[4032] Adobeは判ってくれない

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《やるたびに「不器用の証明」にしかなってないw》

■ユーレカの日々[47]
 Adobeは判ってくれない
 まつむらまきお

■グラフィック薄氷大魔王[457]
 「塗装スタート」他、立体制作関連の小ネタ集
 吉井 宏





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■ユーレカの日々[47]
Adobeは判ってくれない

まつむらまきお
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20151209140200.html
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Flashが次のバージョンから「Adobe Animate CC」と名前を変えるらしい。

「html5でできること」にシフトしていくと言われているが、実際それは今でも搭載されている機能だし、名称は変わるが、今、Flashで出来ることは変わらないらしい。

やれやれ、Adobe、あいかわらずやってくれる。Flashという名前に染み付いたネガティブな印象を払拭しようということなんだろうけど、ユーザーは大迷惑である。この名称変更から色々と考えてみた。

●Flashという名前の大混乱

Flashという名称は常に混乱と共にあった。「Flash」と聞いて、どう解釈するかが、人によってバラバラなのだ。開発アプリは「Adobe Flash Professional」、Webで再生させる仕組みは「Adobe Flash Player」。

一般の人はコンテンツそのものを「Flashアニメ」などと呼ぶ。再生ファイル「swf」も、Flashファイルと呼ばれる場合がある。

さらに、Flashはその歴史の中で、できることがどんどん増えていった。イラストから始まり、アニメ、プログラミング、ビデオのオーサリング...それが全部、「Flashを作る」と言う言葉で片付けられていた。

なので「Flash」と言った時に、それが開発アプリを指すのか、プレイヤー環境のことなのか、はたまたコンテンツのことなのか、文脈を読み取らないとわからないのだ。

まぁたしかに、「テレビを見た」と言えば、受像機を見ているのではなく「テレビ番組」を見ているのだし、「鍋を食べた」のは、鍋ではなく、鍋料理を食べたという意味だ。

しかし、テレビ局の中の人が番組を作るのに「テレビを作る」と言ってたらダメじゃないのか。テレビ局のディレクター、カメラマン、音響さん、大道具さんらがそれぞれ、照明や編集のことを「テレビをつくる」と言っていたら、テレビ局は大混乱だ。

さらに機能面まで踏み込むと、もっとややこしい。たとえば「Flashでアニメーション」と言った時、それがアニメーターによるキャラクターアニメなのか、スクリプトでオブジェクトを動かすことなのか、やはり人によって解釈が異なる。まぁ、そういう面倒くさい状況がずーっと続いていたわけだ。

今回、名前を変えるのは、開発アプリの方だ。Adobeのサイトによると「Animate CCは、Flash(SWF)とAIRのフォーマットを今後もサポートします」とある。

えーと、この書き方だと、プレイヤーの方は名前を変えず「Flash」のままってことなの? Flashという言葉を辞めたいなら、Flash Playerという名前もやめて、「swfプレイヤー」とするのが筋じゃないのか。

●Animateという名前だって大混乱

さらに、わけがわからないのは変更後の「Animate」という名前だ。Adobeにはすでに「Edge Animate CC」というアプリケーションが存在する。こちらはどうなるのかというと、今回の発表と同時に「開発中止」だそうだ。

このことは、新しい「Adobe Animate CC」のページには触れられておらず、古い「Edge Animate CC」にのみ書かれている。

ここまで書いてみたが、固有名詞が似通りすぎで、実に読みにくい。

Flashのことをあまり知らない人には、さっぱりわからないだろう。そういうことなのだ。ぼくにもなぜ、Adobeがこんな混乱させるネーミングを続けるのか、さっぱりわからないが、もう少し付き合って欲しい。

さて、このEdge Animate CC(消える方)、その名前から推測すると、Flash同様にアニメが作れるアプリのように思えるが、実はこれ、アニメーションは作れない。

今回ちょっと触ってみたところ、作れるのはモーショングラフィック、文字などの素材を動かしたりするだけのシロモノだ。それよりなにより、このアプリには絵を描くツールがない。円形だとか矩形だとかの図形ツールしかなく、自由に描くことができない。

たしかに、文字が画面上を移動したり、伸縮したりする表現は、アニメーションテクニックの一つではある。セルアニメの時代、宇宙戦艦ヤマトもホワイトベースも、一枚の絵をちょっとづつ移動させて、動いているように見せていた。

しかし、移動させて動かすことができるからといって、「アニメーションができる」とは言わない。

これは照明技術があるから「テレビ番組が作れる」と言っているようなものだ。カップラーメンが作れるから「料理ができる」と言っているようなものだ。

つまり、FlashはFlashという名前を捨て、「アニメが作れない」アプリの名前を継ぐということだ。これはどういうことなんだ?

