[3992] 自分でできる肩こり・腰痛対策

投稿:  著者:  読了時間:15分(本文:約7,100文字)


《手ずから焼いた目玉焼きは極上のキャビアに勝る》

■私症説[74]
 自分のやったこと全部ステキ
 永吉克之

■晴耕雨読[16]
 自分でできる肩こり・腰痛対策
 福間晴耕





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■私症説[74]
自分のやったこと全部ステキ

永吉克之
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20151009140200.html
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「音楽や詩も自分が作ったものが一番好きです。他の作品にはあまり興味を持っておりません」

これは、水玉模様で毎度みなさまお馴染みのアルティスト、草間彌生が、新聞のインテルヴューで「好きなお食事や音楽は」と聞かれて、ぶっ放したコメントである。

記事のソース http://bit.ly/1N4CaOr

                *

私が20代の頃だから、地球〜木星の距離ほど遠い昔のこと。日本列島の東部、太平洋を臨む地方自治体のひとつに東京という都市があるが、そのなかの狛江市という、電車の駅がふたつしかない、こぢんまりとした市に住んでいた頃、草間彌生が動いているところを実際に見たことがある。

といっても、狛江市の和泉多摩川商店街で草間彌生が高菜漬けを買っているのを見たというのではなくて、私が狛江に住んでいた頃に、都内の美術館で草間彌生を見たという意味である。

東京には23の区に分けられた特別区が設けられている。ちなみに大阪市は24区ある。1区勝ちだが、私は堺市の住人だから、そんなことはどうでもいい。

そのなかに渋谷区という、映画にもなった「忠犬ハチ公」の像が駅前に立っている区がある。で、そこにある松濤美術館に行ったとき、たまたま草間彌生の講演があり、その傲慢とも思える発言に圧倒されたのを憶えている。

50〜60年代。ニューヨークで当時の先鋭的な現代美術家たちがくんずほぐれつしながら制作していたのに混じって彼女が発表した作品が、なかでも先鋭的であったということを主張すべく、吼えた言葉が、

「あたしはジャクソン・ポロックをぶっ飛ばしたのよ」

である。私もまだ若くて記憶の確かな頃だったから、30年以上も経ったいまでも鮮明に思い出せる。あのジャクソン・ポロックをぶっ飛ばしたとは、そこまで言って委員会と、他人事ながら心配したものだ。

「去るものは日々に鬱陶しい」という諺がある。しかしジャクソン・ポロックの死後、ほぼ60年経つが、いまだに回顧展などが開催されるほどのレジェンダリーな芸術家である。

すでに国際的名声が確立されている故人をぶっ飛ばすのは勇気がいる。松濤美術館での講演の時点で、すでに死後30年近く経過していたはずのポロックをぶっ飛ばしたと公言して憚らないのだから、この人の自画自賛レベルも手前味噌レベルも並はずれている。

てなわけで冒頭のコメントであるが、私はこれを読んで、やっぱりアルティストとはそういうものなんだなと、サウイフモノニワタシハナリタイと、というか、そういや僕もそうだなと、斯く再認識したのであった。

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私が俳優モドキをしていた頃、自分が出演した映画やドラマがテレビで放映されると、2秒くらいしか映らないエキストラでも必ず録画し、自分が映っている場面以外はすべてカットしてできた超短編ドラマを繰り返し見て、陶酔していたものであった。

「手ずから焼いた目玉焼きは極上のキャビアに勝る」(F.ウッズワース)

……という格言はいま私がでっち上げたものだし、F.ウッズワースなる人物も捏造だが、私が自分が出演している映像に陶酔するのも、草間彌生の「音楽や詩も自分が作ったものが一番好きです」も結局、手ずから焼いた目玉焼きなのである。考えてみれば実に単純かつ一般的な感情なのだ。

眉目麗しき他人の餓鬼よりも、不細工でもてめえの血を引いたご子息の方が可愛いというわけだ。そういう人類普遍の自己愛をついたウッズワースの格言はこれからも生き続けるであろう。

                *

実は私も「他の作品にはあまり興味を持っておりません」の部類に属する人間なのである。以前は、これはと思う展覧会があると東京にでも観に行っていたものだが、近年は、近所の美術館にすらめったに足を運ばなくなった。

