[4043] スター・ウォーズのカワイイを探す

投稿:  著者:  読了時間:23分(本文:約11,400文字)


《変わっていくことを恐れない一年でありたい》

■装飾山イバラ道[169]
 スター・ウォーズのカワイイを探す
 武田瑛夢

■ところのほんとのところ[133]
 日本の写真教育の遅れなど
 所 幸則 Tokoro Yukinori

■メグマガ[05]
 日常が 冬の風のように 職を 失う
 こいぬまめぐみ

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■装飾山イバラ道[169]
スター・ウォーズのカワイイを探す

武田瑛夢
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20160112140300.html
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年が明けて、六本木で「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を見た。私はスター・ウォーズ世代だけれど、以前も書いたようにリアルタイムで見られなかったし、ストーリーの深いところではスター・ウォーズを語れない。今回は女性目線で見たところを書いてみたいと思う。

そして本来はネタバレもしたくない映画でもあるので苦しい。見る前はスター・ウォーズ情報からなるべく離れ、見てしまうと自分がネタバレしないかと不安になる。

※今回はネタにほぼ触れずスター・ウォーズ全体について語ろうと思いつつ書き始めたのにやはりネタがバレてしまっています。未見の方は注意して下さい。

今回のスター・ウォーズを見るにあたって、私もテレビ公開されていたいくつかの過去作を見直した。正月テレビでやっていたエピソード3をうっかり見逃したのでiTunes Storeでレンタルして見た。HD画質で500円は安いのか高いのかわからない。

若い頃の私は「スター・ウォーズって順番がバラバラでストーリーがわかりにくい」と正直思っていた。今思えば、時代順に見たら物語の山場がなくなってしまうので納得した。同じ人物に何通りも呼び方があるのも、その方が良いことが多いし、やっと解って来た。

エピソード4、5、6とエピソード1、2、3そして今回のエピソード7から始まる新時代に、それぞれ思い入れを持つ人がいると思う。ネットで見ると各時代のファンがあまり仲良くなかったりして、同じ映画シリーズが好きなファン同士なのに不思議だ。

それは、生みの親であるルーカスを神格化している古くからのファンと、それぞれ新しいシリーズのファンで、初めて見た時の気持ちの違いに理由があるようだ。

シリーズが長期化している映画やゲームには、起こりがちな問題かもしれない。先輩を敬い新人を歓迎する暖かいムードの関係もあれば、新人の軽はずみな発言を許せない先人もいるだろう。

しかし、若手は先輩の長いうんちくに嫌気が刺しているかもしれないし、せっかくスター・ウォーズに興味を持った人を、ニワカ呼ばわりしたりするのは残念だ。それこそはお互いの「善の心」が必要なのではないだろうか(笑)。

●スター・ウォーズのカワイイ

女性目線からのスター・ウォーズを考えると、恋愛要素やカワイイロボットに目がいく。エピソード1、2、3ではパドメとアナキンの出会いと恋が描かれていて、エピソード4、5、6のレイアとハン・ソロの恋愛とは違う良さがあったと思う。SFに恋愛要素が必要かどうかは好みもあるけれど、友情と愛情のどちらにも善と悪のパワーが隠れているからやはり必要だろう。

エピソード1、2、3では、美しいパドメの髪型や服装が楽しみでもあったけれど、今回は登場人物に余裕があるシーンが少ないので、女性の髪型や服装を見る楽しみはあまりなかったと思う。

カワイイロボット代表だったR2-D2の登場シーンは今回少ないけれど、BB-8がたっぷり可愛さをまき散らしている。ピューピューいう声や、目のようなライトの動きもわかりやすく感情を表していた。

BB-8の「サイズが小さい」というのもやっぱりカワイイ。スピーディに転がって疾走するけなげさも、あの作りのロボットならではだし、逃走シーンが多いので都合の良い機構なのだと思う。

出て来る強面の怪物は、もう少ししっかり止まった状態で見たかった。そして、やっぱり可愛げが欲しかった。悪役に可愛げが加わるとすっごくカワイイので、ファンになる人もいると思うのだ。

