[3957] SNSとの新しい距離感

投稿:  著者:  読了時間:14分(本文:約6,500文字)


《とてもせつないラブストーリー》

■おかだの光画部トーク[140]
 アニメ「プラスティック・メモリーズ」
 岡田陽一

■アナログステージ[136]
 SNSとの新しい距離感
 べちおサマンサ




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■おかだの光画部トーク[140]
アニメ「プラスティック・メモリーズ」

岡田陽一
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150728140200.html >
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数か月前の #135で「SHIROBAKO」というアニメを紹介した。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150519140200.html >

今回は、2015年春アニメで4月から6月末まで放送されていたアニメ「プラスティック・メモリーズ」を紹介する。「SHIROBAKO」の感動とは全然違う感じだが、とてもせつないラブストーリーだった。
< http://www.plastic-memories.jp/ >

近未来、限りなく人間に近い「ギフティア」と呼ばれるアンドロイドと、人間の出会いと別れの物語。

心をもつアンドロイドであるギフティアは、人間と同じように感じ、喜び、悲しみ、怯える存在。寿命もあらかじめ、81920時間と決められている。約9年と4か月。

ギフティアは、所有者と約9年4か月の歳月、家族として、友達として、恋人として、暮らし想い出ができる。

81920時間の寿命に到達すると、ギフティアは、すべての記憶を失い、感情も身体的にも制御していたリミッターが外れて暴走してしまう。人に危害を与えるような非常に危険な状態になる。

そうなる前に、所有者との美しい想い出をそのまま残した状態で、回収する必要がある。

双方が納得した上で、寿命を迎えつつあるギフティアの回収を担当する窓口部署「ターミナルサービス」で働く、アイラというギフティアの女の子と、アイラの仕事のパートナーに就いた新人の水柿ツカサ(主人公)のせつない物語。

と、近未来の架空のストーリーのようだが、ちょっと昔、ソニーが販売していた犬型ロボットのAIBOでも、持っていた人は感情移入して可愛がっていた。

そして、AIBOも他の工業製品と同じで、製造が終了し、メーカーが部品の保持やメンテナンスの終了をアナウンスすると、もう壊れたら直らない。

ロボットに感情移入する機会がなくても、家族や、恋人や、友人が病気で余命宣告されたらどうだろうか……。この物語と重なることだって、近未来でなくてもあるはずだ。

寿命が近づいたギフティアを回収する立場のアイラ自身も、1000時間ほどしか残っていない。

仕事のパートナーとして一緒に行動するツカサは、次第にアイラに心惹かれていくが、アイラは自分の寿命のことを知っているので、ツカサにはつれなく、ビジネスライクな対応しかしない。

楽しい想い出を作ってしまうと、別れの時に辛いとわかっているから、感情を殺し、無愛想に接する。

物語の中盤、6話の終わりでツカサは上司からアイラに残された時間のことを知らされる。ツカサは、残された時間、アイラに楽しい想い出をいっぱい作ってもらいたいと思い、デートに誘い、告白する。

アイラは、想い出を作ったらツカサが辛くなるだけだと思っているので、かたくなな態度でツカサに接する。

物語が終盤に進むにつれ、徐々にアイラの気持ちに変化がでてくる。自分がいなくなった後に、自分の嫌な想い出しかツカサに残っていないことを想像し、その方が辛いことだと思い直し、ツカサの気持ちを受け入れる。

自分との、楽しく美しい想い出を、忘れないで、おぼえていてほしいと思う。

最終話とその前は、アイラが最期の日を迎えるまでの、短く楽しい日々が描かれるが、観ていると、それがかえって心が痛くなる感じだった。

想い出の場所で、ツカサとふたり。アイラは最期を迎えて、物語は終わる。

エンディングは、なんとなく2期がありそうな予感を漂わす内容だった。

回収されたギフティアは、OSを入れかえると、また寿命が戻るが、以前の記憶は残っておらず、全く別の人格となって再生される。姿形は同じでも、中身は全く違う。そんな、続きの物語が今後あるのかもしれない。

すでにDVDも、リリースされているので気になる方は、レンタルするなどして是非観てほしい。
< http://amzn.to/1I5jarK >

【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
< mailto:okada@fuwhat.com > < Twitter:http://twitter.com/okada41 >

2015年、マンスリーで開催中の[CSS Nite in KOBE]。次回、Vol.12は、8月28日(金)に開催。

益子貴寛さん(サイバーガーデン)による「Webマーケティング発想でのコンテンツ戦略とサイト設計【完全版】」

しっかりとしたコンテンツをつくればよい、という「プロダクト・アウト」の発想ではなく、消費者の求める情報とチャネルにあわせる「マーケット・イン」の発想と、コンバージョンにつなげるための入念な動線設計が、コンテンツ制作では不可欠。

