[3966] 怒鳴り芸の真骨頂

投稿:  著者:


《形態は機能に従う》

■腕時計百科事典[05]
 腕時計の分類(用途)
 吉田貴之

■クリエイター手抜きプロジェクト[436]Adobe Photoshop CS5〜CC編 
 座標(位置)だけ回転させる
 古籏一浩

■映画ザビエル[02]
 怒鳴り芸の真骨頂
 カンクロー

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■腕時計百科事典[05]
腕時計の分類(用途)

吉田貴之
< https://bn.dgcr.com/archives/20150831140300.html
>
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今回は腕時計を用途で分類してみます。

腕時計はお洒落な「ドレスウオッチ」と、カジュアルな「スポーツウオッチ」に大別することが出来ます。この分け方はシンプルでわかりやすいですが、腕時計を選ぶにしても、腕時計を語るにしても、十分なものであるとはいえないでしょう。

腕時計には、用途に応じて専用の機能やデザインを持ったユニークなモデルが沢山存在します。

●用途とデザインの関係

「形態は機能に従う」という言葉があります。
 参考:< http://www.idia.jp/report/form-follows-function/
>

腕時計はこれを説明するために最も適したプロダクトの一つです。

「腕に着けて時刻をみる」ことが腕時計の主な目的ですので、基本的な形には大差がありません。しかし、文字盤、ブレスレット、竜頭、針、風防など、パーツ毎に着目してみると、その形や配置になった理由や経緯が見えてきます。

それをひとつの腕時計として組み合わせたときに、個性のあるデザインに仕上がるのです。

●ドレスウオッチとスポーツウオッチ

さて、前述したように、腕時計は大きく二つに分けることが出来ます。ひとつはドレスウオッチ、もうひとつはスポーツウオッチです。

極言してしまえば、前者はスーツファッションに似合う時計、後者はカジュアルファッションに似合う腕時計だと思って良いでしょう。

ドレスウオッチは薄く、シンプルなデザインで、ゴールドカラーであることが多いです。一方スポーツウオッチは、分厚く、複雑なデザインで、シルバーカラーであることが多いです。

現在人気のある腕時計の大半は、スポーツウオッチに分類されます。

●特別な機能(≒デザイン)をもつ腕時計

腕時計を選ぶにあたっては、ドレスウオッチ、スポーツウオッチの区分だけでは不十分です。ここからは特別な機能(≒デザイン)をもった腕時計を挙げてみます。

まず、ダイビングに使用する「ダイバーズウオッチ」は認知度が高い腕時計だと思います。同様に、ストップウオッチ機能を備えた「クロノグラフ」も多くの人が知っているはずです。

「アヴィエーションウオッチ」と呼ばれる腕時計をご存じでしょうか。パイロット用の腕時計の総称ですが、多くは計算尺やコンパスなどを備えており、メカニカルなデザインから人気があります。

他にもバイクや車でのレースに用いるモータースポーツ用(ハンドルを握った状態で見やすい)、山登り用(高度や方角を表示)、ヨットレース用(カウントダウンがみやすい)、天体観測用(天球の動きを再現)、強磁場環境用(強い磁力でも時計が狂わない)などがあります。

変わったところではサッカーの審判用(45分が計測しやすい)や、医療関係者が用いるドクターズウオッチ(脈が計測しやすい)なども存在しています。

挙げていけば切りがありません。機能をもっった腕時計はいずれも個性的で、一目でそれとわかる形をしています。

●デザインの好みで選ぶ

現在ではスマートウオッチが登場し、腕時計(腕時計の範疇にはふくまれないかもしれませんが)で出来ないことはない、くらいの状況になっています。

しかし、限定された目的と用途において、最も使いやすいように作り込まれた腕時計には独特の魅力があるのも事実です。

実際にダイビングをしなくてもダイバーズウオッチを付けても良いわけですので、デザインから腕時計を選んだり、興味深い特別な機能から腕時計を選んだりするもアリなのではないでしょうか。

