[3907] 感動アニメシリーズ「SHIROBAKO」

投稿:  著者:  読了時間:16分(本文:約7,900文字)


《今年のAppleは「Force Touch」に注目》

■おかだの光画部トーク[135]
 感動アニメシリーズ「SHIROBAKO」
 岡田陽一

■Take IT Easy![52]
 May the force be with you
 若林健一 / kwaka1208




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■おかだの光画部トーク[135]
感動アニメシリーズ「SHIROBAKO」

岡田陽一
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150519140200.html >
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久しぶりにとても感動したアニメシリーズだった「SHIROBAKO」。おかだ史上、5位以内に突然食い込んできた。とってもオススメのストーリーなので、詳しく紹介してみよう。

......とはいえ、3月末で2クール、全24話既に終了しているので、今から観るのであれば、DVDを買うか、レンタルするか、怪しい動画サイトなどネットを検索するかになるが、Web制作の仕事をしている人や、何かを作っているクリエイティブな仕事をしている人は絶対に観たほうがいいと思う。

SHIROBAKO
< http://shirobako-anime.com/ >

ざっくりまとめると、アニメ制作会社のお話。

タイトルの元になっている「白箱」とは、ひとつの作品が完成した時に、制作者が最初に手にする完パケのビデオテープ(最近ではDVD)のことで、販売用にデザインされたパッケージとは違い、無地の地味なもの。しかし、その白箱には、制作に係わった人々の想いがたくさんつまっている。

実際にアニメ制作に関わる人たちの苦労やこだわり、夢や仕事に対するプロ意識などが描かれているのだが、人物描写の仕方がすごくリアルで「実際にこんな人いるよなぁ」と随所で感じることができる。

アニメ制作とは関係ないが、Webや多くのクリエイティブな業種でも、似たような人物が思い浮かぶはずだ。

各話、さまざまな名シーン、心に残る名言が出てくる。

5話「人のせいにしているような奴は辞めちまえ!」では、コミュニケーションの行き違いから、手描きの作画担当と、3Dでの描画のエンジニアが対立する場面がある。

作画の担当(遠藤亮介)は、この先どんどん3Dに仕事を取られてしまうのではないかと危機感をもちつつも、作画に対するプライドがあるので、3Dを受け入れられずにいる。そこで、後輩(堀田)と一緒に、他社の先輩アニメーター(北野三郎)に居酒屋で相談するシーン。

堀田:「遠藤さんが描くはずだったカット、3Dでいくことになって......。あんまりですよね。3Dなんて時間ばっかりかかって、しかも出来たもんに味も情緒もないし。それに3Dには絵を描く喜びとか楽しさがないっすよ」

遠藤:「そうそう。そんなに3Dアニメが好きなら、カリフォルニアにでも行けっつーんだ。ですよね! 北野さん」

北野:「俺、今、3Dにジャパニメーションのコツを教えているよ。3Dソフトを使って、絵と時間のデフォルメをな。彼らは絵は描けなくても、アニメが好きだからな。覚えるのも早いし、教えてて気持ちがいいんだ」

遠藤:「北野さん、なんでそんなことやるんですか!」

北野:「俺たち絵描きが歩み寄って、3Dアニメーターの使うツールの長所も短所も知って、彼らと協力して、アニメの質を上げていくんじゃないのか?」

遠藤:「北野さん......そっちの人間だったんすか.......」

北野:「いじけて3Dを否定しても、何も良くならんぞ」

遠藤:「でも、現にこうやって3Dの奴らに仕事取られて!」

北野:「うまくいかないことを、人のせいにしているようなヤツは、辞めちまえよ!」

遠藤:「じゃぁもう、俺達みたいな手描きのアニメーターは必要ないって言うんですか!」

北野:「お前の描く絵が通用しなくなっても、技術を活かす方法はあるんじゃないのか? 鉛筆がタブレットに代わってもセンスは必要とされる。ま、お前も勉強してみればどうだ」

このシーンを見てて、自分のやっているWebの仕事でも似たような話があるよなぁと感じた。例えば、FLASHもそうだったし、最近では、デザイナーがJavaScriptや、プログラミングまである程度かじらないと、なかなかWebの制作では仕事が大変になってきている感じ。

また、逆にプログラマ、エンジニアの人たちが、デザインなんてわからないしって言ってたら、いいモノが出来ないから、双方が歩み寄らないとって感じ。すごく似ていて共感する。

