[3954] お腹で始まるフラッシュモブ

投稿:  著者:  読了時間:21分(本文:約10,400文字)


《すべてを語ってしまうポスターはダメなポスターだ》

■わが逃走[164]
 漢字の成り立ちの巻
 齋藤 浩

■もじもじトーク[24]街中で見つけた素敵な書体たち〜第4回〜
 ファンシーな書体探索
 関口浩之

■アナログステージ[135]
 お腹で始まるフラッシュモブ
 べちおサマンサ



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■わが逃走[164]
漢字の成り立ちの巻

齋藤 浩
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150723140300.html >
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「漢字の成り立ち」がマイブームだ。

絵が記号、そして文字へと発展していく過程を追ってみると、その変化の中には「見た目」や「音」だけでなく、それらに構造や情緒を重ねた演出が見えてくる。

さらには、『飛行機の歴史と「飛」という字を考えるの巻』でも書いたように、そこから無関係と思われるようなものごととの偶然の一致を発見できたりして、知れば知るほど興味がわいてくるのだ。

そうこうしているうちに、この面白さを多くの人たちと共有したい、さらにはこの構造を情報伝達(ポスターなど)の仕組みとして機能させられないだろうか、といったことを考えるようになった。

で、今年は三年に一度の「世界ポスタートリエンナーレトヤマ(IPT)」の年である。この国際コンペは、私にとって学生時代からの憧れであると同時に、最もチャレンジしがいのある大きな壁でもある。

という訳で、今回は『富山』をテーマに、漢字の成り立ちをビジュアル素材としたポスターを、自主制作することにした。

と決めたはいいが、そう簡単にいくのであろうか。まずは『富』と『山』、それぞれの成り立ちを調べるところから始めた。

『富』

家の中に酒のたくさん入ったつぼがある様子を表現。ウかんむりは屋根(=家や倉)、その下が酒のつぼ(≒とっくり)。つまり豊かである、恵まれた、ということを意味している。

なるほど、この字をじっと見ていると、がっしりとした木造建築のように見えてくる。やっぱり金持ちの家は柱が太い。

『山』

とてもわかりやすい象形文字。

私は今までシルエットというか、山の輪郭をトレースするような二次元的発想に由来するものと思っていたのだが、この字は複数の山々が重なり合う様子をモチーフとしていたのだ。つまりは連峰。

漢字が生まれた中国四千年の風景を思い描けばわかりそうなものだが、まったく気づかなかった!ずっと『まんが・日本昔ばなし』で描かれるような、どちらかといえば平面的な独立峰をイメージしていたのだ。まさに目からウロコ。

こうして調べてみると、いずれも絵になりそうである。

さて、絵になる条件とは?

そのひとつに“対比的関係”があると思う。たとえば、今回の『富』と『山』の場合、寄りと引き、内と外、人工と自然などをみつけることができる。

構成要素の中にこういった関係があると、画面の中でリズムをつけやすい。これはうまくまとまるかもしれない。

では、これらをいかにしてポスターとして成立させるか。

当たり前だが、ただ絵をでかくプリントして壁に貼っても、ポスターにはならない。ポスターとは広告媒体のひとつである。広告というからには、目的がなくてはならないのだ。

本来デザイナーは目的をもったクライアントから制作を依頼されるものだが、自主制作の場合は自分が仮想クライアントとなって、デザイナーである自分に発注する訳だ。

◎では、この案件の目的とは?

富山に興味をもってもらうこと。知りたくなり、好きになり、行きたくなるポ
スターを作る。これはすぐに決まった。富山の良さを、みんなに知ってもらい
たい。

◎では、みんなって誰? いつ、どこで、誰に対して発信するのか?

この行程を怠るとインチキなポスターになってしまう。というか、ポスターとして成立しなくなってしまう。

いくら自主制作といえども、クライアント(自分)の意向をデザイナー(自分)はきちんと把握しておかねばならないのだ。

という訳で、仮説を立てる。たとえば……

訴求対象その1 富山県以外に住んでいる大人
掲出場所その1 東京駅の新幹線改札付近

このように具体的に設定してみると、どんなものを作るべきか想像しやすくなる。東京駅のコンコースを歩いているビジネスマン、外国人観光客、学生など。

途中、思わず振り返り、立ち止まる。その目線の先に、これから作るポスターがあるのだ。そして次の瞬間、彼(彼女)は北陸新幹線のチケットを買っている……。

さらに、今回のビジュアル的な肝である『漢字の成り立ち』は、是非とも小中学生に「へー」と言ってもらいたい。

という訳で、こうも考えてみる。

訴求対象その2 富山県に住んでいる子供たち
掲出場所その2 たとえば富山市内の電停

セントラムやポートラムの停留場には、とてもきちんとしたポスタースペースがある。そこに貼られているポスターを指差す小学生。漢字を通して、改めて自分の故郷に古くから伝わる家や倉、そして山の形を思い浮かべ、にっこり微笑む。夏休みの自由研究のテーマが思いついたのかな??