●Adobeのネーミングはキラキラネームだ

考えてみれば、Adobeのアプリには名前に首を傾げるものが多々ある。「Photoshop」はたしかに「写真屋」なのだが、イラストを描いたり、アニメを描いたりする用途でも使われる。

「Illustrator」でできるのは作図であり、たしかに作図的イラストは作成できるが、絵的なイラストを作画するのは苦痛な環境だし、なにより実際の用途としては、イラストよりも印刷レイアウトの方が多いだろう。

写真屋、挿絵画家、架け橋、アクロバット(曲芸)にプレミア(華やかで値打ちのある初演)……そういえば「夢を紡ぐもの」なんてのもある。

そこで、それぞれのアプリの本質を考えて、新たにネーミングを考えてみた。

「Adobe Photoshop」→「Adobe Image Editor(画像編集)」
「Adobe Illustrator」→「Adobe Drafter(ドラフター=製図器)」
「Adobe InDesign」→「Adobe PageMaker(なつかしい……元の名前)」
「Adobe Bridge」→「Adobe Image Cabinet(画像収納閲覧)」
「Adobe Acrobat」→「Adobe PDF Master(PDFのことならなんでも)」
「Adobe Premiere」→「Adobe Non-linear Editor(ノンリニア編集)」
「Adobe Dreamweaver」→「Adobe html&CSS Editor」

まぁ、どれも味も素っ気もない名称だが、できることを考えるとこんな感じだろう。つまり、Adobeの作っているアプリの本質は、事務机であったり、製図板だったりという、業務用の質実剛健な道具に近いものなのだ。

それなのに、なんだってこんな、内容とずれたネーミングばかりになっているのだろう?

このネーミングセンス、何かに似ていると思ったら「キラキラネーム」だ。ディズニーキャラみたいな名前に、難読漢字の当て字をしてしまったりする、アレである。

「将来どういう人間になるのか未知であるのに、過度に具体的なイメージを想起させる命名はいかがなものか」とか、「はたしてその言葉や漢字の意味を理解して、命名しているのだろうか」とか、「難読すぎる名前は生活上の不利便性が高いのではないか」とか……。

キラキラネームだって、思想があれば悪いとは思わない。印象だけで安易に非難すべきことではない。

しかし、人間と違ってアプリは人間が仕様を決め設計するのだから、もうちょっと中身や先の展開を考えて名付けられるのではないか。Adobeのキラキラネームはチャラいだけで、中身とは全く合っていない。その名前がどういう意味を持つのかという知識すらない。「反知性」的な感じがしてしまう。

逆にFlashの新しい名前が「Adobe Animate」というのは、ものすごくまともな名前に見える。だから怖いのだ。なんか名前と中身が違う方向に行ってしまうのがAdobeのネーミングセンスだとすると、Flashはアニメが作れない、なんだかわけのわからないものになってしまう予感がヒシヒシとする。

ちなみにFlashという名前は前身であるFuture Splash Animaterの短縮から来ており、Future Splashの名前は開発元がFuture Wave社だったからで、その名前は会社がカリフォルニアのサンディエゴ、サーフィンのメッカにあったからだ。さらに創立者はシリコンビーチという、これまた海にちなんだ名前の会社出身だった。

まぁSplashには「目立つ記事」という意味もあるが、それがFlashになってしまった途端、全く意味を喪失している。やっぱりキラキラネームだ。

●新機能に期待できるのか

「Adobe Animate CC」(次のFlash……ああ面倒くさい!)で予告されている新機能に「360°回転可能なカンバス」というのがある。

欧米のアニメーターが使う作画机は、埋め込まれているトレース台が円形で、ぐるぐると回せる。日本では動画用紙そのものをぐるぐると回しながら作画す
る。線画を描くのに、紙を廻すのはとても大切なテクニックであり、Photoshopでは以前から搭載されている。

