ところのほんとのところ[133]日本の写真教育の遅れなど
── 所 幸則 Tokoro Yukinori ──

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News! 何度も何度も、アマゾンの「所幸則写真集 アインシュタインロマン」にベストセラーマーク! [ところ]がみつけただけで五回目、本当は七回目らしい。素直に嬉しい! って言ってる間に八回目見た!

写真集ランキングなんと20位! 猫写真集や、太もも写真集……1000〜2400円写真集に囲まれてだから大健闘! かな? つられて渋谷の写真集も売れ始めました。そのあとはなぜか、9日〜11日の朝までずっと一位だった。ちょっと事件です。

蒼穹舎全体でもこの一か月以上、ずっとダントツでトップの売上が続いています。毎日一冊以上[ところ]の本が出てるんだそうで、かなり慌てていました。あと三か月、このペースが続けばいいのですが、まあそんなに甘くはないか……

売り切れも困るのが本音だけど。「アインシュタインロマン」も、「渋谷ワンセコンド」も60冊ぐらいは持っていたい、今後の個展のこともあるしね。

さて今回は、どうしようもないアートの現状と、日本の写真教育の遅れについて本気で書こうと思う。





香川県がアート県とか、アートのサンクチュアリ(聖域)なんて言い出した頃に、おいおい、香川県ってそんなことないよ、少なくとも市民レベルでは。ベ○ッセが言わせてるんでしょ、「瀬戸内国際トリエンナーレ」をやるからさ、
ところ]はそう思った。

これにしても、毎回、北川○ラムというアートディレクターが、現代アートに関しては前回イマイチだったけど、それ以外はそれなりの人を連れてくるので、まあ、いいんじゃない、とか思っていました。

ところが写真は、上田○彦、篠山○信、ホン○タカシと毎回、名前だけは有名なお友達に仕事回してあげる的なことしかしないので、本当につまらない。コマーシャルフォトをやる人と、シリアスフォト(ファインアート写真)をやる人とは、世界でははっきり分けられてるんだけど。

とまあ県民はただのお祭りイベント程度の認識しかないし、やってるのは香川県だけど、新幹線があるから岡山県側にホテルを取る人が多くて、岡山にお金が落ちて香川は島を荒らされるだけという惨状(ちゃんと現状復帰しないんです)で、じっさい高松の市内なんかは盛り上がってないしね。

香川の人も島巡りツアーのついでに、ちょっと美術見ますか、ぐらいで「アートのサンクチュアリ」が泣くよ。


ということで、[ところ]が香川県で始めた、ファインアートのいろはを教えるのに写真は身近でいいんじゃないかと提案した活動が、もう七期生が進行中だ。今回はかなり初心者が多く、[ところ]の言ってることわかるかなあと心配していたら、今回は頭のいい人が多く飲み込みが早くて助かりました。

実は自分のカメラを持っていなかったという岩部さんが、とうとう自分のカメラを手に入れてました。写真のレベルが上がったのはそのせいかな。とても上品な素敵な方です。以下、インタービューされていたので挿入しておきます。

e-とぴあ香川のfacebookページでのインタヴュー
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本日開催された「フォト・ラボK」第七期の第四回講座。今回は講師の所幸則氏による作品アドバイスと、e-とぴあ・かがわのプリンタを使ってのプリント実習が行われました。

所氏は、受講生が撮影した写真作品をパソコンに読み込んでプロジェクターに投影し、受講生とコミュニケーションを取りながら、アドバイスしていきます。

「このあたりは明るくした方が」とライトルームというソフトを使って見せていきます。所氏が受講生の作品を画面上で補正して見せる様子は、まさに「マジック!」。的確なアドバイスに受講生から感嘆の声が上がります。

受講生の一人、高松市の岩部典代さん(写真右下)は、まだ写真を撮り始めたばかり。今回は撮影の設定「絞り」についてのアドバイスを受けていました。

岩部さんは、子どもの頃からずっと身近な存在だった栗林公園を、観光目線ではない自分の目線で捉え、写真を通して表現したいと考えています。

「まだまだ自分が思ったように撮影できない」と、岩部さん。「フォト・ラボK」の実習として栗林公園を撮影していくうちに、「自分の目で見たものとは違う、カメラを通して見た栗林公園が見えてきた」のだとか。

最初は「フォト・ラボK」受講生の先輩でもある知り合いから、カメラを借りて撮影している岩部さんでしたが、今は自身のカメラを購入しました。所氏にカメラ選びのコツも熱心に相談されていました。岩部さん自信作の一枚、栗林公園の作品を見られる日が、今から楽しみですね。

岩部典代  所先生にご指導いただけて、感謝です。各々の異なる感性を上手く引き出していただいています。クラスのメンバーにも恵まれて共に頑張れています。皆様に出会えて、知らない世界が見えてきて楽しくです。ありがとうございます^_^

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フォトラボkは、やる気があれば初心者でも素敵な作品が撮れるようになります。芸術系美術系大学や専門学校にいくより、はるかにコストパフォーマンスいいのは間違いないです。

というか、やる気のない学生のための講義をする先生が、そういった学校ではほとんどです。その方が先生が人気がでるそうです。ばかばかしい!