コミカルにしすぎない縛りでもあったのだろうか。ゲテモノ好きだけが感じたことかもしれないけれど、そういうところがいちいち惜しい。

そしてカイロ・レンの一味の部下に登場シーンが少なくて、魅力が薄かったのがもったいない。ディズニーランドでは「手下達」がブームにもなっているのだから、悪役の部下ポジションを愛したい層はいっぱいいると思う。

今回やけに活躍する白いマスクのストームトルーパーだけれど、主人公の一人であるフィンと一対一で戦うストームトルーパーがネットで話題だ。戦う前にバトンをクルクル回すアクションが「何なの?」「威嚇? もしかして威嚇なの?」って感じでカワイイ。

こういう「無駄な動き」が大好きな人が多いらしく、「TR-8R」と名前が付けられ、いろいろな動画やイラストが作られてインターネット・ミームとなっているそうだ。

レイア姫が年老いたとか話題になっているようだけれど、同じ女性からすると「そんなのしょうがない」と思う。各時代ごとにそれぞれの登場人物はしっかり年を取ってきたのに、女性だけが厳しいことを言われるのは何とかならないのだろうか。実際は映画の中では充分綺麗なレイアだったと思う。

そして、今までそんなに好きじゃなかったチューバッカが、今回とても好きになってしまった。毛むくじゃらのものは好きなはずなのに、あの背の高さがなんだか怖かったけれど、いいヤツだなぁと思うし「バォー」っとだけ鳴く声もまた懐かしい。

オバQのO次郎の「バケラッタ」のように、一つの言葉しかないことがかえって可愛いこともある。チューバッカのグッズで可愛いものを探しているけれど、毛むくじゃらだからかグッズにすると可愛いものとそうでないものの差が激しい。しかもあの顔だから、成功しているグッズが本当に少ないのだ。

来年以降に公開する映画への期待も高まるけれど、今回の新時代はエピソード1、2、3の頃よりはシリアスムードが弱められているので、よりキャラクターを愛せるシーンが多くなればいいな思っている。戦いがベースになるのはしょうがないけれど、時間の長い映画なのでどこかでホッとしたいのだ。


【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/

映画を見た後は、グルメバーガーでも食べればアメリカっぽくて映画にも合ったと思うけれど、やっぱり「つるとんたん」でうどんを食べた。冬はうどんがいいですね。

私はトッピングの多いカレーうどんで、夫は鍋焼きうどん。さすがに鍋で来る鍋焼きうどんは大きいだろうと思っていたら、私の丼と大差なかった。ここの丼はほんとに大きい。


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■ところのほんとのところ[133]
日本の写真教育の遅れなど

所 幸則 Tokoro Yukinori
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20160112140200.html
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News! 何度も何度も、アマゾンの「所幸則写真集 アインシュタインロマン」にベストセラーマーク! [ところ]がみつけただけで五回目、本当は七回目らしい。素直に嬉しい! って言ってる間に八回目見た!

写真集ランキングなんと20位! 猫写真集や、太もも写真集……1000〜2400円写真集に囲まれてだから大健闘! かな? つられて渋谷の写真集も売れ始めました。そのあとはなぜか、9日〜11日の朝までずっと一位だった。ちょっと事件です。

蒼穹舎全体でもこの一か月以上、ずっとダントツでトップの売上が続いています。毎日一冊以上[ところ]の本が出てるんだそうで、かなり慌てていました。あと三か月、このペースが続けばいいのですが、まあそんなに甘くはないか……

売り切れも困るのが本音だけど。「アインシュタインロマン」も、「渋谷ワンセコンド」も60冊ぐらいは持っていたい、今後の個展のこともあるしね。

さて今回は、どうしようもないアートの現状と、日本の写真教育の遅れについて本気で書こうと思う。


香川県がアート県とか、アートのサンクチュアリ(聖域)なんて言い出した頃に、おいおい、香川県ってそんなことないよ、少なくとも市民レベルでは。ベ○ッセが言わせてるんでしょ、「瀬戸内国際トリエンナーレ」をやるからさ、
ところ]はそう思った。

これにしても、毎回、北川○ラムというアートディレクターが、現代アートに関しては前回イマイチだったけど、それ以外はそれなりの人を連れてくるので、まあ、いいんじゃない、とか思っていました。

ところが写真は、上田○彦、篠山○信、ホン○タカシと毎回、名前だけは有名なお友達に仕事回してあげる的なことしかしないので、本当につまらない。コマーシャルフォトをやる人と、シリアスフォト(ファインアート写真)をやる人とは、世界でははっきり分けられてるんだけど。