Flashで絵を描くユーザーは、この機能を20年以上切望していた。それ自体めでたいことなのだが、これにより、Flashは本格的なアニメーション作成環境にシフトしていく…… イヤイヤイヤ、騙されてはいけない。

なぜなら、この機能は「イラストを描くため」にあるIllustratorにも搭載されていない。カリグラフィブラシで筆圧タブレットでドローイングができるのに、カンバスを回転させながら描くことができない(そもそもイラレは、手描きについて全くといっていいほど無頓着)。

このことからも、Adobeが「描くこと」と「カンバスを回転させる意味」について、理解しているとは思えないのだ。

Adobeはあまり深く考えずに、新機能を搭載したり、必要とされる機能を搭載しなかったりしているのだ。

●Adobeは平気でアプリを退化させる

Adobe ideasというiOSアプリがあった。ガシガシと手描きでベクターが描けるアプリで、線と塗が分かれていた。線と塗を分けるというのはFlashの描写環境の根幹で、要はFlashと似ているのだ。

基本はスケッチメモなので、機能は最低限だったのだが、これが進化していけば、Flashのようになるのでは、と密かに楽しみにしていた。

このideasが、今年になってAdobe Illustrator Drawというアプリに進化した。筆圧にも対応、ベタ塗り(バケツツールのような機能)にも対応し、これは!!と思ったのもほんの束の間。

よくよく見てみればなんと、線オブジェクトが描けなくなっているではないか。実際、旧Ideasから持ってきた画像の線シェイプは消すこともできない。

さらに、このアプリには、ideasの頃から選択ツールが存在しない。オブジェクトを選択できないのでは、せっかくのベクタードローイングも真価を発揮できないではないか。

Flashでも、以前あったボーン機能を一時期、廃止してしまい、ヒンシュクを買ったのか、今のバージョンでは復活させている。

iOSアプリでは、これ以外もリリースしたり、廃番にしたりが激しい。タブレットアプリはまだ黎明期だからある程度しょうがない部分もあるが、それにしてももうちょっと「考えてからリリース」してほしい。

●これからのFlashの話をしよう

つい、ネガティブな事ばかり書いてしまった(実はこの倍ほどAdobeへの罵詈雑言を書き連ねたのだが、あまりに見苦しいので没にした)。もう少し冷静になって、Adobe Animateの将来はどうなるのか、どうなって欲しいのか考えてみる。

最良のシナリオは、Flashがようやく、アニメーション作成環境に戻ってくるという期待。20年近く停滞していた、本当のアニメーション作成環境への挑戦。

現在のFlashの表現ポテンシャルはとても高いのだが、スクリプト(プログラミング)を使わないとできない事が多い。このあたりのインターフェイスの整備を期待したいところだ。

最悪のシナリオは、Flashから作画環境がなくなり、単なる移動しかできないツールへと成り下がること。プログラミングを使えばなんでもできるが、絵すら描けないツール。

Flashの作画環境は独特で、あれが嫌だ、という人も多い。しかし、Flash以外のベクター描画アプリを見渡しても、未だにFlashのように自由に描けるツールはないし、ラスター描画にするならFlashよりAfter Effectsの方がいいだろう。なかなか理解されないFlashの作画環境だが、今なら理解されるのではないか、と思うのだ。

タブレット用のメモアプリでは、ベクターベースの描写のものがたくさんある。ただ、どれも絵を描くには不十分だ。Flashのルーツのスマートスケッチは、まさにそういった「ベクター手描きメモ」として作られたアプリだった。

スマートスケッチにはフレームではなくページが存在し、手描きの図形を清書してくれる図形認識機能は、今でもFlashに残されている。タブレットが普及している現在であれば、スマートスケッチ=Flashの描画機能は再評価されるのではないか。

iOSのAdobe Illustrator Drawに線ツールを復活させ、選択ツールを追加する。ここにFlashならではのブラシモード(背面に描くなど、マスク要らずのすぐれもの)があれば最高なのに。

さてさて、Flash改め、Animateはどんな未来を描くのだろうか?


