[3969] モノ作りシェアオフィス開設計画とヒカラビタノスタルジー

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《いつでも好きなだけ食べてくれていいのよ》

■ショート・ストーリーのKUNI[180]
 太りゆく男
 ヤマシタクニコ

■3Dプリンター奮闘記[65]
 「モノ作りシェアオフィス開設計画」と「ヒカラビタノスタルジー」
 織田隆治




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■ショート・ストーリーのKUNI[180]
太りゆく男

ヤマシタクニコ
< https://bn.dgcr.com/archives/20150903140200.html
>
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おれの友人の一人である中川へ。間違った。おれの一人しかいない友人である中川へ。

この手紙をおまえが読むとき、おれはもはやこの世にいないかもしれない。

何を言ってるんだとおまえは言うかもしれない。冗談はよしこと言うかもしれない。だが、冗談ではない。

おまえとは家が近所同士、しかも同い年だったせいで生まれて47年間友だち同士だった。とはいえ、ここ数年はおれが失業して家にこもっていたりしたせいであまり交流もなかったが、友だちというとやはりおまえの顔しか浮かばない。

おまえをおちょくるつもりはない。これはまじな話だ。

おれが佐知子と出会ったのは一年ほど前だ。ハローワークに行った帰り、駅前でなんとか祭りというイベントをやっていて、下手なバンドが演奏していたが、ひまだし無料だし椅子もあったので、つい座ってぼうっと見ていた。

すると、誰かがおれを‥‥じっと見ているのに気がついた。ねっとりからみつくような視線というやつだ。ちらと見るとおばさんと言っていい年齢の女がいた。なんだ、と思い、おれは無視した。

ところが、それ以降その女に何度も出会う。図書館で、スーパーで、コンビニで。何回めかで、向こうから話しかけてきて近くのカフェに入った。カフェラテをごちそうしてくれた。それが始まり。それが佐知子というわけだ。

最初は、なんでこんなおばさんと、と思ったが、人間、なんでもすぐ慣れるもんだ。だんだん、面と向かって話していても、まあこの女でも特に問題ないよなと思ってるおれがいた。だいたいおれたち、もう年だし。選り好みできる立場じゃないし。それで、あっという間におれたちは一緒に暮らし始めた。

え? 自慢しているのかって? いつまでも冴えない中年独身男同志だったのにひとりだけ抜け駆けしてうれしいのかって?

自慢できるものならそうしたいところだ。だが、わくわくするような恋愛を経て同居を始めたわけではないし。

おれはまったく手詰まりだった。定職を持たず、親はとっくに亡くなり、きょうだいもいない。このままだとアパートの家賃も払えなくなる。

そこへ何故かおれを気に入って、一緒に暮らそうという女が現れた。のってみるか、と思ったんだ。わかってくれるよな、中川。おれたち47歳なんだし。

佐知子は年齢をはっきり言ってくれなかったが、おれより少し年上だと思う。50を過ぎているかも。かなり過ぎているかも。わからない。

仕事はしていないが、よく出かける。生活には謎が多いが、あえて聞かないようにした。こっちもあまり言いたくないことがいろいろあるから、お互い様だ。

そもそも、ずっと一緒にいようと固く決心したわけでもない。簡単に夢をみられる年じゃない。だけど、夢をみられたらいいなあ、ひょっとしてみられるのかなあとは思ったんだけど。わかるだろ、中川。

一変したのは食生活だ。佐知子は一日三食、しっかり食べさせてくれた。

おれは朝昼兼用でパンとかラーメン、夜は弁当をスーパーで買ってくるとか、たまに飯を炊いてレトルトカレーをぶっかけるとかだったけど、朝から脂のしたたるベーコンのにおいで目が覚める。

昼はがっつりカツ丼とかハンバーグだったりする。そんなものはおれにすれば一日一回のごちそうなわけだが、夜は夜でまた豪勢な料理が並ぶ。

へたに手の込んだ趣味的な料理ではなく、ふつうにうまく、ボリュームがある。おれは信じられない思いでエビフライだのシチューだの何たらソテーだのを、とにかくばくばく食べた。佐知子はそんなおれをにこにこほほえみながら眺めていた。

