Otakuワールドへようこそ![220]まっとうな道へ進む中国/GrowHair

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中国において、10月1日(木)は国慶節である。建国記念日にあたる日。この日から丸々一週間、どーんと景気よく祝日が続く。全国各地で漫画・アニメ・ゲーム関連のイベントが大々的に開催される。

私は、10月2日(金)から6日(火)まで4泊5日で南昌、重慶、広州と回ってきた。1日目は成田から上海経由で南昌へ、2日目は南昌でイベントに出てから、夕食後の夜のフライトで重慶へ移動して深夜に到着、3日目は重慶でイベントに出てから、夕食後の夜のフライトで広州に移動して深夜に到着、4日目は広州のイベントに出て、そのまま広州に連泊、5日目は広州から直行便で成田へ。けっこうな強行軍であった。

日本では特にゴールデンでもシルバーでもない普通の週なので、金、月、火と有給休暇を取って行ったのだが、こっちの国では浮かれている場合ではなく、非常にまずいタイミングであった。





私の務め先を含む多くの企業において、会計年度は4月1日から3月31日までと定めている。そうすると、上半期は9月まで、下半期は10月からになる。つまりは、期初という、非常に大事な時期なのである。休暇申請したときはころっと意識から抜け落ちていたが、上司から特に何か言われることもなく、申請が通ってしまった。

人事異動の対象になった者は、9月末日に内示を受け、10月1日にアナウンスされる。上期にぱっとした働きのなかった私は、いつ左遷を宣告されてもおかしくはなかったが、なんとか首の皮一枚でつながった。もし対象になってたら、それこそ休んでいる場合ではなかった。

しかし、課内の有能な人材が数人引っこ抜かれて栄転となったため、チーム編成が組み換えられる可能性が高い。課の定例ミーティングが毎週金曜にあるのだが、下半期の初回は非常に重要な回となり、やっぱり休んでいる場合ではなかった。実際、帰ってくると、チームが再編成されており、直属の上司が別の人になっていた。

考えると胃が痛くなりそうな状況ではあるが、まあ、休んじゃったものは仕方がないわさ、と開き直って、仕事モードから国慶節モードへとぱっと切り替えられちゃうお気楽な性格の私は、サラリーマンにあまり向いてないのかもしれない。

こういうとき、姿もB面からA面にチェンジしちゃうのが、気分転換によく効いていると思う。おっさんから女子高生へ、華麗なる変身〜♪ この姿で仕事モードをひきずったってしょうがない。遊ぶときは、仕事のことも、自分の性別のことも、忘れちゃうくらいがちょうどよい。

ちなみに私はよくものを忘れる。ある日の朝、靴下を履こうとして、左右の感触が異なることに気がついてあれっとなった。そう言えば、前日、足の爪を切っていた。見ると、片方の足の爪しか切っていない。足が二本あることを忘れていた。

●不動産はバブル気味?

日本だと景色の広々とした荒川の近くなどに、リバーサイドなんちゃらみたいな30階建てぐらいの高層マンションがどーんどーんと建ち、それなりの存在感をもってあたりを睥睨しているが、中国だとそんなのがわっさわっさ群生していて、集合体として迫力を呈している。人いぱーい。

とは言え、そんなところに住めるようなリッチな人の数よりは、部屋の数のほうが、若干多めになってきていたりするようである。南昌あたりだと、夜になると電気がひとつも灯っていない高層マンションがごろごろある。建設途中ではなく、ちゃんと完成しているのに、である。

どう見たって建てすぎだ。それなのに、建設が進行中なのもある。つまりは、人が住むための箱ではなく、不動産投機の対象としての物件なのである。転売、転売でボロ儲け、値段はどんどんつり上がっていく。

それにしたって、供給過剰になったらいつかは価値が暴落して、最後に貧乏くじを引いた人がとてつもない大損をぶっこくよね? まあ、それが、バブルがはじけるってことなんだけど。

ああ、なつかしきバブル時代。あったね、日本にもそんな時代。土地やマンションの値段がぶーぶー膨れ上がっていっていた。何千万円もの貯蓄のない普通のサラリーマンはローンを組んで買うわけだけど、年功序列で給料が年々上がっていくことを前提に返済計画が組まれてたりするわけだ。二世代にわたるローンなんてのもあった。

経済がいくら急成長したって、不動産価格がそれを上回る勢いで高騰してたら、結局、人々の生活はちっとも楽にならんのじゃないか? そんな疑問を呈すると、待ってましたとばかりにしたり顔で説明してくれる人がいた。