と、ここまで考えるとかなりイイものが作れそうな気になってきた。

さきほど絵になる条件として“対比”を例に出したが、これはコンセプトに対しても有効なのだ。たとえば東京と富山、大人と子供。見た目だけでなく、概念における関係もバランスさせることができれば、デザインとしての厚みが出てくる。

で、いつ? 掲出時期を考える。これはもう、「今」である。今とは、IPTに応募してから展示が終わるまで。今から11月の下旬まで掲出されることをイメージした上で制作することとする。

ここまで決まればしめたもの。あとは楽しく作るだけ。構成はB0タテの二点シリーズとした。大きいことはいいことなのだ。

制作に入る。『富』をモチーフに、富山独自の木造民家建築をイメージしてスケッチを描く。富山から見える山々をイメージしながら『山』という字を書いてみる。

ここで重要なのは、説明的になりすぎないよう心がけることだ。

たとえば立山連峰そのまんま、五箇山の合掌造りの家をそのまんまを見せても誰も驚かない。みんな写真で知ってるから。その手前、それらを思い起こしてもらうこと、想像してもらうことが肝要なのである。

つまり、すべてを語らず、最後の一手を受け手に委ねる。

ポスターが触媒となり、受け手の想像力を引き出して初めて『富山に行きたい』『富山っていいね』が完成する。そういう構造をめざす。

すべてを語ってしまうポスターはダメなポスターだ。いま日本に掲出されているポスターの9割以上はダメなポスター。それを見た人は「ああ、そうですか」で終わってしまう。そして次の瞬間に忘れられてしまうのだ。

相手の記憶に残すには、そのための設計とクライアントの理解とが不可欠といえる(往々にして、クライアントはすべてを語りたがるものだ)。前者はデザイナーの努力次第でなんとかなるが、後者には対等な信頼関係が必須である。

とかなんとか考えながら、手を動かしているうちに、こんなのができた。

色彩的には黒と白の対比。時事性という意味で、北陸新幹線を配置した。ちなみに鼻ヅラを見せないのはその先の風景(=富山)を想像してもらうため。

< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2015/07/23/images/toyama.jpg >

我ながら納得がいくデザインだと思う。いいポスターだと思う。富山に行きたくなると思う。

しかし、もしかしたら自己満足かもしれない。出品してから急激に自信をなくしていった。いわゆる三年に一度の“デザイナー検定試験”である。ひょうきん族の神様にバツ印を出されてしまうかもしれないと思うと、夜も眠れなくなってしまうのだ。

なので、しばらく出品したことを忘れて仕事に没頭していた。すると……。

先週、富山から手紙が届いた。この新作と、昨年制作した建築事務所のポスターが入選。安心感から腰が抜けて、しばらく立ち上がれなかった。


【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
< http://tongpoographics.jp/ >

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。


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■もじもじトーク[24]
街中で見つけた素敵な書体たち〜第4回〜
ファンシーな書体探索

関口浩之
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150723140200.html >
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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。暑い日が続いてますね。しっかり睡眠とって、美味しいもの食べて、熱中症に気をつけていきましょう。

さて、四話連続の「まちもじ」特集、今回が第四回の最終話です。過去三回のテーマは明朝体とゴシック体でした。今回はそれ以外の書体にフォーカスしたお話です。

えっ、明朝体とゴシック体以外の書体って何がありましたっけ………?

●書体の分類について

いろんな分類法があるのですが、「基本日本語活字見本集成」を参考にして列記してみました。

・基本書体
 明朝体
 角ゴシック体
 丸ゴシック体
 ミックスタイプ

・伝統書体
 一般書写体
 古筆
 江戸文字

・ファンシー書体< 装飾書体 >
 クラフト
 フリースタイル
 ブラッシュ
 ポップ
 イラスト
 図案風

・ニュースタイル
 中国風
 基本書体

・学参書体
 明朝体
 角ゴシック体
 丸ゴシック体
 教科書用楷書体

大項目と中項目のみを列記したので、これだけ見ると、なんのこっちゃ、と感じると思いますが、これは実に見事に整理された分類法なのです。

例えば、可愛らしい書体の代表書体「マティスえれがんと」を例にとると、こう分類されます。
大項目:ファンシー書体[装飾書体]
中項目:ポップ
小項目:部分的変形


百花繚乱といえる1650のも書体が理路整然と分類されているので、たとえば、「モトヤアポロ」と「はるひ学園」の書体がどこに分類されているか確かめたところ、予想がみごとに的中して本当に驚きました。

本書から引用させていただきますが、「書体群を分類するためには、書体の持つデザイン要素から細かい項目を考えるしか方法がない。ここで示したものは、多彩なデジタルフォントのすべてを分類してみようという、一つの試案である」と書かれています。

2008年2月発行の「基本日本語活字見本集成 OpenType版」を編集した柴田忠男氏に敬意を表します。そうです、日刊デジタルクリエーターズの編集長です!

