装飾山イバラ道[170]笑いのダークサイド〈ロボットチキン-スター・ウォーズ〉/武田瑛夢

投稿:  著者:  読了時間:5分(本文:約2,100文字)


録画用のHDDの領域が残り少なくなってしまう状況を、解決する方法はいろいろありそうなのに、録画した番組を見ないともったいない気持ちのせいでなかなか消せない。

もっと大きい容量の契約にするか、見たい番組や映画がみつかって時間がある時だけ有料で見る方式に変えるかを選べばいいのかもしれない。

そして、短い録画時間のものなら見て消せばいいので、今年になって見たのが「ロボットチキン」だ。昨年CSで夫がチラっと見かけて、私が好きそうな人形劇だったので教えてくれた。

見たのはエピソード3の途中からだったけれど、面白かったのでその後に放送されたエピソード1とエピソード2を録画した。これはアメリカで2007年に放送されたスター・ウォーズのパロディ人形劇で、ストップ・モーションで撮影されていて手作り感を感じられるものだ。

・ロボットチキン-スター・ウォーズ-エピソード1-DVD
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B008YRDMXS/dgcrcom-22/





「人形劇」だがブラックでシュールな笑いなので、お子様に見せるのには向かない内容。スター・ウォーズファンであれば、元のネタがすぐわかるシーンが満載だ。

ファン必見かもしれないけれど、愛すべきキャラクターたちがぞんざいに扱われているシーンもあるので、見たら怒る人もいるかも?しれない。

ルーカス本人も人形になって出ているし、その声優を本人が務めているのでルーカス公認ということらしい。良かった。これで気兼ねなく笑える。

作品は1エピソード30分に満たない時間のもので、ミニコントのような短さのシーンが次々と展開される。抱腹絶倒のものからフフッと来るもの、何が面白いのかわからず終わるものなどいろいろある。

スター・ウォーズのエピソード1から6までを見直していれば元ネタがすぐにわかるので、その作りの忠実さとふざけ方に驚くと思う。

人形そのものはそれぞれの登場人物に似せて、とてもよく出来ているけれど、人形らしい洋服が浮いてる感じなどがあって可愛い。アニメーションのストップ・モーションの技術そのものは、ふざけた内容のシーンでもすごくちゃんとしていて、かなりの手間がかかっているのがわかる。

ストップ・モーションでは、動作をどの程度まで細かく拾うかを作る人が決めていると思う。これは動きの前振りや余韻がきちんとある、とても生真面目なアニメーションになっているのだ。

作っている内容は「不謹慎な笑い」も多いし、きっと見ている人の心のダークサイドが開かれてしまうに違いない。

あまり人気がないキャラクターと言われている、ジャー・ジャー・ビンクスが座って話しているシーンでは、彼のトレードマークの長い耳が動きに合わせてなめらかに動いている。

話の内容とは関係ないこのなめらかな動きに気がついてしまうと、徹底的にやってやるというアニメーション職人の意地と共に、かなり茶化していることにも気がつく。

その他のアニメーションも動きにかけている手間はすごいのに、表情はというと、口の部分に貼付けたと思われる紙に、描いた口の絵をパクパクと切り替えているだけなのがまた笑える。「あー、口はこれでいいってことにしたんだー」という徹底と妥協が絶妙な感じだ。

愛らしくて人気のキャラクター、小さい熊みたいなイウォーク。これはけっこう無惨にやられていて、イウォーク好きにはキツいシーンが多いと思う。みんなが大好きなイウォークたちが……。

イウォークが可哀想なことになる森林のシーンでは、イウォークの仲間たちが次々と出て来る。このために一体一体の人形が作られていると思うとなかなかすごいなと思う。

私が見たのは日本語吹き替えだったので分かりやすかったし、各シーンが短いので吹き替えで見るのがおすすめだ。Amazonではブルーレイもあるようだ。

録画の短い番組なら、見て消せばいいと思って見たこのロボットキチンだけれど、全体を見た後にまた繰返し見たくなるような作品でもあって、やっぱり消せない。

また新たなスター・ウォーズファンも増えていることだし、ネット動画とも違う手間のかかったパロディ作品として、再び売れちゃったりしそうだ。ロボットキチンもネット動画で予告編が上がってるので、興味のある人は見てみてほしい。


こういう作品って、作っている制作側の人たちが一番面白がっているんだろうなと思う。脚本を担当した人が何人もいるのを見ると、それぞれが面白さやくだらなさで負けないアイデアを出そうとしたのではないかな。

悪ふざけの度合いが適当かどうかはよくわからないけれど、こういうのを見ると地球がまぁまぁ平和で良かったと思えるのだ。


【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/

冬の寒さ対策で、最近外せないのが「布団乾燥機」だ。家のはホースがないタイプなのでセットが簡単だし、ホカホカの布団に包まれると本当に幸せ。冬の布団の冷たさの原因は湿気でもあるらしいので、毎日乾燥させるのはとてもいいみたいだ。