日本の経済は不動産価格の上昇を支えにして成り立っている。これを逆回転させたら、即、沈没する。政府だってバカじゃないから、そんな大トラブルへもっていくようなまねはぜったいにしない。

そんなこと言ってた人たち、今、息してるだろうか? まあ、案外どうってことなく、今は今で、別なことをしたり顔で言っているのかもしれないけど。自信ありげにものを断言する人は、あんまり信じないほうがいいのかも。

中国の場合、国がデカいので、南昌などという誰も知らないような地方の巨大都市でちょっとぐらい不動産バブルが弾けたとしても、それくらいのことじゃ、国全体の経済が一気に破綻とはならない。損する人もいれば、得する人もいて、全体として、もやーっふわーっとした感じなのである。

●まっとうな国になりつつあるかもしれない

中国というと、私の中のイメージとしては、人々がバイタリティにあふれて自己主張が強く、欲でギラギラしていて、経済成長の勢いは多少緩んできたとは言え、依然として成長基調で、ムードに活気があるけど、その反面、細かいところにまで神経が行き届いてなくて、ものごとがえらく適当で、社会のルールは軽視されがちでズルするやつがやたらと多く、よく重大事故が起きたり、いんちきくさいビジネスが横行したりして、社会秩序がどうもしっかりしていない、まあとにかく、がちゃがちゃわたわたした騒々しい巨大な国である。

中国産の食べ物の安全性が不安視されたことがあった。SARSのような病気が流行したことがあった。PM2.5が日本にも飛んでくるなど、大気汚染が問題視されたことがあった。新幹線が脱線転覆事故を起こした。長江水域で客船が転覆・沈没した。天津で危険物倉庫が大爆発した。どうも、社会システムを運用する上で、管理の要のところがずさんなんじゃなかろうかと、不安になることが多々ある。

8月の、と断らなくてはならないのは数日前にもまたあったからだが、天津の爆発事故のとき、近くで漫画・アニメ系のイベントが開催されていて、日本から招待されたコスプレイヤーたちが、爆心から3kmほどのところにあるホテルに宿泊していた。最初はふつうの火事で、遠くで炎がちろちろ揺れているのが見えるので動画を撮っていたら、大爆発が二度起きた。

二度目の瞬間、画面全体が真っ白になり、一秒後ぐらいにそのホテルのガラスの割れる音が入っている。その映像がテレビ朝日に送られて、使われたらしい。

もっと爆心地に近いところにマンションが建っていて、数千人が住んでいたが、そっちは爆風が吹き抜けて反対側のガラスまで木っ端微塵になっている。死亡者は173人と発表されているが、その程度で済んだわけがなかろうと言われている。その後、国内のネットの掲示板などに上がった映像や書き込みは、がんがん削除されている。

中国にいると、ものが壊れていたり、製品が粗悪だったり、メンテナンスなどのサービスが手抜きだったりすることをもって、中国にいることを実感させられる機会が多々ある。

トイレに入って、個室がたくさんあっても三つに一つぐらいは鍵が壊れていて閉まらない。トイレットペーパーがいちおう備わっていても、切れるとその日一日ぐらいは補充されない。

カミソリは、いちおういっちょまえに四枚刃、五枚刃なんてのが売っているが、それでスネ毛を剃ったら、毛穴が血の点々になった。ホテルの部屋に置いてある無料の水のペットボトルは、ふたが固くて開かない。

見た目には分からないが、どうやら切れ込みの入っていない、不良品だったらしい。むきになって力を入れたら、親指と人差し指の間の水かきのところが水ぶくれになって、破れるとひりひりして、まっとうなペットボトルも開けられなくなった。

いやぁ、遠い異国の地に来たんだなぁ。でも、それってどこかなつかしい。農業国から工業国へと脱皮することによって、高度経済成長を遂げた時期において、日本が中国より30年ばかり早かった、それだけのことだ。変貌の途上にあって、日本も似たり寄ったりのトラブルを通り抜けてきている。

四日市ぜんそく、水俣病、神通川のイタイイタイ病などの公害病が深刻な社会問題となった。東京は、夏になると光化学スモッグ警報が発令され、サイレンが鳴ると、外で遊んでいる子供たちは建物内に逃げ込んだ。環状八号線に沿って、上空に「環八雲」が形成された。

1962年の三河島事故では、列車どうしが衝突して160人が死亡した。翌年の鶴見事故では、列車どうしが衝突して161人が死亡した。

1ドル=360円の固定相場性で万年円安が保証されているのをテコに、日本製品をバンバン海外に輸出したけど、「日本製」とは安かろう悪かろうの粗悪製品の代名詞のように言われた。