ということで、クライアント企業のビジネスゴールから必要なコンテンツを導く方法、コンテンツに合わせたマーケティング手法の組み合わせ方、コンバージョンのための設計やコンテンツに関するさまざまな工夫を、実際の案件資料や事例をお見せしながら解説する内容の予定です。

Web制作の方だけでなく、企業のWeb担当者、提案する立場のディレクターやプランナーのみなさんにもおすすめの内容だと思いますので、是非参加ご検討ください。
< http://cssnite-kobe.jp/vol12/vol12list/vol12outline.html >


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■アナログステージ[136]
SNSとの新しい距離感

べちおサマンサ
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150728140100.html >
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コンニチハ。どうですか、皆さん、暑いですか? 暑いですよね、夏ですもん。

オイラも暑いんですけど、ラボの中は定温に定湿度なので、夏でも冬でも快適。しかし、一歩外にでると、今までの人生を全否定されたかのような後悔に苛まれます。ごめんなさい。

はい、そんなのはどうでもいいんです。本題に行く前に、漬物のお話。ここ数年は、ナスやキュウリなどは、糠漬けばかりやっていたのですが、今年は浅漬けを始めました。

始めましたというよりは、ちょいとしたミスから、糠床をパーにしてしまったのをきっかけに、「たまには浅漬けにでもするか」と簡単な理由からチャンネルチェンジ。たいした手間もなく、翌日には美味しく出来上がっているので、喉越しが良い浅漬けは助かる。

水とみょうばんと塩を沸騰させて、冷ませた漬け汁を作っておくと、冷蔵庫で4〜6日くらいは持つので、数回は浅漬けを楽しめたりします(当たりまえですが、水道水は沸騰させないと、せっかくの汁が数日で腐るのでご注意)。

さぁ、これを読んだ奥さん、酒飲みなダンナさん、レッツトライですよ。

●「10年ひとまわり」とよく言うけど

2015年に入ってからも、新しいSNSがチラホラとリリースされてきておりますが、まだまだTwitterやFaceBook、LINEの勢力は衰えず(?)といった、特に目新しさもない通常運転っぷり。

昨年の暮れあたりから「Tsu(スー)」など、お金の臭いがプンプンするサービスも目立ち始めてきました。とくに、YouTubeの再生前の広告は、瞬間的にブラウザを閉じてしまいたい衝動に駆られたりしますが、大人なので、静かに再生されるのを待っていたりします。

YouTubeと云えば、出始めのころの、先駆者であることを鼻にかけない、ストイックな疾走感はまったくなくなり、「簡単な動画でも月10万円以上!」とか、そのへんのエロサイトと変わらないご様子になってきました。

まったくセンスの欠片もない広告を出しても金になるくらい、利用者が増えたってことなんでしょう。

ま、そんな話はいいとして、今年に入ってから、各SNSのバランスというか、利用方法が少しずつ変化してきたと感じてきていたりします。

FaceBook嫌いは相変わらずなので、たまーに野暮用で覗くくらいですが、たまーにしか覗かないからこそ、微妙な変化に気がついたのかもしれません。

数年前に、デジクリのコラムで「mixiが楽しめたヒトはFaceBookに、2ちゃんねるが楽しめるヒトはTwitterに居心地の良さを感じるだろう」と記述したことを今でもハッキリと憶えているのですが、そのときの言葉は間違ってはいなく、いま現在でも、棲み分けはされている。

しかし、Twitter、FaceBookと棲み分けがされているものの、Facebookで投稿されている内容は、mixiであったような、リア充ビームを放つものでもなく、Flickrや500pxのように、写真を大々的にアピールするわけでもなく、Twitterのそれと殆ど変わらない、書き投げ型の割合いが多くなってきている。

『洗練された複合型のSNS』と書いてしまえば聞こえは良いが、どれも中途半端なサービスになってしまっている観は否めない。

そう、mixiがFaceBookのサービス内容を追いかけすぎてしまい、コアであるコンテンツまでも壊して、日本における『mixi一強時代』を終わらせてしまった、あの時の様子と酷似してきているのだ。

『いいね!』は「読みましたよーん」という足あと代わりのご挨拶になり、投稿内容に対しての『いいね!』ではなくなっていることも、FaceBookユーザならば周知のことでしょう。

海外では、『Ello』というSNSがジワジワと台頭をあらわせてきている。すでにご存知のかたもいらっしゃるでしょう。

初期mixiにあった『鎖国な世界』を満喫できるElloが、日本版でリリースされたら、「Twitterではコンテンツとして物足りない」と、仕方なしにFaceBookを利用しているユーザがなだれ込む可能性もある。

いろんなものを少しだけ楽しむ『ビュッフェ』のようなSNSから、ピンポイントでコアな部分をじっくり楽しむSNSに、日本人の好みは流れ、また鎖国時代に戻る……皮肉なことに、mixiが沈没した年から、ちょうど10年。SNSは、確実に、次の新しい時代に入ってきたと、そう感じる猛暑日です。

