[4102] 気がつけば人工知能

投稿:  著者:


《もうほとんどライフワークになってるかも》

■ユーレカの日々[51]
 気がつけば人工知能
 まつむらまきお

■グラフィック薄氷大魔王[471]
 「板タブ水平置き」など、ペンタブ関連小ネタ集
 吉井 宏


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ユーレカの日々[51]
気がつけば人工知能

まつむらまきお
https://bn.dgcr.com/archives/20160406140200.html

───────────────────────────────────


<著者のご意向により削除いたしました>


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■グラフィック薄氷大魔王[471]
「板タブ水平置き」など、ペンタブ関連小ネタ集

吉井 宏
https://bn.dgcr.com/archives/20160406140100.html

───────────────────────────────────

僕の連載の内容の何分の一かがペンタブレット関連。「苦手な板タブをどうにかしたい」について書くことが、もうほとんどライフワークになってるかも。最近いくつか進展というか、新しく試みたことがあるので書きます。

●板タブ水平置き

板タブ(ペンタブレット)も液晶タブレットも、紙も絵具で描いてた時も、傾けて描くのがずーっと当たり前。

基本的に絵は立てて描くもの。机と同じ水平状態で描くなんて考えられない。水平だと紙を斜めから見て描くことになるし、そもそも姿勢がキツいじゃん、と思ってた。

でも、誰かが板タブを使ってるところの写真なんかよく見るけど、たいていの人が水平のまま使ってる。おかしいな。自己流でやってきたけどいっこうに描きにくいまま。それなら、いっそみんながやってる方法でやってみたらどうか?

で、最近試みていたのが、紙もペンタブも水平状態で描くこと。びっくりした。場合によっては、とても描きやすい。

斜めで描くのとどう違うかっていうと、「手の動きが重力の影響を受けないこと」! なるべく下方に垂直に手を垂らす感覚。

クルッと丸を描くとき、ちゃんと丸が描ける。傾けてるとストロークの上向きと下向きで力の加減を変えなきゃいけないのだが、水平だとそれなしでも描ける。そうなのか、なるほど!

液タブや紙の場合、水平で描くのは姿勢がキツいし歪んで見えるけど、板タブなら顔は正面に向けたまま立てた絵を見ながら描けるからマシ。配置の都合上、キーボードが遠くなるのが難点だけど、ちょっと慣れてみよう。

●カッティングマットなしで描く

ペンがツルツルすべるのがイヤで、摩擦調整用にカッティングマットを敷いてる。Mac導入と同時にペンタブを使い始めて以来敷いてるから、24年。もちろんいろんな素材を試したけど、カッティングマット以上にしっくり来るものは見つからなかった。

カッティングマットなしで直接描くと、やはりツルツルでペンの位置が定まらないのは同じなんだけど、クルクルッと描きやすい。

カッティングマットありだと、摩擦に逆らって描いてるから形が描きにくかったのかもしれない。あと、intuosの描画面って、筆圧をかけて描くと摩擦が多少出るんだよね。

●intuosグリップペン

intuosのグリップペンが太くて苦手なので、グリップをはずして細い状態にしたものや、クラシックペンをずっと使ってる。

これまた大半の人がグリップペンを使ってるのを見習ってみようってことで、最も標準的な「水平置き+摩擦調整無し+グリップペン」で描いてみたところ、意外にいい。水平だと握ったペンがいい角度で描画面に接する感じ。

苦手なグリップペンだけど、一点だけ認めてた点がある。クルッと丸の下半分を描くとき、歪まない。グリップ先端が太くなってるせいだと思う。グリップをはずしたペンやクラシックペンではそうならない。

本気ガシガシのラフ清書には向かないとは思うけど、サラサラッとドローイングするには良い! しばらくやってみる。

ついでにintuos Lサイズではなく、ポピュラーなMサイズのほうがやってみたけど、やっぱちょっと無理だった。小さすぎる。プレシジョンモードを使えば悪くないんだけど。

●やはり毎度のスマホネックと斜め置き併用

紙の水平置きが描きやすいからと、調子に乗って数日間やってみたところ、やっぱ首がひどい肩こりに似た感じに。やっぱ姿勢に無理があるじゃないかー! と確認。水平置きの板タブだけで全部できればなあ。

・薬剤師ネット公式ブログ「急増! ストレートネック予備軍! その頭痛や肩こりの原因はスマホかも!?」
http://bit.ly/1ds6AqB


ほんと、マジこれ。数日間、紙や液タブで作業してると、首が痛いのと肩こりと、頭痛。ただ、ストレートネックって呼び方がどうにも馴染まない。首を曲げた結果が真っ直ぐって変でしょ?

重力の影響を受けずにクルクル描く以外では、傾けて描くほうが自然だし。場合によって切り替えよう。または、机の上に水平に紙を置き、立って腰をかがめて描くと首を曲げなくていいから多少はラク。ただ、腰にクルかも。

板タブを使う姿勢で最もラクなのは、アーロンチェアにふんぞり返った状態で、膝に板タブとキーボードのセットを載せて描くこと。

でも、多少右側に寄せないと感覚的に真ん中にならず、重心が安定しない。膝に板タブを置く場合、Lサイズだとでかすぎるので、Mサイズに慣れなきゃいけないのもハードル。

●おまけ1 iPad Proが描きやすいとき

摩擦用のクリアファイルの選択、Pencilのグリップの位置、使用中のブラシの設定、あと体調、などの全部が絶妙にマッチしてるときのiPad Proの描きやすさって信じられないくらいイイ。