「象が踏んでも壊れない」とテレビのCMで映像をもって証明して宣伝していたプラスチック製の筆箱は、子供が踏むとなぜか壊れた。bicボールペンは3本セット100円で売ってて、不良品は無料取り替えと言っていたが、そのほとんどが不良品で、まったく書けないか、数十センチも線を引くと書けなくなった。

駅のプラットホームでは、電車を待つ人々がいちおう列を形成しているが、到着した途端に列はくずれ、みんなドアに殺到した。降りる人が済む前に脇からすり抜けて乗り込んで、いち早く座席を確保するやつがいた。乗ろうとする人々がドアの周辺で押しくらまんじゅうになり、ダム状のアーチが形成されて誰も乗れないという現象が発生したりした。

ホーム間に渡された乗り換え用通路への階段を、意味もなく駆け上がったり駆け下りたりすると、十数人が走ってついてくるといういたずらが成立した。一回電車に乗ると、三回ぐらい足を踏まれたが、自分も同じくらい踏んだかもしれない。

駅のホームで互いに見ず知らずの巨人ファンと阪神ファンとが口論になって、一方が他方を殴り殺すという事件が発生した。新宿駅の線路に敷かれた砂利がアスファルトで固められて一体化していたのは、降りて投石するやつらへの対策としてだった。

銀座などの人でにぎわう往来を、素っ裸で走り抜ける「ストリーキング」という悪ふざけの遊びが流行り、テレビのニュースではいちいちそれを報道した。

道端で男性が立ちションするのは日常のあたりまえの光景として、小学生ぐらいの女の子は座りションしていた。電話ボックスは下半分が不透明の素材でできており、大人の女性はそこで用を足すもんだから、必ず小便くさかった。

あの狂乱と喧騒の時代に青春を台無しにしつつ駆け抜けた世代の私からすると、今の日本はまるで別の国のようであり、立派な国になったなぁという感慨と、ダメな国になったなぁという落胆とが交錯する。

生活の安全性は高まったし、製品の信頼性は高まったし、人々が落ち着いてものを考え、冷静に判断するようになってきている。社会のシステム化が進み、ものごとはスムーズに回り、秩序立ってきた。

けど、国そのものが生気を失い、死にかけたよぼよぼの老人のようになってきたともみえる。「出る杭は打たれる」という風潮は昔からあったけれども、打たれても打たれても出てくる杭がいっぱいあった。

今は、打たれる前から出て来なくなった。余計なことをするやつよりも、何もしないやつのほうが偉いという空気が支配的になり、みんなおとなしくなっちゃった。ストリーキングなんて、今やったら、永久にネットで晒され続けそうだしなぁ。特定班によって暴かれた個人情報つきで。

開かないペットボトルや深剃りすぎるカミソリの中国にいて、なぜか居心地のよさを感じちゃうのは、70年代の日本を知ってるからなんだろうなぁ、たぶん。

でも、それが中国なんだと思って小馬鹿にしている人たちが日本にはたくさんいて、そっちのほうにむしろはらはらしている。

もっとちゃんとした国にならなきゃいかんよなぁ、というムードが中国国内にはもうすでに湧き起っていて、どんどん変わり始めている。他人が苦労して研究開発した技術や、案出したデザインなどを無断でパクって安直なビジネスを営むのを撲滅しようという、本物指向の声が出てきている。公共心の欠如やマナーの悪さは国の恥と知るべし、との声も聞かれるようになってきた。

ただ、なにしろ面積がやたらと広くて人がいっぱいいる国なので、急には変われない。ゆるゆるとした変化にはなかなか気づきづらいけれど、ずっと続けば、気がついたときにはまるで別の国みたいにがらっとムードが変わっているということがありうる。というか、きっとそうなる。

日本人があんな国だと思い込んでいたような、そんな国はいつの間にかなくなっていて、どの側面を取っても日本よりも劣るところがあんまり見当たらない、強大で立派な国が現れてたりするんじゃないかなぁ。日本は、萌え文化とかイグノーベル賞常連受賞国としてのステータスぐらいは、聖域として守り通せるといいかなー。

中国の経済成長もそろそろ翳りがみえてきたとみる評論家もいるけれど、過剰投資による価値の下落からくる一時的なもので、長期的にはまだまだ成長基調なんじゃないかなぁと私は読んでいる。

学生は勤勉だ。学業成績の優秀さは、科学方面の学術の先進性につながり、工業技術の創出の優位性につながり、産業の振興につながり、経済の豊かさにつながり、軍事力の強化につながる。実際、学術方面において、オリジナリティのあるいい研究成果が出てきている。なので、長期的に成長基調だろうな、と読んでいるのである。

