため、Mサイズだと左腕を宙に浮かせるか、肩幅を縮めてなんとか載せるしかない。これがけっこう疲れるのだ。

< http://www.yoshii.com/dgcr/intuos-IMG_0419.jpg >

で、今気づいた。椅子の「肘掛け」って、そのためにあるんじゃん! 肘掛けってジャマだからいつも最低の高さにして引っ込めてた。肘掛けを高くして肘を置いてみたら、Mサイズintuos使うときにすごいラク! 十何年アーロンチェア使ってて気づかなかったw

●資源持ち去り

朝、「書籍自炊した残骸=大量の資源ごみ」を出しておいたら、違法の回収業者のトラックが来て持って行った。なんかめちゃくちゃクヤシイ! あんな苦労して作った残骸なのに! 違法業者個人の収入になっちゃうんだよ。

正規の回収トラックには前後左右に目立つステッカーが貼ってあり、二人で作業してるから、違法の業者は一発で見分けられるのだ。ステッカーなしのトラックに一人のおっさん。

以前住んでた集合住宅でも、ゴミ置き場で自炊の残骸を出したばかりのところにやってきた違法業者と鉢合わせ。「区の人じゃないだろ! 持って行くな!」って追い払ったことがあったのだった。

近所のおばさんに話したら、同じく「区の人じゃないでしょ!」って注意したら凄まれたことがあるらしい。そのことを区に電話して訴えたら「トラブルになるので関わらないでください」と言われたそう。裁判でも区が負けた例があるらしい......。なんとかならんのか? クヤシイ!

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

昨年夏にコンペに通って以来、つい先日まで制作作業してた「ちょっと特別なキャラクター」が、3月20日のイベントで発表されるらしい。早く紹介したくてたまらない〜!

・rinkakの3Dプリント作品ショップ
< https://www.rinkak.com/jp/shop/hiroshiyoshii >

・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
< https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii >

・ハイウェイ島の大冒険
< http://kids.e-nexco.co.jp >

・App Store「REAL STEELPAN」
< https://itunes.apple.com/jp/app/real-steelpan/id398902899?mt=8 >


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編集後記(03/18)

●至近未来警察小説「機龍警察シリーズ」の最新刊は短編集だ。いままで出た四つの長編を補完する内容である。長編では脇役で出演していたキャラクターたちも、ここでは主役を演じていて、特捜部のメンバーたちの過去や性格などが徐々に明らかになる。龍機兵(ドラグーン)パイロットたちや沖津部長など、圧倒的個性がちょっとアニメっぽい派手さがあって(筆者はアニメの脚本家出身)、ちょっと地味な扱いだった捜査班主任や理事官が、警察小説であることをキープする役目を負っていたのだと思う。組織の中の人間である何人かが、この短編のいくつかでは主役だ。彼らのキャラがぐいぐい立ち上がる。

ほとんど危険な任務が登場しないのが「勤行」という一編。国内治安に関する政治家の質問は、警察の揚げ足取りに終始するが、その答弁の作成に駆り出された二人の理事官は徹夜で文書作成にあたる。そして階級でいえば警視でしかない理事官が国会に陪席し......という、機龍警察らしからぬ展開が面白かった。唯一後味がいい。表題の「火宅」は捜査班主任が死の床にある元上司の秘密に迫る。これも「機龍警察」とは違和感のあるエピソードだ。立件見送りとか捜査中止とか、問題を解決しないまま終わる話もある。各方面から特捜叩きが激しい。融通の利かない従来の警察組織の狭量さ、旧弊さに苛立ちを覚える。

マスター・スレイプ型のフォトニック・プロセッサ採用機甲兵装。これに龍髭(ウイスカー)による神経電位センシングと外部センサーからのフィードバック、量子結合を介した両者の無遅延同期が加われば、少なくともコンセプトにおいて、それはもはや龍機兵である。警視庁特捜部のみが保有する未分類特殊強化兵装「龍機兵」。その中枢ユニット「龍骨(キール)」は、搭乗者の脊髄に埋め込まれた「龍髭」と一対一で対応している。搭乗者の脳に達する以前の脊髄反射を龍髭が検出し、量子結合により龍骨に伝達。機械的操作では実現できない反応速度を可能とする。......よく分からないが圧倒的にかっこいい。

この表現は以前も書き写したような記憶があるが、とにかくとんでもない設定である。特捜部の保有する三体の龍機兵にそのシステムが組み込まれているが、同じ研究が世界中で行われており、いつかどこかで誰かがそのシステムを完成させて追随するのは予測できる。「我々は龍機兵のアドバンテージをできるだけ維持しなければならない。〈そのとき〉のために」と特捜部長は言う。そのときとは、問題の技術が一般化するという意味だけではない。警察内部に根を張る正体不明の勢力〈敵〉との戦いが公然化するときか。ますます面白くなったこのシリーズ。早く漫画化、アニメ化、映画化されればいいのに。(柴田)


●hammer.mule の編集後記はしばらくお休みします