もう紙も板タブも液タブも何もいらんくらい描きやすい。しかし、このイイ感じって数時間と続かないんだよなあ、たぶん。でも今この瞬間は絶好調。首に気をつけなきゃ。

●おまけ2 Surface Pro 4の筆圧調整

Surface Pro 4の筆圧調整が「Surfaceアプリ」でできるのは知ってたけど、位置調整が出来るのは知らんかった! コントロールパネルの「タブレットPC設定」の「調整」でワコムの四隅をクリックするみたいなやつが出る。

裁ち落としトンボみたいな交差部分を16か所もクリックしなきゃならないけど、ちゃんと調整出来たぞ! ガラスツルツル問題を除けば、普通に使えそう。


【吉井 宏/イラストレーター】
HP http://www.yoshii.com

Blog http://yoshii-blog.blogspot.com/


板タブ水平置きとツルツルとグリップペン、これだけでも今までの環境とずいぶん変わった。その後、ペンの持ち方についてもちょっと画期的なことがあったので、次回に書きます。

・ショップジャパンのキャラクター「WOWくん」
https://shopjapan.com/wow_kun/


・パリの老舗百貨店Printemps 150周年記念マスコット「ROSEちゃん」
http://departmentstoreparis.printemps.com/news/w/150ans-41500


・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii


・rinkakの3Dプリント作品ショップ
https://www.rinkak.com/jp/shop/hiroshiyoshii



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記(04/06)

●図書館の棚で見つけた福井雄三「司馬遼太郎と東京裁判」を読む(2006、主婦の友社)。なんとも違和感のある組合せだ。「司馬歴史に潜むあるイデオロギー」という文字も表紙にある。なんと「東京裁判史観とまったく同一、東京裁判で連合国が日本国民の意識の底に刷り込もうとした罪の意識、歴史の断絶を、司馬がそっくりそのまま代弁している」のだという。司馬ファンであり、東京裁判を認めない(といってもごまめの歯ぎしりだが)わたしとしては、これはもう読むしかないだろう。恥ずかしながら、わたしは司馬の歴史認識の背後にひそむ誤謬や落とし穴に気がつかなかった。ただただ面白く読んでいた。

司馬のライフワークは、第一部・幕末「竜馬が行く」、第二部・明治初頭から西南戦争までの10年間「翔ぶが如く」、第三部・西南戦争から日露戦争までの明治時代「坂の上の雲」の三部作である。[幕末の頃から日本の社会に巣くっていた、宗教的な狂信とでもいうべき攘夷思想が、昭和になって息をふきかえし、無智な軍人の頭脳を妄想に駆りたて、ついに大東亜戦争をひきおこして、数百万の国民を死に追いやった]という「竜馬が行く」で現れた司馬のつぶやきは、その後呪詛のようにくり返し現れ続ける。司馬は第四部・ノモンハンでその総仕上げ「昭和の日本=悪玉」を書く予定だったが果たせず亡くなった。

「司馬史観が戦後の自虐史観から日本国民が脱却するのに非常に大きな役割を果たしたといわれているが、実は東京裁判史観と根底のところでつながっている」。司馬史観は両刃の剣なのだ。日露戦争に勝った明治の日本は正しかったが、大東亜戦争に負けた昭和の日本は間違いであり、昭和前期の日本は自ら蒔いた悪の種によって自滅していった暗黒の時代だ……などというのは、あまりにも一方的な歴史観であり、東京裁判が日本国民の意識の底に刷り込もうとしたものそのままである。戦争とは、国際政治の座標軸で客観的に相対化してとらえる視点が必要だが、司馬史観にも東京裁判史観にもそれがない。

司馬史観は東京裁判の延長である。司馬自身が意識するとせざるにかかわらず、司馬の歴史観は「閉ざされた言語空間」(by江藤淳)の掌中で踊らされていたのだ、と筆者は確信する。司馬のあまりに筋道立った歴史解釈を、「合い鍵をもって矛盾を解決した歴史」と福田恆存は喝破する。「今こそわれわれは戦後教育の刷り込みや先入観から解き放たれて、日本が戦った戦争を曇りなき歴史認識で総括し直す時期に来ている」。これは心すべき重大な指摘である。とはいえ、司馬遼太郎の小説は最高に面白い。幕末以前の、史観なんて多分出てこない、鳥瞰で時代を描く痛快な小説を今後もずっと楽しむつもりだ。 (柴田)

福井雄三「司馬遼太郎と東京裁判」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4072531901/dgcrcom-22/



●音声操作欲しい!/「ココロボ」がテレビと会話するという後記ストックが。/EQか……。自分は発達障害じゃないかと思うことが時々あるよ。

名古屋ウィメンズマラソン続き。ホテルは5か月も前から予約していたのに「あいにく満室でして、禁煙ルームはご用意できませんでした。消臭処理をしておきました。」とのこと。

無理ならすぐに連絡して欲しかったわ。マラソン大会に出る、気管支弱いって書いておいたのに。東京のホテルだと、こんな扱いはないのになぁ。

エレベーターのドアが開いたら、めっちゃタバコの臭い。部屋は消臭されていると信じてドアを開けたらフロアより臭い。これ絶対消臭なんてしてないって。

去年の別ホテル「トイレのボタン激重+のぞき窓にトイレットペーパー」に続いて、今年もこういうパターンですか……。駅前のホテルって競争しなくてもいいんだなぁ。電化製品や部屋の隅には埃が積もっていた。

少ししか開かない窓を開け、止まっていたエアコンを強にする。とにかく換気だ。そして消臭剤を壁、床、ベッドなどに吹きつける。灰皿が目に止まって激昂し、叩きつけたくなった。

言っておくが、仕事業界的に喫煙者の比率は高く、多少は慣れている。ヒステリックな嫌煙家ではない。そんな私でも耐えられないぐらいの臭いだったのだ。大会参加前で超神経質になっているという理由も加わっていた。 (hammer.mule)

ココロボの黒執事バージョンを企画した人すごいわ