3Dプリンター奮闘記[62]新入り3Dプリンター ProJet1200 は物静か/織田隆治

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7月になりました。今月末は「ワンダーフェスティバル」です。

詳細は書きませんが、模型、フィギュアの展示即売会、といったところでしょうか。詳細はこちら↓
< http://wf.kaiyodo.net/ >

僕はもう七年くらいディーラーという立場で参加しています。年に二回行われているんですが、毎回色々なものを作って持って行きます。

最近は、本業が忙しくなり、なかなか手の入っているものが作れない状況になっていて、少しストレスを感じ出してきています。

まあ、仕事でも模型やフィギュアを作り、趣味でもやってるんだから、幸せって言えばそうなんでしょうけどね。

「仕事ではなく、趣味で自分の作品を作りたい」という気持ちは結構大きいんだなぁ、と思います。

「作りたいもの、好きなものを作る」。これって凄く大事な事ですね。




毎日ちょっとでも時間を作って、出来るだけ制作する、ということができてればいいんですけどね。そうは言っても、案外仕事で作っているものでも、結構楽しんでやっているんですよね。

そこで満足しちゃってる自分がいるのかも。でも、これって自分本来の作品じゃないんですよね。色々作家活動をしている人を見ると、すごく羨ましくなってしまう今日このごろ。

というわけで、ワンフェス頑張りますよ。

で、本題の3Dプリンターなんですが、少し前に ProJet1200 という機種を事務所に入れました。この機種は、光で硬化する液体樹脂で積層プリントする3Dプリンターです。

事務所では、B9creator という、同じく光硬化タイプのプリンターを一年くらい使ってきたんですが、もっと精度が欲しくなったということと、熱融解式のプリンターが増えてきて、狭い事務所では設置する場所がなくなってきましたので、この B9creator と ProJet1200 を入れ替えることにしました。

ProJet1200 の造形範囲は43×27×150mmとなり、B9creator は、57.6×32.4mm、104×75.6mm、高さは約200mmの二つのタイプが選べる仕様になっていました。

フィギュアや趣味でプリントするには、B9creator の方が向いているということになります。

また、新しく出た B9creator v1.2では、三種類の選択が出来るようになっています。これは、プロジェクターの解像度を調整することで、より細かい出力が可能になっているようです。

ProJet1200 の造形範囲がかなり狭いんですが、僕の場合は、ほとんどを熱融解式プリンターで制作し、細かい部分だけを光硬化タイプのプリンターで出力しているので、これくらいのサイズでも問題ないわけです。

ProJet1200 だけですと、使用用途は歯科技工やアクセサリーなどに限定されてしまうサイズですね。

で、造形精度を見ると、かなり ProJet1200 が勝っていて、本体サイズも小さく、スペースを取りません。

そういうふうに、自分の使用する用途によって、いろいろと機種を選定する必要があるわけです。これ、けっこう重要で、せっかく買ったのに、自分の用途には向いていないってこともあるようです。

さて、話を戻しますが、ProJet1200 を使ってみて、まず、驚いたのが「動作音」。B9creator は、造形物をシリコン面から剥がす際に、かなり強引にテーブル(液体の入ったプール)を動かします。

その際、モーターの駆動音が凄いんですよね。壊れてる? って思うくらい。慣れて来ると平気なんですが、初めはびっくりしました。そんなB9creator に比べて ProJet1200 は驚くほど音がしません。

これは、造形物をテーブルから剥がす際の方法が違うからでしょう。本当に動いてるのか? って思うほどです。

B9creator は窓があり、中身が見えますので、どのあたりまで造形されているか? 失敗していないか? なんてことを確認できますが、ProJet1200 はドアが閉まると、内部が見えない仕様になっています。。

ちゃんと出来ているのかなぁ……と不安にもなりますが、だいたいはうまく出力してくれています。

この、光造形タイプのプリンターは、その造形方法の特徴で、形状や出力方向などのミスで、数回に一回は出力に失敗してしまったのですが、ProJet1200 はほとんど出力の失敗はありません。

これ、多分、この樹脂プールから、造形物を剥がす際の手法で決まるんじゃないかな? と思います。もちろん、形状と出力方向の問題もありますが……。

ProJet1200 の樹脂プールの底は、やわらかい素材になっています。一方、B9creator や、Form1 といったプリンターは、透明アクリルのプールの底に、透明シリコンを貼った状態になっており、底面が「そこそこ」固い仕様になっています。

その場合、造形されたものを剥がす際、ある程度の力をかける必要があります。B9creator は横方向に引っぱり、Form1 は斜めにプールを傾ける仕様になっているようです。

ProJet1200 は、底面がやわらかいパックになっていて、それをガラス面に押し付けているようで、剥がす際にもあまり力がかからないようになっているんだと思います。

違ってたらすみませんね……。

ということで、光造形のプリンターにありがちな「造形物の落下」を抑えているだと思います。よく出来ていますね。

ProJet1200 の最大のネックは、その樹脂パッケージの値段です。B9creator や、Form1 などでは、だいたい1kgで二万円くらいなんですが、ProJet1200 は、30gのパッケージで四千円を超えます。

これはかなり痛いんですが、僕のように少しだけ、細かい精度のものが欲しい場合や、歯科技工やアクセサリーを出力する場合は、これで充分なんですね。

この ProJet1200 とほぼ同じスペックの MiiCraft というプリンターがあります。こちらは、500mgでのパッケージになっているようです。

この液体の光造形タイプのプリンターの素材ですが、一度開封するとやはり鮮度が気になります。どんどん造形するような使用頻度でしたら、多めのパッケージでもいいと思いますし、僕のようなたまにしか使わない人にとっては、案外30gくらいのパッケージでいいのかもしれませんね。

こういうふうに、同じ種類のプリンターでも、いろいろと仕様が違います。自分のニーズに合ったプリンター選びが、上達への近道なんでしょうね。

来週は熱融解式プリンターの素材アレコレについて書いてみようかと思っていますが、なにせワンフェス直前なので、どうなることやらです。

さあ、頑張りますよ!


【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
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