[3999] ディズニー用のダンボールアート作品を制作

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《そこで「空気を読む」を学んどけば……》

■挑んで死にたい、ダンボールアーティストとして[11]
 試行錯誤を重ねてディズニー用のダンボールアート作品を制作
 いわい ともひさ

■グラフィック薄氷大魔王[450]
 「画面の回転はなぜ使いにくいか?」他、小ネタ集
 吉井 宏





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■挑んで死にたい、ダンボールアーティストとして[11]
試行錯誤を重ねてディズニー用のダンボールアート作品を制作

いわい ともひさ
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20151021140200.html
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●過去最大の作品制作に挑戦

ディズニーからの依頼を受けて、映画のキャラクターをダンボールで制作することになりました。

映画館やショッピングモールに展示したときに、ある程度見栄えの良い大きさでなければいけなかったものの、厳格な指示などはなかったため、ざっくりと横幅180cmぐらいの大きさで作ることにしました。

これまで作ってきたものは、ほとんどが小さく軽いものでしたが、180cmという大きさになるとダンボール素材とはいえ、立派な構造物です。

そうなると、その構造物をどのように支えればよいのかという、仕組みから考えなくてはいけません。

テレビ局からの依頼に比べれば、時間には少し余裕があったものの、いきなり無計画に作り始めてしまうと大きな手戻りにつながる危険性があったため、手を動かす前に計画をたてる必要がありました。

最初に必要となるのは資料ですが、そこでいきなり困難が待ち構えていました。

●作品の資料を探しに博物館へ

ディズニーの担当さんに作品制作に必要な資料として、どのようなものをご提供いただけるのかを確認しました。しかし、参考になりそうなものはほとんど入手できないことがわかってきました。

ダンボールアートを制作するときはCGソフトで設計を行いますが、その際にもっとも役に立つのが「三面図」です。三面図は、ある対象を真上、真横、正面など三方向から見たときの正確な形状が描かれた図面です。

これがあれば、細かな部分はわからずとも、大まかな形は把握できるので比較的簡単に形を作っていけます。CG制作における設計図が三面図なのです。ところが、そのような資料はディズニーからは提供されませんでした。

結局、新しい映画の宣伝映像をインターネット上で繰り返し見たり、スクリーンショットを撮ったりして、最初の参考資料にしました。

今回の映画「プレーンズ2 ファイヤー&レスキュー」は、前作「ブレーンズ」の続編です。

今作では主役飛行機が消防士を目指すという内容になっていましたが、それにともない、前作では車輪だった足の部分が、今作では水上飛行機の仕様に変わっていました。

前作の資料はインターネット上でも多く見つかったものの、今作に関しては英語圏のウェブサイトでも情報がなかなか得られませんでした。

私が住んでいる岐阜県には「各務原航空宇宙博物館」という、飛行機や宇宙に関する資料が展示されている博物館があったため、飛行機そのものの構造についてより深く理解するために見学に行き、写真を撮ってきました。

このようにして集めた資料を参考にスケッチなどを手描きして、CG制作を進めて行きました。

●営業先にまで及んだテレビ局の取材

今回のダンボールアート制作は、ディズニー映画の宣伝用に使われるものでしたが、宣伝には様々な方法があります。

ダンボールアート制作の模様をテレビ放映するというのも宣伝の一環だったわけですが、自分の姿がテレビに映ることなど初めてでした。しかも、それが一か月がかりの密着取材などとは予想もしませんでした。

制作当初、資料収集に博物館まで足を運んだときや、パソコンで設計図を作っていたときにテレビカメラは入りませんでした。取材が本格化し始めたのは、ダンボールを切る作業を始めたときからでした。

私のダンボールアートはCGで形を作った後で、別のソフトを使って展開図に変換します。そのデータを使って、レーザーカッターという機械でダンボールを切っています。

レーザーカッターは10万円以下で入手できる安価なものから、数百万円以上する産業用のものまで種類は様々です。高価なものは処理速度も速く、レーザーの強さを設定して切る強さを変えられるなど、非常に高度な処理が可能です。

たまたま、自宅近くに高性能なレーザーカッターを所有しているものづくり支援施設があり、私はいつもそこでダンボールを切っています。手で切るよりも圧倒的に速く、正確な処理ができて大変重宝しています。

家族の同意が得られず、自宅での取材が不可となったこともあり、テレビ局の人達にはものづくり施設まで来ていただきました。

とまあ、このあたりまではよかったのですが、日中会社で働いている様子も取材させてはもらえないかとの相談があったときは、少々考えてしまいました。

この当時はまだ会社員で、日中は営業としてIT系企業に勤務していました。周りの人達が何事かと驚きますよね(笑)

