crossroads[01]プログラミング教育の現状/若林健一

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こんにちは、若林です。昨年7月から休載しておりましたが、今月からまた復帰することになりました。どうぞ、よろしくお願いいたします。

今回は、昨年ぐらいから教育番組のテーマとなったり、街にプログラミング教室が増えたりと、最近注目の「プログラミング教育」についてとりあげてみたいと思います。





●CoderDojo

CoderDojoとは、ボランティアによる子どものためのプログラミングコミュニティです。まだまだご存知のない方の方も多いとは思いますが、昨年後半ぐらいから認知が進んでおり、今年はさらに加速すると感じています。

これも「プログラミング教育」のひとつの要素ではあるのですが、CoderDojoには学校のような授業も宿題もありません。ボランティアによる活動ですし、一定の基準に達することを約束できません。

どちらかというと「プログラミング教室」というよりは「クラブ活動」のようなものとして受け取っていただければと思います。

初めてDojoに来られた保護者の方や、関心のある保護者の方からは「Dojoに参加すると、何ができるようになりますか?」と聞かれることも多いのですが、Dojoに参加したから何かができるようになるということはありません。

あくまでも「プログラミング」という方法を通して、ものづくりに接する機会であって、実際にそこからどうステップアップしていくのかは本人次第と考えてください、と説明しています。

とはいえ、関心を持った子どもの成長は速く、要求レベルはどんどん上がっていくので、メンター(子ども達をサポートするボランティアの大人や学生)も必死で頑張って、共に成長しているコミュニティ活動なのです。

CoderDojo(英語)
https://coderdojo.com/

CoderDojo Japan
http://www.coderdojo.jp/

●学校教育におけるプログラミング教育

義務教育でも、技術家庭科などでプログラミング教育が取り入れられ、今後さらに強化されると言われています。保護者の方はここに敏感で、CoderDojoに対する関心と期待が高まっている要因にもなっています。

しかし、ここにも過度な期待は禁物で、技術家庭科での取り組み程度であれば、それで何らかのスキルが身につくということは考えにくいと思います。

技術科の時間に椅子を作ったから大工になれるわけではなく、家庭科でポテトサラダを作ったからレストランを開けるわけではありません。

それらもまた、新しい世界を知るきっかけに過ぎず、本格的に取り組むのであれば、自分で勉強したり、高校や大学などで専門的に取り組まなければなりません。義務教育でのプログラミング教育も、当面はこのレベルのものになるように思います。

●STEM教育

私も知ったばかりですが、「プログラミング教育」と同様に最近注目をされつつある言葉に「STEM教育」というものがあります。

"STEM"とは、"Science"(サイエンス)、"Technology"(テクノロジー)、"Engineering"(エンジニアリング)、"Math"(数学)の頭文字で、これらについて特に重点をおいた教育のことをさしています。

「プログラミング教育」というとプログラム言語を学ぶようなイメージになりがちですが、言語を覚えただけではプログラムを作れるようにはなりません。

例えば、3Dのアニメーションを描くプログラムを作るのであれば、数学の知識が必要ですし、ゲームでキャラクターがジャンプして落下するプログラムを作るのであれば、最低限の物理の知識も必要になります。

プログラムを作って動かすためには、コンピュータの基礎的な知識も必要ですし、センサーを扱う場合には、各センサーが扱う情報に関する知識も必要になります。

今年は「プログラミング教育」から「STEM教育」へとシフトする年になりそうです。


【若林健一 / kwaka1208】
Web: http://kwaka1208.net/
Twitter: https://twitter.com/kwaka1208

CoderDojo奈良
http://coderdojo-nara.org/

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