もじもじトーク[18]ロゴの話
── 関口浩之 ──

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こんにちは! もじもじトークの関口浩之です。

連日、雨が続いてましたが、久しぶりに青空を見たような気がします! 天体観測好きな僕にとって、たまには澄みきった星空を眺めてみたいなぁと思う今日この頃です。

今週末、晴れたら土星を撮影しようかな〜☆ うまく撮れたら今度レポートしますね。

さて、今日のお題は「ロゴ」のお話です。

みなさんは、普段、会社ロゴや商品ロゴを意識してみてますか? あまり気にしてないと思いますが、一日に何十何百ものロゴを目にしているはずです。

それでは、「ロゴ」の正確な意味を調べてみましょう。

ウィキペディアによれば、『図案化・装飾化された文字・文字列のことで、団体名、商号、商品名、雑誌名、書名などを印刷・表示する際に使用される。「ロゴ」とは「ロゴタイプ 」(logotype)の略称である。』と書かれています。

たくさんの情報が溢れているなか、目にしたロゴがすごく素敵だと脳裏に良いイメージが記憶されるのではないでしょうか。逆にロゴがショボイと、残念なイメージが知らないうちに定着されてしまうかもしれません。




●気になるロゴ

オーディオやレトログッズが大好きな僕にとって、メーカーロゴや製品ロゴはとても気になる存在です。

ロゴでGoogle画像検索すると、Coca-ColaやWALKMANなどのロゴがたくさん出てきますね......。

そういえば、Coca-Colaロゴ、小さい頃、「かっこいいなぁ〜」と思ってデザインを真似してレタリングしました。それから、Coca-Colaグッズ集めしてました(笑)

たくさんあったCoca-Colaグッズの中で、お気に入りのフィギュアが唯一手元に残ってました。これです。じゃーん!

☆Coca-Cola自動販売機フィギュアとCoca-Colaロゴ☆
< http://goo.gl/EQH6SN
>

コインを入れると「ガチャガチャ」って音がして、缶のコカ・コーラが出てきたような気分になります。そして自動販売機のドアを開けると、音楽(英語のCoca-Colaソング)が流れるんです。かなり精密に作られています!

この自動販売機のフィギュア、かなり重いです。1995年にロサンゼルスのグッズ専門店で一品ものを購入しました。

Coca-Colaロゴは100年以上の歴史があります。最初にデザインされたのが1885年。その当時のロゴイメージが現在まで変化なく引き継がれています。

一方、PEPSIロゴは、すごい変化を遂げていますね。比較すると、すごく感慨深いです。

・ペプシとコカコーラのロゴの移り変わりを比較した図(GIGAZINE)
< http://goo.gl/o414Lo
>

●SONYロゴ

世界で通用するブランドであるSONYのロゴ、デザインが微妙に変化していたのをご存じですか?

SONYのロゴ変遷は、こちらのページに掲載されています。

・第23章「SONYブランド」の出発(SONY Webサイト)
< http://goo.gl/fRiXpA
>

1955年に作成されたSONYの最初のロゴは、SONYの4文字が四角の中に納められたロゴだったんですねー。知らなかった......。

現在のSONYロゴに近いものが1957年に作られて、その後も少しずつ変化を遂げています。見比べると、現在のロゴがいちばん安心感がありますね。

SONYのWebサイトで書かれている以下の文章も印象的でした。

『ソニーが創立35周年を迎えた1981年、「新しいロゴをつくろう」と世界からデザインを公募したこともあったが、結局、井深と盛田の「今のロゴのほうが明快で良い」の言葉で、1973年にできたデザインがその後も守り続けられている。』と......。

井深さんと盛田さんが会社の旗を振っていた頃のSONYが僕は好きだなぁ。

SONYのWebサイトをじっくり眺めていたら、ソニーの歴史が25章に渡り、膨大なコンテンツが掲載されていました。おぉ、すごい! 今度、ゆっくり読んでみよう。

・Sony History(SONY Webサイト)
< http://goo.gl/Jra8Yx
>

僕にとって、SONYと言えばウォークマンです(笑)

WALKMAN は1979年7月1日に発売開始された、携帯型ステレオカセットプレーヤーです。発売当時、WALKMANロゴをみたとき、「可愛らしいけど未来的なイメージもあって、とてもインパクトのあるロゴだなぁ」と感じました。

そして、WALKMANロゴは1990年にデザインが生まれ変わりました。では、僕が愛用しているWALKMANで、新旧のロゴを比較してみましょう。じゃーん!

☆カセットWALKMANの新旧ロゴ対決☆
< http://goo.gl/hHGXMF
>

僕は、古いロゴのほうが断然好きです!!!