とまあ県民はただのお祭りイベント程度の認識しかないし、やってるのは香川県だけど、新幹線があるから岡山県側にホテルを取る人が多くて、岡山にお金が落ちて香川は島を荒らされるだけという惨状(ちゃんと現状復帰しないんです)で、じっさい高松の市内なんかは盛り上がってないしね。

香川の人も島巡りツアーのついでに、ちょっと美術見ますか、ぐらいで「アートのサンクチュアリ」が泣くよ。


ということで、[ところ]が香川県で始めた、ファインアートのいろはを教えるのに写真は身近でいいんじゃないかと提案した活動が、もう七期生が進行中だ。今回はかなり初心者が多く、[ところ]の言ってることわかるかなあと心配していたら、今回は頭のいい人が多く飲み込みが早くて助かりました。

実は自分のカメラを持っていなかったという岩部さんが、とうとう自分のカメラを手に入れてました。写真のレベルが上がったのはそのせいかな。とても上品な素敵な方です。以下、インタービューされていたので挿入しておきます。

e-とぴあ香川のfacebookページでのインタヴュー
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本日開催された「フォト・ラボK」第七期の第四回講座。今回は講師の所幸則氏による作品アドバイスと、e-とぴあ・かがわのプリンタを使ってのプリント実習が行われました。

所氏は、受講生が撮影した写真作品をパソコンに読み込んでプロジェクターに投影し、受講生とコミュニケーションを取りながら、アドバイスしていきます。

「このあたりは明るくした方が」とライトルームというソフトを使って見せていきます。所氏が受講生の作品を画面上で補正して見せる様子は、まさに「マジック!」。的確なアドバイスに受講生から感嘆の声が上がります。

受講生の一人、高松市の岩部典代さん(写真右下)は、まだ写真を撮り始めたばかり。今回は撮影の設定「絞り」についてのアドバイスを受けていました。

岩部さんは、子どもの頃からずっと身近な存在だった栗林公園を、観光目線ではない自分の目線で捉え、写真を通して表現したいと考えています。

「まだまだ自分が思ったように撮影できない」と、岩部さん。「フォト・ラボK」の実習として栗林公園を撮影していくうちに、「自分の目で見たものとは違う、カメラを通して見た栗林公園が見えてきた」のだとか。

最初は「フォト・ラボK」受講生の先輩でもある知り合いから、カメラを借りて撮影している岩部さんでしたが、今は自身のカメラを購入しました。所氏にカメラ選びのコツも熱心に相談されていました。岩部さん自信作の一枚、栗林公園の作品を見られる日が、今から楽しみですね。

岩部典代  所先生にご指導いただけて、感謝です。各々の異なる感性を上手く引き出していただいています。クラスのメンバーにも恵まれて共に頑張れています。皆様に出会えて、知らない世界が見えてきて楽しくです。ありがとうございます^_^

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フォトラボkは、やる気があれば初心者でも素敵な作品が撮れるようになります。芸術系美術系大学や専門学校にいくより、はるかにコストパフォーマンスいいのは間違いないです。

というか、やる気のない学生のための講義をする先生が、そういった学校ではほとんどです。その方が先生が人気がでるそうです。ばかばかしい!

そもそも芸術系美術系大学では、口先だけでやる気のない学生が80パーセント近くいます。[ところ]の時代からあまり変わらないのですが。学校は学生の将来のことなんかどうでもいいのです。たくさん入れて、無事に卒業させればいいのです。

学校にいる教授陣も大手メーカーのカメラスクールの先生が大部分で、基礎的な撮影は教えられるでしょうが、本人がファインアート作家の先生はほとんどいません。せいぜい客員教授で、[ところ]のように年に数回話すだけです。

Adobe Photoshopは写真家用のソフトではありません、昔の暗室作業を明るいところでやるために開発されたソフト Adobe Photoshop Lightroomを入れましょうと提案しても、専任教授陣は年をとった方ばかりなので話も通じません。これでは学生がかわいそうです。大学の闇の部分ですね。

