もじもじトーク[32]「括弧」について考える/関口浩之

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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。今年もあっという間の一年になりそうな予感がします…。今年も残すところあと三週間なのですね。風邪などひかないよう体調管理に気をつけていきましょう。来年も『もじもじトーク』よろしくお願いします。

前回は「丸と点」についてお話しました。あたり前のように使っている句読点を前回いっしょに学びました。「何を今さらというなかれ。句読点には印刷文字の原点がある。たかが句読点、されど句読点」でした。

読点で息継ぎを感じ、句点があることで余韻を感じることで、読みやすさと心地よいリズムをつくってましたね。





●あたり前のように使っている「括弧」

句読点と同様に、括弧も当たり前のように日々使っていますよね。ここまでの文章の中で括弧類はすでに何回も登場しています。括弧類を多用しすぎるとうるさく感じることがあります。しかしながら、括弧類が全くない文章は逆に読みずらいケースも少なくありません。

まず、私たちが日頃使用している主な括弧を一覧にしてみました。なお、名称はウィキペディアから引用しました。また、ここでは、すべて全角文字で表記しています。

( ) 丸括弧(まるかっこ)、パーレン
・ ・ 二重丸括弧(にじゅうまるかっこ)
「 」 鉤括弧(かぎかっこ)
『 』 二重鉤括弧(にじゅうかぎかっこ)
[ ] 角括弧(かくかっこ)
・ ・二重角括弧(にじゅうかくかっこ)
{ } 波括弧(なみかっこ)
〔 〕 亀甲括弧(きっこうかっこ)
・ ・二重亀甲括弧(にじゅうきっこうかっこ)
〈 〉 山括弧(やまかっこ)
《 》 二重山括弧(にじゅうやまかっこ)
{ } 波括弧(なみかっこ)
【 】 隅付き括弧(すみつきかっこ)
・ ・隅付き括弧(白)[すみつきかっこ しろ]

・ ・ はメルマガでは化けてしまうので掲載できず ↓を参照

ウィキペディアの括弧の解説ページ
https://goo.gl/XmkRVD

括弧類だけでもこんなにたくさんあるのですね。使用したことのない括弧がいくつかありました。

僕は基本的に、丸括弧、鉤括弧、二重鉤括弧のみを使用するように心掛けています。なぜなら、表記統一や読みやすさの観点で使う種類を限定したほうがいいと思っているからです。

とりわけ、全角と半角の括弧類が混在すると見映えが悪くなるだけでなく、読みずらくなるので注意するようにしています。また、環境依存文字は使用しないようにしています。

デジクリ読者の多くの方は、仕事で組版している人は少ないと思います。でも、読みやすい文章だなぁとか、素敵な組版デザインだなぁと感じることがあると思います。その場合は、括弧類の利用方法とその組版の仕方がしっかりしていることが多いです。

では、書籍や雑誌を読む側の立場の人にとって、括弧類の活用方法や役割を知っておく必要はないかというと、そうではありません。

メール文章を書いたり、パワーポイントやキーノートで資料を作ることはあるはずです。その際、無意識に括弧類を使用していると思います。括弧類の役割や括弧の歴史的な背景を学んでおくことは、デザインに携わっていない人でも知識として知っておくとタメになります。

●括弧類の役割

僕は学校で括弧類の利用法や役割を学んだ記憶がありません。国語の時間でそんな内容の授業ないのかなぁ…?

括弧を解説すると、「言語の記述の中で、その一部を一対の括弧で囲むことにより、その中と外を区切る役割を果たす」ということになります。むずかしいことはさておき、僕が主に使用している三種類の括弧をご紹介します。

・丸括弧(まるかっこ)

「パーレン」とも呼ばれます。ドイツ語で丸括弧を意味する単語「Parenthese」に由来しているようです。丸括弧は注記を加えるときによく使用されますよね。例えば、漢字の読みを表記する場合などです。

・鉤括弧(かぎかっこ)

「かぎ」「ひっかけ」とも呼ばれることもあります。鉤括弧の由来は、江戸時代の式亭三馬の滑稽本(1809年刊、木版)で最初に使われたと言われています。そして、明治時代になると、二葉亭四迷の浮雲(明治20年刊、活版)など、書物で一般的に使用されるようになっていったようです。

鉤括弧の起源(モジカ2号/1995年8月発行)
http://goo.gl/tLG6na

会話を引用するときに使われている鉤括弧は、そんな昔から使用されていたのですね。当時は、受けのかぎ括弧がないケースもありました。

鉤括弧はメルマガの文章中で多用する傾向があります。主に引用箇所や文中の英語表記の部分に鉤括弧を使用していますが、それ以外の利用として強調した箇所に使用する傾向があります。

Webページですと強調したいフレーズにボールドをかけることができますが、プレーンなテキスト文章の場合、太さや色を変更できません。テキスト形式のメルマガやメール本文では、強調したいフレーズに鉤括弧を使用することが多いかもしれません。

メルマガやメール本文のブレーンテキストの文章内で、このような用途で鉤括弧を使用することが正しいお作法なのか、正直、自信がありません。

・二重鉤括弧(にじゅうかぎかっこ)

「大かぎ」「大ひっかけ」とも呼ばれることもあります。書籍名やタイトルなどを引用する際に使用しています。ウィキペディアによれば、「書名など特別の種目に属するものの名称を表す場合に用いる」と書いてありました。

僕はきれいな組版を見るのは好きなのですが、自分で組版をしたことがありません。なので、括弧類の組版のお作法を説明できません。組版については先人のブログ等を参考にしていただければ思います。

最近、Adobe Creative Cloudを自分のMac用に購入しました。これから、すこしづつ、組版も学んでいきたいと思ってます。

●セミナー情報

『まにまにフェスティバルP4』まであと9日です。12月19日(土)に大阪産業創造館(サンソウカン)にて開催されます。WebやITに興味のある人達が学園祭の乗りで毎年集まって一緒に学ぶお祭りです。

僕は四年連続でブース出展とセミナー登壇します。文字に関するトークセッションを行います。リアルなもじもじトークです。ご来場お待ちしております。また、FONTPLUSブースでは、フォントメーカ8社の文字見本帳など50セットご用意しましたので、ご興味のある方お立ち寄りください。

まにまにフェスティバルP4
http://goo.gl/w4pf0n


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
http://fontplus.jp/

1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。

その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。

小さい頃から電子機器やオーディオの組み立て(真空管やトランジスタの時代から)や天体観測などが大好き。パソコンは漢字トークやMS-DOS、パソコン通信の時代から勤しむ。家電オタク。テニスフリーク。