[3949] もの作りの原点はやっぱりアナログ

投稿:  著者:  読了時間:22分(本文:約10,500文字)


《あなたにも最後のチャンス! ポイント獲得で天国へ!》

■ショート・ストーリーのKUNI[178]
 がんばれ青山
 ヤマシタクニコ

■3Dプリンター奮闘記[63]
 もの作りの原点はやっぱりアナログ/新しい3Dプリンター
 織田隆治

■ところのほんとのところ[118]
 本物の若手音楽家へのメッセージ
 所 幸則 Tokoro Yukinori




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■ショート・ストーリーのKUNI[178]
がんばれ青山

ヤマシタクニコ
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150716140300.html >
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青山くんはもともとおっちょこちょいで落ち着きがなく、しかもたいへん要領の悪い人であったのですが、とうとう交通事故に遭ってしまいました。どうも助からないようです。病院のベッドの上で、本人もおぼろげな意識の中で悟りました。

──ああ、ぼくもとうとう死ぬんやな。まだ40歳やのに……惜しい人を亡くしたもんや……まだ死んでないけど。

すると、目の前に一人の老人が現れました。おだやかな雰囲気といい長いふさふさした白ひげといい、これはどうみても

──あ、神さま?

──その通り、わしは神さまや。

──やっぱり。そうか。ぼくもいよいよ天国に行くんですね。まあ仕方ないか。

──そのことやけどな。

──はい?

──実は担当者にチエックさせたところ、君のこれまでの経歴では天国に入るためのポイントがちょっと足らんのや。

──ぼ  い  ん  と ?

──君のこれまでの行動をポイントに換算するとトータルでマイナスが32566ポイント、プラスが32459ポイント。プラスがマイナスを上回らないと、天国には入れん。つまり108ポイント足らん。言い換えると、あと、ほんの108ポイントあったら天国に行けるんやけど、うーん……これ、惜しいというか、もったいない話と思わんか。

──もったいないも何も……なんなんですか、その、天国行きにポイントって……だいたい、いまこのタイミングで言われてもちょっと困るじゃないですか。ぼく、死にかけてるんですよ。

──そこやけどな。救済措置があるんや。いまから街に出て行って、何かいいことをしてきたらそれをポイントに加える。内容によっては一気に10ポイント、20ポイントが加算されるかもしれん。お得な話と思わんか〜。

──えー、急にそんなこと言われても……もし、このままやったらどうなるんですか。

──地獄に落ちるに決まってるがな。

──それって、かなりやばいんですか。

──あたりまえやがな。地獄ゆうたら、そらもう、おそろしいというか、えげつないというか、どろどろのねちょねちょのばけものが耳が腐りそうな吠え声をあげながらうようよしとる。えづくようなにおいが充満してて、息がつまりそうに暑苦しい。逃げ場はない。もう、まるで地獄……いや、ほんまに地獄やからな。とにかくものすごいとこや。行ったことないけど。

──エアコンはないんですか。

──あるかいっ。

──それはキツイ。ぼく、ものすごい暑がりで……うわ、想像しただけで……わかりました。地獄はいやです。エアコン完備の天国に行きたいです。しやけど、今のこの状態でどないせえと……。

──心配せんでええ。君の本体はこのベッドにおいたまま、中身だけ街に出て行けるようにする。街の中では、怪しまれんように、君とは似ても似つかん別の体を借りる。

──へー、そんなことができるんですか。

──ふふ、心が動いたようやな。とりあえず、この書類を持って、ここに行ってみ。悪いことは言わん、悪いことは言わんぞ……。

そういうわけで、青山くんは親兄弟や友人が詰めている病院のベッドから離脱、神さまにもらった書類を手に、そこに書いてある事務所に行きました。


「あなたにも最後のチャンス! ポイント獲得で天国へ! なんやねん、ほんまにもう。ようわからんなあ。あ、ここか。ポイント認定所……ふつうのお役所みたいな感じやな。ん? ここで番号札を取るんか……ますますお役所やな」

