[3967] 「iUSBport CAMERA 2」でテザー撮影

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《いい意味のゾクッとする感覚があります》

■おかだの光画部トーク[141]
 「iUSBport CAMERA 2」でテザー撮影
 岡田陽一

■ところのほんとのところ[120]
 ココいただき! とは言ってても……
 所 幸則 Tokoro Yukinori




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■おかだの光画部トーク[141]
「iUSBport CAMERA 2」でテザー撮影

岡田陽一
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150901140200.html >
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2015年春に、アメリカ、ラスベガスで開催された「NAB2015」で、三脚をはじめとするカメラ関連用品のメーカー、マンフロットからおもしろいカメラ機器が発表された。

「DIGITAL DIRECTOR」という、一眼レフカメラと、iPadを繋ぐガジェット。一眼レフカメラを、iPadでコントロール可能にする。
< >

そのコンセプトに興味津々だったが、7月中旬に発売された詳細を見てみると、6万円近くする上に、わたしの持っているカメラも、iPad miniも対応機種から外れている。
< http://amzn.to/1MXNIB0 >

これを使おうとすると、カメラもiPadも新調しなければならず、かなりの出費になるので、ひとまず諦めた。

すると、7月後半くらいに、ネットで似たようなガジェットを発見。Mac関連のソフトやガジェットなどを販売する、act2から出た「iUSBport CAMERA 2」という機種がそれ。
< http://store.act2.com/hyper-drive-iusb-port-camera2-n.html >

デモ機をお借りすることができたので、手持ちの機材で使えるかどうか試してみた。
< https://goo.gl/photos/zx3SjMQXMZvg1fLSA >

似たようなガジェットと言っても、内容はまったく異なる。マンフロットの「DIGITAL DIRECTOR」は、iPad Airを装着するホルダーで、有線でカメラとiPadを繋ぎ、iPadでカメラをコントロールする。

一方「iUSBport CAMERA 2」は、カメラのフラッシュを取り付けるシューに取り付け、カメラに繋ぎ、iPadとはWi-Fi接続になる。
< https://goo.gl/photos/6TpWQFX7urYbMJyY7 >

その分、データ転送には少し時間がかかるが、iPadでもiPhoneでもAndroidでも、さらにMacでも、機種を選ばず使用できる。

使ってみた感想だが、ブツ撮り(商品撮影)などで使用すると、手放せなくなると感じた。

ブツ撮りのとき、普段はMacと一眼レフカメラをUSBで繋ぎ、Lightroomを使ってテザー撮影をしている。

商品の配置や、ライティングのチェックをする際に、カメラのファインダを覗くよりも、Macの画面で確認した方が、大きく細部まで見ることができる。

通常の配置なら、これでさほど苦ではないが、例えば、三脚で高い位置にカメラを設置し、ハイアングルで上からテーブル上の商品を撮る場合など、セッティングにとても苦労する。

Lightroomでのテザー撮影は、シャッターを切ることはできるが、その他の設定(フォーカス、露出値、露出補正など)はすべてカメラで行う。

なので、テーブルの商品を少し動かしては、脚立に登り、フォーカスを合わせシャッターを切り確認。これを何度も繰り返す。かなりの重労働だ。

この作業を、手元のiPadでできるので、もう脚立を登ったり降りたりする必要はなく、商品の配置をiPadで、ライブビューで見ながら可能なので、超絶にラクになる。

そもそも、Lightroomではライブビューで見ることはできないので、商品の配置やライティングのチェックも、毎回シャッターを切らなくてはいけない。

シャッターを切る

確認する

商品の位置を微調整

シャッターを切る

確認する……の繰り返し。

ライブビューで見られるということは、これをせずに手元のiPadの画面を見ながら商品を配置できるので、随分ラクなのがわかると思う。
< https://goo.gl/photos/4ZdGz9gNpx9w6ek39 >

ライブビューで確認できるだけでもラクなのに、フォーカスや絞り、シャッタースピード、露出補正など、ほぼすべてのカメラの機能がiPadアプリ側からコントロールできる。
< https://goo.gl/photos/c5151DT9BcJwAeUb7 >

