グラフィック薄氷大魔王[471]「板タブ水平置き」など、ペンタブ関連小ネタ集/吉井 宏

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僕の連載の内容の何分の一かがペンタブレット関連。「苦手な板タブをどうにかしたい」について書くことが、もうほとんどライフワークになってるかも。最近いくつか進展というか、新しく試みたことがあるので書きます。

●板タブ水平置き

板タブ(ペンタブレット)も液晶タブレットも、紙も絵具で描いてた時も、傾けて描くのがずーっと当たり前。

基本的に絵は立てて描くもの。机と同じ水平状態で描くなんて考えられない。水平だと紙を斜めから見て描くことになるし、そもそも姿勢がキツいじゃん、と思ってた。

でも、誰かが板タブを使ってるところの写真なんかよく見るけど、たいていの人が水平のまま使ってる。おかしいな。自己流でやってきたけどいっこうに描きにくいまま。それなら、いっそみんながやってる方法でやってみたらどうか?

で、最近試みていたのが、紙もペンタブも水平状態で描くこと。びっくりした。場合によっては、とても描きやすい。

斜めで描くのとどう違うかっていうと、「手の動きが重力の影響を受けないこと」! なるべく下方に垂直に手を垂らす感覚。

クルッと丸を描くとき、ちゃんと丸が描ける。傾けてるとストロークの上向きと下向きで力の加減を変えなきゃいけないのだが、水平だとそれなしでも描ける。そうなのか、なるほど!

液タブや紙の場合、水平で描くのは姿勢がキツいし歪んで見えるけど、板タブなら顔は正面に向けたまま立てた絵を見ながら描けるからマシ。配置の都合上、キーボードが遠くなるのが難点だけど、ちょっと慣れてみよう。



●カッティングマットなしで描く

ペンがツルツルすべるのがイヤで、摩擦調整用にカッティングマットを敷いてる。Mac導入と同時にペンタブを使い始めて以来敷いてるから、24年。もちろんいろんな素材を試したけど、カッティングマット以上にしっくり来るものは見つからなかった。

カッティングマットなしで直接描くと、やはりツルツルでペンの位置が定まらないのは同じなんだけど、クルクルッと描きやすい。

カッティングマットありだと、摩擦に逆らって描いてるから形が描きにくかったのかもしれない。あと、intuosの描画面って、筆圧をかけて描くと摩擦が多少出るんだよね。

●intuosグリップペン

intuosのグリップペンが太くて苦手なので、グリップをはずして細い状態にしたものや、クラシックペンをずっと使ってる。

これまた大半の人がグリップペンを使ってるのを見習ってみようってことで、最も標準的な「水平置き+摩擦調整無し+グリップペン」で描いてみたところ、意外にいい。水平だと握ったペンがいい角度で描画面に接する感じ。

苦手なグリップペンだけど、一点だけ認めてた点がある。クルッと丸の下半分を描くとき、歪まない。グリップ先端が太くなってるせいだと思う。グリップをはずしたペンやクラシックペンではそうならない。

本気ガシガシのラフ清書には向かないとは思うけど、サラサラッとドローイングするには良い! しばらくやってみる。

ついでにintuos Lサイズではなく、ポピュラーなMサイズのほうがやってみたけど、やっぱちょっと無理だった。小さすぎる。プレシジョンモードを使えば悪くないんだけど。

●やはり毎度のスマホネックと斜め置き併用

紙の水平置きが描きやすいからと、調子に乗って数日間やってみたところ、やっぱ首がひどい肩こりに似た感じに。やっぱ姿勢に無理があるじゃないかー! と確認。水平置きの板タブだけで全部できればなあ。

・薬剤師ネット公式ブログ「急増! ストレートネック予備軍! その頭痛や肩こりの原因はスマホかも!?」
http://bit.ly/1ds6AqB

ほんと、マジこれ。数日間、紙や液タブで作業してると、首が痛いのと肩こりと、頭痛。ただ、ストレートネックって呼び方がどうにも馴染まない。首を曲げた結果が真っ直ぐって変でしょ?

重力の影響を受けずにクルクル描く以外では、傾けて描くほうが自然だし。場合によって切り替えよう。または、机の上に水平に紙を置き、立って腰をかがめて描くと首を曲げなくていいから多少はラク。ただ、腰にクルかも。

板タブを使う姿勢で最もラクなのは、アーロンチェアにふんぞり返った状態で、膝に板タブとキーボードのセットを載せて描くこと。

でも、多少右側に寄せないと感覚的に真ん中にならず、重心が安定しない。膝に板タブを置く場合、Lサイズだとでかすぎるので、Mサイズに慣れなきゃいけないのもハードル。

●おまけ1 iPad Proが描きやすいとき

摩擦用のクリアファイルの選択、Pencilのグリップの位置、使用中のブラシの設定、あと体調、などの全部が絶妙にマッチしてるときのiPad Proの描きやすさって信じられないくらいイイ。

もう紙も板タブも液タブも何もいらんくらい描きやすい。しかし、このイイ感じって数時間と続かないんだよなあ、たぶん。でも今この瞬間は絶好調。首に気をつけなきゃ。

●おまけ2 Surface Pro 4の筆圧調整

Surface Pro 4の筆圧調整が「Surfaceアプリ」でできるのは知ってたけど、位置調整が出来るのは知らんかった! コントロールパネルの「タブレットPC設定」の「調整」でワコムの四隅をクリックするみたいなやつが出る。

裁ち落としトンボみたいな交差部分を16か所もクリックしなきゃならないけど、ちゃんと調整出来たぞ! ガラスツルツル問題を除けば、普通に使えそう。


【吉井 宏/イラストレーター】
HP http://www.yoshii.com
Blog http://yoshii-blog.blogspot.com/

板タブ水平置きとツルツルとグリップペン、これだけでも今までの環境とずいぶん変わった。その後、ペンの持ち方についてもちょっと画期的なことがあったので、次回に書きます。

・ショップジャパンのキャラクター「WOWくん」
https://shopjapan.com/wow_kun/

・パリの老舗百貨店Printemps 150周年記念マスコット「ROSEちゃん」
http://departmentstoreparis.printemps.com/news/w/150ans-41500

・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii

・rinkakの3Dプリント作品ショップ
https://www.rinkak.com/jp/shop/hiroshiyoshii