SONYに関するお話を書きましたが、SONY信者というわけではありませんw もちろんSONYアンチでもありませんw

井深さんや盛田さんは大好きですし、ウォークマンも大好きです。でも、WALKMAN以外のオーディオやIT製品で、SONY製品はほとんどもっていません。SONYさん、すみません。

あまのじゃくな性格なので、周りのみんながメジャー製品を使っていると、マイナーなメーカーの隠れた名品(?)をあえて選んでしまうところがあるようです......。

●ロゴと書体の関係

英文書体には、セリフ(Serif)体とサンセリフ(Sans-serif)体があります。セリフ体はひげがある書体、サンセリフ体はひげがない書体とお考えください。

日本語フォントに、明朝体とゴシック体とがあるように、ひげ(うろこ)がある書体とない書体があると考えてもいいでしょう。

ちなみに、「セリフ」とはフランス語で「文字のストロークの端にある小さな飾り」を意味します。「サン」は「〜がない」という意味の接頭辞です。

ですので、サンセリフ体とは「文字のストロークの端にある小さな飾り」がない、つまり、ひげがない書体です。

サンセリフ体で有名なのはヘルベチカ(Helvetica)ですね。

「ヘルベチカってなに?」って思う人も多いかもしれませんね。どこかの地名に聞こえますね(ヘルベチカの語源としては「スイスの」という意味があるんですけどね......)。

50年前に誕生した書体「ヘルベチカ」は、多くの企業ロゴとして使用されています。

ヘルベチカをベースにしたロゴで代表的なものとしては、BMW、アメリカン航空、マイクロソフト、インテルなどがあげられます。

日本企業では、パナソニック、三菱電機、NTTデータなどの英語表記ロゴがヘルベチカベースです。

・40 Excellent Logos Created with Helvetica(WebdesignerDepot)
< http://goo.gl/zdqiSP
>

「Helvetica」以外に、「Myriad」「Trajan」「Copperplate gothic」「Optima」「Futura」「Gill Sans」「Bodoni」「Didot」などの素敵な書体がベースになってロゴが作成されている事例を紹介します

・名作フォントと有名ロゴのおいしい関係(NAVARまとめ)
< http://goo.gl/aWz5Uv
>

このように、身近なロゴから欧文書体を楽しく観察することで、みなさんも英文フォントに詳しくなったのではないでしょうか!

「Panasonicのロゴ書体はヘルベチカという書体ベースで作られています」とか「サンセリフ体はひげのない書体で代表的な書体としてヘルベチカ(Helvetica)やミリアド(Myriad)などがあります」などと言ってみるのもいいかもしれません(笑) これで、あなたもフォントマニアです。

●ブランディングとしてのロゴ

どの書体をベースに企業ロゴや製品ロゴを作成するかは、ブランディング上、非常に大切だと思います。

企業の中には、コーポレートフォント(企業の制定書体)を定めて、Webデザインや印刷物において書体統一しているケースもあります。

また、タイプデザイナー(書体設計家)に依頼して、自社のオリジナルフォントを開発してブランドイメージを大切にしている企業もあります。Appleなどがその代表的な企業ですね。

企業イメージにあった書体を使用して的確な情報発信をおこない、同時に企業ロゴや製品ロゴと本文テキストとの統一感を図っています。

一般的に「CI(シーアイ)」と略して表現しますが、「コーポレート・アイデンティティ(Corporate Identity)」という考え方があります。企業イメージやブランディング観点で重要な考え方のひとつです。

そして、CI活動の中で「ロゴ」は、一般コンシューマにとって(僕もその一人です)、一番身近であり、メッセージ性の高い存在だと思います。

ウィキペディアのコーポレート・アイデンティティの説明ページの「コーポレートブランドとプロダクトブランド」の項目がとても興味深かったのでご紹介します。

・コーポレートアイデンティティ(ウィキペディア)
< http://goo.gl/CfiYPw
>

いくつかの企業におけるブランド戦略が分かりやすくまとまっていますね。

たとえば、本田技研工業の「アキュラ(ACURA)」は1980年後半のアメリカで、ブランディングがすごくうまくいった例だと思います。西海岸においてすばやくブランド浸透しました(日本でも展開する計画があったが不況により白紙撤回だったのですね......)。

三菱電機の「DIATONE(ダイヤトーン)」ブランドやナナオの「EIZO(エイゾー)」ブランドなど、日本企業にも、たくさんのCI活動の好事例があります。

そして、そのブランド戦略において、どのようなロゴ(ロゴタイプ)を採用するかは、とても重要なことなのです。ブランド名が浮かんだ瞬間にロゴイメージが頭に浮かんだら、すごいことだと思います。

やぁ〜、ロゴタイプって、奥深くて楽しいですね。この分野は、まだまだ修行の身であります...(汗) もっと勉強して、第二弾の記事をいつか書きたいと思います。

【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
< http://fontplus.jp/
>

1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。

その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。

小さい頃から電子機器やオーディオの組み立て(真空管やトランジスタの時代から)や天体観測などが大好き。パソコンは漢字トークやMS-DOS、パソコン通信の時代から勤しむ。家電オタク。テニスフリーク。