Wi-Fi接続なので、データの転送で少しぎこちなく感じる部分もあるが、34,800円(税抜)なので、買ってみてもいいかもと思う。

他の使い方としては、寒空の下での天体撮影や、タイムラプスなど、カメラを外に設置して、自分は車のなかからコントロールして撮影なんてこともできそうだ。


【岡田陽一/株式会社ふわっと 代表取締役 ディレクター+フォトグラファー】
< mailto:okada@fuwhat.com > < Twitter:http://twitter.com/okada41 >

2015年、マンスリーで開催中の「CSS Nite in KOBE」。次回、Vol.13は、9月19日(土)に開催。

わたくし自ら「予算の少ないWebサイト制作案件のための素材写真撮影Tipsと写真の基礎」と題し、3時間じっくり、Webサイト制作で重要な素材写真についてお話します。

撮影が本職ではない、デザイナーやディレクターの方たちが、「使える写真」を自分で撮るために必要な、機材選びからクライアントとのコミュニケーション、商品や人物の撮影方法、段取り、撮影済み写真の管理方法、レタッチまで、さまざまなノウハウやTipsを時間のゆるすかぎりお伝えします。

予算の少ない案件で、プロのフォトグラファーに依頼できず、時間をかけて素材集を探しているようなWeb制作者の方は是非ご参加ください。
< http://cssnite-kobe.jp/vol13/vol13list/vol13outline.html >


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■ところのほんとのところ[120]
ココいただき! とは言ってても……

所 幸則 Tokoro Yukinori
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20150901140100.html >
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最近、オリンピックのエンブレムの問題で、あるデザイナーに関する記事を見ない日はない。

[ところ]は最初にエンブレムを見たときに、なんだかつまらないデザインだなぁという印象だけだったが、それがベルギーの劇場の盗用ではないかという話になり、そのベルギーの劇場はなんと王立だったということが報じられた。

あるデザイナーは弁明のプレゼンテーションをして、それを見た瞬間はそういうこともあるのかなぁと、いったんは思わされた。だが、そのあとある企業のトートバッグを盗用だと認めてから雲行きは怪しくなった。

だけど、それとこの件は別の話だなあというのが[ところ]の感想。

企業に頼まれ商品を売るためのポスターを作ったり、商品開発段階でのデザイン案を作ったり、どれもデザイナーの仕事だ。元々人がデザインして作ったフォントを選んで仕事をする人でしょう。

[ところ]は超一流企業とも少なからず仕事をしてきたが、彼らとの会話から、このネタ使えるなあとか、これパクれるとか、そんな言葉がよく聞こえてきたのを覚えている。

しかしその頃は、インスピレーションを得たという意味で使ってる人もいたし、じっさい学生の写真作品のアイデアをそのままで、超一流のプロ集団(カメラマン、スタイリスト、ヘアーメークアーティスト)の力を借りて、元の100倍良くして大企業の広告に使用している教授の姿なども見てきた。

それでも遥かに良くなってるから、学生の僕らはアイデアを利用されてることを怒ってはいなかったし、逆に自分たちのアイデアがそこまで良いものになることに夢を感じたし自信もついた。

今回の件で、そのデザイナーの仕事をいろいろ見せられる(SNS等で強制的に目に入る)ことになって、仕方なくつきあっていたが、そういった元のアイデアを、まったく違うレベルに引き上げたりしているように感じるものは、残念ながらなかった。

[ところ]が知っているような、50代〜60代のデザイナーは違ったと思う。つまらないけどおもしろい切り口をしたものを見つけたとき、僕ならこう展開させて面白いもの、かっこいいものにして行く、という人が多かった。

ココいただき! とは言ってても、やってることは噂の彼とは明らかに違ったのだ。

それは、商業広告の世界が予算を失い、魅力を失い、優秀な人材が他に流れていったという事情もあるのだろうし、企業が予算削減ばかり考えるようになり、噂の彼のような考え方で、安易で素早くお手軽にネットで探して持って来る便利なデザイナーをスターのようにもてはやし、作り上げて行ったのだと思う。

そして、二年前に銀座で開かれた20世紀モダン・タイポグラフィの巨人ヤン・チヒョルトの展覧会の旗やポスターにあるビジュアルのほうが、噂の彼の原案だという話も出てきた。