実はデジクリに寄稿するようになってから数か月経った頃に、たまたま、本棚から取り出した重厚な書籍(押し花にも使える重さがあるw)の奥付を読んでいたら、見たことのある名前を発見したのでした。

一方、わかりやすく本当にざっくり分類すれば、
・明朝体
・ゴシック体
・その他の書体(ポップ、筆文字、楷書、隷書、教科書、………)
の三つに分ける方法もありますよね。

では、そのざっくりな分類である、その他の書体のまちもじを紹介することに
しましょう。

●お酒のラベルを観察してみた

こちらのまちもじをご覧ください。じゃーん!
< http://goo.gl/v4bVme >

おおぉ、筆文字のオンパレードですね。ビールやワインのラベルは明朝体やゴシック体が多いのですが、焼酎や日本酒は筆文字が多いですね。

デジタルフォントだけでなく、手書きのデザインロゴも含まれていますが、日本酒や焼酎のラベルは、明朝体やゴシック体ではたしかに物足りない気がしますね。筆文字でドーンで漢字がいいですね……。

だけど、一番最後の猫の「清酒」の書体をご覧ください。「女性の皆さんも、おしゃれに日本酒を楽しんでみませんか〜」ってアピールしているように感じませんか!

これは「すずむし」という書体です。若手の女性タイプデザイナー豊島晶さんが設計した書体です。モリサワパスポートに収録されている、2014年新書体ですね。

可愛らしい書体であり、瑞々しさも感じます。アンバランスさもあるけど組んでみるとリズミカルで楽しい……。

今年5月にTAKEO見本帖本店で開催された「日本タイポグラフィ協会・ニューヨークタイプディレクターズクラブ」主催の「もじモジトークショー2015」で豊島晶さんにお会いしましたが、書体も素敵ですが、ご本人も素敵な方でした!

●JR東京駅のポスターは装飾書体の宝庫

JR東京駅から東西線大手町につながるコンコースのポスター、丸の内や八重洲地下街に貼られているポスターを何枚かiPhoneで撮影しました。じゃーん!
< http://goo.gl/a2zVPg >

あれっ、水族館のポスターのこの文字、さきほどの「すずむし」ですよね。また見つけました。すずむしハンター(笑)

二番目の「夜も、山形」の文字ですが、「キリギリス」という書体ですかね。なんか、涼しそうな感じがします。

三番目のポスターですが、テレビでも話題になった「お嬢様聖水」のポスターです。この書体は教科書体ですかね……。毛筆体や明朝体よりも、この書体のほうがお嬢様っぽさがでてますよね。

●テレビのテロップ文字もファンシー書体の宝庫

テレビのテロップは、ファンシー書体[装飾書体]を観察するのに適していると思います。よく見かける書体ですね。
< http://goo.gl/HtgL5c >

アメトーーク! という番組を観ていると、ファンシーな書体がたくさんでてきます。

わかりやすい例でいうと、「苛立っているときにはトメやうろこも尖っている書体、コミックレゲエ」「女子っぽい表現をするときにはハライが丸っこくてかわいらしい書体、マティスえれがんと」が使われたりします。怪談話をするときにはオドロオドロした書体、コミックミステリ」が使われます。

ポスターやテロップは、チラッと見たときに一瞬で訴えることが重要になってくると思うんです。なので、デザイナーさんは、イメージにあった書体選びを大切にしています。僕は書体が好きですけど、書体選びはまだまだ修行中です。

四話にわたり、まちもじを紹介してきましたが、「なんか文字って楽しいね」と感じてもらえたらうれしいです。次回の宇宙や天体の話をお送りする予定です。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
< http://fontplus.jp/ >

1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。

その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。

小さい頃から電子機器やオーディオの組み立て(真空管やトランジスタの時代から)や天体観測などが大好き。パソコンは漢字トークやMS-DOS、パソコン通信の時代から勤しむ。家電オタク。テニスフリーク。