【吉田貴之】info@nowebnolife.com

イディア:情報デザインと情報アーキテクチャ
< http://www.idia.jp/
>

兵庫県神戸市在住。Webサイトの企画や制作、運営を生業としながら、情報の整理や表現について研究しています。


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■クリエイター手抜きプロジェクト[436]Adobe Photoshop CS5〜CC編 
座標(位置)だけ回転させる

古籏一浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20150831140200.html
>
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今回は前回の「座標(位置)だけ回転させる」のPhotoshop版です。

ただし、Illustratorとは異なり、選択したレイヤーを回転させるのではなく、選択したレイヤーと同じ階層にあるレイヤーが対象になります。その際、レイヤーセット内にあるレイヤーは処理しません。つまり対象外になります。

また、まったくレイヤーを選択していない場合や、ボタンを連打するとエラーになることがあります。一度でも何らかのレイヤーをアクティブにするとエラーは出にくくなりますが、動作が不安定になることがあります。

どうしても、エラーが発生する場合はPhotoshopを一度終了させた後で、レイヤーを選択してから実行してください。なお、背景のみの画像の場合は動作しません。


// 座標だけを回転させる for Photoshop
(function(){
if (app.documents.length < 1){ return; }
// 選択されているレイヤーと同じ階層のレイヤーのみ処理対象
var layObj = app.activeDocument.activeLayer.parent.artLayers;
// 現在のレイヤー座標値をオブジェクトに保存する
for(var i=0; i<layObj.length; i++){
layObj[i].oldX = parseFloat(layObj[i].bounds[0]);
layObj[i].oldY = parseFloat(layObj[i].bounds[1]);
}
// GUI部分
var winObj = new Window("dialog", "座標だけ回転", [0,0,480,210]);
winObj.add("statictext", [30, 10, 130, 30], "回転の中心X座標");
winObj.add("statictext", [170, 10, 270, 30], "回転の中心Y座標");
winObj.add("statictext", [310, 10, 380, 30], "回転角度");
var centerX = winObj.add("edittext", [50, 30, 150, 50], 0);
var centerY = winObj.add("edittext", [190, 30, 290, 50], 0);
var degree = winObj.add("edittext", [330, 30, 430, 50], 0);
var btnExec = winObj.add("button", [20, 70, 460, 95], "実行する");
var btnReset = winObj.add("button", [20, 100, 460, 125], "リセットする");
var btnPaperSet = winObj.add("button", [20, 130, 460, 155], "用紙の中央座標を設定する");
var btnEnd = winObj.add("button", [20, 160, 460, 185], "終了する");
// 終了ボタン
btnEnd.onClick = function(){
winObj.close();
}
// 実行ボタン
btnExec.onClick = function(){
var cx = parseFloat(centerX.text);
var cy = parseFloat(centerY.text);
var d = parseFloat(degree.text);
var rad = d * Math.PI / 180;
rotateObj(cx, cy, -rad);
app.refresh();
}
// リセットボタン
btnReset.onClick = function(){
for(var i=0; i<layObj.length; i++){
if (layObj[i].isBackgroundLayer){ continue; }
layObj[i].translate(-layObj[i].bounds[0], -layObj[i].bounds[1]);
layObj[i].translate(layObj[i].oldX, layObj[i].oldY);
}
app.refresh();
}
// 用紙の中央座標を設定
btnPaperSet.onClick = function(){
centerX.text = parseFloat(app.activeDocument.width)/2;
centerY.text = parseFloat(app.activeDocument.height)/2;
}
winObj.center();
winObj.show();
// 選択されたオブジェクトを回転させる
function rotateObj(cx, cy, rad){
for(var i=0; i<layObj.length; i++){
if (layObj[i].isBackgroundLayer){ continue; }
var x1 = layObj[i].oldX - cx;
var y1 = layObj[i].oldY - cy;
x = Math.cos(rad)*x1 - Math.sin(rad)*y1;
y = Math.sin(rad)*x1 + Math.cos(rad)*y1;
layObj[i].translate(-layObj[i].bounds[0], -layObj[i].bounds[1]);
layObj[i].translate(x + cx, y + cy);
}
}
})();


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
< http://www.openspc2.org/
>