入口の機械からしゅるしゅると出てきた番号札を持って、椅子に座って待ってますと、まもなくアナウンスが。

「378番の番号札をお持ちのお客様、3番の窓口までお越しください」

3番の窓口に行きますと、定年間近の役人といった感じの男が座っております。

「あー、青山一郎さんね。えー……108ポイント不足ね。大丈夫ですよ、よくあることですからね。では、これから街に出て、ポイントになりそうなことをしていただいて、それからまた来てください。こちらでプラスポイントに認定されれば、証明書を発行いたします」

「はあ、わかりました……うーん、いまいちよくわからんけど、とりあえず何かやってみよか。いいことをしたらいいんやな」

そこで青山くんは自分なりに「いいこと」と思われることをいろいろやってみました。いざとなるとなかなかそんな機会はないのですが、それでもなんとか実行して日付と場所を用紙に記入し、三日後に認定所におもむきました。

「あー、青山一郎さんね。えー、○月×日、南海本線車内でお年寄りに座席を譲った」

「はい!」

「こちらの調査によるとあなたはもともと年寄りでもないのに優先座席に座っていて、本物のお年寄りが来たのであわてて席を譲ったそうですね」

「え、なんでわかった……いや、そのあの」

「調査員は全世界にいるのです。人を見たら調査員と思えと」

「えーっ!」

「そして△月□日は新今宮で道に迷っている人を案内したとありますが」

「ええ、ええ」

「天王寺に行きたい人を外回りのホームに案内したため、ほとんど一周してしまって、その人は待ち合わせに遅れてしまったようですね」

「……」

「同じ日、電車の中で痴漢に遭っている女性を発見して男をぶんなぐったとありますが、われわれの調査ではその男は女性の彼氏でした。単にいちゃいちゃしていただけだったのです」

「そ、そうだったんですか」

「相手が喜ばないとポイントになりません。下手するとマイナスになるところですが、まあ今回は大目にみるということで、一件1ポイント、合計3ポイントですね」

「えーっ、たった3ポイント…」

「惜しかったですね。昨日ならポイント5倍デーだったんですが」

「え、5倍デー?! なんですか、それ」

「知らなかったんですか」

「ふつう、知らないでしょ!」

「いや、どこの店でもそういうのやってるじゃないですか」

「ここでもやってるとは思いませんよっ」

「変な人だな。ポイントがあれば当然、5倍デーとか10倍デーがありますよ」

「じゅ、10倍デーもあるんですか! で、それはいつなんですか」

「それは秘密です」

「ひどっ! そこをなんとか……」

「こればっかりは秘密というか、神様の気まぐれですんで……。運のいい人はぴたっと5倍デー、10倍デーに照準をあわせて効率的にポイントをかせぐんですがねえ。反対に絶妙にはずす人もありまして……これはもう……運も才能のうちとかいいますし……」

青山くんはその後も街をうろうろしては、何かいいことをしようとがんばりました。だが、落とし物を拾ってやって渡すと「え、捨てたのにー」と言われ、雨の中を傘も持たずに歩いている女性を発見して傘を差し掛けては「きもっ」と言われ、迷子らしき幼児を見つけたので「ぼく、おうちは?」「おっちゃんが連れてったろか」と話しかけていると誘拐犯と思われ通報されてしまうという始末。ポイントはさっぱり増えません。もちろん、5倍デー、10倍デーは余裕ではずしまくっております。


──神様、これってひどくないですか。

──え、何が。

──何がって。天国に行くのにポイント制っていうのはまだしも、それに5倍デーとか10倍デーとか、しかもそれがいつなのかわからんって。近所のドラッグストアでは金曜が5倍デーとか、ちゃんと決まってますよ。