だからといって、最終案のデザインに似ているベルギーの劇場が黙っているはずもない。そういうものを真似て提出するだけの人だという評価が、より鮮明になっただけだ。

そして、広告写真家も今同じような状況に置かれているんじゃないだろうか。[ところ]が2006年に決別した世界だから、細かい変遷はそんなによくはわからないけれども。

写真を盗用したらあまりにすぐわかってしまうから、そこまでは行っていないかもしれないが、例えば2010年に上海のギャラリーで開催された[ところ]の個展「上海1秒」のメインビジュアルは、まったく知らない、縁もゆかりもない人に使われていました。

この人、N◯Tの「ド◯モ国際事業部担当部長」だったらしいことがわかっちゃいました。著作権や個人情報に一番気をつけなきゃいけない、元日本の通信のフラッグシップだった会社の人だけにがっかりですよね。

すでに彼のブログの表紙は、上海の友人の指摘で直していますが、スクリーンショットを撮ってあるので、これが証拠。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2015/09/01/images/001.jpg >


さて、ところの新作写真集が発売になったばかりですが、ここで買えます。
< http://blog.livedoor.jp/sokyusha/ >
< http://www.amazon.co.jp/dp/490412054X/ >

丸山直樹さんの感想は的を得てるなと思ったので、紹介します。

週末に写真家・所幸則氏の新しい写真集「アインシュタインロマン」を手にいれました。ファウンディングでも応援していたので、とても楽しみに期待していました。前回の「ワンセコンドSHIBUYA」に比べ、サイズが大きく迫力が凄いです。

内容ですが新幹線に乗った写真家が、秒速83.333mの高速移動体となり撮影しています。見慣れた景色が、高速移動体の視点で変容していく様がとても新鮮で、驚きを伴った感動があります。それに対して遠くの変容しない景色、神々しい富士との対比が従来の風景写真とは全く異なる、新しい美しさを見せてくれます。

今回の作品の中で最も心に残ったのは、高速移動体の視点で造形が変容し、見たことも無い造形もしくは痕跡のみが撮影された作品群です。

表現出来る言葉が上手く選択出来ないのですが感動と表裏一体、いい意味のぞくっとする感覚があります。

思ったのは、統一理論の候補である超ひも理論でいう十次元の普段見えていない次元の片鱗が、この新しい芸術写真表現で我々の前に現れたのではないか。この写真集は、芸術写真のみならず実証物理学の写真集でもあると感じました。

この様な新しい世界に導いてくれる写真家は、揺るぎない孤高の視点とタイトルにもある、ピュアなロマンスを持つ方だろうと思いました。


●PARADOX ─ TIME アインシュタイン・ロマンスをめぐる冒険 ─
Yukinori TOKORO 所幸則写真展
会期:2015年7月1日(水)〜 9月25日(金)10:00〜19:00 入場無料
会場:ESPACE KUU 空(エスパス・クウ)東京都豊島区西巣鴨3-20-1 大正大学5号館一階
< http://taisho-kuu.tokyo/ >


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/ >
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/ >


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編集後記(09/01)

●昨日はほぼまる一日、「MAG2 NEWS」のデジクリ記事転載の収拾にあたった。「MAG2 NEWS」が転載した吉井宏さんのテキストのタイトルが、元タイトルとはまったく違っていた。それは吉井さんの意図とは大きな隔たりがあった。内容をよく読まずに、タイトルだけで吉井さんを非難する声がネットにあがった。「MAG2 NEWS」編集部に申し入れて、タイトルを元に戻し、文末にお詫びを入れることで決着した。吉井さんには多大なご迷惑をおかけしてしまったことをお詫びいたします。「MAG2 NEWS」のお詫びと訂正は以下の通り。  (柴田)