パクリンピック、本当に出てた。

・パクリ?ンピック
< http://www.jiji.com/jc/v?p=pakurimpic_index
>

これはこれで面白いけど、デザインもどこから派生したのかツリーのように分かる図ってあるのかなあ。

・ジェノグラフィック・プロジェクト
< https://ja.wikipedia.org/wiki/ジェノグラフィック・プロジェクト
>

・Photoshop自動化基本編
< http://www.amazon.co.jp/dp/B00W952JQW/
>

・Illustrator自動化基本編
< http://www.amazon.co.jp/dp/B00R5MZ1PA
>

・Adobe JavaScriptリファレンス
< http://www.amazon.co.jp/dp/B00FZEK6J6/
>

・ExtendScript Toolkit(ESTK)基本編
< http://www.amazon.co.jp/dp/B00JUBQKKY/
>

・データビジュアライゼーションのためのD3.js徹底入門
< http://www.amazon.co.jp/dp/4797368861
>

・4K/ハイビジョン映像素材集
< http://www.openspc2.org/HDTV/
>

・クリエイター手抜きプロジェクト
< http://www.openspc2.org/projectX/
>


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■映画ザビエル[02]
怒鳴り芸の真骨頂

カンクロー
< https://bn.dgcr.com/archives/20150831140100.html
>
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◎セッション

原題(英題):WHIPLASH
制作年度:2014年
制作国・地域:アメリカ
上映時間:106分
監督:デイミアン・チャゼル
出演:マイルズ・ミラー、J・K・シモンズ

●だいたいこんな話(作品概要)

ジャズドラムの演奏家を目指す若者と、彼が入学した名門音楽学院の教師とで繰り広げられる人間ドラマ。サンダンス映画祭を筆頭にあらゆる映画祭で高い評価を得た話題作。アカデミー賞ノミニーでもある。

アカデミー賞にはノミネートはされるが絶対に最優秀賞は獲得しない若手監督作品枠があるらしく、その暗黙の了解枠に本年度あたるのが、この作品。

原題の“whiplash”とは、鞭のひも、またはむち打ちの意だが、劇中演奏される楽曲のタイトル。タイトルの意味と物語の内容とがリンクしているのは製作者側の意図か、ただ楽曲タイトルを取り上げたことによる偶然の産物か。邦題の「セッション」も内容をよく捉えていて大変良いタイトルと言える。

●わたくし的見解

世代的に、根性といふ言葉に少なからずアレルギーのある私でも、近頃は「しかし、登りつめたら根性論」と感じることがあります。

おそらくアレルギー反応を示していたのは、うさぎ跳びで階段を上るだとか、バテるから水は飲むなだとかの、今となっては利よりも害がハッキリ立証されてしまったエセ根性に対してで、実は必要なのではと思えてならない「根性」とは別ものだったのかも知れません。

たとえば、今の錦織圭選手が彼よりもランキング上位の選手と戦うとき。

持って生まれた体格差や完全には克服できていないウィークポイントがあったとして、しかし、まず負けるというほど実力差がある訳でもない場合には、とっさの判断力、スタミナなどと同等に、根性は試合中に必要な要素のひとつではないでしょうか。

今風の言い方をすれば、メンタルの強さ、と置き換えることも出来そうですが、最後まで勝つことを諦めない気持ちは「根性」と呼ぶ方がしっくりきます。

実際に根性が必要になるのは、何かを始めて三日坊主で終わらせないような事ではなくて、何かをやり尽くして出来る努力はすべてやった後なのかもと思ったりするのです。

さて、やっと映画の話。

この作品は、ドラ息子ならぬドラムする子とその指導者の物語で、非常にベタなスポ根青春ものの様相で始まります。定番の「若者の栄光と挫折」を、なかなか良い出来ではあるまいか、と安心して観ていたら、中盤からは若者と同格あるいはそれ以上に指導者を描きたかったのか?! と思うような展開へ。

この指導者のキャラクターが非常に立っていて、パイロット版から本作の俳優を起用していただけのことはあります(そのパイロット版の評判で出資を集め、無事に長編映画が完成したらしいので当然と言えば当然なのでしょう)。