──事前にわかったらおもしろないやないか。それにその日は混雑するやろ。担当者も大変や。

──そんな勝手な。こっちの立場も考えてくださいよ。

──まあそんなあせらんでもええがな。これには期限はないんや。ぼちぼちがんばったらええがな。

──ぼちぼちって……これじゃ永遠にポイントがたまりません。もう疲れました……。

──青山くん。

──はい。

──……いつまで経ってもポイントがたまらんような困ったやつは、わしらの手に負えんから、もう一回リアルな世界でやりなおしてもらうことになるかもしれんなあ。

神様はウインクした、ようにみえました。


「青山、中学校で同級生やった田中や! 聞こえるか! 目え覚ませよ!」

「一郎、お姉ちゃんやで! がんばりや!」

「青山、会社のみんなのメッセージ持ってきたで! がんばれ! がんばるんやぞ!」

24時間もつかどうかと思われていた青山くんはこうして、一週間、二週間、一か月と、医者も首をひねる体力で持ちこたえ、とうとう50日目に突然意識を取り戻したということです。


【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
< http://midtan.net/ >
< http://koo-yamashita.main.jp/wp/ >

これを書いている7月15日、衆院特別委員会で採決が行われた。委員長「起立を求めます!」。このときまでにだれか椅子に接着剤つけといたら、おもしろかったのになあ。そんなことをぼんやり思う私は、現在またしても腰痛でダウン中。


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■3Dプリンター奮闘記[63]
もの作りの原点はやっぱりアナログ/新しい3Dプリンター

織田隆治
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150716140200.html >
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先日、株式会社ムトーエンジニアさんの3Dプリンター「Value3D MagiX MF2200D」の新製品内覧会に行ってきました。

僕ら世代(40代)以上の人なら、ムトー工業と聞いて、真っ先に思い出すのは、ドラフター。ですよね?

もうかれこれ20年くらい前は、このドラフター(製図台)の上でよく図面を書いていました。最近ではCADで書くようになりましたね。って、今ではそれが当たり前になってます。CADって便利なんですよね。

手書きで図面を引くには、等間隔に線を引いたりするために、色々と補助線なんか引いてたもんです。それが、今では数値を打ち込むと、等間隔に線をコピー出来たりするんですよねぇ。

いい時代になったなぁ、なんて思っていたんですが、最近学校なんかで若い人に色々と教えていると、デジタル世代なのか、この補助線のような応用が効かない人が多いことに気がつきます。

「こうやって、こうやると、ほら、こういうふうに線が引けるでしょ」と教えると、「すごい〜」ってなります(笑)

もの作りの原点は、やっぱりアナログなんだなぁ、と実感。アナログの上に立つデジタルってのが、やっぱり最強なのかなって思います。

これ、模型製作にも言えることで、どこをどうやったら後の制作が楽になるかとか、きれいに仕上がるかってことを考えながら設計を進めます。

で、昔はどうだったかと思い出してみると、そうそう。昔のプラモデル、合わせ目が全然合わなくて、接着して輪ゴムでしばって、固まったらゴリゴリ削り出したり、説明書が超アバウトだったりしましたよね。

で、図面とパーツをじっと見比べて、自分なりの正解を見つけて修正して組み立てて行く。自分なりの「かっこよさ」を出すために、切った張ったを繰り返す。ってことが当たり前だったんですよね。

僕も最近のプラモデルをたまに作るんですが、すごくパーツの合いも良いし、説明書が丁寧で分かり易い。まあ、最近のプラモデルで、ガンプラなんか、説明書が丁寧じゃないと組めないですけど(笑)

説明書の通りに組み立てると、それなりに凄く良いものが出来上がる。でも、たいていはその説明書通りのかっこよさで満足しちゃうわけ。まあ、これは製品の精度とか、アレンジがかっこよくなってきて、仕方のないことですけど。

最近のガンプラなんて、凄いですよね。何度か組んでみて、すげ〜! とか感動しちゃったんですけど、なんかこう、物足らないというか、満足感がしないと言うか……。

それはそれで凄く素晴しいことなんですけど、そういった「金出して苦労を買う」世代だった僕にとっては、いささか物足らないわけです。

日本のもの作りの凄いところで、このプラモデルってのもあるんですが、その出来が良すぎることで、逆に工夫しないでマニュアル通りに組み立てて満足しちゃう人が増えて来たのも事実。

