ところのほんとのところ[128][ところ]がテロや平和をテーマにしない理由
── 所 幸則 Tokoro Yukinori ──

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11月18日の苦手な朝に東京渋谷を車で出発した。まったく渋滞がなかったので、あまり飛ばさなくても六時間強で、大阪市北区中崎町に着くことができた。

16時からのアマチュアの写真愛好家団体「モノクロ写真マニア」の100人展でトーク60分、[ところ]的には内容の濃い話をした。

その後移動して打ち上げに約2時間参加して(ウーロン茶で)、高松に移動。雨が強かったのでノロノロ運転、前は見えないし異常に疲れた4時間だった。普通なら二時間ちょいなんだけどね。




阪神高速は明るいのにねえ、淡路島側に行くといきなり半分ぐらいの明るさに。鳴門手前までは雨がすごかったけれど、香川に入った途端ほとんど雨が降ってなかった。

これは事実よくあることで、日本中が雨でも香川、特に高松や丸亀といった香川の北エリア、瀬戸内海側では降ってないか、降ってても傘がいらない程度。珍しく台風が直撃っていう時でも、普通に雨だね、というレベルだったりする。

しかし、大阪の親戚の家に泊まればよかったのか。梅田だし中崎町から近そう。だけどやっぱり気をつかうからな〜。

さすがに車で渋谷から大阪経由で高松に帰るとかなり疲れる。トークと打ち上げもあったしね。次の日の[ところ]はまったく使いものにならなかった。

さて20日になり「月刊カメラマン」12月号を瓦町フラッグ(高松に最近できた新しい駅ビル)のジュンク堂で買った。

自分で自分の特集されてる本を買うのは人生初かもしれない。だって29歳ぐらいから雑誌だけでも100回ぐらい出たが、掲載誌は出版社から送ってくるから。親は収集してたみたいですけど。

渋谷のオフィスには昨日ぐらいに出版社から届いているだろうけれど、これは父用に。なかなかカッコイイレイアウト、7ページだとボリューム感もあるし、短い文章も為になるから買って読んでね。

しかし、瓦町フラッグ大丈夫だろうか? 入ってる店が、、、せめてデパ地下みたいなものがあればみんな買い物して帰るのに。

10階に出来た麹の定食屋は使えるし、本屋もいいけど。地下階に食料品売り場がない(comming soon...)というのが致命傷にならなきゃいいけどね。

瓦町のいく末を憂いてます。子供の頃まではここに住んでいたので、あの賑わいは懐かしい思い出です。渋谷のセンター街より人がぎゅうぎゅうで通りにくかった。

当時は一日の乗降客が15万人以上、人口100万にぎりぎり届かない香川県としては異例の集中具合でしょう。今では広島からやってきた「ゆめタウン」という郊外型巨大スーパーの影響で、瓦町を最寄駅とする日本一の長さを誇った商店街が一時は壊滅状態になっています。

ちなみに広島にはこの巨大スーパーはないんだよね。広島でのパイがなくなったから他県に求めていく。

これは丸亀製麺にも言えることで、神戸のパスタ屋さんが讃岐うどんを名乗って硬いうどんで関東を制圧しましたよね。高松本店と銘打って旗艦店を出しましたが一年足らずで潰れました。

近くに高松有数の名店、本物の讃岐うどんの店上原屋があったから、当然といえば当然ですが、これはいろんなジャンルで世界レベルでも起きていることで、資本主義社会では仕方ないんだけど。

四国は独立すればよかったのに。自給率なんて四国ならすぐ上げられるよね。香川なんか平野だらけだし。塩田もあれば、砂糖も。砂糖なんて和三盆(香川県、徳島県で伝統的に生産されている)がなくなれば、日本の和菓子の世界も壊滅するだろうから、貴重な輸出製品になるよね。醤油もオリーブオイルも良質なものがあるし。土地は豊穣だしね。

                 ◎                 

さて、最近になってテロが大問題になっています。これはパリで起きたということで、アートで何かできないかなどと言い出す文化人が増えています。

実際、テロはアルカイダの頃から世界中で知られていますよね。裏でどんな組織が糸を引いてるのかも本当のところは闇です。テロ組織が使ってる武器は先進諸国のものだし。誰が流しているんでしょうね。資金源も不明だし。

ほんとうのところ、歴史から言って豊かな国はすべて略奪を繰り返した国です。日本は経済的な略奪といったほうが正しいのかもしれませんが。

さて今回のパリでのテロ以降、何かしようという話が出てきています。ファインアートの世界で、というか本当は9.11以降世界的に増えてるのですが、[ところ]の考えはこうです。

標的がパリになった途端、アーティストたちが加速していくのは変でしょう?

文章や言葉を巧く操れる人にとっては、どんな内容だとしても自分の考えを正当化させるように伝えることや、ある程度人をコントロールすることは可能です。悪い例は、アジアのいくつかのマスコミをみればわかるでしょう。特に大きな事件について書けば、その力は余計に力を持つでしょう。

アートはしょせん人が表現するものだから、なにかしらの影響は受けるのは自然だろうと思います。[ところ]にとって3.11が大きかったように。

だけど[ところ]は今回の痛ましい事件、これからおきるであろう事件の、自分の作品への影響は最小限に抑えていくつもりです。

芸術までもが、国家対テロに影響を受けることは芸術の敗北だと考えています。これは自分の作品においての話であり、無関心とは違います。

事件を忘れることはないし、プロフィールを一週間トリコロールにしたことも、無関心な人に少しでも知ってもらうきっかけになればと思ってしています。後数時間でもとにもどりますが。テロや平和をテーマにすることは今後もないでしょう。

最近ファィンアート系の写真でも報道的、ドキュメンタリー的な題材が増えていますが、いわゆる社会性を取り込んだ作品と言われています。それは世の抱える矛盾に影響されすぎていると思うのです。

メディアと組めば有名にはなれるでしょう。身近な脅威をテーマにすれば純粋に作品としてではなく、教訓として買う方も多いでしょう。ですが、アートはそれとは無縁だと[ところ]は思っているので、残念だと憂いています。

アート界でのビジネスチャンスと捉える人達にとってはプレゼンしやすいのでしょう。僕には止める権利はありません。人それぞれの生き方ですから致し方ないですが。


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則  http://tokoroyukinori.seesaa.net/

所幸則公式サイト   http://tokoroyukinori.com/