【まつむら まきお/まんが家、イラストレーター・成安造形大学准教授】
twitter:http://www.twitter.com/makio_matsumura
http://www.makion.net/
mailto:makio@makion.net

ホントは「スター・ウォーズ」の話を書くつもりだったのだが。Adobeめ...


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■グラフィック薄氷大魔王[457]
「塗装スタート」他、立体制作関連の小ネタ集

吉井 宏
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プロダクトデザイナーなど、モノづくりに関わる作家が集まる展示即売会のための作品を作ってます。

「MAKERS LINK Special Outlet 2015」
〈今週末〉 12月12日(土)・13日(日)アーツ千代田 3331 ギャラリーB104

今回作ってる2点の他にも過去の作品で在庫があるものをいくつか出品します。
詳しくは↓
http://www.yoshii.com/dgcr/ML2015/MAKERSLINK-3.pdf
http://www.yoshii.com/dgcr/ML2015/MAKERSLINK-3.jpg
facebookページ https://www.facebook.com/MAKERSLINKSpecialOUTLET/

(チラシの部屋番号がB105になっていますが、B104が正しいそうです。隣の部屋なので行けばわかると思います)

予想を超えて大変な今回の作業。展覧会の告知も兼ねて、ブログに制作記もアップしたいのにそれもできない自滅状態。しょうがないので、デジクリ原稿をブログの下書きにしちゃうという先週に続いての暴挙。完結編↓

11月24日(火)_______________________________________________

●塗装スタート

細かいパーツから塗装開始。アクリジョン、隠蔽力のなさは重ね塗りでカバーできるものの、泡がやっかい。なるべく気泡ができないように混ぜたり筆の穂先に気をつけないと、すぐ気泡だらけになる。

ブロワーで吹けばたいていの泡は消えるけど、残ってしまうものもある。何度も重ね塗りするから、一回に1個しか泡ができなくても5度塗りすれば5倍の泡。
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ところで、スペアボトルを使うほどでもないけど、ちょっとだけ取っておきたい色。従来は溶き皿にフタをしてたりしたけど、スポイトに吸い込んで錬り消しで閉じるという方法を見つけた。瓶よりぜんぜん安くて手軽。
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アクリジョン、小さい泡がそのまま乾燥しちゃったりホコリやゴミが入ってポツッとなってたりする場合、乾いてから細か目のサンドペーパーで磨けば問題なしだった! ラッカーにくらべりゃ時間はかかるけど、なかなか便利な塗料かもしれん。じっくりやるにはイイ。

11月26日(水)_______________________________________________

●極小ペイント

直径1.2cmの目玉に直径9mmの円をどうやってペイントするか? コンパスで丸く切り抜いたマスキングテープを貼り付ければ楽勝! とか思ってたんだよなあ。切り抜いたマスキングテープはフニャフニャ。正しい位置にきれいに貼り付けるのは無理だった。

メンディングテープや幅広セロテープだと、形を保ったまま貼り付けられそうなんだけど、これも実際やってみると難しいし、そもそも円切りの切り始めと切り終わりが正しくつながらないんだよ……。

ろくろ方式などいろんな方法を試したり練習したあげく、結局うまくいったのは「コンパスに烏口つけて塗料で円を描く」でしたw

で、瞳孔の黒。もっと小さい丸で、5mm。これはもうコンパスじゃ無理。そうだ、ファイル閉じる穴開けパンチ! メンディングテープに穴を開けたものでマスキングしたらうまくいった! はみ出したりして失敗したものもあるけど、必要な数は足りた。
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もう一方の目玉は筆で塗り分け。4個を試しにマスキングしたんだけど、トータルでそんなに時間変わらなかったから、もう筆塗りでいいやって。
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顔に目玉と鼻と口のパーツを仮組みしてみたところ、鼻の穴をどうしても黒く塗りたくなった。穴を黒く塗るってどうするんだ?
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スポイトに瞬間接着剤のノズルをつけて、黒を注入してすぐ吸い出す方法でうまくいった。失敗も多いけど、5個成功してればOK。
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とりあえず、細かいパーツのペイント完了。
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いやしかし、本当に時間かかる。使ってる時間に対しての成果が少なすぎて落ち込む。目玉を塗り分けてた時間でTDWなら2個完成するとかまた考えてしまう。

