グラフィック薄氷大魔王[452]「ミニマリストは反感買いやすい?」「ヘタウマと僕」、他小ネタ集
── 吉井 宏 ──

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●ミニマリストは反感買いやすい?

見てないけど「たけしTVタックル」でミニマリストの話をやったんだそうな。
http://news.livedoor.com/article/detail/10699916/


登場した佐々木さんって、ウェブでちょこちょこ見かける気がする。Kindle本買って読んでみよう。

「モノを極限まで減らした暮らしは本当に快適!? - 「ミニマリスト」佐々木典士さんに聞く」
http://news.mynavi.jp/articles/2015/08/19/minimalist/


イケダハヤト氏は「ミニマリストが出てきたのは都会の部屋は狭いから」とか「元ミニマリストだったけどある意味卒業した」とか書いてるし。
http://www.ikedahayato.com/20151015/41222942.html


……ミニマリスト関連は反感買いやすそうだw いろんな角度からツッコめるし、たいていの人はモノ減らししたいだろうから羨望もあるだろうし、そもそもミニマリストや断捨離的な発信は「まだモノに執着して無駄な人生をすごしてるの?」的なニュアンスが、根底にどうしても存在しちゃうわけだし。




僕もずいぶん長いことモノ減らしやってきたつもりなのに、まだまだモノがあふれかえってる。「私物はスーツケース一個」ってところまで行きたいとか思ったこともあるけど、そりゃ無理だ。「せめてゴミ屋敷一歩手前状態から離れたい」くらい成功したと思うけど。そういえば、部屋がスッキリしすぎると、制作のエネルギーが弱まるのは確かだと思う。

昔、湯村輝彦氏が雑誌で「一個主義」って言ってて、「モノが余分にあることにガマンできず、机の上のものをザラザラーってゴミ箱に捨てる」。何でも一個だけにするんだって。「一個主義」で検索しても僕がツイートした一個しか出てこないよw

倉庫部屋や廊下まで埋め尽くしていた本は売ったり自炊したりして、物理的にはほとんど消滅した。CDやDVDなども同様。でも、その他のものはそれほど減ってるように見えないかも。

立体制作をやりはじめてから一気にモノが増えたし。立体って作れば作るほど容積が増えていくんだもんw ついにトランクルームまで借りちゃった。東京の部屋は比較的スッキリさせたと言っても、実家制作のため道具や材料が愛知県に移動しただけ。

まあ、「モノ減らし」ってあれこれ考えたり迷ったりして楽しい。懲りすぎてそれが生きがいになっちゃったりするとキケン。モノ減らしもモノを持たないのも、すごいエネルギーいりそう。

たぶん究極のミニマリズムってお金に糸目付けない贅沢なライフスタイルかも。モノ減らし、断捨離、ミニマリズム、それぞれ別のものなんだろうな。

っていうか、ミニマリストとは言ってないものの、僕自身が「モノ減らしがんばってるぜ」「書籍自炊して本棚一個なくなったぜ」的にドヤ顔で書いてた人なので、「あれ? ミニマリストってえらい嫌われてるんだ」って驚いてるところだったりw

●ヘタウマと僕

NHK Eテレ「ニッポン戦後サブカルチャー史II」でヘタウマが特集された。
http://www.nhk.or.jp/subculture/lecture05.html


ヘタウマって、当時の「エアブラシとか使ったスーパーリアルイラストブーム」へのカウンターみたいなものだったんだよね。

リアルイラストブームを受けて創刊されたはずの、玄光社「イラストレーション」誌(79年の「コマーシャルフォト別冊」の第一号を高校の図書館で借りて読んだ)で、糸井重里、湯村輝彦、渡辺和博、みうらじゅんらによって「ヘタウマ」という方向があるよ! って示され、日本中のイラスト関係者にショックと希望を与えたのだった。

