装飾山イバラ道[167]もやしのその後/武田瑛夢

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前回、種を撒いて少し育ったところまで記事にしたブロッコリースプラウト(ブロッコリーのもやし)。そのまま順調に成長して食べられるようになった。写真は暗所で六日ほど育てた後に、ガラス越しの日光と蛍光灯で緑化したもの。

・ブロッコリースプラウト緑化前
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・ブロッコリースプラウト緑化後
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長さが不揃いなのは、穴にすっぽりとハマった種の発芽が遅かったからかもしれない。種まきから収穫までおよそ一週間だった。本当は種まきから六日目ぐらいが栄養価が高いとか、LEDに当てるなどのコツがあるらしい。私は一回目なので普通に育てた。





前回紹介した、穴の空いた専用容器で育てたので白くて長い根が生えてからは下の容器の水を替えれば良いだけでらくちんだった。

・ブロッコリースプラウトの根
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種まきから一週間ほどで食べ始められるし、食べ切れない分は生やしっぱなしで水替えだけしていればいい。容器から食べたいと思う分だけつかんで根ごと引っこ抜き、ボールにくんでおいた水で振り洗いする。

水の中で茶色い種の殻を振り落とすためだ。絡んでいる種殻をつまんで取る。白くて長い根っこも、清潔を保てている自信があるなら食べられるということで、私はきれいに洗って食べた。根も上の部分と味に差は感じなかった。

豆腐とトマトの上にのせてサラダで食べたら、癖もなくしゃきっとしていて美味しかった。かいわれ大根は辛い大根の味がするけれど、ブロッコリースプラウトは特徴的なコレといった味はないと思う。

和風ドレッシングや、ごまドレッシングがよく合う。今までは彩りとして万能ネギが便利でよく使っていたけれど、ネギが合わない料理の緑色の彩りとして使えそうだ。

前回も書いたけれど、他にスプラウトを育てている人の記事を読むと、もやし用の種のものを育て続けても大きくは育ちにくいとのこと。逆に言えば、いつまでももやしなので食べごろが続くとも言える。

三日〜四日はそう長さも変化しないので美味しく食べることができたし、観賞用にそのままにしておいても可愛い見た目の植物として置いておけそうだ。

●第二弾のルッコラスプラウトをまく

他に買ったのは「ルッコラ」のスプラウトで、これは「ロケット」とも言うらしい。イタリア料理屋で出て来るごまの味のするルッコラが好きなので買ってみたけれど、種が驚くほど小さくてそのままでは専用容器の穴を通ってしまう。

トレイに少しだけ水を入れて、種に水を吸わせて大きくしてから容器にまくことにした。今回は前回よりも小さい専用容器だ。

WEBで体験談を読めば読むほど、ルッコラスプラウトの栽培はむずかしいみたいだ。失敗率が高いようで、初日から自信をなくす。だめだったら無理せずにブロッコリースプラウトを中心にしよう。

ルッコラの場合、水を含んだ種は小さくて水の表面張力で楕円状にまとまってしまうし、なんだか粘りけも出て来る。WEBの体験談では、ペーパーやコットンを敷いてカビや腐敗を起こしている人も多い。

やはり、すっきり水分を交換できる容器が良いような気がする。私は専用容器をせっかく買ったので、なんとか穴からこぼれないように水を撒いた。

二日間はなんとも変わらないような雰囲気だったけれど、キリフキで水を与え続けていたらプリっとした根が出始めた。三分の一以上に根が見えた時にはすっかり大丈夫な感じがした。種から成長しようという気配をすごく感じた。

成長してみると、結局は種と同じように細くて繊細なもやしだった。ブロッコリーに比べるとだいぶ弱々しい。

・なんとか育った? ルッコラスプラウト
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緑化のために光に当てても、なかなかばっちりとした緑にはなってくれない。ところどころ緑色が違うのは、緑化を焦って早く日に当てすぎたからかもしれない。