そもそも芸術系美術系大学では、口先だけでやる気のない学生が80パーセント近くいます。[ところ]の時代からあまり変わらないのですが。学校は学生の将来のことなんかどうでもいいのです。たくさん入れて、無事に卒業させればいいのです。

学校にいる教授陣も大手メーカーのカメラスクールの先生が大部分で、基礎的な撮影は教えられるでしょうが、本人がファインアート作家の先生はほとんどいません。せいぜい客員教授で、[ところ]のように年に数回話すだけです。

Adobe Photoshopは写真家用のソフトではありません、昔の暗室作業を明るいところでやるために開発されたソフト Adobe Photoshop Lightroomを入れましょうと提案しても、専任教授陣は年をとった方ばかりなので話も通じません。これでは学生がかわいそうです。大学の闇の部分ですね。

もう一つはアンケート至上主義です。ザッカーバーグもスティーブジョブズもそんなことしません。何もわからず、本当の意味でやる気のない学生が七割以上いては、楽ができて優しい先生が親身になったふりをしていれば、たまに来る客員よりは人気が集まるでしょう。

メーカーの配下のカメラマンを量産するだけで終わるのが、今の大学と言ってもいいかもしれません。ここで書いたことに例外の大学も一つありますが、東大より狭き門です。


さて週末の1月16日(土)15時から、広島での個展が始まります。所幸則写真展「アインシュタインロマン」中四国地方初の開催でもあります。

写真家・所幸則の最新作「EINSTEIN ROMANCE(アインシュタイン・ロマンス)」シリーズを集めた作品展を2015年の東京での開催に続き、広島県広島市のアートギャラリー“Creative Lab Node”において開催します。

本作の個展は中四国地方で初の開催となります。現在、個展の開催や写真集出版に力を入れている所幸則の作品を西日本の皆様にもご覧いただきたく、本展を企画いたしました。

「時間」に着目した作品群は、芸術写真として高く評価していただいております。オリジナルプリントをじっくりと鑑賞いただける貴重な機会となります。 なお、ギャラリーオープン日は1月16日から31日までの土・日曜日15時〜20時になります。平日にもオープン日を設定する予定ですが、詳細はこの個展のFacebook(下記アドレス)でお知らせします。
https://www.facebook.com/events/1497770200527513/


作家:所幸則(芸術写真家、大阪芸術大学写真学科客員教授)
会期:2016年1月16日(土)〜31日(日)15:00〜20:00
会場:Creative Lab Node 広島県広島市東区光町2-2-1 1F
gallerynode@gmail.com

・ギャラリートークとオープニングパーティー

所幸則によるギャラリートークを行います。また、初日の16日には会場内でオープニングパーティーを開催します。いずれも入場無料(ドリンクは有料)で、予約は不要です。どなたでも参加できます。

日時:1月16日(日)18:00〜20:00 所幸則によるギャラリートーク
日時:1月17日(日)18:30〜 所幸則によるギャラリートーク

・ワークショップ

所幸則の指導の下、街中での撮影、ポートレート撮影、パソコンを使っての作品制作の体験を行います。参加費は各回8000円で、両方参加の場合は15000円です。参加費には写真集「Einstein Romance」(2015年発行)あるいは「ONE SECOND SHIBUYA vol.1」(2014年発行)が含まれます。

当日はデジタルカメラ、ノートパソコンをご持参ください。撮影後、パソコンを使ってRAW現像を行います。ノートパソコンをお持ちでない方は、会場のパソコン(一台をみなさんで共用)をお使いいただけます。

ワークショップA 人物撮影編 日時:1月17日(日)11:00〜14:00
ワークショップB 街撮影編 日時:1月17日(日)15:00〜18:00

・スペシャルトーク

写真展会場にゲストを招き、所幸則と対談を行います。無料です。

スペシャルトーク1「写真家とフォトフェスティバルの関係(仮題)」
所幸則×杉山武毅氏(“Gallery TANTO TEMPO”ディレクター)
Mt.ROKKO INTERNATIONAL PHOTO FESTIVALディレクターであり、Angkor Photo Festivalコミッティーメンバーでもある杉山武毅氏を招き、フォトフェスティバルの現状と写真家がどう関わるかについて対談します。
日時:1月24日(日)13:00〜

スペシャルトーク2「ファインアートにおける写真(仮題)」
所幸則×河西春奈氏(写真家)
海外での作品展示も多い新進気鋭の写真家・河西春奈氏を招き、ファインアートについて対談を行います。
日時:1月30日(土)16:00〜

・作品レビュー

所幸則が、希望する方の作品を講評する機会を設けます。作品レビューは随時受け付けますので、希望者はCreative Lab Node(gallerynode@gmail.com)までメッセージをお送り下さい。追ってご連絡させていただきます。

アドバイスレベルの作品レビュー(5〜10分程度 )写真集「Einstein Romance」あるいは「ONE SECOND SHIBUYA vol.1」を購入していただくと、レビューを受けることができます。ファインアートを志す方向けの作品レビュー(参加料金10,000円)テーマ、ステイトメント、作品の画像(JPEG)を事前に送付していただき、所幸則の事前の審査を通過された方のみ、レビューを受けることができます。プリントがあれば、当日、持参してください。


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則  http://tokoroyukinori.seesaa.net/

所幸則公式サイト   http://tokoroyukinori.com/