──うれしいわ。そんなにおいしそうに食べてくれて。

デザートは冷蔵庫に各種常備されていた。濃厚なアイスクリームやプリン、まんじゅう、アップルパイ、バターサンドクッキー等々。

──いつでも好きなだけ食べてくれていいのよ。

言われるまでもなく、おれは食べた。先がどうなるかは知らない。いまはとりあえず、食えるのだから。

当然ながらおれは太った。家の中に体重計はなかったが、測るまでもなかった。働きもせず毎日食って寝るの生活で太らないはずがない。

ズボンはきつくなり、新しいズボンを佐知子が買ってきた。それもたちまちきつくなったというと、すぐに新しいのを出してくれた。そうなるのを見越して何本かサイズ違いでまとめて買ったものらしい。

おれの腹はどんどん出てきた。さらにおれは食べ続けた。腹はますます出てきた。もはや見下ろしても巨大な腹で足下が見えない。そんなおれを佐知子は相変わらずにこにこと見守っていた。

──もっと食べてね。遠慮せずに。

佐知子は風変わりな女だとは思っていた。時々ぼんやりとあらぬところを見ていたりする。ゴキブリを殺して、その後素手でつかんで捨てたのには若干驚いたが、そういう女もいるだろう、いてもおかしくないと思うことにした。

あるときはひとりで台所のテーブルに向かって一心に何かしているので、覗き込むと黒い人形のようなものが見えた。

なんでも、自分の抜けた髪をたくさんためておいて、それをなんとかいう接着剤のようなもので固めてオブジェを作っていたらしい。

おれは若干薄気味悪いと思ったが、まあそういう女もいるだろうと思うことにした。滅多にいないだろうけど。創作に興味を持つ人間は普通の人間と違うところがあるもんだ。人形はその後どうなったか知らない。

おれはさらに太った。腿がふれあうのでどうしてもがに股になる。上腕部も太くなり、自然と脇を広げたかっこうになる。ああこんなやつが学生時代の仲間にもいたよなと思う。名前が松本で、陰で「ぶたまつ」といわれてたっけ‥‥。だが、佐知子はそんなおれをますます好ましそうに見ていた。

──すてき。

そしておれの、まるで女のようにふくらんだ乳をなで、たぷたぷの腹をさするのだ。

何かおかしいと思っていた。普通に考えておれの今の状況はありえない。なのに、どういうことなんだ。

振り返ってみれば最初のうちは、おれの中で佐知子についてどこか警戒するところがあったと思う。なのに警戒心が食欲に負けたとしたら、ばかすぎるじゃないか。

それ以上に不安もあった。おれの父親は糖尿病を患っていた。最後はいろんな症状が出てきて何が直接の死因かわからない状態で死んだが、目がよく見えないと言ってたりしたそうで、糖尿病はかなり進行していたようだ。

母親は心臓病でなくなった。日頃から血圧が高かった。自分にもそういうやばい可能性があると思うが、かれこれ20年以上も健康診断を受けたことがない──そんなことを考えるとなんだかぞっとする。

ある日のことだ。ふだん新聞もろくに読まない、ニュース番組も見ないおれが図書館でたまたまひとつの新聞記事を見て驚いた。

それは某大学の水産学科が、ウナギの味のするナマズを開発したという記事だった。環境を整え、餌や水を工夫することで、ナマズをウナギそっくりの味に近づけることができたというのだ。

餌でナマズがウナギ風に? あるのかそんなこと? ナマズ、馬鹿すぎないか? 何も考えずそんなものを食べさせられて、ナマズとしてのプライドはどうなる!──おれははっとした。にわかにおれの鼓動が早まった。

急いで家に帰ると運良く佐知子はいなかった。おれは今まで佐知子の持ち物を探るなどということはしたことがなかったが、初めて、タンスの中から化粧道具入れまで、震える手で、開けたことのないところを開けまくった。何かの手がかりを求めて。