一方、日本にとって頼りにすべき大親分のアメリカは、終わりなきテロとの戦いに疲弊しきってへろへろになってたりして。下手すりゃ日本も巻き込まれてるかもしれないし。泥舟に乗ってていいんだろうかとちょっと不安になってたりする私である。

日中間での、相手国への関心度のバランスの悪さが気になっている。中国のトレンドは反日でも親日でもなく「知日」だ。日本のことをよく知ろうと、それなりの緊張感をもってウォッチしている。日経ビジネスオンラインの記事に詳しい。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20150126/276688/

神戸国際大学教授である毛丹青氏の主筆する『知日』という季刊雑誌の読者は十万人いる。2015年2月に発売された第27期号では「萌え」が特集され、私も取材されて記事になっている。鹿児島に行ったときにもみのこゆきとさんが撮ってくれた写真が3枚ほど掲載されている。
http://www.ato-shoten.co.jp/newweb/sas/etc/10300654.php

いっぽう、逆向きの関心はどうだろうか。中国を下にみて、けなすことに熱心な日本人はたくさんいるけれども、最新の現実の姿をありのままに知ろうという熱意をもってウォッチしている人はそれほど多くないようにみえる。

今回中国の三都市を回ったが、どこへ行っても頭から草が芽吹いていたり、花が咲いたりしている人を多く見かけた。川原由美子さんの漫画『観用少女』を思い出しちゃったよ。

って、人間に寄生する植物が発生したとか、人間が進化して光合成するようになったという話ではない。正体は、「豆芽花」というヘアピンである。これが流行っている。
http://www.mag2.com/p/news/119077

8月にはすでに流行っていたというが、ご存じだっただろうか。私は知らなかった。行ってみて気がついて、へー、と思った次第である。これがもし逆だったら、日本の流行りはほとんど遅延なく中国でキャッチされ、そっちでも流行ったであろう。関心の温度差が気になる。

昨年の4月ごろまで、中国で起きた反日運動のことが日本で盛んに報道されたが、あるときからぱったりと聞かなくなった。なぜ急に沈静化したのか、ご存じだろうか。いっさい報道されていないので、知る人は皆無なのだが、私は知っている。重大な国家機密に属することなので、読んでも内緒にしておいていただけるとありがたい。実は、私が訪中したからである。

2014年5月、杭州で開催された中国最大の漫画・アニメ系イベント『第十届中国国際動漫節(ChinaInternationalCartoonandAnimationFestival,CICAF)』に参加し、来場者からの求めに応じて写真を撮られまくり、そのついでに片っ端から抱きつきまくってきた。

撮られた写真は「フェイスブック」に相当する「微博(weibo)」に上げられ、ものすごく拡散した。後でエゴサして見つけた写真を自分のウェブアルバムにいただいておいた。
http://picasaweb.google.com/Kebayashi/Cicaf2014May3

つまりは、こういうことである。中国は日本に片思いしていた。非常に高い関心をもって日本の動向を追いかけているのに、日本は中国にちっとも関心を示してくれない。で、スネちゃった。それが反日運動の正体である。こっちから出向いて抱きつきまくってきたら、急におとなしくなっちゃった。

次に訪中したときは、もっとすごいことになっていた。2015年5月に広州で開催された『D.L動漫游戯嘉年華広州01』。向こうから抱きついてきたり、チューを求められたり、着てきたセーラー服へのサインをねだられたり。証拠写真はここに置いてある。
http://picasaweb.google.com/Kebayashi/Event150502
http://picasaweb.google.com/Kebayashi/Event150501

国家間の関係にかかわる重大な使命を帯びて私が訪中していたことが、これでお分かりいただけたと思う。

前置きが長くなったが、今回は、南昌、重慶、広州に行ってきた。全部書いてると非常に長くなっちゃうので、端折って、いちばん印象的だったことをひとつだけ。

●草の根レベルで仲よくしようぜ、と言ってきた

2015年10月1日(木)〜5日(月)、広州の「琶洲保利世貿博覧館」にて『中国国際漫画節(ChinaInternationalComicsFestival,CICF)』が開催され、約20万人が来場した。出展ブースのひとつに「ビリビリ動画」があった。中国版「ニコニコ動画」である。
http://www.bilibili.com/

5日(月)、私はビリビリ動画から招待を受け、ブース内に設けられたステージに立ってきた。その模様は、当然ながら、ビリビリ動画でも生配信された。一万人ほどが見たようである。

私は司会者から二件ほど質問を受け、会場からも三件ほど質問を募り、それに答えることになっている。司会者からの質問は事前にちょこっと教えてもらっているが、会場からの質問は何が飛んでくるか分からない。出たとこ勝負で、アドリブで答えようって話。それで30分もたせよう、と。