ルッコラスプラウトというものをスーパーで見かけたことがないので、WEBの検索を見ると、色は均一な明るめの緑色なようだ。

試しに10本ほどつまんで、根の部分を取り去ってから洗って食べてみた。香りだけでもルッコラの感じがあったけれど、味は正にルッコラのごまの感じがする! そして、シャキシャキと噛んでいるとピリッと辛い。

辛いところはかいわれ大根に似ている。とにかく口に入れた量がすごく少なかったにもかかわらず、とてもしっかりとした味があったことに驚いた。種を選んでいた時も、「美味しい」という評価が多かったからこれにしたのを思い出した。

食感を楽しむほど量が収穫できないルッコラスプラウトだけれど、アクセントに使うにはすごく良いかもしれない。大きなルッコラが好きな人も気に入る味だと思う。今度ピザにのせてみよう。

●もやしを育てているのを忘れないこと

まだ二種類しか試していないけれど、初心者でもまず簡単にできるのはブロッコリースプラウトだと思う。

スプラウト系は種が小さめだけれど、ルッコラのように極小ではないので扱いやすい。水をあげれば膨らむし、根が出るのも驚くほど早いので(一晩くらい)育てがいがある。葉が出て根を長く伸ばすまでの間、キリフキと下の容器の水替えを日に二回ほどする。

この二日間くらいはスローな感じだけれど、根が水分を吸い出すと後は本当に早い。コップやタッパなどでもできるようだけれど、専用の容器はあった方が失敗が少なくて便利だと思う。

そして、やっぱりもやしなのでダンボールの暗室や、アルミ箔を使って暗さを保ち続けつつ「存在を忘れない」のが一番肝心だ。

暗い棚の中やテーブルの下などだと忘れそうなので注意。今のような冬場は良いけれど、暖かい季節にはすぐ水分が腐敗するそうだ。

小さいスペースでできるので、私はテーブルの上のダンボール箱の中でアルミ箔を使って暗くしている。

テーブルの上なので今は忘れないけれど、いつもあるのが当たり前になる頃にはどうだろう。もう少し見た目の良いプラスチックのケースを、カバーがわりにできないか探しに行こうと思う。

●日陰にばかりいないのも良い

スプラウト栽培は種まきから収穫、食べ終わりまでがせいぜい10日間程度だ。来週の予定がわかっていて、忙しければ種をまくのをやめればいいわけだ。もやしのために旅行に行けないということはない(笑)。

でも、なんだか言い訳としては面白いので、何でももやしのせいにして断るの
もありかと想像してみたり。性格までもやし化しそうだ。

そんな訳で「もやし」というとあまり良いイメージはないけれど、ブロッコリースプラウトは最後に光を当てて緑色にするという華やかな瞬間がある。普通の大豆もやしとは違うのだ。

今までよくばんがりましたね! という感じで日に当てると、素直に緑色になるのは可愛げもある。

最近はおしゃれな照明付きの、熱帯魚水槽のような水耕栽培セットもあるようだ。レタスやバジルが育てられるという。野菜工場が家でできるのだ。

調べてみるとまだまだ専用の種が高いとかで、スーパーで買える旬の野菜の値段に比べるとだいぶ差があるようだ。

そのうちにどんどん手頃で、失敗なくできる商品が出て来ると思う。野菜の品種改良と製品技術の進歩は加速しているので楽しみだ。

ただ、野菜の状態を観察しながら対応を変化させることは、人がやらなければいけないのは変わらないような気はする。生き物の変化には予想しきれないことがあるし、そこが面白いのだから。


【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/

便利なので定期的に食材を届けてもらっている。カートの中には毎回必ず届けてもらうことになっている商品もあって、飽きるとその商品を削除したりできる。ただ小松菜だけは必ず入れているので、小松菜を使う習慣がついた。届くから使うという繰り返しも、習慣づけるのには悪くないかもしれない。