ガサッと音がして、ひきだしを探っていたおれの手元から箱が滑り落ちた。中身が散らばった。それは何枚かの写真だった。

おれとそっくりの中年の男たち。どいつも小太り、どころではなく明らかに太っている。おれと同じように丸顔で、色白。肌がもち肌っぽい。

他人とは思えないほどおれに似ている。髪は長めでやや癖毛。これも同じだ。みんなめがねをかけている。おれがかけているのとは少し違って、黒縁の四角い、最近では少なくなっている型だが。

そんな男が6人‥‥写真を裏返すと名前とともに年月日と、年齢はかっこでくくられて記入されていた。何なんだ、何を意味するんだ、この年月日と年齢は‥‥。

おれはその場で固まってしまった。佐知子は、こういう男が好みだったんだ。男を連れ込んではどんどんえさを与え──おそらく過去の男たちに与えたのと同じレシピを使っているにちがいない──自分好みのおっさんに育てて、楽しんでいたのだ! 

おれはナマズか! そして、その男たちはその後、どうなったんだ‥‥。

おれの額からたらたらと冷や汗が流れた。気分が悪い。なんだか吐き気までする。いや、単に食べ過ぎかもしれない。そのとき、帰ってきたらしい佐知子の声が、玄関のほうから聞こえてきた。

「ただいまー。いるの? ねえ、めがね買ってきたのよ。四角い黒縁の。これ、きっと似合うと思うの。ちょっとかけてみて‥‥」


この手紙をおまえが読むとき、おれは絶対この世にいない気がする。おれはばかだった。せめておまえだけは、おれみたいことになるな。おれたちにそうそううまい話があると思うな。食い物につられるな。それだけは言っておく。

おれの一人しかいない友人、中川へ。


【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
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私には珍しく朝の7時に起きて出かける支度をしていたら、どこからか(団地の物音ってどこから聞こえるのかわかりにくい)洗面器を使う音がする。はっ。朝風呂?! そうか、世間には朝風呂してる人もいるんだ‥‥朝の苦手な私には未知の領域だけど、なんとなくよさそうな気がした。一度やってみようかな? て、できるのか?


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■3Dプリンター奮闘記[65]
「モノ作りシェアオフィス開設計画」と「ヒカラビタノスタルジー」

織田隆治
< https://bn.dgcr.com/archives/20150903140100.html
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さて、夏休みというモノも世間では終ったようです。僕も、今週から専門学校の授業に行ってきましたよ。

という僕は、結局休みはなかったわけなんですが、まあ、僕みたいな一人親方の仕事をしている身には、仕事が切れない、ということは非常にありがたいことでございます。

とはいうものの、少しは休みました! 夕方まで仕事をして、そのまま実家へ行き、夜ご飯を食べた後、朝事務所に戻ってくるという強行休み……。まあ、少しは休みましたとも。

ということで、ここのところバタバタしているのですが、本来の仕事とは別に、新しい動きをしています。

まあ、仕事といえば仕事なんですが、今度、新しく大阪市内、四ツ橋駅近くにオフィスを立ち上げることになりました。今現在、大阪市内、四ツ橋にあるシゴトバBASEというシェアオフィスがあり、その下階に立ち上げ予定です。

そのオフィスとは、簡単に言ってしまうと、「3Dプリンター、レーザー彫刻機を備えたシェアオフィス。」なんですが、「そんなん普通の「FabLab」みたいなモンやないか」と言われそうですが、少し違います。

熱融解式(FDM)のプリンターと、光造形プリンターを置き、会議室、5坪ほどのスペースを区切り、そこに会社、又は個人事業様に入居して頂きます。

基本的に僕の工房事務所に移設して、3Dプリンターやレーザーの取り扱いや、後の工作等をサポートしていく感じですね。

そこでは、基本的にモノ作りから販売まで、すべてをサポートする形を取っていくつもりです。

3Dプリンターで出力しっぱなしではなく、3DCADの講習から3Dプリンターの使用方法、その後の加工方法、商品開発、製造、webサービスでの販売まで、すべてをサポートして行く、結構これが今までなかった画期的なスペースになるはずです。イラストや図面から3Dプリンターにて立体化するサービスも入れて行く予定です。