もちろん他の作品から学ぶことを疎かにしてきた罰は受けている。それは、審美眼が曇ったまま磨かれずにいまに至ってしまったということだ。

たまぁーに京都あたりまで美術展を観に行っても、高い交通費使ってわざわざ来るほどでもなかったな、でもまあ気晴らしにはなったしFacebookに投稿するネタくらいにはなるかな程度の収穫で帰ってくる。多くのものを学び損なっているはずだ。

草間彌生をぶっ飛ばすつもりはないが、彼女の作品を見てもほとんど興味が湧かない。試みは面白いと思うのだが、それが感動を生むまでには到らない。それとも、感動できないのは私の審美眼が曇っているからなのか?

私は自分の作品を見ている方が好きだ。小説だって、ドストエフスキーよりも、自分の小説の方が興味深く読める。何度読んでも飽きない。よくこんなものが書けるもんだといつも感心する。一度でいいから作者に会ってみたい。どんな人なんだろう。案外、平凡な人だったりして。

音楽でも、MacのGarageBandで作曲した曲やみずらから演奏したギター曲を何度かYouTubeにアップしてFacebookで共有したりしていたが、いずれも視聴回数が屈辱的なまでに少なかったので、いまでは非公開にしている。

しかし曲自体は非常に優れているのだ。だから削除はしていない。曲は、いずれ私の真価が認められたときに、ドヤ顔で再公開される日を待っている。

                *

YouTubeでこんな映像を見つけた。

「草間彌生〜わたし大好き〜」(2008年)ドキュメンタリー映画(予告編)


このなかで「自分のやったこと全部ステキ」とまで言っているが、アルティストはこうでなきゃいかん。

だいたい、自分の作品を第三者の視点から冷静に見るなんてアクロバティックなことはできない。それは、目覚めていながら幽体離脱して自分の行動を観察するようなものだからだ。

そんなことをしとったら、アルティストなんかやってられまへんで、正味の話が。自分に対して親バカになれるよって、こんなこと続けられるんや。


【ながよしかつゆき/戯文作家】thereisaship@yahoo.co.jp
・ここでのテキストは、ブログにも、ほぼ同時掲載しています。
無名藝人  http://blog.goo.ne.jp/nagayoshi_katz

・『怒りのブドウ球菌』電子版 前後編 Kindleストアにて販売中。
Kindleストア  http://amzn.to/ZoEP8e

・連載中の『徒労捜査官』更新しました。第11話《闇組織の策謀》週2回(火・金)の掲載でスタートしたこの連載ですが、そのペースだと年を越してしまうということを発見したので、週3回(月・水・金)にしました。
http://ironoxide.hatenablog.com/


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■晴耕雨読[16]
自分でできる肩こり・腰痛対策

福間晴耕
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20151009140100.html
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●椅子とモニターの問題

デスクワークを生業にしている人の多くが悩まされている腰痛と肩こりだが、最近いくつかの事を気をつけるようにしてから、これらに悩まされたことはない。そんな訳で本当に役に立っているのかは分らないが、自分なりに気をつけている事を書いてみたいと思う。

まずは椅子の話からいこう。そもそもデスクワークが多いPC相手に仕事をしている人は、普通に勤務したとしても一日8時間、下手をすると12時間近く椅子に座っている訳だから、1にも2にも良い椅子を選ぶ事は重要だ。

本当は椅子について書くだけでこのコラムが終わってしまうのだが、結論からざっくり言えば、最近のオフィスチェアは良くなったので、それなりのお金(5〜6万以上)を出せばひとまず問題はないだろう。

大切なのは適切なサイズを選び、「ちゃんと調整して座る」ということだ。有
名なアーロンチェアーをはじめとして、高性能オフィスチェアは実に多くの箇所が調整出来るようになっているにも関わらず、意外に高さぐらいしか調整せずに、後は買ったままの設定で使っている人が多いからだ。

それとついつい多用しがちなリクライニング機能だが、椅子に座って休憩している時と、仕事をしている時では最適な角度は違うので、面倒でもその時のモードによって切り替えるか、それが面倒なら最近多くある、体重をかけた時だけリクライニングする設定にして使うことをお勧めしたい。