もう一つはアンケート至上主義です。ザッカーバーグもスティーブジョブズもそんなことしません。何もわからず、本当の意味でやる気のない学生が七割以上いては、楽ができて優しい先生が親身になったふりをしていれば、たまに来る客員よりは人気が集まるでしょう。

メーカーの配下のカメラマンを量産するだけで終わるのが、今の大学と言ってもいいかもしれません。ここで書いたことに例外の大学も一つありますが、東大より狭き門です。


さて週末の1月16日(土)15時から、広島での個展が始まります。所幸則写真展「アインシュタインロマン」中四国地方初の開催でもあります。

写真家・所幸則の最新作「EINSTEIN ROMANCE(アインシュタイン・ロマンス)」シリーズを集めた作品展を2015年の東京での開催に続き、広島県広島市のアートギャラリー“Creative Lab Node”において開催します。

本作の個展は中四国地方で初の開催となります。現在、個展の開催や写真集出版に力を入れている所幸則の作品を西日本の皆様にもご覧いただきたく、本展を企画いたしました。

「時間」に着目した作品群は、芸術写真として高く評価していただいております。オリジナルプリントをじっくりと鑑賞いただける貴重な機会となります。 なお、ギャラリーオープン日は1月16日から31日までの土・日曜日15時〜20時になります。平日にもオープン日を設定する予定ですが、詳細はこの個展のFacebook(下記アドレス)でお知らせします。
https://www.facebook.com/events/1497770200527513/

作家:所幸則(芸術写真家、大阪芸術大学写真学科客員教授)
会期:2016年1月16日(土)〜31日(日)15:00〜20:00
会場:Creative Lab Node 広島県広島市東区光町2-2-1 1F
gallerynode@gmail.com

・ギャラリートークとオープニングパーティー

所幸則によるギャラリートークを行います。また、初日の16日には会場内でオープニングパーティーを開催します。いずれも入場無料(ドリンクは有料)で、予約は不要です。どなたでも参加できます。

日時:1月16日(日)18:00〜20:00 所幸則によるギャラリートーク
日時:1月17日(日)18:30〜 所幸則によるギャラリートーク

・ワークショップ

所幸則の指導の下、街中での撮影、ポートレート撮影、パソコンを使っての作品制作の体験を行います。参加費は各回8000円で、両方参加の場合は15000円です。参加費には写真集「Einstein Romance」(2015年発行)あるいは「ONE SECOND SHIBUYA vol.1」(2014年発行)が含まれます。

当日はデジタルカメラ、ノートパソコンをご持参ください。撮影後、パソコンを使ってRAW現像を行います。ノートパソコンをお持ちでない方は、会場のパソコン(一台をみなさんで共用)をお使いいただけます。

ワークショップA 人物撮影編 日時:1月17日(日)11:00〜14:00
ワークショップB 街撮影編 日時:1月17日(日)15:00〜18:00

・スペシャルトーク

写真展会場にゲストを招き、所幸則と対談を行います。無料です。

スペシャルトーク1「写真家とフォトフェスティバルの関係(仮題)」
所幸則×杉山武毅氏(“Gallery TANTO TEMPO”ディレクター)
Mt.ROKKO INTERNATIONAL PHOTO FESTIVALディレクターであり、Angkor Photo Festivalコミッティーメンバーでもある杉山武毅氏を招き、フォトフェスティバルの現状と写真家がどう関わるかについて対談します。
日時:1月24日(日)13:00〜

スペシャルトーク2「ファインアートにおける写真(仮題)」
所幸則×河西春奈氏(写真家)
海外での作品展示も多い新進気鋭の写真家・河西春奈氏を招き、ファインアートについて対談を行います。
日時:1月30日(土)16:00〜

・作品レビュー

所幸則が、希望する方の作品を講評する機会を設けます。作品レビューは随時受け付けますので、希望者はCreative Lab Node(gallerynode@gmail.com)までメッセージをお送り下さい。追ってご連絡させていただきます。

アドバイスレベルの作品レビュー(5〜10分程度 )写真集「Einstein Romance」あるいは「ONE SECOND SHIBUYA vol.1」を購入していただくと、レビューを受けることができます。ファインアートを志す方向けの作品レビュー(参加料金10,000円)テーマ、ステイトメント、作品の画像(JPEG)を事前に送付していただき、所幸則の事前の審査を通過された方のみ、レビューを受けることができます。プリントがあれば、当日、持参してください。