基本的に、設計から試作、販売までをトータルにサポートしていくシェアオフィスで、モノ作りを支援する場所になると思います。

年内に箱をそろえ、来年1月には入居して頂けるよう、今色々な方や会社様と手を組んで進めています。

内装プランは完成し、プリンターの選定も終りました。9〜10月に200平米ほどのスペースに内装を作り上げ、11月にはすべての設備を整え、テストスタートを開始します。

先だって、3DCADライノセラスの初心者からの講義も決まり、続いて色々なソフトの講習も企画していて、9月半ば〜末から初心者コースからスタートし、金型データの制作くらいまで体験出来る90日コースを設定してます。ライノの次はzbrushあたりを予定してます。

詳細は次回のデジクリで紹介できると思います。ご興味ある方は僕までご連絡くださいませ。

< http://www.f-d-studio.jp/contact.html
>
こちらのフォームから連絡頂けるとありがたいです。

ということで、学校の話に戻りますが、いま学生さんには、デザイン、設計、3DCADでモデリング、3Dプリンターでの出力、仕上げなどをトータルで教えています。

今教えている大阪コニュニケーションアート専門学校とは別に、短期で先日は大阪モード学園さんで特別講義をやらせていただいたり、明日から三日間、母校の大阪芸出大学でも、3Dプリンターで出力したものの仕上げ等の短期講義&実習もやらせていただくことになりました。

三年前から筑波大学でも、3Dプリンターについての講義を毎年行わせていただいていましたが、今年から新しく学内に工房を設置し、そこでの実習にも参加することになり、今色々と準備を行っているところです。

僕みたいな、中途半端なオッサンなのに、本当にありがたいことです。学校で教えるなんて、全然イメージしてませんでした。

僕なんかが人に何かを伝えることなんてできない、と思ってましたから。でも、ちょっとしたきっかけで、こうやって人に物を伝える仕事をやらせてもらい、その面白さに初めて気がついた中年親父です。

僕ら世代が小さい頃、ガンプラブームがありました。それから、サーキットの狼とかが流行して、スーパーカーブームもあり、プラモデルを作ることがすごく楽しかったものです。

当時、プラモデルも凄く高価だったので(というか、ガキんちょだったんで、お小遣いではなかなか買えない)プラモデルキットを頑張って作ってみたものです。

当時のプラモデルキットは、全然パーツが合わなかったり、全然形がイメージと違っていたりしたので、自分なりに改造なんかしちゃって、結局すごく不細工なものが出来上がったりするわけですが、そういう出来、不出来は別とした「自分なりに工夫する」ことが多かった気がします。

凧あげやコマなんかでも、高く上がるように、よく回るように、という改造なんかもしてました。ちょっとした「不自由さ」が、創意工夫していく原点だった気がしてます。

今のプラモデルは非常に出来が良く、そのまま組んでもすごく良いものが出来上がってしまいます。構造はすごく難しくなりましたけど(笑)創意工夫をしなくてもいいようになってます。

そりゃあ、そのすごく良いものを、自分なりに創意工夫して、もっとすごいものを作る強者も沢山いるわけですが、そういうことがやり易かった時代なんでしょうね。

道具も今は凄く良いものが沢山出ています。僕らの時代は「肥後の神」とか(笑)使って竹ヒゴとかで凧作ったりしてましたよね。「昔は良かったなぁ」というオッサンの「ヒカラビタノスタルジー」なんでしょうかね。

でも、そういう機会を今の子供に与えてやることで、今の子ももっと色々と経験していくんじゃなかろか、なんて思ったりしてます。もっとジジイになったら、そういったこともやってみたいなぁ。


【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
oda@f-d-studio.jp
< http://www.f-d-studio.jp
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編集後記(09/03)

