3Dプリンター奮闘記[63]もの作りの原点はやっぱりアナログ 新しい3Dプリンター/織田隆治

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先日、株式会社ムトーエンジニアさんの3Dプリンター「Value3D MagiX MF2200D」の新製品内覧会に行ってきました。

僕ら世代(40代)以上の人なら、ムトー工業と聞いて、真っ先に思い出すのは、ドラフター。ですよね?

もうかれこれ20年くらい前は、このドラフター(製図台)の上でよく図面を書いていました。最近ではCADで書くようになりましたね。って、今ではそれが当たり前になってます。CADって便利なんですよね。

手書きで図面を引くには、等間隔に線を引いたりするために、色々と補助線なんか引いてたもんです。それが、今では数値を打ち込むと、等間隔に線をコピー出来たりするんですよねぇ。

いい時代になったなぁ、なんて思っていたんですが、最近学校なんかで若い人に色々と教えていると、デジタル世代なのか、この補助線のような応用が効かない人が多いことに気がつきます。

「こうやって、こうやると、ほら、こういうふうに線が引けるでしょ」と教えると、「すごい〜」ってなります(笑)

もの作りの原点は、やっぱりアナログなんだなぁ、と実感。アナログの上に立つデジタルってのが、やっぱり最強なのかなって思います。




これ、模型製作にも言えることで、どこをどうやったら後の制作が楽になるかとか、きれいに仕上がるかってことを考えながら設計を進めます。

で、昔はどうだったかと思い出してみると、そうそう。昔のプラモデル、合わせ目が全然合わなくて、接着して輪ゴムでしばって、固まったらゴリゴリ削り出したり、説明書が超アバウトだったりしましたよね。

で、図面とパーツをじっと見比べて、自分なりの正解を見つけて修正して組み立てて行く。自分なりの「かっこよさ」を出すために、切った張ったを繰り返す。ってことが当たり前だったんですよね。

僕も最近のプラモデルをたまに作るんですが、すごくパーツの合いも良いし、説明書が丁寧で分かり易い。まあ、最近のプラモデルで、ガンプラなんか、説明書が丁寧じゃないと組めないですけど(笑)

説明書の通りに組み立てると、それなりに凄く良いものが出来上がる。でも、たいていはその説明書通りのかっこよさで満足しちゃうわけ。まあ、これは製品の精度とか、アレンジがかっこよくなってきて、仕方のないことですけど。

最近のガンプラなんて、凄いですよね。何度か組んでみて、すげ〜! とか感動しちゃったんですけど、なんかこう、物足らないというか、満足感がしないと言うか……。

それはそれで凄く素晴しいことなんですけど、そういった「金出して苦労を買う」世代だった僕にとっては、いささか物足らないわけです。

日本のもの作りの凄いところで、このプラモデルってのもあるんですが、その出来が良すぎることで、逆に工夫しないでマニュアル通りに組み立てて満足しちゃう人が増えて来たのも事実。

それを改造して更にかっこよくする強者も多いですけどね。

海外のキットや、古いキットを見て、「ここをこうやるとカッコいいよなぁ。じゃ、ここはこうしよう」とか、妄想しながらパーツを眺めてニヤニヤする時間って、凄く楽しいんですよね。

で、時間のないオッサン連中は、どんどん積んでしまう訳ですけど(笑)そういうことで、奥様方、生暖かい目で見てやってくださいね。

でも、この「妄想」ってのが実は結構良い頭のトレーニングになってるんではないかな〜なんて思います。

あ、、、、話が完全に脱線してしまいました。株式会社ムトーエンジニアさんの3Dプリンター「Value3D MagiX MF2200D」の新製品内覧の話に戻します(笑)

熱融解式の新しいプリンターの発表会だったんですが、まず、面白いと感じたのは、「2ヘッドでそれぞれ個別に動く」ってことですね。

どういうメリットがあるのか?

それは、まず、2ヘッドが同時に動いている場合、片方のヘッドが冷えていると、そのヘッドで出力をする場合には、またヘッドの温度を上げてやる必要があるわけです。いちいちヘッドを切り替える度に温度を上げていると、その時間がかなりロス。

ということで、最近の2ヘッドはどちらも熱をかけていることが多いんですが、これはこれでデメリットもあります。それは、樹脂垂れ。

ヘッドの温度が上がっているので、止まっているヘッドから、溶けた素材が少しずつ漏れ出し、それが雫になって、造形物の上に落ちるわけです。

今回のムトーエンジニアさんの3Dプリンターは、この2つのヘッドが個別に動き、片方が出力している間、もう片方は静止位置にいて、漏れ出した樹脂が造形物の上に落ちないようになっています。

これは、考えたなぁ〜! って思いました。ヘッド自体も自社で開発されたもののようで、色々と工夫がされているようです。

次に良いな〜と思ったのは、出力範囲が300mm×300mmと大きい割に、製品のコストが安いこと。それから、積層ピッチの幅広さですね。0.05mm〜0.5mmと幅広いこと。

これ、結構僕的には重要で、積層ピッチが細かいときれいな造形が出来るのですけど、それはそれで時間がかかっちゃうわけです。

大きいものの出力が多いので、そんなに時間かけてられない、ってのが本音で、積層ピッチの段々は、後で結局ヤスって消せるので、早く出力が終って欲しいんですよね。

でも、最近のプリンターは、この積層ピッチを細かくすることが競争のようになってきてます。僕にとって、0.5mmピッチで出力できて、300mm角と比較的大きいサイズが出力でき、しかも安価とくると、欲しいに決まってるんですよね。

個体のサイズはデカイですし、無骨なデザインではありますが、そんなの関係ね〜です。シャレオツインテリアグッズじゃないし。

会場で、思わず購入を決定してしまいました。わはは! 来るのが楽しみです!


【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
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