今日はApple Musicでノーランズのベスト盤(1時間12分)をリピートでBGMにしてたのだが、あ、一曲目に戻った、あっまた一曲目だ、あっまただ、まただ。

ってどんどん時間が過ぎていく。時間がたっぷりあるときならいいんだけど、この後にいくつも仕事が控えてて、立体制作が長引くほどにそっちが大変になる。焦るばっかし。

11月27日(金)_______________________________________________

●最大の難関

困った。目のフチ、マスキングしたものと、筆で描いたもの。どちらもガタガタ。段差処理してもマスキングのほうが汚らしく見える。筆で描くしかないか。もう一点のほうの目はもっと小さいんだよ。
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目のフチを描き終えたら峠は越えたみたいなもんだろうけど、この調子だと目のフチだけで明日までかかるかも。いくらなんでも11月中に上げなきゃヤバい! もう原型作業から数えて28日かかってる。

只今、嫌気が最高潮w 発狂寸前。全部ゴミ箱に放り込みたい。フルカラー3Dプリントを展示でよかったのに。いや、今からでも……やめる勇気w

10年前に立体制作始めたときから、塗装でめちゃくちゃ苦労するのは思い知ってて「二度とやらないぞ!」とか思うのに、しばらくすると「もっと手際よくできるに違いない」とか思っちゃって始めちゃうんだよなあ。いいかげん覚えろとw

ほとんどデジタルでの制作になっている今、手で作る実感と作れる証明をしたいのも動機の半分なのだが、やるたびに「不器用の証明」にしかなってないw

思いつきで作ってるプライベート作品なら、とっくの昔に遠慮なくゴミ箱にブチ込んでるけど、展示会のDMに印刷されちゃってるんで、少なくとも3個ずつくらいは完成させないと。

11月28日(土)_______________________________________________

●目のフチ完了、ボディへ

もう一方の目のフチはマスキングでなんとかなった。ところどころはみ出したけど、どうにか修正。地の色でカバーするより、サンドペーパーで削っちゃうほうがぜんぜんきれい。最終的にいくらなんでも汚い仕上がりのものはボツにしても、4〜5個は残るだろうって期待w
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ボディは下塗りした段階。最初、焦ってベタベタ塗りすぎて、垂れて固まった箇所がいくつも。ひどい部分はサンドペーパーで削る予定。あと、塗膜が分厚くなるけどやっぱグレーで下地塗ればよかった。パテの修正跡が透けて見えてしまう。
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細かいパーツのペイントが終了して、発狂段階は脱しましたw 今回は「無臭制作」がテーマの一つなので無理やりやってますけど、発狂の原因の大部分は「ラッカーとエアブラシ抜きの作業」だから。

筆塗りは手軽だけど、今回の規模だと3個が限界だなあ。それ以上だとエアブラシのほうがぜんぜんラクだと思う。

11月29日(日)_______________________________________________

●ボディのペイント

下地として似た色を塗り、ボコボコを削ったりホコリをサンドペーパーで取ったりした後、本番の色で塗った。小さい平筆でうすーく延ばす塗り方で3〜4回やったら、エアブラシのラッカーくらいきれいに塗れた。で、足の色(口の色と共通)を塗った。こちらは塗り終了。
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もう一方のボディは迷彩的塗り分けで、大変なマスキング作業。でも、塗る色は最後の一色だから。ガンバル。

しかし、「感情のジェットコースター」ってホントだわ。一昨日まで発狂寸前だったのに、今はもう最後の色だぞってウキウキだもんw あの落ち込みを手順として経ないと完成しないってわかってるから。

ところが、マスキングしてひととおり塗るのに、2時間! 時間がかかりすぎる。いや、同じ作業をあと4個、計8時間で済むのなら早いとも言えるか。
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マスキングテープを剥がしてみた。うまくいったけど、やっぱ段差が嫌い。色がダメ〜! 明るいほうの色は明るすぎたし、暗い方の色も暗すぎる。明るいほうはそのままにして、暗いほうをもうちょっと明るくしよう。これはこれでおいといて。
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この一週間ほとんどかかりっきり。さっき、Finderのウインドウをひとつ閉じたら、下にあったウインドウは6日前に納品直前に開いた資料のフォルダだった。いかにMacで作業してないかっていう……。