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■アナログステージ[135]
お腹で始まるフラッシュモブ

べちおサマンサ
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150723140100.html >
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大変ご無沙汰しております。日本全国3〜5人くらいのオイラファンの皆さんお元気ですか? 素麺(冷麦)汁のレパートリーも尽きてしまい、新しいつけ汁の開発に勤しんでいる、べちおです。

トマトを使ったつけ汁が、なかなか奥が深くて胃がそわそわしております。さて、3か月ぶりのデジクリです。

まだ「デジクリ完全復帰!」とまではいきませんけど、地下進行で動いているプロジェクトが、あれよあれよと数か月で目標を達成してしまい、ほんのりと休息する余裕が。

あまりブランクが長くなってしまうと、勘も戻らなくなりそうなので、デジクリが夏休みになるまでの間、アイドリング兼ねて、数回だけの寄稿です。

読者さんからの、巡礼ネタの評判もよかったので、6月初旬に結願した、江戸三十三観音巡礼のネタでいこうと予定していたのですが、真面目に書くとかなりのボリュームになってしまい、とても数回で纏めあげれるレベルではないので、きちんと復帰したら書きますね。

というのは、以前書いた、関東三十六不動尊のコラムでは説明が不十分だった内容や、言葉として足りなかったところなど反省しつつ、諸々を補足しながら、試し書きしてみたんです。

『ネタ』と云っていいのか分かりませんが、江戸三十三観音巡礼編は、かなり面白い読みものになりそうです。一回の寄稿で、二つのお寺さんくらいしか載せれないくらいの充実っぷり。自分でも書くのが楽しみだ(笑)

●食通をうならす、新しい素麺(冷麦)の食べかた

こう暑いと、サッパリと喉越しがよいものを食べたくなるのは、人間だけではないようで、イヌも冷えたスイカを食べたがったりします。すでにお亡くなりになったアフガンハウンドとボルゾイの二匹は、スイカを食べるのがとても上手なイヌでしたが、チワワは二匹とも食べるのがヘタクソ。

と、イヌの話はいいとして、皆さんは素麺(冷麦)を食べるとき、おつゆはどうされております? そんなオイラはというと、スーパーで売られている既製の麺つゆは、どうしても口のなかに変な甘さが残るので、いつも自家製の麺つゆを作って食べております。

作るのが面倒で、サクサクっと手軽に食べたいときには、市販されている、既製の麺つゆに、生卵の黄身だけを入れて混ぜたりします。そうすると、「なんとなく、すき焼きの割したで食べている白滝」のような錯覚を覚える、エコノミーなリッチ感を素麺で手軽に楽しめたり(笑) 

先日、いつもお世話になっている福井のおねーさまから、『越のルビー』という品種のトマトを頂戴しました。はじめて食べたのですが、思わずニヤっと笑顔がこぼれるくらい、最高に美味しい。トマトというより、「トォミャートゥー」ってイタリアンな口調で形容するのがぴったりなトマトだ。

・旬の里ふくい_旬のおいしさ大解剖:
< http://info.pref.fukui.jp/hanbai/syunfile/syun09/daikaibo_01.htm >

バーちゃんから受け継いでいる麺つゆから、母親のオリジナルな麺つゆまで、数十種類のレシピレパートリーを持っているオイラですが、そろそろ飽き気味でもあるので、いただいた越のルビーを使って、新しい麺つゆに挑戦してみました。

どうアレンジしてみるか、あれこれと悩んでみたものの、とりあえずは、シンプルに楽しんでみることに。

『越のルビー』とセロリをミキサーの中へぶち込み、グリングリンブィンブィンとミキシング。トマトとセロリがうまく融合できたら、あとは塩を軽くふって終わり。越のルビーがとにかく甘いトマトなので、余計な調味料を足すと、せっかくの素材の美味しさが台無しになってしまう。

いざ、実食。んんん、んまい。クソ暑くてムシムシしているなかで輝く清涼感。トマトのふくよかな甘みと、セロリの軽い苦味が、食欲衰退した胃袋と喉に潤いを与える。これはいくらでも食べれちゃう。

味つけも、ほかに何を入れるわけでもなく、塩だけってのがいい。シンプルなほど食べ飽きない好例だ。食べ終わりのほうで、少しだけタバスコを投入してみた。

「これは、今年のメガヒット作ではなかろうか!」ってくらいのパンチ力。タバスコではなく、乾燥ハーブ系をパラパラといれても美味しいかもしれない。塩だけの味つけから、好みで少しずつスパイスを加えていくのも、食べかたの幅が広がって、たかが麺つゆ、されど麺つゆという奥深さがチラチラ。