トビー・マグワイアが主演をつとめた「スパイダーマン」前シリーズの、新聞社の編集長を演じていた俳優がその人です。怒鳴らせたら、もはやハリウッドいち。

主人公いわく、アメリカでトップの音楽学院の中で、さらにトップのバンドの指揮者が主役以上の準主役である指導者なのですが、いわゆるカリスマ的存在。学生バンドの指揮者とは言え、日本でも甲子園常連校の監督や某大学名門ラグビー部の監督などはプロも一目置く存在ですから、そのカリスマ性は想像容易いでしょう。

しかし、この作品のカリスマ教師はすさまじいスパルタ指導。暴君そのものです。おそらく現在の日本ならば、この指導方法の厳しさは確実にモンスターほにゃららと名付けられる人たちの餌食になるもの。

教育現場ならば確かに問題あるのでしょうが、この作品について言えば、演奏を楽しみたい、そのことで人生を豊かにしたいという次元ではなく、プロを目指している者への指導なので単純な批判はお門違いかもと私は感じました。

そうは言っても本作でも、ある事件をきっかけに、その指導方法が問題視され物語の方向性が変わります。

ところが、映画は厳しすぎる指導方法についての是非は問わず、ドラムを叩きまくる若者と指導者の怒鳴り声とのセッションを見せることでクライマックスまで持っていったところが、実に面白いところ。

指導者の厳しさの根底には、歴史に残る素晴らしい演奏の実現という極めて純粋な動機があることを示しつつも、決して「実は良い人」として描かれていない点も、個人的には好ましい部分でした。

唯一残念なのは、今回ご紹介した時点では劇場公開がほぼ終わってしまっていることです。

ジャズを取り上げているだけに、音楽シーンを含め全編とおして生のライブ感に通じる、手に汗握る緊張感が張りつめていて作品の醍醐味になっています。

これはリラックスした自宅鑑賞では、なかなか味わいにくいもの。劇場鑑賞ならでは緊張感が魅力の多くをしめる映画なので、リバイバルやアンコール上映の機会があれば見逃さないで頂きたい。

あるいは、スネ夫的お金持ちのお友達からシアタールームに招待されたあかつきには、是非この作品をリクエストして下さい。

スネ夫的お友達が、三人招待しておいて「シアタールームはボクのぶんも入れて三人分しか席がないんだ。のび太(あなた)は外で待っててよ」と言われてしまったら、一般の劇場での上映を待つしかありません。いやぁ、いろいろ残念ですね。


【カンクロー】info@eigaxavier.com
映画ザビエル < http://www.eigaxavier.com/
>

映画については好みが固定化されてきており、こういったコラムを書く者としては年間の鑑賞本数は少ないと思います。その分、だいぶ鼻が利くようになっていて、劇場まで足を運んでハズレにあたることは、まずありません。

時間とお金を費やした以上は、元を取るまで楽しまないと、というケチな思考からくる結果かも知れませんが。

私の文章と比べれば、必ず時間を費やす価値のある映画をご紹介します。読んで下さった方が「映画を楽しむ」時に、ほんの少しでもお役に立てれば嬉しく思います。


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編集後記(08/31)

●本日の「MAG2 NEWS」にデジクリ3963号(8月26日)に掲載した吉井宏さんのテキストが転載された。事前にまぐまぐ側からの打診や連絡もないまま、いきなり掲載された。以前、まぐまぐから「メルマガの認知度を高め新規読者の獲得を促す」ため記事の転載について相談があり、編集部はそれを了解したが、事前の連絡が当然あるものと思っていたため、今回の掲載には驚いている。問題はまぐまぐ側で勝手につけたタイトルである。それがこれだ。

「五輪ロゴ盗作、安全圏から叩くズルい日本人」
「パクリ疑惑で佐野研二郎氏を叩く『何も分かっていない』人たち」

記事タイトルが吉井さんの主張とはまったく違うものになっていた。もとのタイトルは「例の件で、勝手にダメージ受けてるヤツがいます」というあくまで個人的な感想であり、妄想由来の被害者気分に浸っていた自分のアホらしさの吐露と、大勢の人が安全な場所から個人を叩き続けて、恥ずかしいとも思わない風潮に違和感があり過ぎるという印象を書いたものだ。「ズルい日本人」や「何も分かっていない人たち」という表現もなかった。