11月30日(月)_______________________________________________

●塗装、一旦終了

とりあえず最後の色を塗り終わった。マスキングのはみ出しや段差の修正は残るけど、作業としてはこれで一段落。2〜3日乾燥したら組み立て接着、トップコート吹き。
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塗装、とんでもなく時間かかったような気がしてたけど、顔パーツの下塗りを始めたのって先週の火曜だった。なんだ、たった一週間か。目玉と目のフチを試行錯誤して時間ずいぶん浪費したけど、それ以外は割と順調だったわけか。

あとは、箱とラベルの用意。箱は10枚ずつ特注しようと業者のサイトで見積もりしたら、1個900円とかになったw 20cmより小さい無地の段ボール箱がだよw 探したらシモジマの既成品でピッタリのがあるのでそれにする予定。

12月2日(水)_______________________________________________

●塗装完了

パーツのチェックや出来の悪いものをよけたり、修正・塗り足しなど6時間くらいやった。これで塗装完了、組み立てスタンバイ状態ってことでいいかな。あらためて見たら、トリの顔背後の隔壁、まったく不要だったなあ。
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12月4日(金)_______________________________________________

●組み立てと接着完了

楽しい組み立て作業、2時間で終わるかと思ったら昼前からさっきまでかかった。あ〜しんど。あとは、風がない日にトップコート吹き。と、平行して箱とラベルの用意。あ、名前を決めないとラベルが作れない。
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名前、茶色いほうは「キャラメル」「エクレア」とか、「エクレアちゃん Eclair-chan」がいいかなと。トリは「小梅ちゃん」がピッタリかなと思うけど商品名そのままじゃあねえ〜。plumじゃイメージとちがうしなあ。調べたら、小梅って単に品種名でもあるのね。じゃあ小梅だ。

結局、「エクレアちゃん」と「小梅」。ロゴ、こんな感じ。フリーフォントを選んでちょっと細工。
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12月8日(火)_______________________________________________

●完成〜!

トップコートを吹いた。ちょっとザラザラの梨地状態の部分はあるけど、すでに垂れてる部分もあったりするし、無理にツルツルまで持っていくこともない。これでいいや。……と思ったのに、わざわざもう一度念入りにスプレーして一日使ってしまった。

まだホコリ取りすると思うけど、いちおう完成〜!
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【吉井 宏/イラストレーター】
HP  http://www.yoshii.com/
Blog  http://yoshii-blog.blogspot.com/

楽しいのは作業がどんどん進む時だけで、ほとんどは難行苦行。でも、もうすっかり立ち直って、次はこうすればもっとラクに作れるとか考え始めてたりするw いやしかし、時間がかかって仕事に支障が出てしまいがちのはマズい。よほど時間に余裕がある暇な時期を見極めて始めないと。

一か月以上も立体制作をやってたせいか、普通の仕事のペースがつかめない。ラフスケッチ描いてても事務雑用みたいなことやってても、集中力が3分も続かない。やらなくちゃいけないことがめちゃくちゃ詰まってるのに〜。

・パリの老舗百貨店Printemps 150周年記念マスコット「ROSEちゃん」
http://departmentstoreparis.printemps.com/news/w/150ans-41500

・rinkakの3Dプリント作品ショップ
https://www.rinkak.com/jp/shop/hiroshiyoshii

・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii

・ハイウェイ島の大冒険
http://kids.e-nexco.co.jp

・App Store「REAL STEELPAN」
https://itunes.apple.com/jp/app/real-steelpan/id398902899?mt=8


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編集後記(12/9)

●「マガジン航」は、本と人と社会の関係をめぐる良質な議論の場を目指すメディアである。・電子ネットワーク時代にふさわしいメディアの新しい作りかた ・図書館やアーカイブなど知識の公共インフラのありかた ・学術研究者や作家による知と創造の新しい生産・流通のありかた この三つの領域に焦点をあてて、ジャーナリストや作家、さまざまな分野の研究者や現場の実務家からの寄稿・投稿で構成されている。2009年にボイジャーから発行された当時はかかさず読んでいたのだが、いつのまにか忘れてしまった。最近ブックマークを整理していて再発見、執筆者もすごい数になり、読み応え充分である。