それだけ。シナリオはまったくない。これは非常にありがたい。だって、質問にただ答えるだけだとあっという間に終わっちゃうので、そこから話を発展させて、要は自由自在にしゃべっていいってことではないか。

1:00pm開始予定だったが、10分遅れで開始。ステージ前には、若者を中心に、500人ほどがひしめき合っていた。私が登場すると、大歓声。きっちり30分使い、10分遅れを保ったままステージを降りた。

公安が監視する中、ここまで言ってもだいじょうぶかなと、内心、多少冷や冷やしつつ、私は語った。パンツの話ではない。

3年前のことが頭にあった。

2012年、日本のアニメ業界団体である一般社団法人「日本動画協会(AJA)」が主催し、経済産業省が後援する「アニメビジネス・パートナーズフォーラム」が旗揚げされ、その「オープニング・ターゲティング・セミナー」が秋葉原「UDXシアター」にて、9月に4日間開催された。

私は『市場開拓の殻を打ち破れるか、日本のコンテンツ産業』と題して10月5日(金)のデジクリでレポートしている。
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20121005140100.html

その中で、中国から来てくれた講演者について、次のように書いている。

中国でキャラクターのライセンスビジネスを営む、上海世紀華創文化形象管理有限公司の総経理である孫剣氏は、日中関係がややこしいことになっているさなかであるにもかかわらず来ていただけた上に、頼もしいお言葉を頂戴した。

「日本と中国は、どちらにとっても、仲良くしなくてはやっていけない。ゴタゴタ揉めてるのは今だけ。夫婦喧嘩みたいなもん。じきに沈静化する」と。

例の島の領有権をめぐってのゴタゴタがエスカレートして暴力的なまでになっている時期で、相互の渡航には多少身の危険を感じるほどの事態だった。そんな敵対的な空気のさなかに、涼しい顔で渡航してきて、平和的なメッセージを届けてくれた。非常にありがたいことである。

島については決着がついたわけではないけれど、ゴタゴタはたしかに収まっている。やはり夫婦喧嘩だったのか。その時々の世に支配的な空気に惑わされずにものごとの本質を見抜く、賢い人がいたもんだ。

今度は私が中国に出向いているのだから、やっぱり言っておくかな、と。広州に来るのは5月以来、2度目だけど、また来ることができて非常にうれしい。この前来たとき、熱い歓待を受け、とても仲よくしていただけて、ものすごくありがたく感じた。

中国と日本との間には、国と国としては、解決すべき課題がまだまだたくさんある。けど、政治的なああだこうだは、われわれ一般庶民からすると雲の上のことみたいな感じで、日々の生活とは別の次元のことのように感じられる。

それよりも、人と人とが草の根レベルでつながっていき、お互いの理解が深まっていけば、どんどんパイプが太くなっていき、うまくすれば、政治的な問題なんて、骨抜きにできちゃうかもしれないではないか。

政治的なことは、まあ、それはそれとして、われわれ庶民はお互いに仲よくして、深く分かり合って、つながっていこうじゃん、と。

日本語でダイレクトに理解した数人からまず「おー!」と歓声があがった。通訳の人が訳してくれると、全体から「わー!」と大歓声と拍手が起きた。

写真はこちら。会場ではものすごくたくさん撮られたはずなんだけど、その割には、検索して拾えた写真が少なかった。個人的な写真を全世界に向けて公開することへの抵抗感が芽生えてきたのか?

あるいは、一説によると、日本でツイッター住民の多くがラインに移行していったのと同様、中国でも微博(Weibo)住民の多くが微信(WeChat)へ移行したからだとも。

10月3日(土)、南昌:
http://picasaweb.google.com/Kebayashi/Event151003
10月4日(日)、重慶:
http://picasaweb.google.com/Kebayashi/Event151004
10月5日(月)、広州:
http://picasaweb.google.com/Kebayashi/Event151005

【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。
http://www.growhair-jk.com/

仲間内の有志三人が、YouTubeチャンネル『セーラー服おじさんCHANNEL』を開設してくれています。8月8日(土)に豊洲の期間限定アスレチック「UGOKAS2015」で収録してくれた分から11本のシリーズ動画が上がっています。

収録時期は前後するけれど、7月18日(土)に川越で収録した分が上がり始めています。すでに2本上がっているけれど、このシリーズはまだまだ続きます。セーラー服おじさんが浴衣を着て小江戸を散歩するという企画。チャンネル登録、よろしく〜。
http://www.youtube.com/channel/UCz0wPP5AWeHz2KJN9aP71RA