創刊当時からリアルイラストブームを壊しにかかってたわけか。考えたらすごいな。

写真撮ってトレースしてチマチマ描いてる場合じゃないよ! いくら上手く描いたって、絵の魅力はそこじゃないよ! って。ある種ビッグバンみたいなものだった。サブカルチャーが爛熟発酵した日本でなきゃ起き得ない革命みたいなもんで、そのへん、世界でもぶっちぎりの最先端だったはず。

僕は、高校時代から描き始めたリアルイラストがそこそこイケてる自負はあったのに、ヘタウマを知ってからは資料写真を元にした「うまいダロ!」的ニュアンスが入った絵がダサく思えるようになってしまい、いきなりハシゴをはずされたような気分だったw

しかたないので、リアル系のタッチのままで表現できたり需要があるかもしれない、SFや幻想系に走ったのであった。

番組では、キース・ヘリングとかと世界同時進行のムーブメントだった的説明に違和感。あと、ヘタウマの価値の順番が記憶してたのと違う。覚えてたのは上から「ウマウマ」「ヘタウマ」「ウマヘタ」「ヘタヘタ」。……違ったっけ?

●Google日本語入力、唯一の不満が解決

Google日本語入力の唯一の不満は、テンキーで入力した半角数字を「確定」しなくちゃいけないところ。それでATOKパスポートを入れようかと思って評価版を一か月使ってきたけど、まもなく期限が切れてしまう。

もう一度、Google日本語入力の環境設定をいじってみたところ、「テンキーからの入力」を「直接入力」にすれば確定なしの半角で打てるじゃ〜ん! なんだよ〜、できるんだ、やっぱり。

あと、記号入力で「/」が入力できなくて困ってたけど、これは環境設定の「記号」で強制的に「/」を使うように設定しないかぎり、一発入力はできないのね。「・」を変換して「/」にするらしい。まあ、「/」より「・」のほうが使用頻度多いわけだし、そのくらい慣れるだろう。

Google日本語入力、明らかに間違って確定したような変換候補がいっぱい出てくるのにイラっとすることがあるけど、やはりなるべく長文にしてから変換するようにすると結構大丈夫みたいね。

テンキー半角数字が解決したから、とりあえず不満の大半はなくなった。このまま使ってみよう。

一方、El Capitanの日本語入力もときたま切り替えて使ってるけど、ライブ変換を使わないかぎり違和感なく使える。ただ、Google日本語入力を使っちゃうから出る幕があまりないけど。

変換するときに普段使ってる出したい漢字が、ものすごい下のほうにあってスペースキーを連打しなくちゃいけないことが多いのに閉口する。もしかすると「学習クリア」すると、割と普通になるのかもしれんけど、もっとアホになるとイヤなのでやってないw


【吉井 宏/イラストレーター】
HP  http://www.yoshii.com

Blog  http://yoshii-blog.blogspot.com/


生頼範義氏が亡くなった。高校の時に「SW帝国の逆襲」のポスターのあまりのかっこよさに衝撃。スターログなどで詳しく知り、画集購入。80年の「生頼範義イラストレーション」は、バイブルだった。巻末の制作過程の写真を見ながらアクリル絵具で描いてみたら、描けちゃったのが僕のスタート地点。何枚も模写したし、専門学校でも生頼技法一辺倒だった。

ただ、あこがれすぎてしんどくなり、生頼的なものから一生懸命に離れようとした。SFイラストやろうとしてたときもなるべく影響受けないようにしてたし、最近の展覧会も興味を持たないようにしてた。それでも、一度総括的に見ておきたいと思ってたところだった……。

・パリの老舗百貨店Printemps 150周年記念マスコット「ROSEちゃん」
http://departmentstoreparis.printemps.com/news/w/150ans-41500


・rinkakの3Dプリント作品ショップ
https://www.rinkak.com/jp/shop/hiroshiyoshii


・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii


・ハイウェイ島の大冒険
http://kids.e-nexco.co.jp


・App Store「REAL STEELPAN」
https://itunes.apple.com/jp/app/real-steelpan/id398902899?mt=8