16話「ちゃぶだい返し」では、キャラクターデザイン担当(井口祐未)が、いくら描いても描いても、原作者からNGが出てリテイク(書き直し)になってしまう。悩んでいる姿を見て、先輩で作画監督(小笠原綸子)が相談にのる回。

小笠原は、落ち着いたキャラで普段着がゴスロリのお嬢様風。彼女の発案で、制作進行(宮森あおい:主人公)と宮森の同級生のアニメーター(安原絵麻)と女性4人で、キャラクターデザインにNGを食らって、その先の進行が全部ストップして責任を感じ悩める井口を気晴らしに連れて行く。

宮森:「前からそのファッションだったんですか?」

小笠原:「昔はいつもTシャツにGパンでした」

宮森:「じゃぁいつからその姿に...?」

で、小笠原が初めてキャラクターデザインを担当した時の回想シーン。

何度描いても、イメージが違うと言われ、「悪くはないんだけどね〜。もうちょっと別のパターンも見せて」と言われ、指示通りに描いても、「やっぱり違うなぁ。最初のが一番よかったよね〜」となって悩む。

小笠原:「追い込まれても、勝負をひっくり返されても、へこたれない方だと思ってましたが......。その時理解したのです。すべてにハイハイとうなずいていてはいけないのだと。

クリエイターは誰しも、繊細で傷つきやすい心を持っている。しかし、絶えず批評、ダメ出し、注文をつけられる。だから自分を守るため、私は鎧をまとったのです」

宮森:「それは武装だったんですね」

井口:「確かにTシャツよりは攻撃力高そう......」

安原:「えっと......でも、なぜ?」

小笠原:「その時描いていたヒロインが着ていたからです。それから私は強くなりました」

井口:「安心しました。小笠原さんもつらい時期があったんですね」

小笠原:「誰にだってあります。つらい時期のない職業なんてありません。ですから後は、屈辱をバネにどれだけ自分が頑張れるかです」

このシーンも、デザインや執筆などクリエイティブな仕事をしていると日常茶飯事で、経験することだと思う。

22話「ノアは下着です」

かなりのカット数になる予定の最終話の作画の割り振りで、井口が、安原絵麻に作画と作画監督もやってもらえないかと提案。安原はまだ自分の絵に自信が持てず、描くのも遅い上に作画監督は周囲に迷惑をかけないか心配で、その担当を受けるかどうするか迷う。

一方、一番後輩でまだ大学生、脚本家志望の今井みどり(りーちゃん)は、どうやったらアニメ業界で脚本家になれるのか、きっかけを見いだせずにいたが、設定資料をまとめる仕事で先輩の宮森を手伝うためアルバイトで会社に入ると、次第に色々な仕事を手伝うようになる。アフレコ台本発注用の絵コンテを作っているところに安原がやってきた時の会話。

今井:「これ任せてもらえて、またシナリオの読み方がまた変わったですよー」

安原:「読み方?」

今井:「やっぱ、絵コンテって100人100通りなんすよね。(昔の作品)読ませてもらったら、今とは全然テンポ感が違って、でも深いなぁと思うとこもあって、今、自分の中に栄養がムクムク入ってきてる気分。おもしろいっす!自分の一文に合わせて、声優さんが演技するかと思うと、超〜ビビるっす!」

安原:「うん......。ビビるよね。」

今井:「ビビるっす。でも楽しいっていうか、なんか、ほんとにヒャーって感じで」

安原:「ヒャー? ブルブルじゃなくて?」

今井:「ヒャーっすよ! だって、去年の今ごろなんて自分がアニメの制作の仕事に係われるなんて夢にも思ってなかったんすから」

安原:「りーちゃんは怖くないんだ......ね......」

今井:「何言ってんすか、絵麻先輩。怖いのは脚本家になれないことです!」

この後輩の前向きな仕事ぶりと、大先輩の長老アニメーター、杉江茂に諭され、安原は怖がらずに頼まれた作画監督の仕事をしっかりとやろうと決心する。

とにかく各回、いろんな出来事で登場人物が衝突したり、落ち込んだり、励まし合ったり、問題を解決したりする中から、「自分も仕事、頑張ろ!」ってすごくポジティブになれるアニメだ。

ストーリーを追うだけでなく、さまざまな場面に伏線があったり、アニメ好きならピンとくる登場人物(実在の人物がモデルになっている)が随所にでてくるので、何度観ても楽しめる。