それを改造して更にかっこよくする強者も多いですけどね。

海外のキットや、古いキットを見て、「ここをこうやるとカッコいいよなぁ。じゃ、ここはこうしよう」とか、妄想しながらパーツを眺めてニヤニヤする時間って、凄く楽しいんですよね。

で、時間のないオッサン連中は、どんどん積んでしまう訳ですけど(笑)そういうことで、奥様方、生暖かい目で見てやってくださいね。

でも、この「妄想」ってのが実は結構良い頭のトレーニングになってるんではないかな〜なんて思います。

あ、、、、話が完全に脱線してしまいました。株式会社ムトーエンジニアさんの3Dプリンター「Value3D MagiX MF2200D」の新製品内覧の話に戻します(笑)

熱融解式の新しいプリンターの発表会だったんですが、まず、面白いと感じたのは、「2ヘッドでそれぞれ個別に動く」ってことですね。

どういうメリットがあるのか?

それは、まず、2ヘッドが同時に動いている場合、片方のヘッドが冷えていると、そのヘッドで出力をする場合には、またヘッドの温度を上げてやる必要があるわけです。いちいちヘッドを切り替える度に温度を上げていると、その時間がかなりロス。

ということで、最近の2ヘッドはどちらも熱をかけていることが多いんですが、これはこれでデメリットもあります。それは、樹脂垂れ。

ヘッドの温度が上がっているので、止まっているヘッドから、溶けた素材が少しずつ漏れ出し、それが雫になって、造形物の上に落ちるわけです。

今回のムトーエンジニアさんの3Dプリンターは、この2つのヘッドが個別に動き、片方が出力している間、もう片方は静止位置にいて、漏れ出した樹脂が造形物の上に落ちないようになっています。

これは、考えたなぁ〜! って思いました。ヘッド自体も自社で開発されたもののようで、色々と工夫がされているようです。

次に良いな〜と思ったのは、出力範囲が300mm×300mmと大きい割に、製品のコストが安いこと。それから、積層ピッチの幅広さですね。0.05mm〜0.5mmと幅広いこと。

これ、結構僕的には重要で、積層ピッチが細かいときれいな造形が出来るのですけど、それはそれで時間がかかっちゃうわけです。

大きいものの出力が多いので、そんなに時間かけてられない、ってのが本音で、積層ピッチの段々は、後で結局ヤスって消せるので、早く出力が終って欲しいんですよね。

でも、最近のプリンターは、この積層ピッチを細かくすることが競争のようになってきてます。僕にとって、0.5mmピッチで出力できて、300mm角と比較的大きいサイズが出力でき、しかも安価とくると、欲しいに決まってるんですよね。

個体のサイズはデカイですし、無骨なデザインではありますが、そんなの関係ね〜です。シャレオツインテリアグッズじゃないし。

会場で、思わず購入を決定してしまいました。わはは! 来るのが楽しみです!


【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
oda@f-d-studio.jp
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■ところのほんとのところ[118]
本物の若手音楽家へのメッセージ

所 幸則 Tokoro Yukinori
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150716140100.html >
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Oくん、あなたは感覚も鋭いし、技量も確かなんだろうし(僕には技量は判断できないからこう書いた)、幅も広いと思います。「ESPACE KUU 空」での、Oくんの一曲目と二曲目は、Oくんの演奏としては聞いたことがないタイプだったけど、とてもよかった。そして、最後の演奏は飛び抜けてよかった。僕には「ザ・Oの曲」と思いました。これが作れるなら、もっともっと先に行けると思いました。

いい曲は作れるが、どうやっても自分の曲は作れない人がほとんどだと思う。自分の曲が作れる人は、天から何かもらった人だと思うから。僕は門外漢だし、この言葉には論理性は、ほぼないのですが。

僕は高一の頃から、論理的とか合理的とかいう脳の部分をあまり使わないように意識してきました。僕は十代で、得意なところを押さえつけて勝負することに決めて、感覚を磨くことに三十年費やしてきた人です。

しかし結果は、論理的に写真を考え実験を繰り返し、新しいといわれる作品を生み出してきた。写真のあらゆる技術の理論は僕の手の内にある。ただし、実行はほぼ人の手を借り、指示通りやってもらうようにしていた。