結局、理解ある会社と取引先に事情を説明して、協力してもらえることになり
ました。取材当日、取引先の担当者は事情を理解していたものの、同僚の皆さんはあまり聞いていなかったようで、一体何が始まるのかという顔をしていました。

私が若く、社歴も短かったとしたら、そもそもテレビの取材というだけで動揺したかもしれませんし、取引先の協力を取り付けることも難しかったかもしれません。

しかし、年齢は40歳を過ぎており会社でも古参になっていて、取引先からも信頼してもらえていたため、協力を得るのはそれほど難しくはありませんでした。

●8割完成と思ってからが正念場だったダンボールアート制作

万事順調に進んでいたダンボールアート制作も納期が迫り、完成まで残すところ一〜二週間という段階になりました。

その時点では作品の全容が見えており、ほぼ完成と思えるような状況でした。ここまで来れば完成したも同然と思っていましたが、それはかなり甘い考えでした。

展示に際して作品をどのように自立させるか、細かな仕上げをどのように行うかというところが詰め切れておらず、作業し始めると予想外に時間がかかったのです。

繰り返しになりますが、当時は会社員だったので日中は仕事をしており、まともに時間が使えたのは週末の二日間と平日の深夜ぐらい。結果の見えている作業は効率良くできても、正解がわからない試行錯誤は考えているだけでもドンドン時間がなくなってしまいます。

結局、最後まで気を抜けない状況になりました。特に今回はあのディズニー作品の宣伝に使われる作品ですし、テレビ局の密着取材も入っているわけで責任重大です。

最後は自家用車に作品を積み込んで映画館まで運びましたが、もしも、事故でも起こしたらどうしよう、自分が注意していても追突されたらこれまでの苦労が水の泡だとか、ドキドキしながら車を運転していました。

次回は、ディズニー向けダンボールアート制作の最終編です!


【いわい ともひさ/ダンボールアーティスト】
Blog   http://iwaimotors.com/blog/
Twitter https://twitter.com/iwai
Behance https://www.behance.net/iwai

今週の一言:年に数回、目がチカチカすることがあったので、気になって眼科にいったところ「頭痛」とのこと。頭は痛まず目だけに症状がでることがあるんだとか。眼球に異常はなかったものの、気を付けねばいかんですね〜


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■グラフィック薄氷大魔王[450]
「画面の回転はなぜ使いにくいか?」他、小ネタ集

吉井 宏
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20151021140100.html
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●画面の回転はなぜ使いにくいか?

Photoshop、Painter、CLIP STUDIO PAINT、その他お絵描きソフトで、描きやすいように画面を回しながら描く機能。紙のように回して描いてるはずなのになんで使いにくいのか? 考えてみた。

紙の場合、描いてる部分を回転させても右手は動かさず同じ位置で線の続きを描いてる。タブレットで回転させると、描いてる部分は遠くへ行っちゃうので右手も動かさなくちゃいけない。すると、「紙では左手も使って描く」の重要部分が消えちゃうわけだ。

また、回転させるにはショートカットキーを押しながら右手のペンでドラッグするわけで、当然ながら描いている箇所から離れてしまう。

ペンタブのホイールやCLIP STUDIO PAINTのショートカット、またはマルチタッチを使って左手のみで回すのは可能だけど、回転の中心が画面の真ん中であるかぎり、描いてる場所からペンが遠ざかるのは避けられない。

回転の中心はペン先の位置でなくちゃいけないのだ。紙に描いてるときは右手を動かさなくていい位置に紙を回転させたり移動してる。

Cintiq22インチは中心が回転軸だったし、Cintiq12インチや13インチをターン
テーブルに置いてみたことあるけどダメでした。よく滑る台に置いて本体の移動や回転を自由にできるようにすればそこそこイケるだろうけど、重さほとんどゼロで左手指先で自在に操れる紙のようなわけにはいかない。

マルチタッチで操れればそれでいいんだけど、今のところ、WACOMもiPadもAndroidその他デバイスもそこまで使い勝手のいいタッチではないです。右手の位置やペン先の位置を検出して、違和感なく画面を回転させる機能とかつけばいいな。

