ネタを訪ねて三万歩[130]人間の記憶ってかなり曖昧
── 海津ヨシノリ ──

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今更ながらですが、本年も宜しくお願いします。しかし、年賀状に50円切手だけを貼って投函してしまったのは私です。申し訳ありません。完全なうっかりミスでした。

ということで、相変わらず間抜けなことを繰り返していますが、今年も変わらないでしょうね。さて、一昨年に再開したプラモデルづくりで、昨年はそれほど作品を作れず終わってしまいました。調べたら三つだけでした。

http://kaizu-blog.blogspot.jp/2015/08/001_26.html

http://kaizu-blog.blogspot.jp/2015/05/blog-post_29.html

http://kaizu-blog.blogspot.jp/2015/01/blog-post_29.html


これはかなりストレスが溜まる結果となり、反省してしまいました。じつはいくつか作りかけを残していましたので、勢いをつけて、その中から【ハセガワ1/72/M3グラントMk1中戦車】を頑張って完成させました。砂嵐の後……というイメージです。

http://kaizu-blog.blogspot.jp/2016/01/172-m3mk1.html




もう完全に、ウェザリングを楽しむような方向になっています。調子に乗ってfacebook上に作成したふたつのグループも、少数精鋭で楽しく盛り上がっています。興味のある方はぜひ参加してみて下さい。

・ウェザリング研究会
https://www.facebook.com/groups/study.of.weathering/


・FB錆同好会
https://www.facebook.com/groups/rust.association/


そんなプラモデル三昧的であった正月に、編集部の柴田さんから「海津さんにはいったいいつからデジクリに参加頂いているのかなとふと思って、デジクリブログを覗いたら2005年の2月で、海津さんがお名前表記をカタカナに変えた年だったんですね」というメッセージを頂きました。

ビックリすると同時に「いや、もっと前から執筆していた記憶が……」と思ってみても2005年2月以前のデータがない(直ぐには確認出来ない)わけです。

私の思い違いかもしれないと苦笑いしていたのですが、一時間後に別の案件で古いデータを捜していたら、出て来たのです。Eudoraのデータに古いデジタルクリエイターズの記事があり、私が初めて執筆したのは1999/08/31のNo.0405からであることを知りました。

そして次の瞬間、1999年に生まれた人が学生として来年(2017年)私の授業を履修する現実を知り、冷や汗が出ました。

思い込みは本当に面白いです。例えば、私は今年の「page2016」に久しぶりに登壇するのですが、かなり頻繁に登壇していると勘違いしていました。調べてみると実際には今年が5回目。過去の登壇は以下の通りでした。

page1997 Fractal Expression
page1998 Adobe Photoshop & Illustrator for Windows
page2006 仕事が早く、楽になるMac OS Xの使い方
page2008 Photoshop CS3導入初心者セミナー

というわけで、なんと8年ぶりだったのです。人間の記憶ってかなり曖昧ですね。でも、どうしてこんなに曖昧であったかというと、非公式に登壇していたり、一般来場者として入場したまま、特定のブースでお手伝いしてしまったりしたことがあったからかもしれません。

とにかく、遠い昔の記憶なのに恐ろしいほど正確に覚えているコトもあれば、随分勘違いして記憶していたコトもあったりして不思議です。いや、数年前でも勘違いして覚えているコトがありますね。別に嫌な記憶の話をしているわけではないのですが……とにかく記憶というのは謎過ぎますね。

さて、正月明けの気分が元に戻る頃に必ず訪れる、突発のカリキュラム変更儀式が、私にとってその年の最初の難問なのです。複数の大学で担当している授業コマ数の増減が一気に押し寄せるからです。

大学の都合でコマ数が消滅したり、授業を評価して頂いたことで担当科目が増えたりするのです。一喜一憂とはまさなこのことですね。もちろん、そのこと自体は大きな問題ではないのですが、問題はスケジュール管理です。

例えば、ある大学で3限の授業が組まれた場合、1〜2限の時間帯なら別の大学での講義は可能ですが、当然距離的な問題が大きな壁となります。これは都内の大学だからクリア出来るかというと、意外とダメだったりします。

都内の大学は利便性が良いように思われる方が多いと思いますが、地下鉄などは地上に出るまでの時間が無視できません。また、駅からかなり歩くというのも想定外です。更に、時間割が同じではないことも深刻で、20分ぐらいのズレが発生してしまうことも問題に拍車をかけています。

結果として、正確な移動時間の把握が求められるというわけです。当然新しい組合せが発生する場合は、事前に同じ時間に移動時間の実地テストを行ったりします。できるだけすべての大学に対して迷惑が掛からないような結論を出すのは本当に至難の技です。そんな中で私の中で決めているルールは以下の通りです。

・前年度のスケジュール優先
・連続コマ数優先
・通年科目優先

この優先順位というのも、冷静に考えると面白いですね。ちなみに、地理的問題はあくまでも非優先としています。例えば、遠くの大学と近くの大学であれば、当然近くの大学の方が優先されるべきではありますが、学生のリアクションという観点で見た場合に、

