Take IT Easy![58]新しい選挙の仕組み/若林健一 / kwaka1208

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こんにちは、若林です。今回は、新しい選挙の仕組みについて考えてみたいと思います。

大阪では、4月の統一地方選挙に加え、5月17日に行われた「住民投票」と選挙ラッシュの春だったのですが、ITとネットが大幅に進歩した現在でも、いまだに紙に書いた票を集めて開票するという、原始的な方法が行われていることが不思議でなりません。




●選挙の電子化

現在の選挙システムで、電子化による大幅な省力化が可能な作業には次のふたつがあります。

1)本人確認作業

現在は、自宅に届いたハガキを投票所に持って行き、投票所で名簿と照合して本人であることを確認していますが、名簿に顔写真が載っているわけではないので、知り合いでもなければ本人かどうか確認することは不可能。

ハガキの発送、当日の確認を含め手間がかかっている割には、ハガキさえ手に入れてしまえば他人がなりすまして投票できてしまう欠点があります。

例えば、これを来年1月から導入されるマイナンバー制などと合わせて、個人を認証できる仕組みを開発すれば、ハガキの印刷から発送、当日の確認に至るまでの人件費や印刷費、通信費を削減できますし、費用の問題だけでなく、確実で迅速に本人を確認できるというメリットもあります。

2)投開票作業

現在の選挙では、白紙の投票用紙に立候補者、政党名などを手書きし、それを集め、人手によって記載内容を読み取って判断し集計しています。

しかも、候補者や政党名など選択肢が決まっているにも関わらず、それをわざわざ人に書かせているため、書き間違いや曖昧なものが発生し、それら無効にするというルールになっており、実際に無効票が発生している。

また、それを判断するためのマニュアルを整備するなどの作業も行われているのだそうです。

投票者にとっても開票者にとってもメリットのないこのような方法が、未だに取られているのか不思議でなりません。電子化して選択肢を選ぶだけにすれば、書き間違いや曖昧さを回避することができるのは明らか。

百歩譲って電子化とまでは言わなくても、予め選択肢が印刷された投票用紙に、丸をひとつ書いて投票するだけで済む話ですよね。それでも無効票が出るかもしれませんが、大幅に減らせることは間違いありません。

電子化すれば開票作業も一瞬です。20時の投票締め切り直後に、すべての開票結果を出すだって不可能ではありません。どっかの離島で、投票箱が船で運ばれるので明日の朝まで分からない、みたいなことも一切ありません。

これで困るとすれば、選挙特番を組めなくなるテレビ局ぐらいでしょうか? 一瞬で開票結果がでるわけですから、特番を延々とやる意味がなくなってしまいます。

独自の出口調査と開票状況の分析で、どこが一番最初に当確を出すか? みたいな遊びは技術の無駄使いでしかありません。もう、選挙は一日でも早く電子化すべきだと思います。

●電子化による問題点

選挙の電子化はいいことばかりではありません。なりすまし不可能な本人認証システムの確立、投票データが改ざんされないようにするための対策などが問題視されています。

しかし、そういった技術的課題は解決可能なほど認証技術やセキュリティシステムは進歩していますし、なによりもそれらが人手による方法と比較して劣るということもないと思います。投開票結果の改ざんは、現在の方法でも可能、というか現在の方法の方がより簡単にできてしまうと思います。

問題は、そういった技術的な課題よりも高齢者に代表される機器の操作が苦手な方への対応といった、対人間の課題の方が大きいと考えられます。

●選挙の電子化による日本の政治システムの改革

日本の政治は、選挙で代表者を選び、代表者が集まって国や地域の方針、具体的な施策を決めて推進されます。このことから、原則的には代表者が決めたことについて従うのが国民の義務であると私は考えています。

一方で、時には代表者が間違った方針や施策を打ち出す可能性もあり、そういった場合には署名を集めるなどの方法で異を唱えることも許されています。

代表者を選ぶこと、その代表者に対して反対すること、この両方が国民に与えられた参政権の具体的な形であるわけですから、その両方、特に代表者を選択する選挙への参加することは参政権を持つものの義務でもあるのです。

代表者を選ぶ選挙に参加しないでおきながら、その代表者が打ち出した方針や施策に反対するのはナンセンスです。

最近の選挙の投票率と、日々報道される政治への反対行動をみると、そのバランスを欠いているような気がしてならないのです。

誤解のないように申し上げておきたいのですが、今ここで政治的な意見を発信したいとか、誰の政治的意見を支持するということが言いたいのではなく、政治への関わり方を正したいという思いでしかありません。

もし、選挙の電子化が達成された暁には、単に投開票の省力化だけでなく、権利を正しく行使している人の意見が反映されるよう、例えば代表者選出の選挙への投票を行った人だけが、反対を唱えることができる、そんなシステムにすることも必要なのではないかと思います。

もちろん、そうやって縛られなければ正しい行動ができない、というのは本来あるべき姿ではないのですが。


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