グラフィック薄氷大魔王[466]「ディスプレイと板タブのサイズの関係」他、小ネタ集/吉井 宏

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永遠のテーマ「板タブ苦手をなんとか克服」について、最近「うわ、そういうことだったのか! それを踏まえれば板タブでイケる!」って事実が判明。でも、どんだけ重大事実でも、個人的な思い込みが覆っただけだもんなあ。どう書くか思案中。……と先々週の後記に書いた件です。




●ディスプレイと板タブのサイズの関係

おもしろいことが判明。ペンタブ上の10cmがディスプレイ上で何cmになるか、IntuosのS・M・Lサイズそれぞれで比較してみた。プレシジョンモードはスライダ左端の最大。

・LEDシネマディスプレイ 27インチ
Intuos Sサイズ 通常は38cm:プレシジョンモードで13cm
Intuos Mサイズ 通常は27cm:プレシジョンモードで13cm
Intuos Lサイズ 通常は18cm:プレシジョンモードで13cm

・MacBook Pro 15インチ
Intuos Sサイズ 通常は21cm:プレシジョンモードで11cm
Intuos Mサイズ 通常は15cm:プレシジョンモードで11cm
Intuos Lサイズ 通常は10cm:プレシジョンモードで10cm

・MacBook Air 13インチ
Intuos Sサイズ 通常は18cm:プレシジョンモードで11.5cm
Intuos Mサイズ 通常は13cm:プレシジョンモードで11.5cm
Intuos Lサイズ 通常は9cm:プレシジョンモードで8cm

なんと! シネマディスプレイのプレシジョンモードでは、Intuos S・M・Lで同じ13cmになる。他も、描画範囲よりディスプレイのほうが小さい場合を除き、11cmと11.5cmで揃う。

どういうこと? 今まで、S・M・Lそれぞれのプレシジョンモードで画面に表示されるサイズがマチマチと思ってたけど、どれも同じだったのだ。

ってことはつまり、同一ディスプレイのプレシジョンモードはどのサイズのIntuosでも手の動きと画面で描かれた長さが同じになる!

……何に感動してるのか誰もわかんないでしょw

他、今まで「シネマディスプレイでは大きなIntuos Lがサイズ比が小さいから最も描きやすいはず」と思ってたのが間違いだったこと、サイズ比の差は「MBP15+Intuos M」よりぜんぜん大きいこと。

プレシジョンモードでその差を縮められること。小さすぎると思ってた「Intuos S+MBA」が「Intuos L+シネマ」とサイズ比が同じだったこと。不明だったプレシジョンモードの挙動がわかったこと。などなど。

ほとんどの読者には意味不明だろうけど、板タブが使いづらいと思ってる人には何かの助けになるんじゃないかなと。感覚でしか描きやすさを判断できてなかったのが、板タブを使いこなすための新しい手がかりが、いくつも出来たわけだ。

「普段はLサイズの標準モードでポインティングデバイス的に使い、ドローイングするときにプレシジョンモードで使う」が、たぶん僕にとっては正解だろうな。あと、21インチiMacでIntuos Lを使うのが最高な気がする。

●超特大Intuos

LサイズのIntuosよりもっと大きな板タブがあれば、プレシジョンモードを使わずにあの描きやすさになるぞ。とか思ってたら、ヤバい製品を思い出しちゃった。

Intuos 4までXLってサイズがあったのだ。調べたらまだ現役で売ってる! 外形寸法62.3cm×46.2cm。シネマディスプレイとほぼ同じサイズ、こんなの置けないw
http://store.wacom.jp/detail/1237

●ディスプレイのサイズが板タブ苦手の原因だった?

なんでこんなに板タブ苦手なんだろう? と考えてて、原因かもしれないことに思い至った。Painterメインで仕事してた頃は、特に板タブが苦手という意識は特になかったのに、なぜか。

2000年にシネマディスプレイ(22インチだったけど、横長なこともあって当時はとんでもなく大きく感じた)と、液晶タブレット(15インチ)をほぼ同時期に使い始め、Painterはほとんど液タブで使うようになった。

板タブでめちゃくちゃ描きにくいのは「液タブの描きやすさを知ってしまったことで、ギャップに感じるんだろう」と思ってたが……。

ちがう! MサイズのIntuosに対して22インチのシネマディスプレイが広すぎたんだ。液タブ導入とあわせて環境激変だったから気づかなかったらしい。

シネマと液タブを使い始める前は、21インチのブラウン管ディスプレイ。たった1インチの差と思われるだろうけど、スクエアディスプレイ前提で作られている板タブを横長のシネマディスプレイで使うと、描画範囲がずいぶん狭くなるのだ。

その後、普及した横長ディスプレイに合わせて、横長比率になったIntuos MやLを使い始めたものの、ディスプレイが27インチとさらに大きくなったため、元通りの使いにくさに戻っちゃったわけだ。なるほどー。年代と使用機器のサイズの変遷は考えたことなかった。

●おまけ、2001年秋の机の写真

当時のディスプレイとペンタブを確認した写真。
http://www.yoshii.com/dgcr/200111-DCP_1246.jpg

なんかモノが多くてグチャグチャ。iBookと同じ色のiMacもあったんだけど、割とすぐ売っちゃった。

この写真の中でちょっと誇れるのは、中央左奥の初代ScanSnap。書籍自炊が話題になる十年前から、雑誌の取り込みに使ってたのだ。本棚の本は現在はほとんど売却や自炊によって消滅。椅子はずっと使ってたものが壊れて、アーロンチェアを買う直前だな。机も下のものも一つも残ってない。

あと、この写真からわかるのは、「板タブは手前に傾けて描くのが当たり前」とか言ってるけど、2001年秋の時点では傾けてなかったのは意外。ひょっとして、傾けたから板タブ苦手になったのか?

いや、どうにも描きにくいから、一つの対策として傾けたんだろうな。ディープパープルのIntuos2 M。

Facebookなどで誰かが仕事場や机周りの写真をアップすると、必ずダウンロードしてコレクションしてますw そういうの大好き。特に、過去の写真は当時どんな機材を使ってたかわかって楽しい。


【吉井 宏/イラストレーター】
HP http://www.yoshii.com
Blog http://yoshii-blog.blogspot.com/

何度繰り返すんだこのテーマ。いつか何も苦労せずにペンタブですらすら描ける日が来るんだろうかw

・パリの老舗百貨店Printemps 150周年記念マスコット「ROSEちゃん」
http://departmentstoreparis.printemps.com/news/w/150ans-41500

・rinkakの3Dプリント作品ショップ
https://www.rinkak.com/jp/shop/hiroshiyoshii

・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii

・ハイウェイ島の大冒険
http://kids.e-nexco.co.jp

・App Store「REAL STEELPAN」
https://itunes.apple.com/jp/app/real-steelpan/id398902899?mt=8