数年前から本格的な図書館利用者になったわたしは、とくに図書館関係の記事には興味津々である。2015年の川口市立図書館の利用冊数(DVDを含む)は200を軽くオーバーしているから、わたしはヘビーユーザーかもしれない。地元の戸田市立図書館は蔵書が貧弱なので、年間利用冊数(DVDを含む)は20に満たない。いまや開き直って、新刊本は買わなくてもいい、図書館をバンバン活用すべしという姿勢だが、それでもまだ、「無料貸本システム」を利用するのが、なんとなく肩身が狭いとフト思う瞬間がある。出版社に27年間勤めた身としては、金も払わずに読んでしまうのに罪悪感を感じることがある。

「マガジン航」に「新刊小説は滅亡について考えた方がいい(藤谷治)」という記事があった。筆者は小説家だが、その売文業者に面と向かって「藤谷さんの新刊、図書館で借りて読みました!」とか「すみません、貸し出しの順番が回ってこなくてまだ読んでないんです」などといってくる鈍感な人も、たまにいるそうだ。何が何でも新刊小説は買わないという人たちはいる。買って手元に置いておこうか、どうしようか、見定めたい、という種類の人たちは、結局は買わない。「興味は持っている消費者が新刊小説を買わないのはなぜか」という問題の解答は、「新刊小説は、買わない方がいいからである」だって。

筆者はダ・ヴィンチ編集部編『本をめぐる物語〜小説よ、永遠に』に、「新刊小説の滅亡」という小説を書いている。「有体にいえば、一回読んだら置き場所に困るような文学など、買わない方がいい、ということだ」と小説家が言い放つんだからどうなってるんだ。新刊小説が滅亡したらどうなるのか。読者であるわたしの場合、高価な新刊小説はまず買えなくなった。評価が定まった頃に出る文庫本なら手が出る。しかも解説付きだ。しかし、新刊が滅亡したら文庫本も生まれない。くだんの小説をぜひ読まなければならない。図書館で借りて。さあ検索、「該当する資料はありませんでした」。嗚呼……。(柴田)

マガジン航
http://magazine-k.jp/


●え、Edgeなくなるの!? サンプルを作るために、数回しか使ったことはなかったが……。気がつくと新しいアプリケーションが増えていて、調べるのが後回しになっているAdobe Creative Cloudユーザーである。

吉井さんの写真にある目のパーツで連想したのが、最近話題になっている目玉ロゴの件。自分には全然似ているように思えないというか、目のバリエーションなんて出まくっていて、そんなこと言い出したらキリがない、我らが脈々と受け継いできている文化みたいなものじゃないのかと。

目のロゴなんていくらでもあるし、そもそも身体のパーツはモチーフにしやすいし、神戸のは手塚治虫ら昔のアニメっぽいような。村上隆のは目の中のキラキラの奥に、重なった円が見えるから、そこがポイントなんじゃないのかなぁ。今後の動向や、アニメに詳しい人たちの反応が知りたいわ。 (hammer.mule)

村上隆さんが類似指摘 目玉ロゴ使用を中止 神戸
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151208-00000000-kobenext-l28

今度は神戸「目玉ロゴ」が村上隆作品の「パクリ」? ネットで「似ている」「言いがかり」と議論噴出の騒ぎ
http://www.j-cast.com/2015/12/08252661.html

パンダコパンダ
https://www.atpress.ne.jp/releases/48892/img_48892_5.jpg

リボンの騎士
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/d5/4ed3237cd081ba63ffde3e0bfc76fd0d.jpg

しずかちゃん
http://matome.naver.jp/odai/2139981657517836301/2139981901920357003

鉄腕アトム
http://genmai-asuka.com/wp/wp-content/uploads/2013/07/atom.jpg

ファインディング・ニモ
https://retrip.jp/articles/9973/

まにまにフェスティバル(まにフェス)P4
http://m2college.net/fes4/