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則  http://tokoroyukinori.seesaa.net/
所幸則公式サイト   http://tokoroyukinori.com/


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■メグマガ[05]
日常が 冬の風のように 職を 失う

こいぬまめぐみ
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20160112140100.html
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東日本大震災以降、被災した人々の心のケアをするカウンセラーは、子どもたちに「つなみごっこ」という遊びを提案しているという。その名の通り、保育者や子どもたちが津波役に扮し、逃げ惑う役の人たちに襲いかかるこの遊びには、大人たちは不謹慎だとか教育上相応しくないだとか言って顔をしかめる。

しかし、この「つなみごっこ」には、恐ろしい体験をもたらした津波を子どもたち自身が遊びとして昇華することで、その傷を受け入れて癒す効果があるそうだ。

自分の将来の方向性を概ね決定し、それを言葉に、行動に表していくことを強いられる2016年、そこには漠然とした不安が隣り合っている。

けれど、その「漠然」のサイズを少しでも小さく、さらには少しでも目に見えるものにして楽しむことができたならば、少しだけ気持ちが軽くなるのではないかと思った。そこで思い立ったのが、「5W1H未来ゲーム」である。

まずは百円ショップへ行き、小さな封筒と無地の長方形のシールを買った。家へ帰り、A3のスケッチブックを一枚切り離し、そこに三センチ×三センチ角の正方形を四十個並べ、すごろくのマス目を描いた。

無地の長方形のシールを指の第一関節くらいの大きさで、たくさん切った。七つの封筒のそれぞれに、「いつ(When)」「どこで(Where)」「だれが(Who)」「なにを(What)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」「どうした(Do)」と書いた。そしてサイコロを持って、東中野のカフェへ向かった。

「将来自分はこうなっていたいなとか、この人とこういうことしたいなとか、長い人生こんな出来事もあるかもしれないなとか、なんでもいいから未来に関することを5W1Hを入れて文章にするの。

それを5W1Hで区切って、このシールにひとつひとつ書いていって、たくさん書けたらそれぞれを該当するこの封筒に入れるの。そしてシャッフル。

各ターンのはじまりには、まず、「だれが(Who)」を引いて、その文章の主語を決めるのね。それからサイコロを振って、出た目の数だけ封筒からシールを一枚ずつ引けるの。それをマスに貼っていく。

たとえば、「だれが(Who)」で「めぐが」が出て、サイコロを振って四が出たら、「いつ(When)」「どこで(Where)」「なにを(What)」「どうした(Do)」で四つ、みたいにその文章を具体化するための要素を5W1Hの中から自由に選ぶの。大きな数を引くほど、より具体的な未来になるというわけ。

でもこれは明確なゴールがあるわけでも、正解があるわけでもないの。ただ未来を客観視しながらマスを進めていく、超人生ゲーム」

説明を聞いていた彼がぽつんと言った。

「あなた…すごいな……」

「よし、やろう」

──日常が 冬の風のように 職を 失う
「主語が意味わかんないけどなんか詩みたいだね」

──かおりちゃんが パパと 腹が立ったから 誘拐した
「これはダメなやつ」
「まさかよりによってかおりちゃんが……」

──めぐが 2016年2月 ジョナサンで お金が抑えられるから 寂しそうに つっ
ちーを 呼ばれる
「これは俗に言うATM」
「お金目当てだったのか……」

このシチュエーションありえるぞ、この時点でもう意味わかんない、どうしてこうなった? と一文一文を受け止めながら、ナンセンスな文章にお腹がよじれるほど笑った。

きっと2016年も、もっと先の未来もこんな風に、今このときは考えもしなかった出来事が起こり、それに私たちはあたふた対応していくのだろうなということに、このゲームを考えたときから気づいていた。

その際に、不安を感じることの多くは、選択を強いられる場面だろう。選んだ先で自分がどうなっているかなんてわからない。わからないから、今の自分が持っている選択肢の中から、今、何かを決めるしかない。それがずっと続くのだ。選ぶことを楽しみながら、変わっていくことを恐れない一年でありたいと思った。


【こいぬまめぐみ】
Facebook: こいぬまめぐみ
Twitter: @curewakame
BLOG: http://koinuma-megumi.hateblo.jp/