技術の虜になるのが目に見えるようでいやだったからです。実際、印画紙を自分で作ったり、それをプリントするために一か月近く、太陽も見ることなく暗室にこもった頃もある。

理論系の脳をなんとか芸術家脳に持っていく。それを維持するために、できるだけ記憶的なものに脳を使わず、芸術家脳を維持しようとしている。これは結構大変なことなんだ。何かの参考になれば、と思って書きました。

僕が本物かもしれないと思って、本物じゃなくなった人は7〜8%ほど、それもほとんどがやるべきことに集中できない環境におかれたり、家族の状況が人として、夫として、親として、息子として、放っておけない事態に巻こまれたり、ということが原因です。

まあ、僕は人である前に写真家である。しかし、僕の目指すその境地には全然達してないのですが。母や父や子供や元妻たちを切れないところがね。

Oくんはまだぼくより二十年は多く時間があることが羨ましいし、嫉妬もします。どう生きるか、よく考えてね。人生は思ったより短いよ。また飲みたいね。



さて、7月18日(土)に「ESPACE KUU 空」で16時から演奏する福原寛さんは、紛れもなく天才だ。

たまたま友達の頼みで、ちょっと覗きに行って撮影をしたことがある。川崎大師で少しだけ聴こえてきた笛の音で背中がゾクッとした。それが縁でニューヨークまで彼を撮りに行った。

その時はいろんな縛りが多くて、撮影も満足にできなかったし、ゆっくり演奏も聞けなかった。その後、日本で唯一の国宝扱いをうけている庭、栗林公園の掬月亭で彼を撮る機会に恵まれた。その時に彼が吹いた笛の音で、掬月亭は江戸時代になってしまった。

よく噂話で人間国宝になる笛吹師の福原寛。彼が「アインシュタインロマンス」に合わせて笛を吹く。僕の個展でしか聴けないものです。是非、聴きに来てください。

・PARADOX PROGRAM 音楽家たちとの対話3
< http://taisho-kuu.tokyo/coming-soon/ >

「PARADOX TIME」という哲学的な命題に対し、福原流笛方の福原寛氏をゲストに招いて、写真家・所幸則氏とともにアプローチしていく試みです。「アートの読み解き」をめざすべく、「ONE SECOND」「アインシュタインロマンス」の作品映像にあわせて、横笛を演奏します。この挑戦に重要な役割を担うオーディエンスとして、ぜひ皆様お集まりください。

日時:7月18日(土)16:00〜17:00
ゲスト:福原寛氏(福原流笛方)
参加費:無料
会場:ESPACE KUU 空(エスパス・クウ)
大正大学5号館一階( 東京都豊島区西巣鴨3-20-1)

◎福原 寛 | Kan FUKUHARA

福原流笛方 四世宗家 寶山左衛門師(六代目福原百之助 人間国宝)に手ほどきより師事。1990年東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業。1992年同大学院修士課程を修了する。歌舞伎や日本舞踊会などの古典を中心とした演奏活動のほか、NHK古典芸能鑑賞会、国立劇場主催公演などの企画公演に出演、また能楽と歌舞伎囃子の融合を目指す三響会にも初回から出演。

他ジャンルの演奏家(インドバンスリーの巨匠ハリプラサード・チャウラスィアー氏、サムルノリの金徳珠氏、オイリュトミーの笠井叡氏など)や、語りや朗読とのコラボレーションなど様々な演奏表現にも積極的に参加。

1999年第2回ジョイントリサイタル「笛と唄と」にて名古屋市民芸術祭審査員特別賞受賞。2004年アテネオリンピック・シンクロナイズドスイミング日本チームテーマ曲の演奏。2005〜2006年十八代目中村勘三郎襲名披露興行に出演。その後、六代目中村勘九郎襲名披露公演や四代目市川猿之助襲名披露公演等に出演 横笛「苑の会」主宰


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/ >
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/ >


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編集後記(07/16)

