ところのほんとのところ[116]後から気づいた「一秒」に対するこだわり/所 幸則 Tokoro Yukinori

投稿:  著者:  読了時間:4分(本文:約1,800文字)



●PARADOX -TIME アインシュタイン・ロマンスをめぐる冒険- 所幸則写真展
会期:2015年7月1日(水)〜9月25日(金)10:00〜19:00
会場:Espace KUU 空 大正大学 五号館1F(東京都豊島区西巣鴨3-20-1)
< http://taisho-kuu.tokyo/ >

[ところ]は2008年の6月に、一秒間のなかで起きたことの視覚化を、渋谷を舞台にやってみようと思い立ちました。一秒間に三枚撮ってから、イメージすることを実際の画像に落とし込む作業に入り、Adobeの友人に協力してもらって完成しました。

もともとは日本で発表するつもりはなかったのですが、作品を見て面白がってくれた友人が、なぜ渋谷で発表しないんですか? と言ってくれたのがきっかけで、彼のサポートで渋谷での発表が実現しました。

その後も様々な人たちの力に支えられて、世界を撮って回ったり、また渋谷に戻って街を撮ったり人を撮ったりと、多様な広がりを見せてきたのが「ワンセコンド」です。

当時は渋谷を都市風景として表現している作家がいませんでした。[ところ]自身が30年にわたり住んできた場所なのに、あらゆる若者のカルチャーの発信地のように思われていた渋谷なのに、じつはちゃんと見ていなかったことに対して、よくわからない悔いのような感情が生まれました。




[ところ]が撮り始めて一年ほどした頃から、あれ? なんだか街の様子が変わってきている。街は人間よりは普遍性を持っていると[ところ]は勝手に思っていたのですが、永遠にあると勝手に思っていたPARCOですら、まずPART2が閉鎖され、今や渋谷駅ビルですら半分なくなって、大好きだった渋谷の象徴がどんどん消えていきます。

撮り始めた時は大好きな西武の向かいにあった大盛堂書店はなく、三省堂渋谷が入っていた文化会館もなく、最近できたと思っていたら急に消えた東急本店通りにあった巨大なブックファーストもなく、中古レコード屋も消えていき、気配がおかしくなっていました。

それは今だからわかること、当時はなにがなんだかわからなかった。なぜ渋谷を撮ろうと思ったのか、はっきり気付いたのはしばらく経ってからのことです。

そして、「一秒」に対するこだわりも、刷り込みも、子供の頃からあったということに、アインシュタインロマンシリーズの本が8月16日に発売されることになった頃に気がつきました。[ところ]はなんて愚かなんだろう。

そして時間というものの存在自体、人間の理解や認識を超えたものだということを、今更ながらに思い知らされています。

「ESPACE KUU 空」というスペースで、とりあえず今までの[ところ]の取るに足らない表現を、一度まとめて整理してみることにしました。いろんなジャンルの人が自分の周りにはいます。そういう人たちとなにか作り出せないかな、という実験といえるかもしれません。

まず7月は音楽家たちと対話をします。音楽とはもともと宇宙との調和なども考えていた、壮大な哲学でもあったのです。そして肉体を操る表現者ダンサーも、時間というものについて写真家よりもずっと敏感なものかもしれません。

9月25日まで続くこの個展、時間が進むと流れる音楽も変わっていく予定です。音が変わると、見ているものに対しての印象も変わるかもしれません。いろいろな実験をしてみようと思っています、ぜひ見て感じてください。

置いてあるタブロイドには様々な人の、ワンセコンドへの、もしくはアインシュタインロマンシリーズへの、もしくは[ところ]個人への感じ方が書いてあります。是非手に取って読んでみてください。

PARADOX PROGRAM 音楽家たちとの対話1
< https://www.facebook.com/events/718476878275003/ >

PARADOX PROGRAM 音楽家たちとの対話2
< https://www.facebook.com/events/483416971835216/ >

PARADOX PROGRAM 音楽家たちとの対話3
< https://www.facebook.com/events/399657546902758/ >


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/ >
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/ >