23話「続・ちゃぶだい返し」では、最終回のひとつ前で、大どんでん返しがある。そして、最後の場面で宮森の涙のシーンがあり、観ている方もつられて結構泣ける。

実は、そのシーンも、20話で、木下監督が注文を出したセリフ「できれば台詞のやりとりじゃなく表情芝居で希望」が伏線になっていて、宮森のこのシーンがまさにそうだった。

ということで、アニメ好きも、普段アニメを観ない人も、SHIROBAKOは絶対に観て損をしない、とってもいい作品だ。かなりオススメなので、観てない人はなんとかして観て欲しいし、一度観た人も、各所にちりばめられたネタを探して何度も観て欲しい。

【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
< mailto:okada@fuwhat.com > < Twitter:http://twitter.com/okada41 >

2015年、マンスリーで開催中の「CSS Nite in KOBE」。次回、Vol.9は今週末、5月24日(日)に開催。鷹野雅弘さんによる、『Webデザインの現場ですぐに役立つ Photoshop仕事術』です。

・Photoshop CC以降で実現するPSDカンプ制作のワークフロー(2章)
・Bootstrapを使った動くモックアップ制作(2章)
・効率化のためのTips(4章)
・見落としがちな基本機能(5章)

などのトピックを中心に、PSDカンプやバナーなどを制作していく上でPhotoshopを使い倒すテクニックを、時間の許す限り紹介していただきます。

まだ残席ありますので、Photoshopを使ってWebのビジュアルを制作している人は是非ご参加ください。
< http://cssnite-kobe.jp/vol9/ >


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■Take IT Easy![52]
May the force be with you

若林健一 / kwaka1208
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150519140100.html >
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こんにちは、若林です。今回は、久しぶりにユーザーインターフェースのお話。

最近、タッチパネルや音声認識のように、製品に搭載されたエポックメイキングなユーザーインターフェース技術が少ないと感じていたのですが、先日発売されたApple Watchや新しいMacBookに搭載された「Force Touch」には、新しい可能性を感じています。

「Force Touch」とは、Appleが開発した触覚フィードバックを実現するデバイス「Taptic Engine」を使った機能で、タッチパネル上に描かれたボタンを押すと、まるで本当のボタンを押し込んでいるかのような感覚が得られる仕組み。

触覚フィードバックとは、操作した結果を機器を振動させることで物理的に利用者に伝える方法で、携帯電話やスマートフォンの画面をタッチすると本体や液晶画面が振動して押されたことを伝えたり、ゲーム機では銃を発射した時の反動やダメージを与えられた時の衝撃を、振動で表現する場合などに使われています。

携帯電話のほとんどがタッチパネルを搭載したスマートフォンになった今、画面上の操作が受け付けられたかどうかを確認するためには画面を見なければならず、従来のハードウェアキー搭載の携帯電話のように画面を見ないで操作、ということができなくなっていました。

携帯電話の一部には、画面をタッチすると本体や液晶が振動するものもありましたが、ハードウェアキーを押した感じには程遠く、画面を見ずに操作できるほどのものではありません。これがタッチパネル型スマートフォンの弱点のひとつとなっています。

Appleが開発した新しい触覚フィードバックの仕組み「Force Touch」は、実際に指で押した部分だけが押し込まれたような感覚を再現しているのが特徴で、これがiPhoneに搭載されれば、文字入力の操作結果が触感で得られるようになり、ブラインド操作ができるようになるかもしれません。

現在はハードウェアボタンが使われているホームボタンも「Force Touch」によって「タッチパネル」の一部で実現できるようになるでしょう。

iPhoneのホームボタンは物理的な故障の多い部分でしたので、可動部品ではなく擬似ハードウェアキーにすることで故障トラブルが減ることも期待できます(もちろん「Taptic Engine」の耐久性にもよるのですが)。

私は、Appleが「Force Touch」による物理的な動作だけではなく、音によるフィードバックとの組み合わせで、より自然な操作感を実現するのではないか? という点にも期待しています。

本体のホイールを操作するタイプのiPodが販売終了となって久しいのですが、iPodのホイールを操作した時に、カチカチというクリック音がしていたのを覚えていますか? 

初代iPodからソフトウェアで実現されていた音によるフィードバックですが、あの音だけでもまるで本当にホイールが回って(初期のiPodは本当にホイールが回っていましたが)物理的に音が出ているように感じられていましたよね?

