クリエイター手抜きプロジェクト[450]IoT編 IchigoJamのBASICで楽しもう
── 古籏一浩 ──

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1月15日の小正月を過ぎてしまったのでナントモなところですが、今年初めということで定番のあいさつを。

あけまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

さて、今回は趣向を変えて自動化とは、やや遠いネタです。方向としては、今の自動化とは、やや違う自動化とも言えます。これまでは、Adobeアプリケーションなどの自動化のネタがほとんどでしたが、今後はIoT絡みの自動化もやってみたいと考えてます。




IoTはInternet of Thingsの略で、モノのインターネットということになります。まあ、何でもかんでもネットに接続されるということです。センサーなどのデータがサーバーに送られるのですが、とにかくそのデータは膨大です。特定の会社のサーバーに一極集中するようなのは、どうかと思いますが、自前のサーバーにデータを蓄積することもできます。

現在はスマートフォン全盛(多分2025年頃まで)ですが、やがて個別のセンサーごとに分解され、部屋や車のあちこちにシールで貼り付けるような感じになっていくかもしれません。

コンピューターは単なるシールで、あちこちに貼り付けられているわけです。この場合、コストがネックになりますが昨年の12月に$5(円換算だと600円程度)のコンピューターが登場しました。Raspberry PI ZEROです。

https://www.raspberrypi.org/blog/pi-zero-projects/


そもそも、以前から大量委販売されているRaspberry PIそのものが、5000円程度で安かったというのもあります。

https://www.raspberrypi.org/


でも、600円となると、これはもう全然違います。10か所に設置しても6000円です。例えば部屋の温度を測るにしても、これまでは部屋の一か所だけだったのが天井の温度、床の温度、部屋の入り口など多くの場所に設置できます。より細かく情報を得ることができるわけです。情報が多くなれば、それによって様々な対策をとることも可能になります。

しかし、Raspberry PIは OS(UNIXやWindows)を入れたりする必要があり、やや敷居が高いコンピューターです。他にも有名どころとしてはArduinoがあります。

https://www.arduino.cc/


ArduinoはC++言語ライクなので、こちらも敷居が高めです。様々な機器や言語がでても学習コストが馬鹿にならないので、できれば電源オンですぐに起動して、OSなどのインストールも不要で開発環境を用意しなくてすみ、なおかつ低価格のIoTデバイスがあるとGoodです。

ということで、それに該当するのがIchigoJamという小型BASICパソコンです。

http://ichigojam.net/


IchigoJamのページを見ると「こどもパソコンIchigoJam」とあります。これは、子供向けの学習用コンピューターという位置づけです。が、実際に喜んで使っているのは40〜50代のおじさん達です。この世代は1980年代のマイコンブームの時代にBASIC言語を学習しているからです。

BASICといっても、構造化されたBASICやExcelなどで使われているVIsual BASICなど様々な種類があります。IchigoJamのBASICは古き良き時代の仕様です。行番号がついている以下のようなプログラムです。

10 REM ナマエヒョウジ
20 PRINT "K.F."
30 GOTO 20

ちなみにプログラムとして使えるのは、わずか1KB(1022文字)程度です。今の時代、1GBでも少ないと言われますが、それどころではありません。でも、実際に作成してみるとわずか1KBでも、いろいろなプログラムを作ることができます。

また、開発環境は不要で、電源を入れればすぐに使えます。プログラムは4つまで保存でき、内蔵メモリから読み出すので瞬速です。センサーなどは、直接ICの足の横に刺しこみます。こうなると、もう余計なものが入る余地がまったくなく、素晴らしいほどシンプルです。

ですから、プログラムが動かない場合などにありがちな「マイクロソフトが悪い」といったメーカーに責任を押しつけるような言い訳はできません。シンプルで分かりやすい、それがIchigoJamの魅力のひとつです。

また、値段も1500円(イチゴ)と低価格です。もっとも、1500円の場合は自分で組み立てる(ハンダ付け)必要があります。完成品も販売されており、完成品の場合は2000円程度になります。

低価格ゆえに若干問題となる部分もあります。そのひとつがキーボードです。USBキーボードではなく、1世代前のPS/2キーボードが必要です。USB-PS/2変換コネクタで動作する場合もありますし、うまくいかない場合もあります。

そうは言っても今の時代、PS/2キーボードは1000円もしない安値で売られています。使っていない古いPS/2キーボードがあれば、それを再利用することもできます。

複雑になってしまったコンピューターですが、IchigoJamでコンピューターの基本的な部分を学ぶことができます。すると何がよいのかというと、コンピューターを使う時にトラブルを起こさないようにできる、ということです。

玄人目から見ると、そんなことをしたら駄目です、というような行為は結構あります(デザイナーさんとか、コンピューターを道具として使うような方々)どうして、その行為が駄目なのか多少理解できるようになるかもしれません。

ということで今年はIchigoJamなどのIoT機器と、これまでの自動化のネタなどをおりまぜてやっていこうかと思っています。


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
http://www.openspc2.org/


連載450回だそうです。なんかすごいらしいです。これからも、よろしくお願いします。

IoT機器だけでは自動化はできず、うまくやらないとゴミデータで埋め尽くされてしまいます。ですので、自動化のためにはIoT機器と機械学習のソフトウェアが必要になります。より楽にするには、さらにその上のソフトウェアがないといけないのですが。

地道に絵の練習はしてるものの、思ったほど上達してない。漫画家とかイラスト描く人は凄いなあ、と。とりあえず、可愛い女の子が描ければ、それで用は足りる(ゲームの立ち絵なので)けど、今のペースだと18年後くらいにうまく描ける計算にf(^^;

一年の計は元旦にあり、とは言うけど20年くらいの計になっている……。

・Premiere Pro & Media Encoder自動化サンプル集
http://www.amazon.co.jp/dp/4802090471/


・JavaScriptによるデータビジュアライゼーション入門
http://www.amazon.co.jp/dp/4873117461/


・Photoshop自動化基本編
http://www.amazon.co.jp/dp/B00W952JQW/


・Illustrator自動化基本編
http://www.amazon.co.jp/dp/B00R5MZ1PA/


・Adobe JavaScriptリファレンス
http://www.amazon.co.jp/dp/B00FZEK6J6/


・ExtendScript Toolkit(ESTK)基本編
http://www.amazon.co.jp/dp/B00JUBQKKY/


・データビジュアライゼーションのためのD3.js徹底入門
http://www.amazon.co.jp/dp/4797368861


・4K/ハイビジョン映像素材集
http://www.openspc2.org/HDTV/


・クリエイター手抜きプロジェクト
http://www.openspc2.org/projectX/