そして椅子が何とかなったら、次に金をかけるのはモニターだ。モニターが何故腰や肩に関係するかといえば、簡単な話で、要はちゃんと見えなければ姿勢も崩れそれが腰や肩にくるからである。

そういう意味では、実は創作環境では流行りのミニノートは小さすぎる。よくスマホをいじっていて姿勢が悪くなっている人が多いという話を聞くが、創作環境ではミニノートでも当てはまる。

とはいえ、大きなマルチモニターはそれはそれで大きな問題があって、設置場所を取る上に位置調整が面倒くさいために、ついつい置けるスペースの都合で実は目に良くない、作業しにくい距離や場所になっているケースが少なくない。

またタブレットを使う人だと、キーボードと合わせてタブレットのスペースも確保しなくてはいけないので、ますますモニターを置く場所が狭くなるという問題もある。

これを解決する方法として、モニターアームがある。調べてみると分かるが、今はモニターアームも良くなって、以前よりもずっと安い値段で高機能な物がたくさん出ている。

一度使ってみると分かるが、何よりもかっこ良いし、その便利さから手放せなくなること請け合いだ。

と、ここまで書いておいて何だが、そうは言っても仕事で使うパソコンや椅子は会社のものなので、自分ではどうにも出来ないと言う人も多いだろう。自分も自宅の仕事場はともかく、出先で作業することが多いので実は同じ状況だ。

●ストレッチと筋力トレーニング

そんなわけで、今度は自分でできる腰痛・肩こり対策についても書いてみたい。

最初の注意として、先ずは自分の状態を把握する事である。これは自分の体験だが、長年モニターを眺めているとひどい頭痛がする。それを放置していたところ、調べてみたら緑内障に羅患していて眼圧が24(通常は10〜21)以上あり、視野の一部が欠けてしまった。

ひどい頭痛がした時点で医者に行っていたら、ここまで酷くなることはなかったのだが、もう後の祭りである。

周りを見ると他にも、ヘルニアや痔に悩まされている人は少なくない。具合が悪いと思ったら、先ずは医者に行くことだ。酷くなってからではもう遅いのである。

ところで、自分でできる肩こり・腰痛対策というと、多くの人が思いつくのはストレッチや整体・マッサージだろう。このうち整体やマッサージは個人差や施術してくれる所の当たり外れが大きいので、万人に勧めるアドバイスはあまりない。

そんなわけで、主にストレッチについて書いてみようと思うが、自分の経験から言うとストレッチといえど、ある程度の筋力トレーニングと併用したほうが調子が良いようである。

座ったままでは筋力が衰えがちだし、何よりも筋力が衰えてくると姿勢も悪くなりがちだから、それを筋力トレーニングで補うわけである。

といっても、腰痛対策や肩こり対策では、どれだけ重いものを持ち上げられるかとか、どれだけ早く走れるかと言った体力よりも、背筋や腰といった体幹の方が重要になってくる。

幸い体幹トレーニングは今の流行りなので、ちょっと調べればいくらでもやり方は見つかると思うので詳しくは書かないが、自分の経験で言うとNHKのあさいちでもやっていたアザラシのポーズが有効な気がする(詳しく言うと自分の場合、以前も書いたロシアの武術「システマ」のトレーニングの中にあるこれに似たトレーニング)。

また意外に感じる人も多いかもしれないが、腕立て伏せが肩こりに結構効くようで、最近はこれが欠かせない。

ポイントは単なる腕立て伏せではなく、体幹トレーニングやウエイトトレーニングでも行われている「深く・ゆっくりやる」腕立て伏せと、肩を回した入念なストレッチを組み合わせて行うことである。

そんな訳で長々と書いてきた。メルマガでは図版が貼れないので文章だけではわかりづらいとは思うが、もし興味があればググればいくらでも出てくると思うので、是非とも自分なりのストレッチとトレーニング方法を見つけて欲しい。