次回は、オイラが地下で面白がってハマっている、新感覚SNSの『Sqore』をご紹介してみる予定です。明後日(木曜日)に配信予定なので、ネタ鮮度は保たれてるはずです。ではでは。


【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp

NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。愛機はD90とGRD4。全国寺社巡りで、過去の懺悔道中をしております。※なぜか若狭三十三観音を巡礼中(2015年7月)

・武&山根の『展覧会レビュー』が終わってしまいましたね。デジクリでリアル仲間が次々に筆を擱いてしまい、淋しいばかりです。武ちんと山根のお二人には、いろいろな面(良い意味でね)でインスパイアされました。

会えば、あたりまえのように酒を飲み、『会話』という肴が、とても美味しくて、ついつい飲みすぎて羽目を外してしまいがちでした。山根の仕事が忙しいようだけど、また時間を見つけて、三人で新宿あたりでアホ飲みしたいわぁ。お疲れさまでした(^^


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編集後記(07/28)

●田中康弘「山怪 山人が語る不思議な話」を読んだ(山と溪谷社、2015)。日本の山には何かがいる。その何かは古今東西さまざまな形で現れ、老若男女を脅かす。誰もが存在を認めているが、それが何かは誰も分からない。全国を放浪取材するフリーのカメラマンは、農林水産業の現場やマタギ等の狩猟に関する取材が多い。それらの現場では山での不可思議な出来事の類い、大蛇や狐に関する謎の現象譚を聞くことがよくあった。民話の原石ともいえるそれらは今、語る人も聞く人も少なくなりつつある。間違いなく消滅しかけている。それに気づいた筆者はその種のエピソードを求めて、本気で取材して回った。

ホラー映画のような、これでもかと人を怖がらせる何かは、山には存在しない。むしろ逆で、しみじみと、そしてじわじわと恐い話が集まった。彼はそれを「山怪」と名付けた。山の不思議で一番多いのは狐だ。湖沼にはまるとか、何かを盗まれるとか、ついには死に至るとか、多くは狐にからむ。何かわからないというのは厄介である。そこで狐のせいにして済ましたのではないのか。闇が駆逐された都会では、妖怪はいまや絶滅危惧種だ。山には純粋の闇があり、妖怪にとって山は絶好の住処となった。だが、「山怪」の語りべ達も絶滅危惧種だ。その貴重な遺産をすくいあげる筆者の仕事はじつに意義深い。

不思議な話がほとんどだ。心底恐い話はないと思ったが、じわじわ来るイヤな気分は味わい深い。山の怪談は山ほど読んだが、実話系は恐いものの味わいがない。この本では筆者の体験談がある。ナビのいうままに車を走らせると、とんでもなく気味の悪い所に入り込み、さすがに鳥肌が立ちナビを切ってUターン、やっと元に戻りホテルでパソコンの地図を確認すると、あのまま行ったら700メートルほどの山頂で、抜け道はなかった。宮崎の椎葉村でもナビに翻弄される。テント泊では鬼の手に両肩を掴まれて……、「山怪」よりこわいな。

この欄で前に紹介した不死身の山男も、妙義山で恐い目にあったという。白雲山肩ノ見晴から雪道を下りてきたとき、大ノ字岩峰近くでこの日初めて一人の登山者と遭遇した。その人は白雲山に向いて立っていた。挨拶しても反応がない。不審に思ったが、後ろを通りすぎて10歩ほどして、10センチも積もった雪にその登山者の足跡がないことに気づく。ゾクッとして振り向くと誰もいない。彼は転がるように山を下りた。帰宅して何気なくテレビを見ていると、何とこの日、妙義で行方不明になっていた高校の先生が、白雲山の裏側で遺体となって発見されたと報じられていた……。これは「山怪」とは違うけど。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4635320049/dgcrcom-22/ >
田中康弘「山怪 山人が語る不思議な話」


●べちおさんは新しいものをキャッチする力が強いなぁ。Sqoreって何だろ。木曜日まで待ってみようっと。SNSは苦手だ。自分の原点は草の根BBS。mixiやFaceBookは全部読みたくなるしコメントしたくなる。そんなの無理なのに。だから投げっぱなしのTwitterが好きなんだけど、そのTwitterでさえ時間取られてしんどいからと放置。

手芸したいなぁ本が溜まってきてるなぁ部屋の整理整頓したいなぁ服買いに行かないとなぁ髪の毛切らないとなぁゲームしたいなぁジョギングしていないなぁと思う今日この頃。

御用聞き制度の続き。ネットでも絞り込みがあるんじゃないのって? 細かいところまではないんだなぁ、これが。そして店の都合の良い誘導があるような気がしちゃうんだなぁ。日用品マスターもさじ加減ひとつだけど、そこは人対人とで信用できるような提案をしてもらうしかない。

保険屋さんの都合の良い誘導が信用できないからと、ネット比較保険屋さんがあるのに何を言っているのだろう……。いやまぁでも頼りたくなるんですわ。 続く。(hammer.mule)