腕時計百科事典[03]腕時計の分類(年代)/吉田貴之

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今回は腕時計を年代で分類してみましょう。腕時計は本来、時間を見るための道具なのですが、現代ではファッションアイテムやステータス・シンボルとしての側面が強くなってきています。

これらに求められる要件のひとつである「他の人が持っていない腕時計」に対する答えとして、メーカーは限定品を製造/販売することで応えようとしています。

しかし、それでは満足できない層が、より希少性の高いヴィンテージウオッチやアンティークウオッチに興味が向かうのは必然なのかもしれません。




●現行品

現在販売している腕時計です。主に百貨店や量販店、腕時計専門店等で手に入れられます。最近ではオンラインショップで手に入れる事も多くなっているでしょう。

千円以下のものから、数千万円以上するものまで、幅広い価格帯の商品が販売されています。デザインも多様で、じっくり探せばお気に入りの一本が見つかるはずです。

購入後数年間はメーカーの保証もありますし、安心して使う事が出来ます。一方で、人気のあるブランドの製品には非常によく出来たコピー品も出回っており、問題となっています。

●ヴィンテージ

現在店頭では手に入れる事ができない、あるいは手に入れにくい腕時計です。いわゆる「絶版」のモデルです。

腕時計では「アンティーク」という言葉もほぼ同義で使われていますが、ここではあえて分けて説明します。

大抵は当初設定されていた販売価格よりも低い価格で販売されていますが、中にはプレミアがついて、高額で取引されているモデルもあるようです。多くのメーカーが修理の対象としているので、現行品と同じく、故障時の対応に対する心配は不要でしょう。

●アンティーク

前述したように「ヴィンテージ」とほぼ同義ですが、厳密には「製造から100年以上」が経過した腕時計のことを指します。

日本では、クオーツショック以前の時計、つまり1970年代以前の腕時計を想像する人が多いようです。

製造から数十年が経過していますので、メーカーが修理対応の対象外としている事が多いため、メンテナンスを考慮して購入/使用する必要があります。数万円から手に入れる事が出来ます。

●メンテナンス

現行品のハイランクモデル、逆輸入品の一部、ヴィンテージでクオーツではない物、アンティークの大半はゼンマイで動く「機械式時計」です。

時計修理店でのメンテナンスが可能ですが、腕時計が古いものであればあるほど対応してくれる時計修理店が少なくなるのが現状です。

これは一番に職人の技術と部品の入手可能性、そして抱えてる仕事の量が影響するようです。また腕の良い職人の高齢化も時計業界の課題となっているようです。

繰り返しになりますが、アンティークウオッチに手を出すときにはメンテナンスの事を考えておくべきです。

●古い物の魅力

腕時計に限らず、古い物にもかかわらず新しい物以上の人気と価値が与えられる事があります。車やバイクから衣類や食器まで、その対象は様々です。

古びた物がもつ特有の枯れた感じが良い、という人もいますし、いわゆるデッドストック品の「製造から何十年も経っているのにこんなにきれいな状態を保っているなんて!」というところに魅力を感じる人もいます。

いずれにせよ、それらに共通するキーワードは「希少性」であることは間違いなさそうです。今後も、数が減る事はあっても増える事はありません。その腕時計だけが持つ歴史やストーリーを想像できれば、腕時計への愛情も増すことでしょう。


【吉田貴之】info@nowebnolife.com

イディア:情報デザインと情報アーキテクチャ
< http://www.idia.jp/ >

兵庫県神戸市在住。Webサイトの企画や制作、運営を生業としながら、情報の整理や表現について研究しています。