Appleは、こういった過去のノウハウをうまく蓄積して、ユーザーインターフェースに採用することを今までにも繰り返してきたので、きっと今回も今までにない操作体験を提供してくれるはず。

今年の秋、もしかすると6月に開催される開発者向け会議「WWDC」でも発表があるかもしれません、今年のAppleは「Force Touch」に注目です。

【若林健一 / kwaka1208】 kwaka1208@pote2.net
crossroads
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CoderDojo奈良
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編集後記(05/19)

●ほとんど毎夕食に納豆を食べる。カレーの時にも食べる。わたしは納豆をあまりかきまぜない派である。妻は普通にかきまぜていて、わたしの行動が不審だという。あのネバネバこそが納豆の醍醐味であることは知っている。かの北大路魯山人も、納豆は糸が多いほどうまいと言う。二本の箸で「不精をしないで、また手間を惜しまず、極力ねりかえすべきである」と「魯山人味道」(中公文庫)にある。ネバネバが多い方がうまいといわれても、ちょこちょこかき回しただけでも充分うまいし、口元がべとつくのは好ましくない。粘らない納豆も開発されて、外国の見本市で人気を呼んだという報道もある。

新聞のコラムにあった「焼き納豆丼」がうまそうだ。最近は料理をまったくしなくなったわたしでも、簡単に素早くできそうである。といいながら、まだ実行していない。フライパンに油をひき、パックの納豆をまぜずにそのままポンと落とす。納豆の真ん中にくぼみを付けたら、そこへ生卵を落とす。中火にして、フライパンに丼容器をかぶせて蒸し焼きにする。5分したら丼を取る。納豆の上に目玉焼きがのっている。ご飯を7分目入れた丼にこれをのせ、その上からカツオ節をふりかけ、醤油をかけて完成。納豆と卵に、ご飯の甘み、カツオ節のうま味が一体となって日本人なら堪えられない一品、だという。

ネットで見た「アボガド納豆」は美容にいいそうだ。作り方はじつに簡単。アボカドを一口大にカットする。納豆をかき混ぜる。アボカドの上に納豆をかける。お好みでカッテージチーズ、しょうゆ、わさびをプラスする。肌の調子が悪い時に、三日くらい続けてみるといいらしい。って男にはよくわからない。そして、必ず夜食べる。酒の肴にいいかなと思ったんだけれど違うみたい。さて、週刊誌のコラムで読んだのだが、壇蜜は納豆のパックをあけて、醤油をたらし、あまりかきまぜず、そこへご飯を少量ずつ入れて食べるという。子供の頃からそうやっていたらしい。とっても変だ。でもエロかわいいい(かな?)。

昨日発売の「週刊現代」に「『大阪都構想』審判は下った 橋下徹と大阪のこれから」という記事が出た。結果が判明した頃、この週刊誌は既に販売所に配本されているはずで、いったいどんな審判結果を予想したのか、コンビニに確認に行ったら(ヒマ人である)、それは明らかにされていない。当たり前だが。どっちに転んでも間違いではない記事内容。橋下徹は市長はやめるが、そのうち必ず政治の世界に舞い戻って、おいしいところを頂くつもりだろう、というマスコミ人のコメントに同感。平気でウソを吐く、言い訳がエラそう、言葉が汚い、それだけでもうダメだと思う。いや、じつに政治家らしいか。(柴田)


●マラソン続き。ハーフマラソンに出場できなかったと書いた。そう、仕事山積みで練習だってできず。はじめた時には大会まで一ヶ月を切っていた。50kmも走れておらず、関節を痛めてしまって、ウォーキングと混ぜての練習になってしまった。完走は難しいだろうと踏みつつ、シミュレーションをした。

ギリギリゴールを狙うことにした。制限時間7時間。号砲後スタートラインに到達するまで30分かかったとして、1kmあたり9分14秒で走ればゴールできる。大阪マラソンではペースを落とそうとしても、7分前後になってしまっていた。途中歩いたとしても大丈夫だろう。というか絶対歩く。

8分で3km走り、余裕を見て13分で2km歩く感じ。5km50分。40kmで400分。6時間40分。まぁどうにかなるだろうと。

身体が出来ていない分、栄養補給につとめることに。給食はハーフを過ぎてからになるから、こちらで補給食を持っていくことにした。塩飴、スポーツようかん、スポーツゼリー、バームにメダリスト。救護所に置いてあるとは書かれてあるが、遅いからなくなっているかもとエアーサロンパスも準備。続く。 (hammer.mule)

< http://42.195km.net/racesim/ >
マラソンレースシミュレーター