ところのほんとのところ[137]フォトラボkとお茶会と個展/所 幸則 Tokoro Yukinori

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●フォトラボkという活動

香川県で活動しているプロジェクト「フォトラボK」7期生の作品が、ほぼまとまった。3月14日から、高松駅の目の前のシンボルタワーの4階にある「e-とぴあ香川」で、終了展が始まります。そして、8期生の募集が開始されます。

東京渋谷に何十年と住んでいた[ところ]が、年齢のために弱ってきている高松の両親のために、しばらく東京・高松二重生活をすることに決めた時、正直、両親の様子を見る以外に、何をして過ごせばいいのかと思っていました。

そんなとき、高松空港で見た「アート県香川」「アートのサンクチュアリ香川」という言葉にびっくりしました。





アートのサンクチュアリ香川という割には、高松にアート、特にファインアート、現代アートのことを知る人がほとんどいないように思われます。そこで、写真という親しみやすいメディアを使って、ファインアートの「いろは」ぐらい教える場があっていいんじゃないだろうかと考えたのです。

ということで、県の施設に話をしに行って、「フォトラボk」をやることになったのです。それが半年で一期が終わるスケジュールなので、この春からもう4年目になります。

正直、[ところ]はやる気だけはちゃんとあるので、カメラを買ったばかりの素人でも、3か月後には芸術系の大学の3年ぐらいまでの域にはほとんどの人が到達します。

学校と違い、お客様扱いしないで、はっきりものが言えるというのも強みだろうと思いますし、中にはもうアートフェアに出してもおかしくないようなレベルの人も出てきています。

興味のある西日本の方は「フォトラボk」で検索してみてはいかがでしょうか。香川県民に限らず徳島、愛媛、広島、京都からくる受講生もいるのでご安心ください。こちらで詳細をごらん下さい。受講申し込みの詳細が書いてあります。
https://www.e-topia-kagawa.jp/kouza/photolab8th.asp

●お茶の会で学ぶこと

「フォトラボk」で講義の後、中條財団の数寄者・中條さんからのお誘いで、お茶の会に行ってまいりました。

一つは、お茶席でのお茶の経験がない人でも入りやすい自由なお茶会。けれど空間は数寄者らしくこだわった、シンプルな木だけでできた新しい茶道の空間でおこなわれました。もう一つは、表千家の毒舌で面白いおばあさんが主人を務めるお茶会。

もともと父が茶器に興味があり、[ところ]も子供のころから茶器に親しんできたこともあり、とても興味深く楽しい会でした。毎月参加しよううかなと思っています。

茶の湯は、日本の伝統文化のひとつですが、単にお菓子を食べてお茶を飲むだけではなく、基本のお点前の稽古を通じて、人と人とのコミュニケーションを円滑にするための礼儀や作法を学びます。

また、道具の扱い方やその性質を知ることで、物を大切にすることや、物の見方、理解のしかたを学びます。

茶の湯は、生活の中のいろいろな要素を含んでいます。日常の挨拶は言うに及ばず、茶席の掃除や稽古のための準備や後片付け、お客様や後の人への配慮の仕方など、人との交渉術について学びます。

道具の素材は、磁器や陶器、金属や木、布や紙など。最近ではガラスや樹脂などもあります。これらの性質や特徴などを良く知り、「見る力」を養います。

また、茶花や書について学ぶことで、日々移ろい行く季節感や歴史について学ぶことも出来ます。

日本のお茶の歴史はざっと八百年くらいあります。それらは、覚えるというよりは、多分に感覚的に捉える性質なことですから、大人になってからよりも、むしろ素直な感性を持つ子どもの時にこそ学ぶべきことではないかと考えています。

実際、子ども達は、好きなことは驚くほど素直に覚えますし、その心は茶の湯に通じていると思います。ぜひ、子ども達にお茶を学ばせてあげて下さい。特に今からの時代には、必要不可欠なことと思うので、娘にも行かせようと思った[ところ]です。

●神戸で写真展「Einstein Romance」開催中

「Einstein Romance」の個展一回目は、東京の青山、丸の内、NY等で現代アート中心の展示を世界的規模で展開している、「アッシュぺー・フランス丸の内での開催をスタートとします(2015年6月20日〜7月30日)。

続いて「東京画」をはじめとして、様々なプロジェクトを展開しているクレー(太田菜穂子)がディレクションしている、東京の「ギャラリーkuu」での開催でした(2015年7月1日〜9月25日)。

そして、現代写真の現在を西日本の人もちゃんと見てもらいたいと思い、理解者たちの協力で東京から広島まで運び、広島市のアートギャラリー「Creative Lab Node」で1月に展示しました。

さらに、西日本で唯一、世界のフォトフェスティバルから、フォトレビュアーや国際的写真展の審査員として招待されている杉山武毅がディレクターをしている、神戸の「ギャラリー・タントテンポ」での個展をいま開催中です。

今では日本でも世界でも、お金さえ出せばが個展ができる、アート好きのオーナーのギャラリーが少なくないのです。でも、そうではない場所。

世界には目利きでもなく、知識も中途半端なギャラリーのオーナーが、ビジネスとして、趣味として、仲良しのアーティストや国内海外を問わず、個展をしてハクをつける人を受け入れています。地方の人はそれを知らないので、海外で個展を開いてすごーいという人がほとんどです。

[ところ]はそういう場所では展示をしませんし、そういう人の商売に乗る気もありません。写真集一つ出すにも、その本に書くあとがき一つにも、その道で世界から信頼されている人にしかお願いしません。

実際、香川の人が一番来やすい場所の中で、最も信頼できるギャラリーでの展示が今回のタントテンポです。客員教授をやっている大阪芸術大学の生徒も来やすい場所だと思います。皆さんぜひ、本物を見に来てください。

◎所幸則写真展 Einstein Romance
2016年2月6日(土)〜3月13日(日)12:00〜18:00 ※月・火・祝日休廊
Gallery TANTO TEMPO(タントテンポ)
神戸市中央区海岸通2丁目4-8 第2日新ビルB1F TEL.078-335-6510
http://tantotempo.jp/web3/

写真家・所幸則によるトーク 3月12日(土)16:00から 参加費1,000 3月6日(日)の15時から18時までは在廊しますので、作家本人に会って話をしたい方は是非どうぞ。ちなみに、個展会場に飾ってない作品でも、写真集「アインシュタインロマン」に掲載されている作品は、オリジナルプリントで買うことができます。詳しくはギャラリーでお訊ねください。お待ちしています。


【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則  http://tokoroyukinori.seesaa.net/
所幸則公式サイト   http://tokoroyukinori.com/