●intuos3 ワイド

普段はintuos ProのLサイズを使ってるけど、描画範囲は以前からずっとintuos 3 PTZ-631Wと同じサイズに設定して使ってる。

で、ふと、中古で631Wを買っちゃえばいいじゃん! って思いついて、Amazonで注文確定寸前でハッと気がついた。ドライバは大丈夫なのか? 調べたら、intuos5やProの最新版とはちがうドライバを入れなきゃいけないらしい。危なかった。

http://tablet.wacom.co.jp/what/detail/detail_press.html?nno=354

●MacBook Proのファンが回りっぱなし

MacBook Pro 15インチ。数日前から内蔵ファンがほとんど回りっぱなし。たいした作業をしてなくてもシューシューやかましい。MODOでレンダリングしたりプレビューウインドウを出してればこのくらい回るけど、ほとんど何もしなくても回る。どうなってるんだ?

と、机の下に置いてるMBPを確認してみたら、遮光カーテンが本体後ろ側の空気吸入口と排出口をぴったり塞いでた〜〜! そりゃ必死でファン回すわ。カーテンから離したらファンは止まった。スマンかった。

●白いiPodついに寿命

白いiPod 30GB。バッテリーが切れた状態から充電始めると、HDDがキューーン……キューーーン……、って鳴りながら起動を繰り返す状態。今まではそのまま充電し続けるといつのまにか正常起動して使えるようになってたのだが。半日やってても起動しない。もうさすがに寿命かな。

もうHDDが入ってること自体がド旧式。フラッシュドライブで、512GBや1TBのiPodを出してくれてもいいじゃんとか思ってたけど、クラウド前提だから容量無限大になったってことなんだろうな。

あとiPod Classic 160GBがまだ現役で使えてる。iPod nanoの初代モデルはバッテリー交換プログラムで戻ってきた新品状態だけど、ウインドウが狭すぎて使いづらい。そういえば、初代iPodは自分でバッテリー交換したのでたぶん使える。

Apple Musicでプレイリストの楽曲は増えつつあるけど、それらは旧iPodでは
聴けない。だんだん使わなくなっていくんだろう。とはいえ、iPhoneで聴くのも曲を探すのがめんどくさすぎて聴かないんだけどw Apple MusicはMacで使う専用だなあ。

●教えてないことを生徒がやると先生はムカつく

先日話題になってた「正解なのに不正解にされたテスト」の件。
http://togetter.com/li/883399
http://tr.twipple.jp/imgp/3a/216390.jpg

思い出したのが、小学校一年生の音楽でハーモニカをはじめてやる授業での出来事。唱歌「日の丸」が題材だった。ハーモニカの音階は「ド=吹く」「レ=吸う」。

「ドドレレミミレ」はこうやって吹くんだよ、と先生が教えてる途中で、僕は何をやったかというと、ドドレレミミレに続けて曲の最後まで吹いた。だって、そこまで教えてもらったら続きをどう吹くかわかるじゃん?

そしたら、先生がつかつかっと歩いてきて横っ面バシーッとはたいて僕は吹っ飛んだ。一年生をビンタで吹っ飛ばすか?! ショックでしばらく呆然と机の下でへたってたw

そりゃ悪かった。得意げに「へっ簡単じゃん!」って教えてもいない曲の最後まで吹かれたら先生そりゃムカつくわ。僕はずっと空気を読めない子供だったから特に影響なかったと思うけど、何をするにもビクついて表現するのを躊躇する子供になってたかもしれない。

……っていうか、そこで「空気を読む」を学んどけば、後でいろいろラクだったのになとか、今思ったw


【吉井 宏/イラストレーター】
HP http://www.yoshii.com
Blog http://yoshii-blog.blogspot.com/

歴代のiPodの丸いイヤホンのスポンジカバー。劣化して全部ダメになっちゃった。スポンジがないとイヤホンが耳で安定しないので使いづらかったけど、家電量販店で替えのスポンジカバーを見つけた。そんなもの売ってるのね(100円ショップにもあるんだって!)。

・パリの老舗百貨店Printemps 150周年記念マスコット「ROSEちゃん」
http://departmentstoreparis.printemps.com/news/w/150ans-41500

・rinkakの3Dプリント作品ショップ
https://www.rinkak.com/jp/shop/hiroshiyoshii

・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii

・ハイウェイ島の大冒険
http://kids.e-nexco.co.jp

・App Store「REAL STEELPAN」
https://itunes.apple.com/jp/app/real-steelpan/id398902899?mt=8


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編集後記(10/21)