【福間晴耕/デザイナー】
フリーランスのCG及びテクニカルライター/フォトグラファー/Webデザイナー
http://fukuma.way-nifty.com/

HOBBY:Computerによるアニメーションと絵描き、写真(主にモノクローム)
を撮ることと見ること(あと暗室作業も好きです)。おいしい酒(主に日本酒)を飲みおいしい食事をすること。もう仕事ではなくなったのでインテリアを見たりするのも好きかもしれない。


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編集後記(10/09)

●「元寇」について、中学校の教科書はどう説明しているのか気になって調べてみたら、東京書籍版歴史教科書(H17検定済み)は「ユーラシア世界史の誕生」というコラムで、モンゴル帝国をこう書く。「日本は平氏政権の時代から急速に大陸との交流を深めていました。宋銭が国内に出回り、陶磁器が輸入され、僧の行き来もさかんになりました。このように、東アジア世界の交流が活発化していたところに、モンゴル帝国が内陸アジアからやってきたのです。モンゴル帝国は、東アジアだけでなく、遠くヨーロッパにも影響を与えました。ユーラシア大陸全体が、一つの世界を築き始めることになったと言えます」

なんか妙な説明である。東アジアだけでなく、遠くヨーロッパにも影響を与えた、だって。ユーラシア大陸全体が一つの世界を築き始めることになった、だって。世界史上類を見ない暴虐の限りをつくした帝国の侵略を、そんな現実逃避な表現でかたづけていいはずがない。そんな世界史ありませんて。「二度の襲来 フビライは日本を従えようと、たびたび使者を送ってきましたが、執権の北条時宗がこれを斥けたために、高麗の軍勢をも合わせて攻め入ってきました」って、すばらしいユーラシア新世界(笑)に日本だけが参加を拒否したせいで戦争になった、と言ってるようだ。そんなアホな〜。

この戦役で悲惨なのは高麗で、国土を蹂躙されたあげく日本侵略の先兵として二度も使役されたのである。「1281(弘安4)年には、ふたたび攻めてきましたが、御家人の活躍や、海岸に築かれた石塁などの防備もあって、元の大軍は上陸できないまま、暴風雨にあって大損害を受け、退きました」というのはその通りだが、ふたつの視点が欠けている。いや、あえて外しているのだろう。それは「神風」と「こうして日本は独立を保つことができた」という認識である。日本を救った暴風雨を「神風」と呼んだ先人の精神と、この戦役は日本の独立維持のための戦いであったという事実を隠すのはなぜだ。

東京書籍の教科書は偏向で有名だった。さて、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、来年の参院選にも実施されることに対応し、文部科学省と総務省は「個人的な主義主張を述べることは避け、中立かつ公正な立場で生徒を指導することが求められる」という副教材をつくった。文句のつけようのない常識的な対策である。朝日は「慎重になるあまり、授業に二の足を踏んでは困る」「文科省や教育委員会は現場を励まし、試行錯誤を認め、課題をいっしょに解決してほしい」「いま必要なのは規制ではない。取り組みを促す工夫である」など抽象的ないちゃもんをつけている。相変わらず○○である。 (柴田)


●頭痛がひどいのでファイザー製薬のサイトでセルフチェックしてみた。今のところ大丈夫そう。福間さんの言葉を忘れないようにしなければ。

Ingress続き。人に面と向かって、何かをすすめることはない。人の価値観はそれぞれ違う。無理強いはしたくない。後記のように、空間に放り投げるのがせいぜい。誰か気になる人がいるかもねという張り紙や、海に竿を垂らす釣りのようなもの。

けれどIngressは人に話してしまう。デスクワークの人の運動不足解消になる。遠出したくなる。ついでにできる。刺激になる。もちろん味方を増やしたい。

家人を引きずり込みましたよ(笑)。加勢してもらいたかったのだ。それに出不精の私がIngressやりたさに、何かと理由をつけては外出しようとするため、興味がわいたようだ。続く。 (hammer.mule)

http://www.ntg40.jp/selfcheck/howtouse02.html
回して確認、「視野の欠け」チェック

http://www.ntg40.jp/selfcheck/
簡易版ノイズフィールドチェック

http://www.ntg40.jp/selfcheck/howtouse03.html
簡易版FDTチェック