●舞の海秀平「なぜ、日本人は横綱になれないのか」を読んだ(WAC、2015)。その答えは凡庸、「相撲に対する情熱と工夫が欠如している」「ハングリー精神のなさ」など予想通りだった。けっこう話はうまい人なので、各地で講演しているようだが、この本のタイトルはどこへ行っても必ず聞かれる、一番多い質問だという。その模範解答がこの本だ。とはいうものの、本文中ではわずかなページしかない。半分以上が自身の経歴と現役時代の経験談で、核心のテーマは全体の1/4くらいである。この本のタイトルは誇大広告みたいなものだが、大相撲愛好家にとってはかなり楽しめる本だ。

モンゴル出身の力士には「もっと上にあがって、たくさんのお金を稼ぎたい。家に仕送りして親孝行したい」という気持ちがある。国民総所得でモンゴルはだいたい日本の1/10だから、モンゴルの力士が関取になって月給100万円貰えれば、国に戻ると日本人にとっての月給1000万円レベルの生活ができることになる。番付を上げてもっと金を稼ぎたいというハングリー精神がある。もともとモンゴルには日本の相撲に似たモンゴル相撲があるから、大相撲に馴染みやすい。それに比べると、日本人力士が上を目指す原動力が弱いのも当然だろう。大相撲が経済的にそれほど魅力を感じない世界になっているからだ。

ビジネス面から見た大相撲についての考察はなるほどと思う。サッカーJ1リーグは年間600億円、プロ野球はトータルでおよそ1000億円の規模といわれる。それに比べて大相撲は100億円程度と小さい。国内のプロ野球では1億円プレーヤーは70人ほど、サッカーは10人ほど、大相撲は白鵬一人しかいない。夢=金という風潮の中で、若者が力士になりたいという夢はもちにくい。それでもあえて聞く、日本人横綱が出るためにはどうしたらいいのか。まず大相撲にいい素材がはいってこなければだめだ。もって生まれた素質と、とにかく外国人には負けられんという、強い精神力を持った若者でなければ横綱にはなれない。

あきらかに貴乃花あたりまではあった「外国人なにするものぞ、日本の土俵でのさばらせてたまるか」くらいの気概がなければダメだろう。そんな若者、ぜひ現れてほしいものだ。いい素材を待つとともに、いまは稀勢の里と豪栄道の奮起を期待するしかない。気概があるのかないのか、取りこぼしが多い二人だが。舞の海が注目するのは、十両の石浦と阿炎だという。九月場所では彼らの相撲も見てみたいが、十両下位だからテレビに映るかどうか。今までは午後5時以降の役力士が登場するあたりからテレビを見ていたが、大画面で初めて見る九月場所では、放送開始あたりもチェックしてみたいと思う。 (柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4898317189/dgcrcom-22/
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「なぜ、日本人は横綱になれないのか」


●Ingress続き。細かな仕様はあって、たとえばハックは一度やると5分間は同じところでやれない。5分後にまたやるとして、4回まではできるが、それ以上は4時間後にリセットされるまでできない。

でも5分おきに4回って20分かかるわけで、道ばたでぼーっと待つなんて無理。暇すぎる。なので、すぐそばの別のポータルに行ってハックすることになる。

画面に見えるそのポータルをタップすると、見たことのないお地蔵さんが現れる。音声ナビがあって「西に60メートル」などと、そこの位置を教えてくれる。普段通らない道を通り、知らない風景に出会える。

あら、この先にもポータルがあるわと移動してハック、あらまたこの先にもあるわと近づいてハック。キリがない。徒歩5分のスーパーに行くはずが遠回りしてしまい、1時間かかることだってある。そうこれこそがIngressが「健康にいい」「ダイエットになる」の理由なのだ。とにかく歩く。

これは大阪市内だからかもしれない。郊外に出てみたら、隣のポータルまでの距離が1km以上というのもあって、ジョギングするか、自転車や車がないと遊べなさそうだった。続く。 (hammer.mule)