そう、そうだ、これを例えるなら、「フラッシュモブな麺つゆ」という例えがしっくりとくる。

・少女がお金を恵んだらオーケストラの大演奏のサプライズ - YouTube:
< >

食材やスパイスが、次々に集まってお腹にたまる満足感に、目を細めてウットリです(^^


【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp

NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。愛機はD90とGRD4。全国寺社巡りで、過去の懺悔道中をしております。※なぜか若狭三十三観音を巡礼中(2015年7月)


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編集後記(07/23)

●七人の作家による戦国アンソロジー第二弾「決戦! 大阪城」を読む(講談社、2015)。冲方丁の「黄金児」は、今までどこにもなかった豊臣秀頼像を描いている。秀頼のいた時代を描いた小説で、秀頼の存在感のなさといったら。むしろひ弱なマザコン青年のような扱われ方をしてきた(と思う。わたしの知る限りでは)。ここで描かれるのは23歳で死んだ秀頼の、そこに至る10年間である。黄金の城に住む13歳の秀頼は、早くも少年とは呼べないほど成長していた。とにかく長躯、分厚く、頑健そのもの。天性と言える明るさと率直さが、何を修めるにしても強い推進力となった。彼はただの文武両道ではなかった。

武家と公家の合体として、これほど輝かしい若者はいない。いずれ武家と公家の両家を代表する存在として、帝の外戚になる日が来る。朝廷もそのことを視野にいれている。世人もそう信じている。というバックグラウンドがあった。一方、家康はあくまで秀頼を補佐する立場にある。しかし晩年の家康が繰り広げた政治活動は、鋭くぎらぎらした権謀術数に満ちている。家康にとって、秀頼の輝かしい生命こそ脅威であった。もはや果報は寝て待てと言っていられるような年齢ではない。老骨に鞭打ち、すこしでも徳川家を盤石にせねばならない。それに何より「天下人」になって死にたいと思う。

22歳の秀頼はその賢明ぶりに磨きをかけていた。家康が、ことあるごとに大阪方へ仕掛けた権謀に対し、じつに三年ものあいだ、臣従を避け、かといって対立せず、言質もとらせず、巧妙にかわしてきた。年齢を考えれば尋常ではない才能の開花である。むしろ家康の存在が秀頼を育てたといっていい。あらんかぎりの力を尽くして追い詰めようとする家康に対し、逆に家康を追い詰めるシンプルな方法がある。ただ生きていればよかった。健やかに、屈託なく、今ある家の地位や財力を保ち、その存在のままに輝いているだけで、家康に窮鼠の思いを抱かしめるのであった。だが、家康の執念でついに戦端は開かれた。

老獪な家康の策略により孤立させられつつあった秀頼は、家康の手の及ばぬ者たちへ呼びかけた。関ヶ原以来、主家を失い仕官もかなわぬ、徳川家の天下に不満を抱く者たち、日本全国の浪人を大阪城に集めた。秀頼の存在は、どのような大義名分も彼らの中で成立させ得た。そして、秀頼は浪人たちが想像した以上に聡明であった。しかし、冬の陣の和睦により大阪城を丸裸にする家康の策略に破れた大阪方は、夏の陣で大阪城とともに滅亡する。秀頼の名は本人が確信したとおり歴史に残った。秀頼ファンを開発するナイスな作品であった。そうだ、夏休みに「影武者徳川家康」を読み返そうと思う。 (柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062195038/dgcrcom-22/ >
「決戦!+大阪城」


●べちおさん〜!

マラソン続き。やっぱり味噌カツが食べたいからと即帰宅をやめ、駅周辺でお店を探す。どこも人でいっぱい。地下街案内板に味噌カツの食べられるお店を見つけ、嫌がっていた階段をそろりそろりと下りる。

あんまり食欲ないと思っていたのにもかかわらず、お味噌汁を一口飲んだら、急にお腹が空いてきた。塩分が美味しい。胃袋に染み渡る。味噌カツも美味しい。やっぱり名古屋に来たからには食べないと。

お客さんは、ティファニーやメナードの袋を持った参加者らしき人たちがいっぱい。店の2/3はそうじゃないかな。そういえばお土産物屋さんにもいっぱいいたわ。続く。 (hammer.mule)

< http://www.jrt-food-service.co.jp/store/details22.html >
キッチンなごや。JR東海フードサービスのお店だったわ

< http://guide.travel.co.jp/article/4234/ >
名古屋っ子が愛する「本当に美味しい!」味噌カツ厳選4店

< http://tabelog.com/tonkatsu/aichi/A2301/A230101/rank/ >
名古屋駅周辺 とんかつランキングTOP17