●またまた半世紀以上も前の映画をDVDで見てしまった。小津安二郎監督の遺作となった「秋刀魚の味」である(1962年、松竹)。妻に先立たれた初老の父親(笠智衆)と婚期を迎えた娘(岩下志麻)との関わりを中心に、親子、きょうだい、夫婦、そして友達のありようを淡々と描いている。ドラマチックな展開があるわけでもない。けっきょく悪人は一人も出てこない。これほど安心して見ていられた映画は初めてである。笠智衆がいるだけで、何の心配もない。だが、二度目に「軍艦マーチ」がかかるシーンで、珍しく表情で演技しているように感じた。この映画で違和感が生じたのはここだけだったけど。

今のわたしの歳より下の、笠智衆、中村伸郎、北竜二の仲良しトリオはそれぞれが裕福で、度々なじみの料理屋で飲んでいる。北は妻を亡くし娘に近い歳の後妻をもらっており、いつも強壮薬を飲んでいるかとからかわれている。彼をネタに料理屋の女将・高橋とよをかつぐエピソードが、後半の大事なシーンの伏線になっている。うまいものだ。わたしもだまされた。彼らのかつての恩師・東野英治郎はみごとなフケ役。零落して場末でラーメン屋を営む、酒にだらしない、みっともない年寄りを演じるが、彼の醸し出す人生の後悔みたいな感じにはいたたまれない。ずいぶん容赦ない演出だと思う。男優助演賞受賞。

彼の娘は父親の世話をしているうちに婚期を逃した杉村春子、この物語で一番不幸な女だ。ちょっとしか出ないが実にうまい役者だ。笠智衆の長男は佐田啓二、妻・岡田茉莉子(かわいい!)と団地ぐらしで、父から借金してゴルフクラブを買うつもりが、妻から咎められてふてくされる。こいつこそダメ男だと思ったが、まっとうないい奴だった。娘の岩下志麻は美人でしっかり者、いつまでもそばにいて欲しいが、恩師の娘の行かず後家を見たことで、本気で嫁に出すことを考える笠智衆。そして仲間たち。これといった演技ではないのに、ものすごい存在感があるトリスバーのマダム・岸田今日子。女優助演賞受賞。

これが有名な小津安二郎ワールドなのか。とにかく水平・垂直がびしっと決まった画面構成がじつにすがすがしい。そして、低い位置にカメラを構えて、わずかに見上げて人物をとらえる法則の徹底。人物の配置はもちろん、家具も小道具もすべてに一切の妥協を許さなかったという画面づくりが「小津調」と呼ばれる。左右に部屋のある廊下を真っ正面からとらえ、人物が通りすぎる完璧な構図は何度も出てくる。そして、役者のからまない風景がものすごく美しい静止画になっている。昔の有名カメラマンが大型カメラで撮影した東京を見ているような感じがする。抜き出して写真集にしたら絶対売れると思う。 (柴田)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0009RQXJG/dgcrcom-22/
「秋刀魚の味」


●頭痛怖いですよね。/MacBook Proが起動しなくなった。朝まで使っていて、重くなったので再起動かけたらウンともスンとも。アップルマークが出る前に止まる。コマンドラインでの起動でもチェック途中で。本体を触るととても熱かったので、強制終了させプラグ抜いてしばらく放置。冷えてから電源入れたら何事もなかったように起動。夏場は乗り切っているのに……。

Ingress続き。ミッションは、はまる人ははまるようで、数千のメダルを持つ人がいたりする。旅行好きの人なら世界中のメダルを集められそう。

スマホを持たない伯母。郵便局で1,000円貯金をしている。同じ郵便局ではやらないことにしていて、旅先で郵便局を見つけては窓口で入金。会話を楽しみ、通帳には入金場所のスタンプを押してもらう。鳥取空港だったかのスタンプには、飛行機のイラストがついていた。

今まで何カ所の郵便局に寄ったか、記録を見るのが楽しいとのこと。若い頃から旅行好きの彼女らしい。足腰が強いし、Ingressでミッション巡りしたら楽しいだろうなぁとは思うのだ。陣地取りには参加しなくていい。

スマホを今更学ぶのは面倒だし、月々の通信費がガラケーの数倍になるからと避けているからIngressはやらないだろうなぁ。やれば郵便局巡りみたいに遊べるのになぁ。続く。 (hammer.mule)

https://www.google.co.jp/search?tbm=isch&q=%E9%83%B5%E4%BE%BF%E5%B1%80+%E9%80%9A%E5%B8%B3+%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%97
こういうのん

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%85%E8%A1%8C%E8%B2%AF%E9%87%91
旅行貯金。平成11年11月11日飯田風越郵便局事件