・遠くの大学=学生のリアクションがいい
・近くの大学=学生のリアクションが悪い

という状況なら、私は迷わず遠くの大学を優先します。この場合のリアクションとは、質問が多いだけでなく、学生のマナーも含まれます。例えば、廊下ですれ違っても挨拶のない学生と、挨拶をしてくれる学生と書けば理解して頂けるでしょう。

ビジネスとして割り切れば話は別なのでしょうが、私は教育機関ではビジネスライクにはなれません。

■今月のお気に入りミュージックと映画

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[It's Always You]by She & Him in 2014(U.S.A)

She & Himによるクラッシック・ジャズのカバーアルバム"Classic"に含まれている曲。Jimmy Van Heusenの1941年(?)の曲のようですが、私はよくわかりません。フランク・シナトラの歌(カバー?)なら知っています。相変わらず基本的にカバー曲は好きではないのですが、ズーイー・デシャネルのボーカルは別格ですね。

She & Him


Frank Sinatra


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[Inside Out]by Pete Docter in 2015(U.S.A)

邦題「インサイド・ヘッド」は頂けないですね。原題は作品の内容を物語っていて好感が持てます。作品は、主人公の頭の中に存在する5つの感情たち……ヨロコビ(JOY)、イカリ(ANGER)、ムカムカ(DISGUST)、ビビリ(FEAR)、そしてカナシミ(SADNESS)……。

完全に3Dアニメーションを見るというだけの目的で鑑賞したのですが、それは大きな間違いでした。これは大変優れた作品です。

古い思い出は消えてもいいんだ、それが自然なことなんだよ〜と語りかけるシーンは、正しいのは理解できても、あまりにも切ないです。小さなお子さんのいる方にとってはかなりの直球かもしれません。もちろん、親御さんにとってです。

ちなみに脳内世界にいる不思議キャラクーであるビンボン(Bing Bong)のラストシーンは、お約束の展開と言ってしまえばソレまでですが、忘れられなく切ないです。

ところで、主人公ライリーの嫌いな食べ物として描かれるのは、字幕版は「ブロッコリー」なのに対して、日本語吹替版では「ピーマン」になっているそうです。これは、子供が嫌いな食べ物が、アメリカと日本では違うからだとか。

『インサイド・ヘッド』映画オリジナル最新予告編



【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家

吉井宏さんの勧めで、2000年1月19日から、ほぼ毎日アップ、時には暴発して複数アップしていた作品が、今月23日でなんと5000になりました。正確に日数を計算すると5848日。

つまり本当に毎日1点ずつアップしていたら、5000回目は2013年の9月27日のはずですが、そこはご愛敬で。ちなみに毎日1点が守られ続けたとしたら、10000回目は2027年6月6日ということらになります。まっ、2020年台にはクリア出来そうですね。

さすがに最初の頃はかなり辛くて止めたい衝動に何度も駆られました。どうして続けてこられたのか謎ですが、何か私の中でスイッチが入ったのでしょう。

それでも数年前には、もう無理かもという時があったのですが、facebookを始めてこの毎朝アップのみfacebookにでもアップするようにしたところ、色々なリアクションを頂けるようになり、それでモチベーションが上がったという経緯があります。

スケッチブック感覚なのでお気軽なモノが多いですが、これで終わりではなく、これからもダラダラと続けていきたいと思います。ちなみにデジクリ連載は本号で130回目、セミナーは今月のセッションで308回目……調べて見たら記念すべき(?)300回目は、昨年の名古屋でのセッションでした。とにかく、これからも続けていきたいと思います。

●page2016クリエイティブ・ゾーン
page2016のクリエイティブ・ゾーンに2月3日登壇いたします。

【デザイナーだからこそ控え目かつ大胆に使い切るPhotoshop処世術】
海津流「ツールの正しい間違った使い方」を整理してみたいと思います。詳しくは以下でご確認下さい。

InDesignの勉強部屋
【page2016 クリエイティブゾーンセミナー】
http://study-room.info/id/page2016/#page2016_czs



●2月の画像処理セッションは2月18日の予定です。
〜Photoshopの復習【応用力が付く3D処理】〜
Fuseの登場により突然面白くなってきたPhotoshopの3D機能の可能性を探ってみます。

講演内容
3Dに苦手意識を持っている方にも使いやすいツールです。
・Fuseの基本操作
・CCライブラリーの活用
・背景画像との合成テクニック
・ポージングとアニメーション

参加は無料ですが、申し込みが必要です。
https://www.borndigital.co.jp/seminar/4121.html


yoshinori@kaizu.com
http://www.kaizu.com

http://kaizu-blog.blogspot.com

https://www.facebook.com/yoshinori.kaizu



◎たしかに海津さんのデジクリ初登場は1999年8月31日(第405号)でした。デジクリサイトにちゃんと格納されています。ところが、著者一覧から海津さんの記事一覧を開くと、2005年2月23日(第1696号)からになっていました。

なぜそうなっていたのかというと、初期のバックナンバーではカテゴリ分けがなされておらず、「海津ヨシノリ」さんのものは一括でカテゴリ付けしたものの、「海津宜則」さんの名前のものは失念しておりました。速攻修正して、現在は「海津ヨシノリ」さんカテゴリの記事一覧に納まっています。 (柴田)