●七人の作家による戦国アンソロジー第二弾「決戦! 大阪城」を読む(講談社、2015)。葉室麟の「茶々」、冲方丁の「豊臣秀頼」は作家名も主役も分かる。あとの五人は、作家名は知っているが主役の知名度がイマイチという感じだ(真田幸村以外)。宮本武蔵も脇役で出てきた。茶々、豊臣秀頼というと、いままで読んだ小説ではずいぶん評価が低かった。気丈だが考えの浅い母と、主体性がない息子というパターンが多かったような気がする。少なくとも、わたしはそう刷り込まれていた。だが、葉室麟と冲方丁が描いたこの母子の人間像は、ほとんど180度の転換をもたらす。まずは葉室麟「鳳凰記」。

主役は「茶々」で、「淀殿」という呼び方はしていない。タイトルは帝が「鳳凰のごとき女人」と仰せられたことがあるからだとする。茶々は秀吉と同様に尊皇の志に篤く、豊臣が禁裏を守護し徳川の敵となる決意がある。武器はとれ
ないが、家康の命を一日一日と削いでいく、女人ならではの、歳月をかけてのいのちの戦いならできると考えている。高齢の家康を戦陣に引きずり出せば、家康の命がどこまで保つかわからない。家康が死ねば、秀忠では戦国生き残りの荒大名を統御できまい。豊臣恩顧の大名達は秀頼を攻めることをためらうに違いない。そうなれば勝機はあると茶々は考えていた。

豊臣家が兵を挙げるには大義名分が必要だった。それゆえ茶々は方広寺大仏殿建立で奉納される鐘の銘文で家康の諱を犯すという罠をしかけた。有名な「国家安康 君臣豊楽」である。この罠にかかった幕府は難癖をつけるが、茶々は糾弾されたときに備えて、予め鐘銘の序文に後水尾天皇の尊号「政仁」も織り込んでいた。隠し題である。それに気づかなかった幕府は、帝の諱を無視する不敬を行ったことになり、大阪方に開戦の名分を与えた。茶々の思う壺に嵌まった家康は「冬の陣」を起すが、冬の戦は老齢の体にこたえ、いったん和睦をはかる。上皇から和睦を命じられた茶々は、時を稼ぐためそれに応じる。

だが、茶々が思った以上に家康は焦り、なりふりかまわず内堀まで埋めて、大阪城を丸裸にしてしまう。「夏の陣」の年の5月、主だった牢人、後藤又兵衛、真田信繁、毛利勝永、明石全登、長宗我部盛親の五人を集めて茶々は詫びる。それがまた、牢人達もびっくり、読者もびっくりの決意表明なのだ。彼らは喜んで死ぬ覚悟を固める。なるほど、こんなみごとな滅びもあるのかと感動する。この作品の秀頼は大柄で色が白くふくよかな容貌で、挙措も泰然、家康と堂々と渡り合い、強烈な皮肉もさらりと言ってのけるなかなかみごとな若者である。いままで言われてきた「茶々」「秀頼」像が変わる痛快な作品だ。 (柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062195038/dgcrcom-22/ >
「決戦!+大阪城」


●腰痛が和らぎますように……。ポイントはウェブで随時見られるようにして欲しいです(笑)。

マラソン続き。関門時間は腕にメモっていたんじゃなかったのか? はい。その通りです。

左前腕内側にメモしたものの、スペースが足りなくなって、右前腕内側に続きを書いた。右利きなので書きにくい。ので、右前腕の外側にはみ出てしまった。38kmぐらいまで間に合えば、あとはゴールするだけだな、ゴールは16時10分が閉門だと、そちらに意識と記憶を使ってしまった。

はみ出したメモは細く汚くても放置。これが汗と摩擦で薄くなってしまい、38kmを意識しすぎて、外側のメモのことはすっかり忘れていたのだ。

41.7kmは、名古屋ドームの敷地入口だった。そこから駐車場を突っ切り、搬入用入口からドームへ。沿道にはたくさんのボランティアの人たち、応援者がいて「あと少し」「よく頑張ったね」という声援とあたたかい拍手が迎えてくれた。続く。 (hammer.mule)

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