※デジクリ編集部および著者の意図とは大きくかけ離れたタイトルを使用して申し訳ありませんでした。誤解を招くことのないように、オリジナルのタイトルに戻しました。  


●この頃あきらかに怪しい危ないメールが届く。昨日は「キャッシュバックサービスATM」って件名で、「ATMご利用100万回目ありがとうございます。100万回×10円=1000万円のキャッシュバックが…」続きはこちらと誘導するが、そんなのひっかかる人がいるのか。また、同じ送り先から「対象のお客様に重要なご連絡が御座いますので、大至急以下の詳細をご覧下さい」とか。先日は日本郵更(郵便にあらず)から、不在通知が来た。またガス会社から、ガスを止めたが以下に送金すればガスを送るという。いろんな銀行からも来るが、メールアドレスを見るとあきらかに変。年寄りだと思って甘くみるでない。

この頃あきらかにテレビがうるさい。前にも書いたが、高校野球の実況アナの絶叫がたまらなくうるさかった。そして世界陸上、これの実況もとにかくうるさかった。必要以上に絶叫する。前からこうだったかなあ。視聴者はそんなことを求めていないと思うが。高橋尚子のしゃしゃり出る解説もうるさかったな。ニュース番組の女子アナがうるさい。妻もその類いの騒々しさが大嫌いで、リビングでときどき大きな声で「うるさい!」と叫んでボリュームを下げているが、通路側の窓を開けているときにそれをやられると、通る人はわたしが妻に叱られていると思うに違いない。昔の妻、昔のテレビはこんなじゃなかった。

この頃あきらかに天候が悪い。もう何日曇り&雨が続いているのだろう。あの猛暑から一転、ときどき長袖が必要になる。10月下旬の気候だという。雨がやんだら急いで図書館や買い物に走る。どっぺるぎゃんがーで二〜三時間の遠出をしたいところだが、この天候では不可能だ。それでも雲の切れ目を狙って、新河岸川(隅田川の上流)沿いの道を走ってみた。水辺の公園でヒーロー戦隊ものらしきテレビのロケが行われていた。ひとりのヒーローが、高いスタンドの上から体をひねりながら何度も飛び降りるさまを撮影していた。かつてわたしが開発した、TVCM撮影現場取材のことをなつかしく思い出した。 (柴田)


●昨日の件というか、まだ進行中の件。まぐまぐはタイトル変更してくれた上、お詫び文。真摯な対応をしてくださる方々だった。しかし覆水盆に返らず。なかなか伝わらなくて悲しい。

この世にパクリを擁護する人なんていないだろう。大多数の人は、他人が擁護したって自責の念に駆られる。ついパクっちゃったことを後悔するだろう。第三者としては、犯罪と同じく推定無罪。決定打が出るまでは様子見。あとで、私が間違っていたよ誤解してたよごめんね、とは言いたくないから。子供の時にやっちゃって苦い経験しているから。

私がたとえパクっていなくても、大勢で吊し上げられたら逃げ場がない。証拠はない。主張できるのは時系列ぐらいで、知りうることがなくても、先に発表されていたら、認めてもらえるかどうかはわからない。

裁判官、弁護士、鑑識官はいない。えん罪だった場合の恐ろしさは想像に難くない。商標登録なんてしない仕事、弱い立場がほとんどなので、逆に大衆に守られることになるのかもしれない。今回のは証拠を探し出す人たちがいて凄いと思う。

影響を受けること、参考にすることはあっても、結局はその人のテイストになる。ところさんの意見に頷く。そうなの、凄い人がやると昇華されちゃうの、劣化にはならないの。まぁどんな人であっても、アイデア盗用されたらアレですが。聞いたことを忘れて、自分のアイデアとして発表するのは老化現象なのかもしれませんけど(いつか行く道)。

個人的には、似通ったものがあったので別のにしますね〜商標的には問題ないんですけどね〜これからずっと使うものなんで、で良かったような気はする。発表後すぐに疑惑が出たから、即対応できたんじゃなかろうか。次点作品はあっただろうし。疑惑の人がギブアップしたくても、組織が許してくれないのでは? とは、下種の勘繰りでやんす。

制作側は権利はクリアしてようが、似たようなのがあったら嬉しくない。ロゴなんて似たようなのがゴロゴロしている(シャレではありません)。出発点やゴール、意図が違うものなら主張するけれど、そこで勝っても結局は負けに思える。企業やイベントのロゴを提案する時には、決定権のある人が気まぐれで意見を言われるので、変更には慣れっこだ……涙。 (hammer.mule)