このまぐまぐタイトルの影響で、吉井さんには大きなダメージを与えてしまった。まぐまぐには速攻でタイトルの変更とデジクリ見解の告知の申し入れをしたのだが、本号の発行時点で反映されていない。吉井さん、まことにもうしわけありませんでした。 (柴田)


●デボラ・ホプキンソン「ブロード街の12日間」を読んだ(あすなろ書房/2015)。2015読書感想文・中学生向け課題図書である。孫娘の夏休みの宿題のために買って来て、先に読んでしまった。この物語は1854年に起こった、英国ブロード街のコレラ大発生が舞台だ。物語に出てくるスノウ博士は実在で、コレラは水が原因で発生する病気であるとするスノウ説が認められたのは1866年である。それまでコレラは悪い空気(瘴気)から発生するとされていた。コレラ発生の謎解きに重要な役割を果たす少年・イールはもちろん創作だが、彼の活躍がスノウ説の証明に貢献したという、少年少女向き冒険推理小説である。

なぜこの小説が課題図書になったのか。コレラの原因が水であることをどうやって証明するのかと聞くイールに、博士は「わたしたちが頼りにできるのは、四つのW(when、Where、What、Who)なのさ」と答える。するとイールは「博士は五つ目のW、つまりWhyを忘れています」と指摘する。生意気な13歳の浮浪児だ。文章構成の基本は「4W1H」である。WhyはHowと同じようなものか。しかし、取材時では4Wが基本で、1Hはその結果考えることだから、この物語で博士とイールが取材(住民に聞き取り)するときは、博士の言う四つのWでいいのだけど。中学生はこのへんにも反応してもらいたいということだろうか。

コレラ発生のメカニズムについての謎解きは非常にスリリングだ。そして、博士の助手としてのイールは驚くほど優秀である。イールは博士と一緒に、その後ひとりでブロード街周辺の家々を訪ねて「4W」のインタビューを重ねる。手分けして調査した一日の手帳をみて、博士はブロード街の井戸水が原因だと確信を持つが決め手にはならない。遠く離れたところでコレラで死んだ人がいて、ほかの死んだ人たちとのただひとつの共通点が、同じブロード街の井戸水を飲んだという「突発的な例外」があれば、原因はそこにある。それを発見するイールの観察力、推理力、行動力はまさにヒーロー、大人でも楽しめる小説だ。

中学校で配布された「読書感想文の書き方」というプリントを見た。読書感想文は「読書の感想」をきっかけに、自分とのかかわりある問題を発見し、その問題を真剣に考えて書くことが必要だという。そして、ひとつの感想文を例にして、書き方のルールを示す。まず、心に残った部分の引用、簡単なあらすじ、自分の体験と感じたこと、気づいたこと、学んだこと、全体を通して深まった自分の考え、といったプロセスで書けという。とくに引用部分を中心にせよ、あらすじは少なめにせよという。とにかく、まず引用である。そんな読書感想文の書き方を強制している。変なの。いまの中学生は不自由だなあ。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4751524801/dgcrcom-22/
>
「ブロード街の12日間」


●今朝、編集長からメールをもらって驚く。まぐまぐニュースに著者の意図しない内容のタイトルがつけられ、誤解されたままTwitterやはてなで広がっている。事前に掲載原稿は見せてもらっていない。吉井さん、すみません!

ざっと見たところ、好意的な意見が多く、少しだけほっとした。良かったら擁護のツイート、リツイート、ブコメなどお願いします。数が多ければ、擁護意見や意図が、他の人の目に触れる機会が増えるのです。静観の方が良いと判断されたなら、そうしてくださいまし。

はてなである人が書いていた「ブコメの殆どはタイトルと1頁目しか見てないね。」に頷く。読めば意図はわかってもらえるだろうに、残念だ。

/AKB48の握手券、会場名がビックサイトになってる!/「セッション」覚えておこうっと。 (hammer.mule)

< http://www.mag2.com/p/news/27248
>
該当記事。元のタイトルは「例の件で、勝手にダメージ受けてるヤツがいます」なのになぁ……。