武蔵大学社会学部メディア社会学科在学中。宣伝会議コピーライター養成講座108期。現在、はてなブログ「インターフォンショッキング」にて、「おもしろい人に自分よりおもしろいと思う友だちを紹介してもらったら、13人目には誰に会えるのか」を検証中。


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編集後記(01/12)

●お正月の風物詩ともいうべき「箱根駅伝」だが、ずいぶん前から実況中継をほとんど見なくなった。妻はマラソンや駅伝のファンで、ほとんどのテレビ中継をしっかり見ており、「箱根駅伝」は最高のお気に入りだ。しかし、わたしは妻に時々状況を聞きに行く程度だ。テレビ中継を見るには忍耐力が必要である。頻繁に入るコマーシャルもうっとうしいが、実況中継がじつに気に入らない。センターの実況アナはともかく、ほかの実況アナのくさいセリフや絶叫が大嫌いだ。もはや我慢できないレベルになっている。走っている選手の家族のことを延々と聞かされるのもつらい。そんなのカンケーねえだろう。

お母さん手作りの応援メッセージとかなんとか、沿道で応援する家族を画面に写し込んで絶叫、ホント狂っているとしか思えない。そして、フラフラになった選手などは最大級の御馳走とばかりに、延々とカメラで捉えて微細に言葉で描写するが、聞いていて不快感全開である。選手のプライベートな情報公開、感動を強要する煽り、不必要な絶叫、本当に不愉快だ。もはや報道ではない。まあずいぶん前からおかしくなっていたのだが。最近、スポーツニュースのサッカーのダイジェストでも、ゴールシーンでたいてい絶叫が入る。アフレコによる演出だろう。実況中継で絶叫しないのはフィギュアスケートだけか。

玉木正之が、2014年12月27日、毎日新聞〈時評・点描〉で、「箱根駅伝、スポーツにあらず」を書いて大きな反響を呼んだ。「『たすきをつなぐ』ことに必死のあまり、科学的なランニングを忘れ『駅伝で燃え尽きる』ランナーが少なくないとの批判もよく耳にする。ましてや高い山を上り下りする箱根のコースは世界のロードレースとしては極めて特殊で、記録は公認されない。その過酷な坂道を走る走者を『山の神』などと称賛すればイベントは盛りあがるだろうが、そんなレースを全国の若いランナーが目指せば、日本の長距離界はさらに優秀な人材を失うだろう」。怪しいスポーツライターの言説だが一理はある。

「参加20大学以外にも予選会で落選した大学でも、一区間の20〜23km程度を走り切るのに全体力を使い果たしてしまうような走者を、『箱根』の為に最長では四年弱をかけて育成するのがおかしくはないのか」「『箱根専用の走者を育成して何処が悪いのか』と言いたい方には『世界の場で通用しないマラソン走者しか育てられなくなっても良いのならば、その点を批判しないのならば、箱根専門競争部との看板でも掛けておかれたらどうか』と前田正晶。その通りだ! 単なる関東ローカルの大学宣伝駅伝を、国民的イベントに仕立て上げた読売グループの手腕はおみごと。誰か正気に戻ってなんとかしてくれないか。(柴田)


●寒中お見舞い申し上げます。今年もよろしくお願いいたします!

箱根駅伝の記録が公認されないとは。近畿在住なせいか、あまり親近感はないんですけど。親近感があると言えば、真田丸。真田山はいま住んでいるところから1kmも離れておらず、大阪城公園へのジョギングコース。茶臼山は通っていた高校のそば。歴史が身近に感じられる。

故人の話なのであまり書きたくはないが、霊能力者がフランスに行って、マリーアントワネットの声が聞こえると言った瞬間、うさんくさいと思ったことがある。

本当に身近な霊が見えるのかもしれないし、占い師みたいに霊の名を借りてアドバイスをする人なのかもしれない。けれど、ここでどれだけの人が処刑されたと思っているんだ、そこから一人の声を拾う? ありえないわと。周囲の期待に流されて、歴史的人物にまで言及するようになったのかもしれない。

真田丸が、茶臼山が、大阪城がとワクワクする一方、ここでたくさんの人が亡くなられたんだなぁ、霊感なくて良かったなぁと胸をなで下ろす。あれ? なぜこんな話に……。 (hammer.mule)